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五位鷺の姫君、うるはしき男どもに憂ひたまふ 平安ロマンチカ
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五位鷺の姫君、うるはしき男どもに憂ひたまふ 平安ロマンチカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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ここまで読みにくい本は初めてです 頭がいいのはわかったから もう少し落ち着いて説明してと言いたい この時代のお話を現代風に読みやすく… と思っていたのは勝手な解釈ですが 私この時代や文化詳しいですは伝わっても キャラの魅力などがまったく伝わらない… 以降は買わない様に注意しようと思った作家さんです | ||||
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氷室冴子先生のなんて「素敵にジャパネスク」以来の感動でした。平安の人々の生き様を現代の世相とリンクさせるとこうなるのかと仰天しました。kindleで読ませていただきましたが、紙本を購入して、知人にも紹介したい作品。 | ||||
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陰陽師の安倍靖晶さんにス…ッと足元を掬われ気づいたら全巻読んでいました。 彼の人生で何年かかってもいいから何か報われてほしいです。 文体もTwitterを読んでいるような感じで読みやすかったです。 | ||||
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後宮物を色々読んでいて行き着き、表紙のイラストが好みで読ませていただきました。 作家さんの知識が豊富なのは端々に表れているのですが表現がうるさく内容が入って来なくて、さらに主な登場人物三名の誰にも魅力を感じず、読み進めるのに苦労しました。 申し訳ないのですが、おすすめしどころがありません。 | ||||
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姫君の生まれながら男勝りな尼のヒロイン、顔が良いがヒロインとは犬猿の仲の坊主、気が弱くヒロインには振り回されてばかりの陰陽師、プレイボーイの中将と見事にラブコメ布陣。しかし、人の心の陽と陰の面の切り替わると、見事な地獄へと変貌します。本当にどうにもままならないラブロマンス。 さらに、ファンタジー設定のない無慈悲な平安の都が舞台なのに、ある意味妖怪より恐ろしい物が蔓延る京の都で、不動明王の功徳と天帝のご加護により人が救われる奇跡の物語になってます。神仏のいない世界で、まことの宗教とは信仰心とは何なのかという話でした。 アヤカシもの、陰陽師ものは沢山有りますが、アヤカシが出てこない陰陽師ものは激レアなのではないでしょうか。京極堂くらいしか思いつかない。 | ||||
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物理で買ってから更にkindle版を買ったぐらいには…! いつものこるもの先生ですが、私はこれまでの作品の中で一番好きです。 法師しかり陰陽師しかり中将しかり、ミステリではないけど誰も彼も一筋縄ではいかないので楽しい!あと、語り手預流ちゃんの矢印がどこ向いてるかは置いといて、思いのほか(?)ラブコメな感情模様が見られます。 | ||||
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汀先生らしいマシンガントークとキレのある宗教バトルがちゃんとラブコメの中に入っていて、とても楽しめました。 | ||||
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面白かったです!最近は文章じゃなく動画コンテンツばかりを摂取していましたが、久し振りに一気読みしてしまいました。最初から読者の興味を引きつけて、最後までテンションを下げさせず読後に続きを読ませたいと思わせる、よい作品でした。 男装の尼さんが女のような美形の僧侶に恋をする話なので、作中でもありますがBLぽくもあり百合ぽくもあり。 陰陽師の彼も陰謀を巡らしてくる貴族の彼も、奥深くキャラが描かれていて新たな平安ものだな!と感心しました。舞台は平安ですが、現代に通じる考え方なども感じることができたり。 個人的には沙羅ちゃんと主人公の恋愛模様をもっと見てみたい。続きが出たらまた買いたいです! | ||||
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講談社ノベルスを中心に作品を刊行してきた作家さんらしいが守備範囲外のレーベルだった事もあり作品を拝読させて頂くのは今回が初めて。舞台が平安京というのは分かったがヒロインが尼だか姫だかよく分からん所に興味を引かれて手を出してみる事に。 ……気になっていたヒロインの正体は一応は尼なんだけど姫でもあるという何とも中途半端な立場。従五位の命婦の地位を得た事から五位の尼と呼ばれ「預流の前」と呼ばれている。母親が元東宮妃という名門の生まれで十二歳の時に同年代であった内大臣家の令息・初瀬の少将と結婚したは良いが結婚後まもなく初瀬が牛車から転落してあっさり死亡、未亡人となって尼さんになったはいいが……なんと平安時代、正式には「尼」が存在していない。女性が仏教に接する事が憚られ尼寺というものもなく受戒が授けられないので勝手に「尼」を名乗っている様な物。要するに単なる仏教オタクみたいな物と思ってくれれば良いかと。 物語はそんな仏教オタクの預流が功徳を積むべく鴨川の氾濫で家を流された民に粥を振る舞っている所に陰陽頭の倅・安倍靖晶がやってくる所から始まる。