ゴールデン街コーリング

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

ゴールデン街コーリングの評価:

4.45/5点 レビュー 20件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.45pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全39件 1〜20 1/2ページ
No.39
(5pt)

面白かったです

リアルタイムですので、ゴールデン街にはよく行きました。
ゴールデン街コーリング (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ゴールデン街コーリング (角川文庫)より
4041118778
No.38
(5pt)

面白かったです

リアルタイムですので、ゴールデン街にはよく行きました。
ゴールデン街・コーリング Amazon書評・レビュー: ゴールデン街・コーリングより
4041070015
No.37
(5pt)

面白かった。ゴールデン街の情景が浮かびます。

最近の馳星周で一番面白かった。
ゴールデン街コーリング (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ゴールデン街コーリング (角川文庫)より
4041118778
No.36
(5pt)

面白かった。ゴールデン街の情景が浮かびます。

最近の馳星周で一番面白かった。
ゴールデン街・コーリング Amazon書評・レビュー: ゴールデン街・コーリングより
4041070015
No.35
(5pt)

馳星周の青春時代

馳星周の私小説。少しのデフオルメはあるが、面白い
ゴールデン街コーリング (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ゴールデン街コーリング (角川文庫)より
4041118778
No.34
(5pt)

馳星周の青春時代

馳星周の私小説。少しのデフオルメはあるが、面白い
ゴールデン街・コーリング Amazon書評・レビュー: ゴールデン街・コーリングより
4041070015
No.33
(5pt)

馳星周が紡いでくれた懐かしくも厳しく、そしてあたたかい物語

馳星周とは、彼が未だ実名の坂東齢人であった数年間に、交流をさせて頂いた。馳星周を当時ぼくはバンと呼び、十歳ほど年下の彼は、本書の後書きにもある通り、ぼくをシュンと呼び捨てでタメ口をきいていた。真夜中まで続く延々酒呑みながらの彼とのチャットは情報量においても感性においても楽しく、ぼくを連日の寝不足に追い込んでいたものだ。

 未だインターネット前のパソコン通信という時代。ぼくが冒険小説&ハードボイルドフォーラムのSYSOP(管理人)をやっていた頃のこと。オフラインと言って通信だけではなく現実に酒を飲んだり旅に出たりもしていた頃の話だ。

 ノベルズライター時代の彼が、執筆作業に専念したいので半月ばかり都会の誘惑から遠ざけてくれと頼まれ、那須の山奥の温泉宿に置き去りにして来たこともある。当時の彼は、ノベルズ・ライターの他、ゴーストライターをやったりもしていたが、何より『本の雑誌』の書評欄で人気を博していた。

 ぼくの管理していたフォーラムには、プロ書評家の関口苑生、本の雑誌での書評仲間・吉野仁がアクティブに関わっていたし、翻訳家や新進作家たちも、街で開催する宴に顔を出してくれたりと、それなりに中身もメンバーの内容も濃く、運営自体辛いことも多い代わりに、概ね楽しく貴重な出会いをいくつも経験をさせて頂いた。作家・香納諒一さんともこの頃からのおつきあいになります(ネット上だけですがいずれお会いしたいです)。

 メンバーでは時に地方に出かけることもあったが、都内での飲み会がとても多く、二次会三次会と人数が減ると最後には日本冒険小説協会の運営とされるゴールデン街『深夜プラス1』に顔を出すこともあった。この店の店長が、かつて一世を風靡したトリオ・ザ・パンチのリーダーであり、この頃は『読まずに死ねるか』などのレビュー本でも知られた内藤陳である。

 馳星周が深夜プラス1で働いていた本書の時代は、その数年ほど遡った学生時代である。その頃の実話にエンタメ度を加え、小説としていわゆる「読ませる」形でアレンジされたものが本作だと言ってよいだろう。いわゆる私小説である。ぼく個人としては、彼から聴いていた主観的個人史の一部がここで懐かしく開陳されているのを改めて読む、という不思議な読書体験を味わせて頂いたわけである。

 特に本書でも肝となる部分は、本人からことある毎に繰り返し聴いていた通りだった。酒乱の店主に辟易して苦しんでいた学生バイトである主人公が、店を引けてから毎夜のように逃げ込んで助けられていたおかまバーのママとの優しい時間の物語である。

