蹴りたい背中

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

蹴りたい背中の評価:

3.63/5点 レビュー 175件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.63pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全224件 141〜160 8/12ページ
No.84
(4pt)

この名付け難い感情…

斎藤美奈子さんが解説で、青春(思春期)前期は潔癖で、読者の共感すらも拒絶するほど潔癖なのだ、という言葉がまさにそうで、あまりに純粋でこの世と真剣に対峙するゆえ彼女なりに一生懸命神経を鋭敏にして他者との関係さえも距離感が上手く掴めない、まして異性ともなれば…そんな初々しい美がハツであり、これは綿矢さんが理想化した初な女子高生象なのかなとも感じる。今時の女子高生なら、それは恋愛感情だよ、とさらりと言ってしまうようなにな川への視線(実際そう言う代表がここでは絹代)。思春期特有の自意識の芽生えにより生じる感性を淡々とだが非常に繊細に、描いている。蹴りたい背中とは、自分自身の過敏な自意識の煩悶による居たたまれなさでもあり、異性であるにな川への屈折した感情でもある。恋とか愛とかで簡単に感情をひとくくりにしてしまう今の若者。思春期特有の初で危うい名のつけがたい感性を綿矢は表現したかったのかなと思う。ジェットコースターのような小説を望んでいる人は、期待しないほうが良い。
蹴りたい背中 Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中より
4309015700
No.83
(4pt)

この名付け難い感情…

斎藤美奈子さんが解説で、青春(思春期)前期は潔癖で、読者の共感すらも拒絶するほど潔癖なのだ、という言葉がまさにそうで、あまりに純粋でこの世と真剣に対峙するゆえ彼女なりに一生懸命神経を鋭敏にして他者との関係さえも距離感が上手く掴めない、まして異性ともなれば…そんな初々しい美がハツであり、これは綿矢さんが理想化した初な女子高生象なのかなとも感じる。今時の女子高生なら、それは恋愛感情だよ、とさらりと言ってしまうようなにな川への視線(実際そう言う代表がここでは絹代)。思春期特有の自意識の芽生えにより生じる感性を淡々とだが非常に繊細に、描いている。蹴りたい背中とは、自分自身の過敏な自意識の煩悶による居たたまれなさでもあり、異性であるにな川への屈折した感情でもある。恋とか愛とかで簡単に感情をひとくくりにしてしまう今の若者。思春期特有の初で危うい名のつけがたい感性を綿矢は表現したかったのかなと思う。ジェットコースターのような小説を望んでいる人は、期待しないほうが良い。
蹴りたい背中 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中 (河出文庫)より
4309408419
No.82
(5pt)

大変読みやすい芥川賞!

甘酸っぱい青春時代。夢イッパイキラキラ学生生活。

…という作品ではない、正反対の 青臭さ漂う感じがたまらない作品でした。
なぜ「蹴りたい」「背中」なのか、味わいながら読むのが本当に面白かったです。

自分の本当の気持ちを隠した反抗的な思春期の少女の主人公のストレートな表現は少なく、
主人公の感情は分かりにくいけれど、ストーリーはストレート。

パッとしない一見クラスに1人はいる暗い感じの男の子、にな川くん。
主人公の女の子の彼に対する感情
蔑視、軽侮、興味、好奇心、エロス、挑発、嫉妬、愛情、母性、…そして「蹴りたい背中」。
読む時代で「蹴りたい」「背中」の自分の感じかたが変わっていく作品で、
手元に置いておいて、長く楽しめる作品だと思います。

学生時代ひねくれ少女だった方にお勧めです。
蹴りたい背中 Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中より
4309015700
No.81
(5pt)

大変読みやすい芥川賞!

甘酸っぱい青春時代。夢イッパイキラキラ学生生活。

…という作品ではない、正反対の 青臭さ漂う感じがたまらない作品でした。
なぜ「蹴りたい」「背中」なのか、味わいながら読むのが本当に面白かったです。

自分の本当の気持ちを隠した反抗的な思春期の少女の主人公のストレートな表現は少なく、
主人公の感情は分かりにくいけれど、ストーリーはストレート。

パッとしない一見クラスに1人はいる暗い感じの男の子、にな川くん。
主人公の女の子の彼に対する感情
蔑視、軽侮、興味、好奇心、エロス、挑発、嫉妬、愛情、母性、…そして「蹴りたい背中」。
読む時代で「蹴りたい」「背中」の自分の感じかたが変わっていく作品で、
手元に置いておいて、長く楽しめる作品だと思います。

学生時代ひねくれ少女だった方にお勧めです。
蹴りたい背中 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中 (河出文庫)より
4309408419
No.80
(4pt)

