キャンセルされた街の案内
評判
キャンセルされた街の案内の評価:
3.73/5点 レビュー 15件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1〜12 1/1ページ
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キャンセルされた街の案内の評価:
3.73/5点 レビュー 15件。 B ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
たとえばこんな具合:
・「零下五度」のテーマはすれ違いの偶然。ソウルですれ違った他人同士の男女のそれぞれが、ネクタイを買う男が主人公の映画の題名を思いだそうとしている、という偶然。
・「深夜二時の男」は、時間の作用。若い女性が深夜忍び込んできた隣室の男に身体をなぜられた怖い経験も、十五年を経て思い出してみれば何ほどのこともなくなっている。
・「奴ら」は陰画がテーマだ。男が電車のなかで痴漢にあうという、常識の白黒が逆転した話。
・「大阪ほのか」は言葉あわせ。見合いをするために大阪に来た友達の見合相手が「宮下ほのか」。空港で買ったみやげが「大阪ほのか」。それだけのこと。
・「24 pieces」は、24枚のチョコレートの包み紙。その裏に書き留めた短文を並べてみたら恋愛小説ができました、という趣向。
・「灯台」のテーマも、時間の作用か。37歳の自分が17歳の頃の自分と並んで話をしながら散歩するという趣向。複眼的にものを描く深みのようなものが感じらはする。
・「キャンセルされた街の案内」は、うまく読み解けないのだが、バランスがテーマなのかもしれない。東京のワンルームマンションでの兄との毎日、田舎の軍艦島での思い出、書きかけの恋愛小説(これも進行中の事実に基づいている)の3つを塩梅よく混ぜあわせて違和感のないようにバランスよく話を進めている。この作品で雑然と展開される物語はちょっと面白くて、読み応えがある。
〇 こうして作者が選んだテーマに特別な思いが込められているわけではなく、作者はただ短篇制作の技巧の切れ味を試しているようなのだ。だから、読む方も深い思想などは期待せずに、こんどはどんなトリックなのだろうと推理小説のように読み進めばよいのだろう。
〇 作者の小説づくりの技術は認めるのだが、もう少し内容がほしかったなあ、というのが正直な感想。すぐれた技術をどう使うかが大事なのではないのかな。特に書きたいことがなくても小説が書けてしまうというのは、作者にとっても読者にとっても不幸なことではないか、と思う。