(短編集)

たったひとつの冴えたやりかた

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評判

たったひとつの冴えたやりかたの評価:

3.98/5点 レビュー 51件。 B ランク

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平均点3.98pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全14件 1〜14 1/1ページ
No.14
(3pt)

読みやすいが物足りない

異星人と地球人とが遭遇して友情が芽生えるような話がないかと、お勧めされたので購入。書店注文しても品切れ、フリマサイトで高値、古本でも高い。一番早く届く新品をこちらで購入したが1,800円もした。読みたかったので致し方ない。
読んでみて、何か入り込めず。児童書なのかなと思ってしまう位私には物足りなかった。
星を継ぐものシリーズや、プロジェクトヘイルメアリーなんかが好きな自分にはうーんといった感じ。
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394
No.13
(2pt)

不健全な犠牲の賛美

20世紀アメリカのSF作家ジェイムズ・ティプトリ―・ジュニア(1915-1987)によるスペースオペラの連作中編集、1986年。どの話も好きになれない。

 ※ 以下内容に関わる記述が含まれますので、未読の方はご注意下さい。 ※

□ 第一話「たったひとつの冴えたやりかた」

集団のために自分の生命を犠牲にする行為を有意味かつ美しいものとみなす「英雄主義」の感性、そうした犠牲者を称揚する「英霊主義」の感性は、もしそこに政治的な思惑がないとするならば、ただの独善的な自己陶酔でしかない(もちろん、政治的な思惑がないからといって、政治的な効果をもたないということにはならない)。いかにも「日本人受け」する物語であろうとは思ったが、アメリカ本国でもそれなりに評価されているらしい。要は「特攻隊モノ」。この物語と同族のヴァリアントはいたるところで目にするありふれたものだが、そのプロトタイプは歴史的にどこへ/どこまで遡ることができるのかという点には興味がある。自己犠牲の物語が異様にひとを惹きつけるものであるのは事実であるから。「この小説を読み終わる前にハンカチがほしくならなかったら、あなたは人間ではない」と評されたそうだが、「感動」というのは確かに生理現象に近いものなのかもしれない。

なお原題は、”The Only Neat Thing To Do.”

□ 第三話「衝突」

この物語は、他者との関係性を構築しようとしているのではなくて、自己の内なる疑心暗鬼を他者に投影し、実際は不可能な正義の振舞いに自己を同一化させただけのものにしか思えなかった。そこにあるのは、他者を他者としてみることができずにいる、あくまで自己を主体として他者を劣位の客体のままに固定しておこうとする、独善的な植民地主義の眼差しであり、欠けているのは、自己を対象化する反省的な眼差しではないか。

第一話と第三話は、どちらも末尾における後日譚の語られ方に、物語の残念な正体が暴露されてしまっているように感じた。
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394
No.12
(3pt)

いやはやと

たった一つの冴えたやりかたの意味がわかった時の
何とも言えない心の感じがもやもやとくすぶっている
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394
No.11
(3pt)

高校生以下で読んだ方がいい

SFマニアには物足りない、出来ればハイテクや重厚やひねりのSFを読む前に読んでほしい本 シンプルで正統な物は子供の頃に読むべき 自分も中学生くらいでこの本を読んで共感したかった 何故か昔にやってたアニメ世界名作劇場を思い出した そういう感じの話
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394
No.10
(3pt)

ヒロインに感情移入できなかったよ…

表題の最初の話だけのレビュー。
レビューをみて購入きめてワクワクして読んでみたけど、
私にはウーン…なんかモヤる、となった。

図書館で異星人がヒロインの本を読む下り、機器の操作の描写などは
まわりくどく感じたり、堅苦しかったり、ちょっと倦厭してしまった。
こういった描写が醍醐味なのかもだけど。

では、内容の感想。
私は主人公の女の子に共感できず泣けなかった。
実際にいたら関わりたくないし、友達になりたくないな。

宇宙に飛び出す独りよがりで周り見てない身勝手さが気になった。
頭良くてしっかり者で優しい子は、こんなバカなことしないよ。
少なくとも私の周りではそう。

あと、ヒロインの言動が淡々としていて、喜怒哀楽も人より
欠如してる風にみえて、なんだか冷たく感じた。
「しっかりしてるから」っていえば聞こえはいいけど。
友人エイリアンに対しても、本人はそのつもりなくても
自分の命がかかってるのに、お人よし的な感じ?だし。
周りの事は考えないのに、いきなりの友達?に対しては真逆。
余計に偽善的に見えちゃったりしなくもない。

