蹴りたい背中
評判
蹴りたい背中の評価:
3.63/5点 レビュー 175件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全68件 21〜40 2/4ページ
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高樹のぶ子は「小説のカタチで新しさ主張する愚にも陥らず」と述べているが、いやいや完全に陥っているでしょうに。仮にも純文学作品に(笑)とは一体どういう了見だ。こんなものが二十一世紀の始めに話題に登ったことを恥ずべきである。
山田詠美も宮本輝も河野多恵子も黒井千次も、皆「若いのによく頑張りましたね。エライね。」と言わんばかりの選評。私は宇野浩二が読んだらどうだっただろうと要らん妄想までしてしまった。
高樹の読みは見事に外れている。
「作者は、作者の周辺に流行しているだろうコミック的観念遊びに足をとられず」
とも書いているが、「コミック的観念遊び」とは、そもそも何ぞや。コミック及び若者をなめてんのか説明が欲しい。仮にも作家であろうに、結局この人は年老いて世相の時流に着いて行けず、部屋に閉じこもって小説を書くような人間で、そういう人間にとってのこの作品の解放性は非常に刺激的なものだったのであろう。
この時点での綿矢りさは、心情描写に非常に優れてはいるが、その心情を記号化する程の力はあるのだろうか疑問である。いや、あったのであろうか、とりあえずこの作者には、この時点ではそれが無い。今はどうか。今度また綿矢りさ作品を読んでみたいと思う。おそらく他の人もこれを読めば、そう感じる筈である。
しかし坂口安吾が第二十四回芥川賞選評の際
「私は作者の未来に対してよりも作品に対して受賞すべきだと考えている」
と書いたように、「将来性」やら「新人だから」とかの(ハツに言わせればハッ。ていうこの)スタンスで作品の評価まで高めて良いものか。折角先人が積み上げてきた現実と虚構の関係性を壊すものではないかと思う。不思議な作品である。
(こんな風に偉そうにレビューを書いて、商売の邪魔にはならないだろうか、心配だ……)