新しい青春小説

綿矢りささんによる小説。2003年に書かれ2004年には芥川賞を受賞し話題になった。
今更ながら話題作であったことを思い返しながら、当時を思い出しながら読んでみた。

19歳、大学生になったばかりの1984年生まれが書いたのかと驚かされた。
友人が少ない少女の心的描写が細かく的を得たものに思える。
考え方が対照的なにな川(友人が少ない点は同じ)との交流する中で変化する行動。考え方。

本書を読むといわゆる一般的な青春とは異なる。
それがかえってリアリティーを感じさせているのだろうか。

斎藤美奈子さんの解説を読むことで、この小説のポイントが見えてくるように思います。
ただ表面的にすらっと読むだけでは、だから??のように思えてしまうでしょう。

何気ない日本語表現の奥深さを感じ取るべき作品の一つなのかもしれない。
蹴りたい背中 Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中より
4309015700
No.79
(4pt)

新しい青春小説

綿矢りささんによる小説。2003年に書かれ2004年には芥川賞を受賞し話題になった。
今更ながら話題作であったことを思い返しながら、当時を思い出しながら読んでみた。

19歳、大学生になったばかりの1984年生まれが書いたのかと驚かされた。
友人が少ない少女の心的描写が細かく的を得たものに思える。
考え方が対照的なにな川(友人が少ない点は同じ)との交流する中で変化する行動。考え方。

本書を読むといわゆる一般的な青春とは異なる。
それがかえってリアリティーを感じさせているのだろうか。

斎藤美奈子さんの解説を読むことで、この小説のポイントが見えてくるように思います。
ただ表面的にすらっと読むだけでは、だから??のように思えてしまうでしょう。

何気ない日本語表現の奥深さを感じ取るべき作品の一つなのかもしれない。
蹴りたい背中 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中 (河出文庫)より
4309408419
No.78
(5pt)

個と集団

著者の自伝的要素がある作品なのだろうか?
 クラスメイトのオタク男性に無意識にひかれていく話。
 高校生ならではの価値観というか,中学から高校にあがってからの葛藤から,次第に個人と集団について考えて悩む姿も描かれている。
 主人公の場合は,望まないで孤独になっている。オタク青年にな川の場合は自分で選ぶことで孤独な立場を貫いている。それに対して,中学からの同級生の従来通りに集団の中で楽しく生きようとする絹代との対比が自分の中では伏線であったように感じた。
蹴りたい背中 Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中より
4309015700
No.77
(5pt)

個と集団

著者の自伝的要素がある作品なのだろうか?
 クラスメイトのオタク男性に無意識にひかれていく話。
 高校生ならではの価値観というか,中学から高校にあがってからの葛藤から,次第に個人と集団について考えて悩む姿も描かれている。
 主人公の場合は,望まないで孤独になっている。オタク青年にな川の場合は自分で選ぶことで孤独な立場を貫いている。それに対して,中学からの同級生の従来通りに集団の中で楽しく生きようとする絹代との対比が自分の中では伏線であったように感じた。
蹴りたい背中 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中 (河出文庫)より
4309408419
No.76
(5pt)

限りなく高校生

一部の高校生にとってこれほどまで心を奪われる小説はない。
そしてこれは文学ではない。複雑に考えず、いま友達がいない、学校が楽しくない、そんな人はぜひ一読を。
可愛い著者のさびしく美しいプレゼント。
平成生まれこそ共感が強い。
蹴りたい背中 Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中より
4309015700
No.75
(5pt)

限りなく高校生

一部の高校生にとってこれほどまで心を奪われる小説はない。
そしてこれは文学ではない。複雑に考えず、いま友達がいない、学校が楽しくない、そんな人はぜひ一読を。
可愛い著者のさびしく美しいプレゼント。
平成生まれこそ共感が強い。
蹴りたい背中 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中 (河出文庫)より
4309408419
No.74
(5pt)

天才だ!やっぱり

売れた当時は話題性が先行していてなんかミーハーっぽい小説かなあと思って適当に読んで適当に流してたけど、今
改めてまっさらな気持ちで読んでみたら新鮮な発見がたくさんでびっくり。
そっか、これ青春小説のセオリーをぶっこわした青春小説なんだなー、とか
さびしさは鳴る、のか。すごい研ぎ澄まされた聴覚、嗅覚、その他感受性もろもろとそれを言葉にするセンスだなあ、
とか
リストカットとか売春じゃなく「蹴る」ことが女の子の鬱屈した感情の暴発を表現してるなんて誰も思いつかねーよ、とか
これ恋愛でも友情でもないしなんなん?って感じのあぶなっかしくて変な関係性がキュートだなあ、とか