 実際のリリーのモデルとなったおかまバーには、最初はぼくも当のバンに引っ張られて訪れた。「深プラのバイトで精神的にまいっていた自分は、ここでいつもママに救ってもらっていたんだよ」と酔って話すバンと、自衛隊上がりと称する外見筋肉オジサンなママの優しい母性? が、妙に親密でいい空気を作っていたことが、何よりも忘れ難い。本書ではその時間を何度も再体験させて頂けるのでかなり嬉しい。

 そういう意味でぼくはこの作品に対しては、一気読みに近い懐かしさと、今は全く交流がなくなった天上びと直木賞作家・馳星周が、今もこの頃を懐かしんでこんなにあたたかい物語を紡いでくれている事実に、改めてほっとため息を吐きながら、抱きしめるように大切にこの本の一ページ一ページを味わわせて頂いた次第なのである。

 個人的過ぎて、あんまりブックレビューになっていませんがご容赦! そして、ゴールデン街を過ぎていったあのいくつもの夜たちに乾杯!
ゴールデン街コーリング (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ゴールデン街コーリング (角川文庫)より
4041118778
No.32
(5pt)

馳星周が紡いでくれた懐かしくも厳しく、そしてあたたかい物語

馳星周とは、彼が未だ実名の坂東齢人であった数年間に、交流をさせて頂いた。馳星周を当時ぼくはバンと呼び、十歳ほど年下の彼は、本書の後書きにもある通り、ぼくをシュンと呼び捨てでタメ口をきいていた。真夜中まで続く延々酒呑みながらの彼とのチャットは情報量においても感性においても楽しく、ぼくを連日の寝不足に追い込んでいたものだ。

 未だインターネット前のパソコン通信という時代。ぼくが冒険小説&ハードボイルドフォーラムのSYSOP(管理人)をやっていた頃のこと。オフラインと言って通信だけではなく現実に酒を飲んだり旅に出たりもしていた頃の話だ。

 ノベルズライター時代の彼が、執筆作業に専念したいので半月ばかり都会の誘惑から遠ざけてくれと頼まれ、那須の山奥の温泉宿に置き去りにして来たこともある。当時の彼は、ノベルズ・ライターの他、ゴーストライターをやったりもしていたが、何より『本の雑誌』の書評欄で人気を博していた。

 ぼくの管理していたフォーラムには、プロ書評家の関口苑生、本の雑誌での書評仲間・吉野仁がアクティブに関わっていたし、翻訳家や新進作家たちも、街で開催する宴に顔を出してくれたりと、それなりに中身もメンバーの内容も濃く、運営自体辛いことも多い代わりに、概ね楽しく貴重な出会いをいくつも経験をさせて頂いた。作家・香納諒一さんともこの頃からのおつきあいになります(ネット上だけですがいずれお会いしたいです)。

 メンバーでは時に地方に出かけることもあったが、都内での飲み会がとても多く、二次会三次会と人数が減ると最後には日本冒険小説協会の運営とされるゴールデン街『深夜プラス1』に顔を出すこともあった。この店の店長が、かつて一世を風靡したトリオ・ザ・パンチのリーダーであり、この頃は『読まずに死ねるか』などのレビュー本でも知られた内藤陳である。

 馳星周が深夜プラス1で働いていた本書の時代は、その数年ほど遡った学生時代である。その頃の実話にエンタメ度を加え、小説としていわゆる「読ませる」形でアレンジされたものが本作だと言ってよいだろう。いわゆる私小説である。ぼく個人としては、彼から聴いていた主観的個人史の一部がここで懐かしく開陳されているのを改めて読む、という不思議な読書体験を味わせて頂いたわけである。

 特に本書でも肝となる部分は、本人からことある毎に繰り返し聴いていた通りだった。酒乱の店主に辟易して苦しんでいた学生バイトである主人公が、店を引けてから毎夜のように逃げ込んで助けられていたおかまバーのママとの優しい時間の物語である。

