源平の怨霊 小余綾俊輔の最終講義
評判
源平の怨霊 小余綾俊輔の最終講義の評価:
4.22/5点 レビュー 9件。 B ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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源平の怨霊 小余綾俊輔の最終講義の評価:
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付いている帯に「“鎌倉殿の13人”必読書」とあるように、今年のNHK大河ドラマに合わせるかのようなタイミングで、2019年6月に刊行された単行本が2022年1月14日第1刷として文庫化された。
解説は、書評家の大矢博子氏。
単行本も厚かったが、この文庫版も約560ページとボリューミー。
飲食や交通機関の描写等に間延び感が無くもないが、いわゆる正史では触れられない蘊蓄に興味があれば、最後まで読みこなせるだろう。
源平合戦や鎌倉抗争史において俺が特に疑問に思っていたのは、北条政子の心情だった。
尼将軍といわれるほどの実力者であっても、その子である頼家・実朝、孫の一幡・公暁の謀殺・暗殺を止められなかった、あるいは黙認していたという点が、いかに実家の北条氏大事とはいえ、信じがたい部分だったのだ。
本書では、その疑問をあっさり解決してくれている。
そういう事だったのか!
源義経による「一ノ谷の合戦」や「壇ノ浦の戦い」の“奇跡”を実際に再現してみせようという実験番組を見たことがあるが、本書には、そういう現実的かどうかは問題ではない“真相”が提示してある。
池禅尼が源頼朝の助命嘆願をした本当の理由、崇徳天皇をはじめとした歴史を動かし現在にも繋がる怨霊の影響、頼朝の死の真相、そして小余綾(こゆるぎ)俊輔が最終講義において(源平合戦ではなく)「平平合戦」だと言った意味・・・。
本書は、おそらく大河ドラマでは語られないであろう「源平物語」であり、「真・北条氏」を描いた作品である。
源平争乱や鎌倉初期に興味がある方は、こういう歴史の見方もあるのだという感想を読後に抱くに違いない。
小余綾先生の“忠実な生徒”である橙子と誠也によるフィールドワークにより、ちょっとした旅行気分も味わえるかも♪
なお、怨霊・執念・血族といったことから来る“おどろおどろしさ”により、読書中の俺の脳内には、『八つ墓村』が重なって見えていた。。。