さらっと読めちゃうだけにさらっと読んでエンターテイメント系通俗小説としてポイ!とした読者が多いきがするけど、
いやー、もったいねえ。
ちゃんと読み返した方がいいぞ綿谷りさ。あんなにかわいいのにけっこうえげつなおもろいぞ。
かわいいことで損してる。
斉藤美奈子のナイス解説もついててお得。
蹴りたい背中 Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中より
4309015700
No.73
(5pt)

天才だ!やっぱり

売れた当時は話題性が先行していてなんかミーハーっぽい小説かなあと思って適当に読んで適当に流してたけど、今
改めてまっさらな気持ちで読んでみたら新鮮な発見がたくさんでびっくり。
そっか、これ青春小説のセオリーをぶっこわした青春小説なんだなー、とか
さびしさは鳴る、のか。すごい研ぎ澄まされた聴覚、嗅覚、その他感受性もろもろとそれを言葉にするセンスだなあ、
とか
リストカットとか売春じゃなく「蹴る」ことが女の子の鬱屈した感情の暴発を表現してるなんて誰も思いつかねーよ、とか
これ恋愛でも友情でもないしなんなん?って感じのあぶなっかしくて変な関係性がキュートだなあ、とか

さらっと読めちゃうだけにさらっと読んでエンターテイメント系通俗小説としてポイ!とした読者が多いきがするけど、
いやー、もったいねえ。
ちゃんと読み返した方がいいぞ綿谷りさ。あんなにかわいいのにけっこうえげつなおもろいぞ。
かわいいことで損してる。
斉藤美奈子のナイス解説もついててお得。
蹴りたい背中 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中 (河出文庫)より
4309408419
No.72
(4pt)

読みやすく、深い。

心理描写や情景描写がわかりやすく、それでいて浅はかでない。
純文学らしく、平凡な高校生達の日常が描かれているだけであるが、
巧みな表現によってそうとは感じさせない。
忘れてしまっていた何かが心に残る。しばし感傷的な気分に浸れるような読後感。
いかんせん重く、鬱になりがちな純文学において、こういう軽さ・爽やかさも必要であると思う。
蹴りたい背中 Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中より
4309015700
No.71
(4pt)

読みやすく、深い。

心理描写や情景描写がわかりやすく、それでいて浅はかでない。
純文学らしく、平凡な高校生達の日常が描かれているだけであるが、
巧みな表現によってそうとは感じさせない。
忘れてしまっていた何かが心に残る。しばし感傷的な気分に浸れるような読後感。
いかんせん重く、鬱になりがちな純文学において、こういう軽さ・爽やかさも必要であると思う。
蹴りたい背中 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中 (河出文庫)より
4309408419
No.70
(4pt)

とても19歳が書いたとは思えない

私が発売当初この本を購入した時は確か高校生だったと思います。
そして今、久々に引っ張り出して読んだのですが全くと言っていい程内容を覚えていませんでした。
あれ、こんな本だったっけ・・・と。

この本は最初から最後までこれと言った大きな事件は特に起きません。例えるなら一本の緩やかな曲線のよう。読者の感情を大きく揺さぶる様なシーンは無いんです。
ですので退屈に感じた方も少々いらっしゃるようです。
確かに賛否両論あるのは理解出来ますし、私もこの本を片っ端から周りの人間に薦めるかと言えばちょっと違う。
しかし、だからこそ登場人物の心情が細やかに表現されていて、とても丁寧で綺麗な小説だなぁと私には感じました。鬱屈とした、少しひねた性格を持つ女子高生の日常。
毎日の生活での出来事に対して抱く小さな感情。
私は少し吉本ばななさんの小説に近い物を感じました。
日々色々な事を感じて生活する私たちも、それを上手く文章化するのはとても難しい。19歳という若さでこの本を書き上げた作者にはただ感服です。
蹴りたい背中 Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中より
4309015700
No.69
(4pt)

とても19歳が書いたとは思えない

私が発売当初この本を購入した時は確か高校生だったと思います。
そして今、久々に引っ張り出して読んだのですが全くと言っていい程内容を覚えていませんでした。
あれ、こんな本だったっけ・・・と。