陰陽師と聞いて派手なサイキックバトルを見せて貰えるのかと期待する預流だったが、靖晶は「そんなもん見せられるわけないでしょう」と素気無く答えた上で「関白様が方違えでこの道を通るので粥を配るのをやめて民を解散させて欲しい」と陰陽寮に勤める小役人の立場から訴える。 「そんなの知らないわよ!」と色めき立つ預流だったが、更にそこへ「尼寺へ行け!」と鋭い声が。声の主の方を見やれば相手は権律師を務める僧・明空。「粥など配って功徳が積めるなど思うのが女の浅はかさ」と悪意剥き出しで預流の施しを否定する明空に対し「僧なんて護摩でも焚いていれば済むんだから気楽なもんよね」と預流もヒートアップ。粥が手に入らなくなるかもと不安になった民衆が投石まで始める騒ぎになる中、置いてきぼりの状態だった陰陽師の靖晶が意外な行動に…… 「えらくフリーダムな文章書く作家さんだなあ」というのが読み始めて感じた最初の印象。ライト文芸と言うかライトノベルなのだから時代を超越したはっちゃけた尼さんが出てきてもおかしくは無いのだけど、陰陽師である靖晶が登場した場面なんかこんな感じである。 「陰陽師!?」 その言葉を聞いた途端。 預流の脳内に血沸き肉躍るサイキックバトルのイメージが浮かんだ。 2018年平昌冬季五輪フィギュアスケートを経て、21世紀の皆さんが陰陽師に抱いているイメージはこんな感じであろう。 (中略) 「安倍家の陰陽師は狐の子って本当!?口に筆をくわえて和歌を書くんでしょ!」 「いや、あの、人間ですよ」 「陰陽師って琵琶や笛が上手な風流人で物の怪で困っている人の噂を聞いたら自分の得にならなくても『ゆこう』『ゆこう』『そういうことになった』とか言って助けに行く気持ちのいい男たちじゃないの?」 ……フリーダムだなあ……パロディもなんでもござれで好き勝手に書いているというか。それじゃ全編こんな感じなのかと言えば冒頭なんかはこれがまた全然雰囲気が違う。 式部卿の宮の妹姫は十二歳で夫と死に別れ、髪を下ろし尼となったが東宮生母・前弘徽殿女御・朱雀門院を得度、受戒に導いた事から従五位の命婦の位を得、五位の尼と称される様になっていた。 ……中学・高校の古文の時間が苦痛だった人には堪らん様なこういうガチめの文体が上のスチャラカ文体と平然と入り混じっているのだから「え、一体これはどういう作品なんだ?」と面食らう人もかなり多かろうかと。それじゃ読みにくいのかと言えば会話文のテンポの良さもあって意外とサクサク読めてしまうのだからますます不思議な作品と言わざるを得ない。 物語の方は名門の姫君でありながら未亡人にして仏教オタクの預流、陰陽寮の跡継ぎながら小役人気質で預流に振り回されっぱなしの安倍靖晶、女顔の美形ながら権律師で若きエリート僧にして預流の不倶戴天の敵・明空という三人が中心になって話を回す形になっている。 この三人が尼・僧・陰陽師という立場で平安京の偉いさんたちからあれやこれやの相談事(といっても魑魅魍魎を退治、とかではなくスキャンダラスな方の問題)を持ち込まれて対処するというのが基本パターン。物語が進むにつれてこの三人が応じるトラブルに平安京きってのプレイボーイである賢木中将なんかが絡んでさらに事態がややこしく、ドタバタとする方向へと展開されていく。 序盤から中盤にかけてはこのフリーダムな文体とキャラの立ちまくった登場人物が織り成すドタバタ劇でゲラゲラ笑わせて貰ったのだけど、途中から「ストーリー的には割と平坦だし多少毛色は特殊だけどありがちなラブコメだなあ」とパンチの弱さを感じ始める部分もあった。 が、全然パンチの弱い作品なんかじゃなかった。 200頁を過ぎた、終盤が見えてきた辺りでいきなり強烈極まりないパンチがぶっ飛んできた。 基本的に我儘な預流と明空が小役人気質……というかデスマーチに追われるSEみたいにトラブルに振り回されてオロオロするだけの気弱な陰陽師・靖晶を挟んでドタバタするだけの話と思っていたというか200頁をかけて「この話は、三人の主要登場人物の関係はそういうもんだ」と思い込まされていた。でもそれは全て作者の思惑通り。 九歳になる幼い姫君が急に姿を消すというトラブルで力を借りようとした預流に対して突如それまで見せていた「弱気な小役人」という印象をガラリと変えて明かされる安倍靖晶の「本当の顔」、平安貴族の暇つぶしみたいな事で延々と振り回される陰陽師という思い込みを一気に覆す「陰陽師の本当の役割」……本気で背中に「ぞわっ」と寒気が走った。登場人物に複層的な面を持たせて人物像に厚みを持たせるのはよく使われる手段ではあるけど、200頁をまるまる「この人物は主役カップルに振り回され、ひどい目に遭わされるヨワッキーくんですよ」と読者に思い込ませるために投じてくる作家がいるとは思わなかった。 しかもこの靖晶の変貌に誘発されたかの陽にヒロインの預流もそれまでの単なる「仏教オタク」「功徳バカ」と思わされていたキャラクターを飛び越える「それまでと全く異なる顔」を見せてくれるのだから仰天させられた。こんな「キャラクターの掘り下げ方」があるんかとしばし唖然。それまでの「スチャラカ平安ラブコメ」という作品全体の印象も吹っ飛び、些かならず度肝を抜かれた。 ただ、このキャラクターの見せ方のインパクトが強烈すぎてストーリーの方が若干尻すぼみ気味というかキャラクターの印象に負けないレベルのインパクトを残せなかったのがちょっとだけ残念。いや、ここにも別の登場人物が靖晶や預流同様に「全く異なる顔」を持っていた事が絡んでくるのだけど、そこはあまり活かせず仕舞いだった事で作品のクライマックスにしては弱さが感じられたというか。 なんにしても作品の雰囲気を「スチャラカしたラブコメ」と思わせ登場人物も「ドタバタコメディにありがちな騒々しいキャラ」と思い込ませた上で、その思い込みにハマって「なあんだ」と侮った読者に強烈なパンチを食らわせる手管にはまったく以て参った。こういうやり口で読者の口をポカンと開かせる作家さんをこれまで未読のままスルーしてきたとは自分も不勉強だな、と思わされる憎たらしい一冊であった。 | ||||
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