最後も、ホントは生きられたのに人類のために犠牲に、という
流れでもなく、死は確定事項だったわけなので。
涙を誘うといわれてるのも、なんか少し違う気がする。

普通だったら、頭もよく行動力あってサバサバしてる人って
好感持てるし好きなんだけどな。
誰かに迷惑かけない限りは。

でも、このヒロインはいくら頭よくたって、
人類や友達のこと考えたって、そもそも両親や周りに迷惑を
かけるとかは本気で理解してないし、気にしてない。
両親に謝る言葉も一切ないしね。
全く後悔してないゆえの行動なのかもだけど。

自分の探求心が一番でもいいけどさ。
もっとやり方あったよねと思うし、冴えてないよ。
成人して正規ルートで探査チームに入るとかさ。
私には無鉄砲で単に自己中な人にみえてイライラした。

そんで勝手な行動をした結果、お涙ちょうだい的な哀しい結末に。
(悲劇まっしぐら、と読んでて先が分かりすぎたし)
でも、そこでも違和感。
生きたい、やりたいことがもっとある、仲が良い親がいるっぽい、
もしかしたら周囲にも親密な人たちがいるかも?…だとしたら、
あんなアッサリ淡々と即断即決、サクサク悲劇に進むかな?

なんだか納得がいく心情描写が少ないためか、あまり胸に届かなかった。
SF小説って専門的な描写や淡々とした描写が常かもしれないけど。
そのせいだとも言えないような。
(でも、最近よんだ他のSFは心理がちゃんと理解できるように
描写してあって、ちゃんと感情移入できた)

人類からみれば英断だろうし、友達エイリアンとの友情アツイ!となり
そこだけフォーカスすれば、切ない!ってなるのかもだけど。
でも読んでて、全体通して根底ではずっとモヤモヤしてた。

ヒロインの持ち前の強さや潔さのせい?で彼女の怖さや不安を
あまり感じず、淡々とした感じにみえちゃう。
頭よすぎてサバサバしてるのはいいけど、もっと葛藤とかさ…
もっとこう、複雑な心情とかさ…もちょっと人間味ほしいよ。

泣けないのは人間じゃない、と言われてる作品だそう。
そうなんだ…ビックリだ、、

…作者さんの最後を知って、また色々考えた。
死を伴うあまりにも強固な意志において、そういった意志を持てる人なら
その生きざまやプロセスにおいて、人様に迷惑かかろうがなんだろうが
もう色々と超越してしまうかも。
そんな確固たる意志をもてる作者さんがこの小説を書いたって考えると、
その頃もう自分の幕引きを悟っていたなら、こう突き抜けたヒロインが
できあがるのは納得かも。
あと、想像力が豊かすぎると、もしかしたら死に対して、そこまで
世間一般でいう恐怖や不安レベルまで感じないのかもしれないな、って。
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394
No.9
(3pt)

嫌いな作品です(ネタバレあり)

