錦繍

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評判

錦繍の評価:

4.38/5点 レビュー 191件。 B ランク

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平均点4.38pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全377件 21〜40 2/19ページ
No.357
(5pt)

愛を抑制的に表現した傑作

なんというか、切ない読後感である。人生なんて思うようにいかないことばかりだし、愛と幸福が必ずしも両立するとは限らないよな。。そんなことを感じた作品。

かつて、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが 『人間の土地』 の中で「愛とは、お互いに見つめあうことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」と書いていたのを思い出す。離婚した元夫婦が交わす書簡には人生の哀しみが溢れているが、同時に深い愛も感じられる。離婚して10年が経ち、それぞれに全く別の人生を歩んでいたとしても、見つめる先にあるものがお互いの幸福であるならば、そこには深い愛が存在するはずである。その愛の表象として、本作ではモーツァルトの交響曲第39番が鳴り響く。

『錦繍』は、愛の抑制的なひとつの在り方を表現した素晴らしい傑作だと思う。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.356
(5pt)

愛を抑制的に表現した傑作

なんというか、切ない読後感である。人生なんて思うようにいかないことばかりだし、愛と幸福が必ずしも両立するとは限らないよな。。そんなことを感じた作品。

かつて、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが 『人間の土地』 の中で「愛とは、お互いに見つめあうことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」と書いていたのを思い出す。離婚した元夫婦が交わす書簡には人生の哀しみが溢れているが、同時に深い愛も感じられる。離婚して10年が経ち、それぞれに全く別の人生を歩んでいたとしても、見つめる先にあるものがお互いの幸福であるならば、そこには深い愛が存在するはずである。その愛の表象として、本作ではモーツァルトの交響曲第39番が鳴り響く。

『錦繍』は、愛の抑制的なひとつの在り方を表現した素晴らしい傑作だと思う。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.355
(5pt)

愛の抑制的なひとつの在り方を表現した傑作

なんというか、切ない読後感である。人生なんて思うようにいかないことばかりだし、愛と幸福が必ずしも両立するとは限らないよな。。そんなことを感じた作品。

かつて、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが 『人間の土地』 の中で「愛とは、お互いに見つめあうことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」と書いていたのを思い出す。離婚した元夫婦が交わす書簡には人生の哀しみが溢れているが、同時に深い愛も感じられる。離婚して10年が経ち、それぞれに全く別の人生を歩んでいたとしても、見つめる先にあるものがお互いの幸福であるならば、そこには深い愛が存在するはずである。その愛の表象として、本作ではモーツァルトの交響曲第39番が鳴り響く。

『錦繍』は、愛の抑制的なひとつの在り方を表現した素晴らしい傑作だと思う。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.354
(5pt)

愛の抑制的なひとつの在り方を表現した傑作

なんというか、切ない読後感である。人生なんて思うようにいかないことばかりだし、愛と幸福が必ずしも両立するとは限らないよな。。そんなことを感じた作品。

かつて、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが 『人間の土地』 の中で「愛とは、お互いに見つめあうことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」と書いていたのを思い出す。離婚した元夫婦が交わす書簡には人生の哀しみが溢れているが、同時に深い愛も感じられる。離婚して10年が経ち、それぞれに全く別の人生を歩んでいたとしても、見つめる先にあるものがお互いの幸福であるならば、そこには深い愛が存在するはずである。その愛の表象として、本作ではモーツァルトの交響曲第39番が鳴り響く。

『錦繍』は、愛の抑制的なひとつの在り方を表現した素晴らしい傑作だと思う。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.353
(4pt)

感動

全て手紙で綴られた小説、男女のその時の思い、愛情を書簡で表現して、中々素晴らしい。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.352
(4pt)

感動

全て手紙で綴られた小説、男女のその時の思い、愛情を書簡で表現して、中々素晴らしい。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.351
(3pt)

良さがわからなかった

タイトルに惹かれて初めて宮本輝を読んでみたが、何でこんなに高評価なのか理解できなかった。出だしはわくわくさせるものがあったけれど、昭和っぽい男女(かつての夫婦)が偶然の再会をきっかけに手紙のやりとりをしながら、過去を振り返り気持ちの整理をし、最後は未来志向になりましたみたいな話で、あまり面白くない。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.350
(3pt)