 実際のリリーのモデルとなったおかまバーには、最初はぼくも当のバンに引っ張られて訪れた。「深プラのバイトで精神的にまいっていた自分は、ここでいつもママに救ってもらっていたんだよ」と酔って話すバンと、自衛隊上がりと称する外見筋肉オジサンなママの優しい母性? が、妙に親密でいい空気を作っていたことが、何よりも忘れ難い。本書ではその時間を何度も再体験させて頂けるのでかなり嬉しい。

 そういう意味でぼくはこの作品に対しては、一気読みに近い懐かしさと、今は全く交流がなくなった天上びと直木賞作家・馳星周が、今もこの頃を懐かしんでこんなにあたたかい物語を紡いでくれている事実に、改めてほっとため息を吐きながら、抱きしめるように大切にこの本の一ページ一ページを味わわせて頂いた次第なのである。

 個人的過ぎて、あんまりブックレビューになっていませんがご容赦! そして、ゴールデン街を過ぎていったあのいくつもの夜たちに乾杯!
ゴールデン街・コーリング Amazon書評・レビュー: ゴールデン街・コーリングより
4041070015
No.31
(5pt)

徹夜の読書になってしまった

「少年と犬」よりこちらが好きです。著者より年上で読書に溺れていたから、もちろんこの街の存在は知っていたけど、何の伝手もなしに訪れる勇気がなく、ついに未訪のままで終わってしまいました。
 著者があの店で働いていたことは何かで読みましたが、てっきり和気あいあいの楽しい学生バイト時代だったんだろうと思い込んでいました。こんなにしんどかったんだなあ・・・。時が流れて店主が鬼籍に入ったあとでなければ書けなかった小説ですね。
 正攻法の青春小説で、とても読みごたえがありました。ラストもよかった。やはりこの人には、山より街を、犬より人を(そして猫を)描いてほしいなと思います。
ゴールデン街コーリング (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ゴールデン街コーリング (角川文庫)より
4041118778
No.30
(5pt)

徹夜の読書になってしまった

「少年と犬」よりこちらが好きです。著者より年上で読書に溺れていたから、もちろんこの街の存在は知っていたけど、何の伝手もなしに訪れる勇気がなく、ついに未訪のままで終わってしまいました。
 著者があの店で働いていたことは何かで読みましたが、てっきり和気あいあいの楽しい学生バイト時代だったんだろうと思い込んでいました。こんなにしんどかったんだなあ・・・。時が流れて店主が鬼籍に入ったあとでなければ書けなかった小説ですね。
 正攻法の青春小説で、とても読みごたえがありました。ラストもよかった。やはりこの人には、山より街を、犬より人を(そして猫を)描いてほしいなと思います。
ゴールデン街・コーリング Amazon書評・レビュー: ゴールデン街・コーリングより
4041070015
No.29
(5pt)

馳星周の原点。

馳星周が北海道から東京に上京し、新宿ゴールデン街でアルバイトをしていたノンフィクション的な物語です。
今のゴールデン街と照らし合わせるとより一層に面白く感じると思います。
ゴールデン街・コーリング Amazon書評・レビュー: ゴールデン街・コーリングより
4041070015
No.28
(5pt)

ゴールデン街コーリング感想文

ブルーローズあたりから馳星周を読まなくなった。
なんとなく久しぶりに本作を買って読んでみた。とてもおもしろかった。
馳星周の自伝的な部分とおそらくフィクションである殺人事件、虚実入り混じり、話はゆったりと進んでいく。
終盤の犯人が判明してからの展開は胸が熱くなり、最後には不思議な誤読感が有った。
ずっと続くと思っていた日々があっさり終わる喪失感。馳星周の自身の青春を書いた小説。
もとのタイトルは「新宿ゴールデン街セレナーデ」らしい。めちゃめちゃダサい。
そして改題されて「ゴールデン街コーリング」。とてもいい響き。
読んでよかった。
ゴールデン街コーリング (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ゴールデン街コーリング (角川文庫)より
4041118778
No.27
(5pt)