主に表題作についての感想です。思いっきりネタバレしますので未読の方は読まないでください。

発想とか展開自体は面白いと思うのですが、著者の泣かそうと言う意図を感じて不快でした。
いや、泣ける話じゃねーだろと思っちゃって。
途中からおかしいなとは思ってたんですよ。全く感動する様な予感は無く、寧ろ何か恐ろしい結末に向かってるような気がしていたから。そしたら案の定ですよ。
天真爛漫な少女が無鉄砲な宇宙旅行に行った挙句脳内生物に脳を食い破られる話に感動しろって?
面白い作品だとは思うけど、これで泣けたとか言う読者にはついていけない。どちらかと言うと恐ろしい話では?何だったらSFホラーと言っても良いと思うが。
「これで泣けなかったら人間じゃない」?
逆にこれを泣けるとか言っちゃう人間の方がどうかと思いますわ。
多分少女の最後の自己犠牲について泣けると言いたいのだろうけど、取って付けたような理由で少女の死を正当化してるようにしか思えません。
そもそもこの少女がこんな目にあったのは世の為人の為ではなく、親に内緒で無鉄砲な旅に出たからな訳で、その結果死んで親を悲しませる事に対してこの子最後まで謝罪の言葉すらないんですね。
「パパ、ママ、愛してます」じゃねーだろ。ごめんなさいだろ。
少女は最後人間にとって脅威をもたらす脳内寄生生物と共にその付近の太陽に突っ込んで死ぬのですが、その自己犠牲の精神には歪なものを感じます。
あの状況下で他に方法が無いのは分かりますが、たった一つの冴えたやり方とは思えません。
親に無断で旅に出ない、と言う常識的な選択肢を取らなかった結果起きた状況なので。
しかも腑に落ちないのはこの最後、作者もまたこの話を泣ける話として片づけてるような描写がある事です。
SF作品には出版社や映画会社が作者の意図をねじ曲げて、原作を単純なお涙頂戴作品として宣伝している作品が多々ありますがこれはそれらとはちょっと違うように感じます。
あとがきで、この著者の死を知りましたが、それで納得いった気がします。
その死に対して「その苦しみについて考えたら単純な罪悪では語れない」とある人は言うかもしれません。
しかし私に言わせればそれはあべこべな考え方だと思います。
逆にその最後の選択は、著者がそれを単純な正義と考え自分の行動に酔っていたからこそああいう行動に走りこう言った独善的な話を描いたのでしょう。
私にはそれが「たった一つ」で「冴えたやり方」であるかどうか考えるだけの視野を持たず、自己犠牲の精神を無条件で単純なお涙頂戴にしている作者の姿勢はどうも独善的であり嫌悪感すら感じます。
どうしても好きになれない作品です。
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394
No.8
(3pt)

たった一つの悲しいやりかた

単なる物語として読んだら面白くもなんともない、ライトノベルと大差ない凡作である。1985年の発表以来、SF入門書として特に日本で読み継がれている理由はおそらく他にある。

本作が書かれた時、作家の夫は老人性痴ほう症におかされていた。その翌々年、かねてからの夫との約束どおり夫をショットガンで射殺、自らもその銃で頭を撃ち抜き自殺した悲劇をふまえて読むべき予告的作品である。

おそらく主人公コーティの脳に寄生したエイリアンは、作家の夫の脳をおかしていた病巣のメタファーであり、小説に書かれている“たったひとつの冴えたやり方”とは、無理心中という“たった一つの解決法”を意味するのではないか。

夫の病気がこのまま進行すればそれ以外他にとるべき手段のないことを、心臓疾患の持病があったティプトリーは予感していたのではないだろうか。

大学在学中に中絶手術を受けたせいで子供を生めない体になっていたティプトリーは、男性名で小説を書き続け、母親の死亡記事がきっかけでようやく女性であることが判明したという。

本作における性描写(交尾)や、胞子をばらまこうとするエイリアンの本能に作家自身の嫌悪感が滲みでているのも、そんな作家の実人生とけっして無縁とはいいきれないであろう。

コーティーのサクリファイス的決断に対し無批判に賛辞を送る科学者たち。くじけそうになる心中の意思を自ら鼓舞し続けた作家の“痛み”が伝わってくる作品である。
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394
No.7
(1pt)

1980年代の宇宙人が本当にいるかも という雰囲気があったから楽しめた作品

セリフの言い回しが流石に古臭く、80年代にカッコイイ言い回しなんだろうなという感じ、
当時は本当に宇宙人がいると思ってる人がほとんどだったので、宇宙に対する憧れや、
アメリカ映画特有の必要以上に大げさで格好つけた感じの言い回しが、今見るとちょっと違和感が強い。
内容的にも名作といえるほど感動もなく、大ドンデン返しがあるわけでもなく、えっバッドエンドかよ、後日談なしかよ。
という物足りなさ。

SF的なものが好きな人いがいには面白いと言えない内容でした。
キュンと来るものが無かったので星1つです。
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394
No.6
(1pt)

SFに感じない

会話が変。読みにくい。現実を忘れるような驚きや別世界にいるような感じはない。SFではない。
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394
No.5
(3pt)