この本は最初から最後までこれと言った大きな事件は特に起きません。例えるなら一本の緩やかな曲線のよう。読者の感情を大きく揺さぶる様なシーンは無いんです。
ですので退屈に感じた方も少々いらっしゃるようです。
確かに賛否両論あるのは理解出来ますし、私もこの本を片っ端から周りの人間に薦めるかと言えばちょっと違う。
しかし、だからこそ登場人物の心情が細やかに表現されていて、とても丁寧で綺麗な小説だなぁと私には感じました。鬱屈とした、少しひねた性格を持つ女子高生の日常。
毎日の生活での出来事に対して抱く小さな感情。
私は少し吉本ばななさんの小説に近い物を感じました。
日々色々な事を感じて生活する私たちも、それを上手く文章化するのはとても難しい。19歳という若さでこの本を書き上げた作者にはただ感服です。
蹴りたい背中 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中 (河出文庫)より
4309408419
No.68
(4pt)

前作のほうが好き

確かにセンス抜群の青春小説なのだが、自分は前作『インストール』のほうが好きだ。あのへにゃちょこ女子高生の穿った世界の捉え方が面白かったのに、今作は幾分真面目に書かれすぎているように思う。ともあれ、今回も綿矢りさの「なんだかなぁ」といった小生意気な人の捉え方は健在なので、それを楽しんで読みましょう。世のおじさんたちは、そんな彼女に説教したくてしたくて、読みながらウズウズしてしまうでしょうが(その結果がここのレビューです)。
蹴りたい背中 Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中より
4309015700
No.67
(4pt)

前作のほうが好き

確かにセンス抜群の青春小説なのだが、自分は前作『インストール』のほうが好きだ。あのへにゃちょこ女子高生の穿った世界の捉え方が面白かったのに、今作は幾分真面目に書かれすぎているように思う。ともあれ、今回も綿矢りさの「なんだかなぁ」といった小生意気な人の捉え方は健在なので、それを楽しんで読みましょう。世のおじさんたちは、そんな彼女に説教したくてしたくて、読みながらウズウズしてしまうでしょうが(その結果がここのレビューです)。
蹴りたい背中 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中 (河出文庫)より
4309408419
No.66
(5pt)

妙な愛おしさ

綿矢りさは学校のクラスや会社の人間からすこし孤立した(それを苦悩するほど深刻ではないにせよ)女の子が少しずつ友達や恋人との交流をすすめる、というプロットを一貫して描いている。寡作ではあるが、どの作品にもさりげなくハッとするような洞察が清潔な一文で描かれているので、それを求めて読む。本作ではまだ文学的な比喩が気恥ずかしい部分もあるけど、最近の著作ではもっと自然な気負いのない文章に帰結していて、個人的には好きだ。

特にこの作品では、インターネットや携帯が広まる前夜の微妙な年代の雰囲気がよく描かれている。主人公の長谷川は、思春期にありがちな型に嵌った自己イメージで自分を武装して孤立しているのだが、にな川や絹代とのやりとりのなかで(それを長谷川本人はバカにしているものの)、すこしずつ心を緩ませていく。その微妙な変化は本人には意識されないが、にな川への「蹴りたい背中」という気持ちとして表出する。それが妙に愛おしく、またそれを共感させることができるのは著者の力量の表れだと思う。

同世代の人間としては著者がこういった現実的な空気感をもつ小説を、著者自身の加齢を反映しながら数年ごとに送り出してくれるのがとても嬉しい。昔からの友人の手紙を受け取るように読める。
蹴りたい背中 Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中より
4309015700
No.65
(5pt)

妙な愛おしさ

綿矢りさは学校のクラスや会社の人間からすこし孤立した(それを苦悩するほど深刻ではないにせよ)女の子が少しずつ友達や恋人との交流をすすめる、というプロットを一貫して描いている。寡作ではあるが、どの作品にもさりげなくハッとするような洞察が清潔な一文で描かれているので、それを求めて読む。本作ではまだ文学的な比喩が気恥ずかしい部分もあるけど、最近の著作ではもっと自然な気負いのない文章に帰結していて、個人的には好きだ。

特にこの作品では、インターネットや携帯が広まる前夜の微妙な年代の雰囲気がよく描かれている。主人公の長谷川は、思春期にありがちな型に嵌った自己イメージで自分を武装して孤立しているのだが、にな川や絹代とのやりとりのなかで(それを長谷川本人はバカにしているものの)、すこしずつ心を緩ませていく。その微妙な変化は本人には意識されないが、にな川への「蹴りたい背中」という気持ちとして表出する。それが妙に愛おしく、またそれを共感させることができるのは著者の力量の表れだと思う。

同世代の人間としては著者がこういった現実的な空気感をもつ小説を、著者自身の加齢を反映しながら数年ごとに送り出してくれるのがとても嬉しい。昔からの友人の手紙を受け取るように読める。
蹴りたい背中 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: 蹴りたい背中 (河出文庫)より
4309408419