ゴールデン街コーリング感想文

ブルーローズあたりから馳星周を読まなくなった。
なんとなく久しぶりに本作を買って読んでみた。とてもおもしろかった。
馳星周の自伝的な部分とおそらくフィクションである殺人事件、虚実入り混じり、話はゆったりと進んでいく。
終盤の犯人が判明してからの展開は胸が熱くなり、最後には不思議な誤読感が有った。
ずっと続くと思っていた日々があっさり終わる喪失感。馳星周の自身の青春を書いた小説。
もとのタイトルは「新宿ゴールデン街セレナーデ」らしい。めちゃめちゃダサい。
そして改題されて「ゴールデン街コーリング」。とてもいい響き。
読んでよかった。
ゴールデン街・コーリング Amazon書評・レビュー: ゴールデン街・コーリングより
4041070015
No.26
(5pt)

(2019年―第78冊)1980年代、バブルに向けて突っ走っていた新宿ゴールデン街を舞台にしたちょっとデタラメな青年の青春自伝小説

1985年、新宿ゴールデン街の<マーロウ>で学生アルバイトの坂本俊彦は働いていた。店主の斎藤顕はコメディアンであると同時にハードボイルドや冒険小説の書評家としても名の知られた存在だ。北海道の高校生だったころからミステリ小説と映画が好きだった坂本にとって顕さんは憧れの存在だったが、顕さんは飲むと手がつけられなくなる酒乱でもあった。上京できたばかりのころに懐いていた「喜びと興奮が倦怠にとって代わられる」ころ、ゴールデン街で不審火が続き、やがて死者が出る…。

-------------------
 作家・馳星周氏自身の自伝的青春小説です。主人公・坂本俊彦は作者自身の本名に由来しますし、<マーロウ>の店主・斎藤顕とは<深夜プラス1>の内藤陳氏のことでしょう。
 私は1980年代後半に、当時住んでいた四国から出張で上京した折、女性の先輩に<深夜プラス1>に連れて行ってもらったことがあります。ケンタッキー・バーボン「フォアローゼズ」の味を覚えたのはこの店でのことです。店主の内藤氏と早川書房の編集者だと称する人たちが歓談していたのを、私はフォアローゼズを飲みながら少し離れて眺めていました。作家ディック・フランシスが来日するだか、しただかで、客が皆興奮したことを覚えています。フランシスの来日は1988年ですから、私が<深夜プラス1>に行ったのはそのころだということでしょう。
 そんな自分自身のあの思い出を探す気分でこの小説を手にしました。

 この『ゴールデン街コーリング』は、まだ20代の学生である坂本が一人称で語る幼い文体で綴られます。文章の青臭さは故意に作られたものでしょう。登場人物のどいつもこいつも飲んだくれてばかりのでたらめさ加減にはどこか懐かしさを感じさせます。
 そんな青春の日々の中で坂本はゴールデン街や新宿の住人たちから箴言ともいえる言葉の贈り物をもらうのです。

「いずれ、親のありがたみがわかるときが来ます。それまでは自由気ままにやっていればいいんです」(202頁/バー<黄昏>のバーテンダー武田さん)

「大人になると、惨めで苦しくなるような恋なんてできなくなる。どれだけ惨めでも、どれだけ苦しくても、それは素敵なことなんですよ」(206頁/同じく武田さん)

「毎日うだるように暑いし、腹が立つことが続くし、だから、この街が嫌になる。でも、明日、なにか楽しいことが起こったら、嫌だったことも忘れちゃう。そうやって人生は続いていくんだよ」(218頁/バー<リリー>の店主リリー)

「ゆるしてあげなさい。息子もいつかだれかにゆるしてもらうときがくるんだから」(334頁/六本木の文壇バー<ペルソー>のママ佳子)

 こうした言葉のひとつひとつが、人生のままならさを鋭く突いていて、坂本のみならず、同じような思いをかかえた経験がある私の胸にも迫ってきます。

 放火と殺人事件の真相は、ハードボイルド小説風の派手さはありません。謎解きを求めるのが本来の趣旨ではないのですから、そのことに不満を覚えることはありませんでした。
 携帯電話もない80年代の新宿の空気を、若い主人公の目を通して眺めるのは大変楽しい経験でした。

.
ゴールデン街コーリング (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ゴールデン街コーリング (角川文庫)より
4041118778
No.25
(5pt)