短編の名手によるジュブナイル小説

60末~80年代初頭に書かれた数々の短編の衝撃を期待する人にとっては大甘の作品である。

「愛はさだめ、さだめは死」
「故郷から10000光年」
「老いたる霊長類の星への賛歌」などの傑作群を期待して読むと肩透かしを食らう。

私見だが、これは老齢になった著者が十代の少年少女のために書いたんじゃないだろうか?
初期作品の凄さと比べてしまうと「まあ子供向けだね」としか反応できない。
これと世界観を同じくする長編「輝くもの天より堕ち」は全く子供向けじゃないのだが・・・・

あまり小説を読まない人たちがタイトルの語呂の良さで有名な本書だけを読んでティプトリーの作風を誤解しないように書いて置く。
SF界での高い人気の理由は内容が非常に過激だったからである。

若い頃から高い知性と才能の持ち主であったティプトリーは母親と仲が悪く、家出して画家になる。
それから第2次世界大戦の時に陸軍に入隊。
戦後、同僚と結婚して退役するが、軍は優秀な者を簡単に手放したりしない。
軍の要請で嫌々ながらもCIAの設立メンバーとして活動しなければならなくなる。
数年後、なんとか逃亡同然に引退。

その後はジャーナリストを目指したり養鶏場を経営したりする。
それから科学者を志して大学に入り実験心理学を学んだ。
だが博士号を取ったあと、それまでの無理が祟って心臓病を抱えてしまう。
長年の努力が実って学問的キャリアの頂点に向かおうとした矢先に研究者を引退しなければならなくなってしまったわけだ。

そこで、やったのがSF小説を書くことだった。
匿名で破茶滅茶なスラップスティック・コメディを書き飛ばした(どうも、ストレス発散か、やけくそ半分だったらしい)。
ティプトリーは十代の頃からSFを読んでいたからだ。
60年代の末にそれらギャグ短編(『セールスマンの誕生』など)がいくつか雑誌に載ったあと、科学的でありながら同時に極端に暴力的・性的・政治的な作品を次々に発表してアメリカのSF界の度肝を抜いた。
ティプトリーは容赦なく性と暴力を描きながら人類を根底から批判し、スラップスティックを書いてファンを笑わせた。

どこの世界でもパワフルで個性的な人物は生きる伝説になる。
内容の科学的高度さと性的過激さ、それに圧倒的な小説技巧によって、ティプトリーはハーラン・エリスン、ジョン・ヴァーリー、サミュエル・R・ディレイニー 等と同様に恐れられ、尊敬された。

しかしながらSFファンだけではなく作品を掲載している雑誌編集者たちですらジェイムズ・ティプトリー・ジュニアには会った事がない。
彼らは協力しあって本人に会おうとするが、デビュー作から10年近くの間、彼は謎の男のままだった。

1977年、前年の母親の死を伝えた本人からの手紙からファンたちの情報協力によって遂に彼の正体が突き止められ、62歳の女性心理学者:アリス・ブラッドリー・シェルドン博士である事が暴露される。
誰もが作品の内容からアウトドア派の筋肉質な軍人タイプの男を想像していたためにSF界だけでなくフェミニズム思想家たちの間にも衝撃が走った。
若い頃のアリスが銀髪の美女だったのも大きな話題になった理由だろう。

「たったひとつの冴えたやりかた」に入っている作品は1985~86年に書かれている。
すでに70歳だった訳だから過激さには飽きてたのかもしれない。
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394
No.4
(3pt)

なんとなく、先は読めてしまうのですが

SFならではのこ難しい設定や説明が少なく、物語としてすらすら読めました。
あまりSFを読まない人でも抵抗なく手に取れる本だと思います。SF好きにはもの足りないかも?
名作とまでは思えませんでしたが、素敵な物語でした。。
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394
No.3
(3pt)

ハンカチ不要

宇宙飛行士なら、自分が異星の未知の病原体に冒されたらそれを食い止める手段を講じなければならないのは当然。
コーティは宇宙飛行士として当然の行動をとったまでのことだ。
若い女の子だからかわいそうに思うだけ。
だからナイーブな読者諸君よ、何も泣くことはない。

最後の「衝突」がいいので大盤振る舞いで星三つ。
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394
No.2
(2pt)