良さがわからなかった

タイトルに惹かれて初めて宮本輝を読んでみたが、何でこんなに高評価なのか理解できなかった。出だしはわくわくさせるものがあったけれど、昭和っぽい男女(かつての夫婦)が偶然の再会をきっかけに手紙のやりとりをしながら、過去を振り返り気持ちの整理をし、最後は未来志向になりましたみたいな話で、あまり面白くない。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.349
(3pt)

懐古調な香り

知り合いに進められて読んでみた。文章を読んで情景が浮かんで来るし、こんな事て人生で起こりうるよなと現実性も高い。が、現代にマッチしてない感性かもとも思う。

主人公の有馬靖明と由香子、亜紀、玲子という3人の女性の物語が書簡形式で進んでゆく。ヒロインは亜紀。個人的には由香子との防波堤の部分を記述した手紙がが好きだけれど、ひとそれぞれだろう。「錦繡」という題名を付けているんだから、「人生も縺れ絡まりあい」、「宇宙・人の生死のからくり」とかを主題にしたんだろうなとか思う。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.348
(3pt)

懐古調な香り

知り合いに進められて読んでみた。文章を読んで情景が浮かんで来るし、こんな事て人生で起こりうるよなと現実性も高い。が、現代にマッチしてない感性かもとも思う。

主人公の有馬靖明と由香子、亜紀、玲子という3人の女性の物語が書簡形式で進んでゆく。ヒロインは亜紀。個人的には由香子との防波堤の部分を記述した手紙がが好きだけれど、ひとそれぞれだろう。「錦繡」という題名を付けているんだから、「人生も縺れ絡まりあい」、「宇宙・人の生死のからくり」とかを主題にしたんだろうなとか思う。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.347
(5pt)

なつかしい一冊

新聞の今週の本棚というページになつかしい+一冊を俳優の南沢奈央さんが選んでいました。紅葉に染まる蔵王での元夫婦の十年越しの再会。14通の往復書簡。辛いお話でしたが、最後には力をもらえたような気がした一冊です。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.346
(5pt)

なつかしい一冊

新聞の今週の本棚というページになつかしい+一冊を俳優の南沢奈央さんが選んでいました。紅葉に染まる蔵王での元夫婦の十年越しの再会。14通の往復書簡。辛いお話でしたが、最後には力をもらえたような気がした一冊です。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.345
(5pt)

素晴らしく、また、読み直します

言葉が美しく、主人公は、社長令嬢に生まれ、結婚式もさぞ立派なお式をあげたのでしょうね
でも本人の知らざるところで状況が一変して、また次の結婚も….お父さん助けてください
そこが私はこの物語で、一番好きですしお父様もそうなさるでしょう
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.344
(5pt)

素晴らしく、また、読み直します

言葉が美しく、主人公は、社長令嬢に生まれ、結婚式もさぞ立派なお式をあげたのでしょうね
でも本人の知らざるところで状況が一変して、また次の結婚も….お父さん助けてください
そこが私はこの物語で、一番好きですしお父様もそうなさるでしょう
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.343
(3pt)

美しい文章で綴られた悲恋物語

泰明と亜紀が仲良く暮らしていたら幸せだったのにそうならなかった、この小説はロミオとジュリエット的な古典的な悲恋。
不倫相手の由香子はファムファタルというべき魅力的な女性で、運命的に泰明を翻弄する。
一方の泰明は誘惑に弱く、優柔不断で、それが由香子にこの男を手に入れたい、でも手に入れられないと葛藤をさせ、事件を起こさせてしまった。
そういう意味で泰明もオムファタルというべき存在になっている。
ファムファタルとオムファタルが出会えば、破滅的になるのは必然。

泰明は書評で叩かれがちだけど、女性としてこの男性の魅力はよく分かる。色気がある。
由香子に強く惹かれる、でも亜紀も穏やかに愛している。
これは女性を狂わせる。
由香子、亜紀、令子はそれぞれ魅力的で、泰明は惹かれたり、居心地よさを感じていたりはするけれど、では一番愛している、愛していたのは誰と考えるとどの女性でもない。
罪な男。だけど、現実にこの手の男性はいて、関わる女性を苦しめる。

生きていることと死んでいることは・・のくだりは、テーマと絡めてよく取り上げられるけれど、特に意味はないと感じた。物語を飾る綺麗な刺繍の一つ。
「人間の業」についても、それほどのことが書かれているとも感じなかった。