(2019年―第78冊)1980年代、バブルに向けて突っ走っていた新宿ゴールデン街を舞台にしたちょっとデタラメな青年の青春自伝小説

1985年、新宿ゴールデン街の<マーロウ>で学生アルバイトの坂本俊彦は働いていた。店主の斎藤顕はコメディアンであると同時にハードボイルドや冒険小説の書評家としても名の知られた存在だ。北海道の高校生だったころからミステリ小説と映画が好きだった坂本にとって顕さんは憧れの存在だったが、顕さんは飲むと手がつけられなくなる酒乱でもあった。上京できたばかりのころに懐いていた「喜びと興奮が倦怠にとって代わられる」ころ、ゴールデン街で不審火が続き、やがて死者が出る…。

-------------------
 作家・馳星周氏自身の自伝的青春小説です。主人公・坂本俊彦は作者自身の本名に由来しますし、<マーロウ>の店主・斎藤顕とは<深夜プラス1>の内藤陳氏のことでしょう。
 私は1980年代後半に、当時住んでいた四国から出張で上京した折、女性の先輩に<深夜プラス1>に連れて行ってもらったことがあります。ケンタッキー・バーボン「フォアローゼズ」の味を覚えたのはこの店でのことです。店主の内藤氏と早川書房の編集者だと称する人たちが歓談していたのを、私はフォアローゼズを飲みながら少し離れて眺めていました。作家ディック・フランシスが来日するだか、しただかで、客が皆興奮したことを覚えています。フランシスの来日は1988年ですから、私が<深夜プラス1>に行ったのはそのころだということでしょう。
 そんな自分自身のあの思い出を探す気分でこの小説を手にしました。

 この『ゴールデン街コーリング』は、まだ20代の学生である坂本が一人称で語る幼い文体で綴られます。文章の青臭さは故意に作られたものでしょう。登場人物のどいつもこいつも飲んだくれてばかりのでたらめさ加減にはどこか懐かしさを感じさせます。
 そんな青春の日々の中で坂本はゴールデン街や新宿の住人たちから箴言ともいえる言葉の贈り物をもらうのです。

「いずれ、親のありがたみがわかるときが来ます。それまでは自由気ままにやっていればいいんです」(202頁/バー<黄昏>のバーテンダー武田さん)

「大人になると、惨めで苦しくなるような恋なんてできなくなる。どれだけ惨めでも、どれだけ苦しくても、それは素敵なことなんですよ」(206頁/同じく武田さん)

「毎日うだるように暑いし、腹が立つことが続くし、だから、この街が嫌になる。でも、明日、なにか楽しいことが起こったら、嫌だったことも忘れちゃう。そうやって人生は続いていくんだよ」(218頁/バー<リリー>の店主リリー)

「ゆるしてあげなさい。息子もいつかだれかにゆるしてもらうときがくるんだから」(334頁/六本木の文壇バー<ペルソー>のママ佳子)

 こうした言葉のひとつひとつが、人生のままならさを鋭く突いていて、坂本のみならず、同じような思いをかかえた経験がある私の胸にも迫ってきます。

 放火と殺人事件の真相は、ハードボイルド小説風の派手さはありません。謎解きを求めるのが本来の趣旨ではないのですから、そのことに不満を覚えることはありませんでした。
 携帯電話もない80年代の新宿の空気を、若い主人公の目を通して眺めるのは大変楽しい経験でした。

.
ゴールデン街・コーリング Amazon書評・レビュー: ゴールデン街・コーリングより
4041070015
No.24
(5pt)

愛すべき飲んだくれ達と過ごした、ほろ苦い青春の舞台、ゴールデン街

酒なしでは生きられない住人たちの巣窟、新宿ゴールデン街が舞台である。
作中にでてくるイギリスのパンクロックバンド THE CRASH 「London Calling」
にちなんでの「ゴールデン街コーリング」。
若き日の馳先生の人物模様をかいまみる楽しさに引き込まれ、そのルーツである新宿ゴールデン街で、愛すべき飲んだくれ達に育てられ憤った、ほろ苦い青春の一コマのなかにずっといたいと感じる。