先入観ありき、で読んだからかもしれないが

作者の死亡方法とタイトル、及び
『この小説を読み終える前にハンカチがほしくならなかったら、あなたは人間ではない』
とまでいわしめた作品ということに興味をひかれて、この本を手に取りました。
率直にいって残念。少しも感情移入できませんでした。

*以下、内容の核心に触れている部分があります。

主人公とエイリアンの関係に関して
主人公が肉体的快感、情動を動かせる相手に寄生されているにもかかわらず
二人の関係を”友人”と表することが疑問。
私には一方的な関係に思え、二人の会話が虚ろに聞こえ、
単純に二人の”友情関係”を認める気にはなれませんでした。

最終的な決断に関して
・主人公は結局死が見えている(脳が食べつくされる)。 
・エイリアンは生存が可能だが、”友人”である主人公が死んでしまうことになる
・エイリアンの生存は他の生物にとって、危機になりかねない。
という条件下で、「たった一つの冴えたやり方」を選択するわけです。
エイリアンは生存か、死か というジレンマを抱えますが、
主人公はどのように死ぬのか、という判断を迫られていますが、ジレンマは存在しません。
彼女は被害を拡大しないこと、を選択しますが
もとより彼女は死の運命にあるわけですから、自己「犠牲」ではありません。

整理します。
エイリアンはジレンマを抱え、死を決断した。
主人公は死ぬ方法を、大勢を救う方法にした。
ここだけを見れば、”どちらも冴え”ていて”高潔”なやり方に見えるのですが
主人公が死ぬ前提を作ったのはエイリアンであると言うことを、忘れてはなりません。
つまりもっと彼女は、エイリアンを責めていいはずなのですが
この本にそういったシーンはでてきません。

この本ではその答えを、二人が友人になっていたから、というところに着地させようとしているように見えます。
そこで先ほど書いた「主人公とエイリアンの友人関係が疑問」、という部分と関わってくるわけです。
異星間交流において、寄生のような状態がさして珍しいものではない、という記述もないし
主人公が責めてもしょうがないと思っていた(=達観していた と思うには
最初の出航の動機からして彼女はあまりに幼く、奔放です。

以上
友情関係に疑問、主人公の謎の達観
によって、のめりこむことができませんでした。
もっともSFになれていて、設定を違和感なく感じられる方には違った物語に感じられるだろうと思います。
減点式で星2つとさせていただきました。
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394
No.1
(1pt)

冴えてる・・・のか?

手に取る人を選ぶ、かわいらしい?この表紙。思い切って読んでみてから、まさに読者を選ぶ内容だからこそのカバーイラストなんだ、ということがわかりました。
一作目しか読んでいないうえでの感想ですが、タイトル作の主人公は昔のコバルト文庫を思い出すキャラで、読む人によってはハードルがそうとう高め・・・。
少女らしいというか、ガキっぽいモノローグ・・・、「も!消えちゃってよ」とか、「ぎゃは」とか、しゃべり方が古くさいのはしかたないとしても、イラッとするのは私だけ?
このポジティブ元気少女にいくらかなりとも共感できれば、そりゃあラストに感動もするのでしょうが、キャラがダメだともう全部ダメ。そういう意味では正しいキャラクター小説なのかもしれません。

ノリに乗れないままだと、売りである「友情」も、エイリアンが親友というよりけなげなペットのように思えてきて、なんかひっかかります。この地球外生命体に、あなたはそれで本当にいいのか、と問いたくなります。
だいたい、変わった生き物でもいい奴はいるんだ!っていうの、ちょっと無邪気すぎない? そういう前向きで単純な考え方も必要だけど、未知とか異端とのお付き合いという問題を徹底して問題にしない話は、今どきいい大人が素直に読んだらやりきれないです。徹底しすぎて、夢物語と読むこともできませんでした。
子供同士が努力を必要とせずに友達になるようにしてしか、宇宙人と友好的な間柄になれないのだ――という、逆説的な?メッセージは得たような気がしますが。

そして、美しいイメージで終わるラストですが、主人公の選んだのはそんなに「たったひとつの冴えたやりかた」なのかどうか。驚きもないし、もはや人間らしくもないし・・・。
表紙と、自分が何を求めてこの本を読むか、の相性をよく見極めて読めば、「冴えてる!」と思える読後感が待っているのかもしれません。
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)より
4150107394