美しい文章で綴られた悲恋物語。
それ以上でもなくそれ以下でもない。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.342
(3pt)

美しい文章で綴られた悲恋物語

泰明と亜紀が仲良く暮らしていたら幸せだったのにそうならなかった、この小説はロミオとジュリエット的な古典的な悲恋。
不倫相手の由香子はファムファタルというべき魅力的な女性で、運命的に泰明を翻弄する。
一方の泰明は誘惑に弱く、優柔不断で、それが由香子にこの男を手に入れたい、でも手に入れられないと葛藤をさせ、事件を起こさせてしまった。
そういう意味で泰明もオムファタルというべき存在になっている。
ファムファタルとオムファタルが出会えば、破滅的になるのは必然。

泰明は書評で叩かれがちだけど、女性としてこの男性の魅力はよく分かる。色気がある。
由香子に強く惹かれる、でも亜紀も穏やかに愛している。
これは女性を狂わせる。
由香子、亜紀、令子はそれぞれ魅力的で、泰明は惹かれたり、居心地よさを感じていたりはするけれど、では一番愛している、愛していたのは誰と考えるとどの女性でもない。
罪な男。だけど、現実にこの手の男性はいて、関わる女性を苦しめる。

生きていることと死んでいることは・・のくだりは、テーマと絡めてよく取り上げられるけれど、特に意味はないと感じた。物語を飾る綺麗な刺繍の一つ。
「人間の業」についても、それほどのことが書かれているとも感じなかった。

美しい文章で綴られた悲恋物語。
それ以上でもなくそれ以下でもない。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.341
(2pt)

如何にも、不自然・不可解!

・人はそんなにも寛大になれるだろうか。5年の熱い恋愛を経て結婚した夫が、新婚2年少しなのに、1年もの間昔知った女と密会を繰り返し、挙句に女の仕掛けた心中に巻き込まれて事件となった、また後に再婚した夫も、障害を負って生まれた子がありながら、愛し得なかったにしろ、他の女に走り子まで成した、それら男たちを、自分にも至らぬ点があったと思えたからとして。
 怒りや憎しみを抱いて生きるのは、如何にも辛い、故にもうそんな男たちは忘れた、それならまだ分るが、愛しく思ったり、許せるとは。
 更にモーツァルトのシンフォニーを聴いて、「生きていることと、死んでいることは、もしかしたら同じこと」のフレーズが、この小説の主題でもあるかのように繰り返されるが、此れもまた不可解。
 結局、割り切れぬままに、この小説を終わった。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.340
(2pt)

如何にも、不自然・不可解!

・人はそんなにも寛大になれるだろうか。5年の熱い恋愛を経て結婚した夫が、新婚2年少しなのに、1年もの間昔知った女と密会を繰り返し、挙句に女の仕掛けた心中に巻き込まれて事件となった、また後に再婚した夫も、障害を負って生まれた子がありながら、愛し得なかったにしろ、他の女に走り子まで成した、それら男たちを、自分にも至らぬ点があったと思えたからとして。
 怒りや憎しみを抱いて生きるのは、如何にも辛い、故にもうそんな男たちは忘れた、それならまだ分るが、愛しく思ったり、許せるとは。
 更にモーツァルトのシンフォニーを聴いて、「生きていることと、死んでいることは、もしかしたら同じこと」のフレーズが、この小説の主題でもあるかのように繰り返されるが、此れもまた不可解。
 結局、割り切れぬままに、この小説を終わった。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.339
(5pt)

映し鏡たる「手紙」は、過去、現在、そして未来をも描き出す

恋愛結婚のこの後始末小説は「手紙」形式を採り、[夢破れて青山あり、心虚(うつ)ろにして後悔深し]を地で往く離婚した元夫婦の男女二人を主人公とする。住まいのある阪神香櫨園と大阪市内は電車で一時間圏内なのに、二人の心理的距離感は相当なもの。だから「手紙」が活躍する。

十年一昔、年月を隔て陸奥(みちのく)の地で偶然再会した男は落魄苦悩を滲ませ、再婚した女は脚の不自由な子供を連れる。三十路半ばに至った男女は挨拶のあとは無言。「思いがけぬ再会が、私に例の少女じみた空想癖を呼び醒まし」た騒(さざ)めきから、女は手紙の筆を執る。無粋なスマホや電子メールが無いこの時代が懐かしい。