ミステリー要素もあるが、あくまでストーリーの体裁を整える程度のものでしかなく、
おそらく著者もここに主眼をおいてはいないのであろう。
読み応えある箇所は、やはりキャラクター作り、人物を表現する魔術的な描写力である。
本作は馳作品を代表するクライムノベルではない。
昨今、ゴールデン街の住人は代替わりで、おしゃれ気取りの若者が店主とな
て、来る客は外国人の旅行者か怖いもの見たさのエクスプローラー。
そんな様子を遠望した著者が、今の街を否定する訳ではないが、オレにも一言いわせろっ!ってシガーを咥えながら書き綴った物語。
こんなゴールデン街もあったんだぜって!
ゴールデン街コーリング (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ゴールデン街コーリング (角川文庫)より
4041118778
No.23
(5pt)

愛すべき飲んだくれ達と過ごした、ほろ苦い青春の舞台、ゴールデン街

酒なしでは生きられない住人たちの巣窟、新宿ゴールデン街が舞台である。
作中にでてくるイギリスのパンクロックバンド THE CRASH 「London Calling」
にちなんでの「ゴールデン街コーリング」。
若き日の馳先生の人物模様をかいまみる楽しさに引き込まれ、そのルーツである新宿ゴールデン街で、愛すべき飲んだくれ達に育てられ憤った、ほろ苦い青春の一コマのなかにずっといたいと感じる。

ミステリー要素もあるが、あくまでストーリーの体裁を整える程度のものでしかなく、
おそらく著者もここに主眼をおいてはいないのであろう。
読み応えある箇所は、やはりキャラクター作り、人物を表現する魔術的な描写力である。
本作は馳作品を代表するクライムノベルではない。
昨今、ゴールデン街の住人は代替わりで、おしゃれ気取りの若者が店主とな
て、来る客は外国人の旅行者か怖いもの見たさのエクスプローラー。
そんな様子を遠望した著者が、今の街を否定する訳ではないが、オレにも一言いわせろっ!ってシガーを咥えながら書き綴った物語。
こんなゴールデン街もあったんだぜって!
ゴールデン街・コーリング Amazon書評・レビュー: ゴールデン街・コーリングより
4041070015
No.22
(3pt)

甘く切ない青春小説

ほぼ同じ世代だが新宿ゴールデン街とは無縁だった。けれども「バイト小僧」「読書」「映画」「(ほとんど行かない)大学」「下宿」「安酒場」など同時代的背景の「匂い」がふんだんに感じられてあの頃にタイムスリップしたようだ。

作者お得意の「クライム」「ノワール」「極悪人」とは無縁で、基本的には善良なのだが酒や金で身を持ち崩しそうでギリギリこちら側にいる登場人物に軽く感情移入できるかどうかがこの小説に対する評価につながると思う。

「『幻魔(大戦)』以降の平井和正は別人なのだ。」は激しく同意。そんなことまで思い出させてくれたうえに、この作者らしからぬ「極甘のハッピーエンド」もむしろ気持ちがよかった。
ゴールデン街コーリング (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ゴールデン街コーリング (角川文庫)より
4041118778
No.21
(3pt)

甘く切ない青春小説

ほぼ同じ世代だが新宿ゴールデン街とは無縁だった。けれども「バイト小僧」「読書」「映画」「(ほとんど行かない)大学」「下宿」「安酒場」など同時代的背景の「匂い」がふんだんに感じられてあの頃にタイムスリップしたようだ。

作者お得意の「クライム」「ノワール」「極悪人」とは無縁で、基本的には善良なのだが酒や金で身を持ち崩しそうでギリギリこちら側にいる登場人物に軽く感情移入できるかどうかがこの小説に対する評価につながると思う。

「『幻魔(大戦)』以降の平井和正は別人なのだ。」は激しく同意。そんなことまで思い出させてくれたうえに、この作者らしからぬ「極甘のハッピーエンド」もむしろ気持ちがよかった。
ゴールデン街・コーリング Amazon書評・レビュー: ゴールデン街・コーリングより
4041070015
No.20
(4pt)

読者の幅を広げたような作品

新宿のゴールデン街を舞台としたサスペンスだが、著者にしては珍しく青臭い大学生の葛藤がメインとなっており読者の幅を広げたような作品になっている。読みやい内容で、ラストも作者にしてはスカッとしている。
ゴールデン街コーリング (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ゴールデン街コーリング (角川文庫)より
4041118778