予期せぬ返信で、離婚を招いた無理心中事件で死んだ女が、十四歳の頃に転入先の舞鶴の中学校で知り合った初恋相手だったと元夫から告げられる。懺悔を迫る手紙の遣り取りを拒む元夫に、心の澱(おり)を愚痴や嫉妬と一緒にぶち撒ける元妻は「手紙」攻撃を止めない。未練なのか、強迫観念ゆえか。

「モーツァルト」喫茶店の火災焼失、鼠を弄び尻尾を残して喰い千切った猫、男の同棲相手が語る祖母の奇形の左手、気立ての良さが取り柄の無口な同棲女が預金を叩(はた)いても男に勧める新商売(美容院向けPR誌)の提案、主人公たちの行方にすべて繋がろうとは…。

同棲女は不平をこぼす男を眺めて破顔一笑、「うちはあんたを一年間飼(こ)うて来たんや」と冗談めかした口振り。「やっぱり、あんたはたいしたもんやわ」と男の成果に大いに感心し、「そやけど、月末の配達は、あんたがしてくれるんやろ?」とちゃっかり追い撃ちを掛ける。俄然、面白うなってきた。救いは関西弁とともに来ぬ、か。

「手紙」は書き手の過去、現在、そして未来をも描き出す映し鏡のようなもの。艶やかな着物も、一本一本が細い撚糸の交錯で生まれる。目には見えない赤い糸や運命の糸が組み合わさり、こんがらがったりして、人生はより複雑に彩(いろど)られる。

実りの秋に読み耽るべき本作で作者は、不幸の連鎖と決別し再生への意欲に目覚めた男女の未来を読者に仄めかしつつ、手紙の往還を昇華された愛情交歓のうちに見事に締め括った。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.338
(5pt)

映し鏡たる「手紙」は、過去、現在、そして未来をも描き出す

恋愛結婚のこの後始末小説は「手紙」形式を採り、[夢破れて青山あり、心虚(うつ)ろにして後悔深し]を地で往く離婚した元夫婦の男女二人を主人公とする。住まいのある阪神香櫨園と大阪市内は電車で一時間圏内なのに、二人の心理的距離感は相当なもの。だから「手紙」が活躍する。

十年一昔、年月を隔て陸奥(みちのく)の地で偶然再会した男は落魄苦悩を滲ませ、再婚した女は脚の不自由な子供を連れる。三十路半ばに至った男女は挨拶のあとは無言。「思いがけぬ再会が、私に例の少女じみた空想癖を呼び醒まし」た騒(さざ)めきから、女は手紙の筆を執る。無粋なスマホや電子メールが無いこの時代が懐かしい。

予期せぬ返信で、離婚を招いた無理心中事件で死んだ女が、十四歳の頃に転入先の舞鶴の中学校で知り合った初恋相手だったと元夫から告げられる。懺悔を迫る手紙の遣り取りを拒む元夫に、心の澱(おり)を愚痴や嫉妬と一緒にぶち撒ける元妻は「手紙」攻撃を止めない。未練なのか、強迫観念ゆえか。

「モーツァルト」喫茶店の火災焼失、鼠を弄び尻尾を残して喰い千切った猫、男の同棲相手が語る祖母の奇形の左手、気立ての良さが取り柄の無口な同棲女が預金を叩(はた)いても男に勧める新商売(美容院向けPR誌)の提案、主人公たちの行方にすべて繋がろうとは…。

同棲女は不平をこぼす男を眺めて破顔一笑、「うちはあんたを一年間飼(こ)うて来たんや」と冗談めかした口振り。「やっぱり、あんたはたいしたもんやわ」と男の成果に大いに感心し、「そやけど、月末の配達は、あんたがしてくれるんやろ?」とちゃっかり追い撃ちを掛ける。俄然、面白うなってきた。救いは関西弁とともに来ぬ、か。

「手紙」は書き手の過去、現在、そして未来をも描き出す映し鏡のようなもの。艶やかな着物も、一本一本が細い撚糸の交錯で生まれる。目には見えない赤い糸や運命の糸が組み合わさり、こんがらがったりして、人生はより複雑に彩(いろど)られる。

実りの秋に読み耽るべき本作で作者は、不幸の連鎖と決別し再生への意欲に目覚めた男女の未来を読者に仄めかしつつ、手紙の往還を昇華された愛情交歓のうちに見事に締め括った。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X