忘れられた巨人

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評判

忘れられた巨人の評価:

3.88/5点 レビュー 139件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.88pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全50件 1〜20 1/3ページ
No.50
(1pt)

なんかセコイヤ

帯無し、開きにクセがある。この本はわたしの知ってる新品ではない。訳あり商品だったのですね
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.49
(1pt)

なんかセコイヤ

帯無し、開きにクセがある。この本はわたしの知ってる新品ではない。訳あり商品だったのですね
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.48
(1pt)

並外れたつまらなさ

仮にイシグロのデビュー作がこれだったらおそらくなんの反応も得られなかったと思う。
ゲド戦記の第3巻から高尚な雰囲気までもを抜き去ったみたいな小説。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.47
(1pt)

並外れたつまらなさ

仮にイシグロのデビュー作がこれだったらおそらくなんの反応も得られなかったと思う。
ゲド戦記の第3巻から高尚な雰囲気までもを抜き去ったみたいな小説。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.46
(2pt)

退屈な愛国心

「源氏物語」のような偉大な古典を持つ国で生まれながら、英語で書く英国人作家になった人が、自国の退屈な古典であるアーサー王伝説を下敷きにしたのはいささか老人じみた偏屈な愛国心であろうか。内容はそれに応じて退屈であり、老夫婦の愛情を描くために龍がどうとかいう退屈な書割を用意しているようで、なんだか「ぢいさんばあさん」のようでもある。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.45
(2pt)

退屈な愛国心

「源氏物語」のような偉大な古典を持つ国で生まれながら、英語で書く英国人作家になった人が、自国の退屈な古典であるアーサー王伝説を下敷きにしたのはいささか老人じみた偏屈な愛国心であろうか。内容はそれに応じて退屈であり、老夫婦の愛情を描くために龍がどうとかいう退屈な書割を用意しているようで、なんだか「ぢいさんばあさん」のようでもある。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.44
(2pt)

物語は完結しない

読み終えても、結局、最後どうなったかがわかりません。
そういう終わり方が好きな方や、受け入れられる方は良いかもしれません。私はそういうのは受け入れられず、心の霧は残ったままです。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.43
(2pt)

物語は完結しない

読み終えても、結局、最後どうなったかがわかりません。
そういう終わり方が好きな方や、受け入れられる方は良いかもしれません。私はそういうのは受け入れられず、心の霧は残ったままです。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.42
(2pt)

テーマは単純。読んでいてほとんど楽しめない欠陥小説。

私もカズオ・イシグロ氏が2017年のノーベル文学賞を受賞した日系英国人ということでその名前を知り読み始めた人間です。
カズオ・イシグロという作家はかなり寡作で、現時点での公式なアナウンスでは「長編小説7作品」と「短編集」ですから、彼の年齢を考えてもやはり相当に寡作なのは事実でしょう。
この『忘れられた巨人』は完成するまでに10年かかったそうですが、その長い執筆期間はそもそも本作にとってあまりいい影響を与えてはいないようにも感じてしまいました。
私は本作を読みすすめるのが大変でしたし、おそらく他の多くの読者も似たような思いをしながら読んでいるのではないかと思います。
この小説は「寓話」や「神話」の形式をベースにした、スムーズでリズムのいい文章にはなっていません。
むしろ大仰で不自然な語り口と、かなり退屈なストーリーというのが正直なもので、難解・晦渋な小説だといっていいのではないでしょうか。
ただ「文章」そのものはむしろ平易なのですが、著者によるテーマは非常にコンセプチャルで、読む楽しみよりは作者の単純な意図の表現という意味あいの方が強いという難儀な作品です。

原題は『The Buried Giant』ですから「埋葬された巨人」が直訳になるでしょう。
本書の詳細までは書きませんが、大きなテーマは「記憶」で「国家間・人種間の問題」などは「大きな記憶」としてあり、それぞれの個人的な人間関係における記憶は「小さな記憶」であり、「大きな記憶」というのはなかなか消し去ることは難しくいつまでも深く残り続けるのに対して、「小さな記憶」というのはそれぞれの個人レベルでのことなので「ゆるし(許し・赦し)」というものは納得できればすぐにでもおこりえるということを、イシグロ氏はこれら二種類の「記憶」を対比することで作品の主テーマにしているようですが、はっきりいってそれだけがテーマの小説でもあります。

私もこうした作品テーマについて読後に理解してからは「ああ、なるほど」とは思いましたが、それでもそうしたテーマに比して、そもそも小説としてあまりにも出来が悪いという致命的な欠点の方を強く感じてしかたがありません。
そういうテーマを読み取って考えることは大変重要なことだと理解は出来ますが、ほぼそのためだけに延々と綴られた長くて退屈な文章を読まされるのは、小説として重要な要素が完全に欠落しているのではないかという不満ばかりを感じます。
個人間の争いはなんとかなるが、国家間・民族間の戦争というものはそうそう簡単には解決できないということが言いたいだけならば、新聞のコラム数行程度でそもそも伝達できることではありませんか?それを全く楽しめない長編小説にされても・・・というのが私の本音です。

本作の英語圏での一般評価が気になったので「amazon.com」で検索してみたところ、英語圏でも本作の評価は辛いものでした。3.7★(1,049 customer reviews)です。
ちなみにamazon.comでのカズオ・イシグロ氏の最高評価作品は『日の名残り』で4.4★でした。
英語圏の読者にとっても「かなり読みにくい作品」という感想は多かったので、これは邦訳の問題ではありません。
頁も終わりのほうになって色々なことが明らかになってはいきますが、それらの話し上のつながりがとても悪いです。
とってつけたようなそれぞれの細かいエピソード展開と、これまた適当感が拭えないお粗末な結末のせいで、余計に読後感を削がれているようにしか思えなかったです。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.41
(2pt)

テーマは単純。読んでいてほとんど楽しめない欠陥小説。

私もカズオ・イシグロ氏が2017年のノーベル文学賞を受賞した日系英国人ということでその名前を知り読み始めた人間です。
カズオ・イシグロという作家はかなり寡作で、現時点での公式なアナウンスでは「長編小説7作品」と「短編集」ですから、彼の年齢を考えてもやはり相当に寡作なのは事実でしょう。
この『忘れられた巨人』は完成するまでに10年かかったそうですが、その長い執筆期間はそもそも本作にとってあまりいい影響を与えてはいないようにも感じてしまいました。
私は本作を読みすすめるのが大変でしたし、おそらく他の多くの読者も似たような思いをしながら読んでいるのではないかと思います。
この小説は「寓話」や「神話」の形式をベースにした、スムーズでリズムのいい文章にはなっていません。
むしろ大仰で不自然な語り口と、かなり退屈なストーリーというのが正直なもので、難解・晦渋な小説だといっていいのではないでしょうか。
ただ「文章」そのものはむしろ平易なのですが、著者によるテーマは非常にコンセプチャルで、読む楽しみよりは作者の単純な意図の表現という意味あいの方が強いという難儀な作品です。

原題は『The Buried Giant』ですから「埋葬された巨人」が直訳になるでしょう。
本書の詳細までは書きませんが、大きなテーマは「記憶」で「国家間・人種間の問題」などは「大きな記憶」としてあり、それぞれの個人的な人間関係における記憶は「小さな記憶」であり、「大きな記憶」というのはなかなか消し去ることは難しくいつまでも深く残り続けるのに対して、「小さな記憶」というのはそれぞれの個人レベルでのことなので「ゆるし(許し・赦し)」というものは納得できればすぐにでもおこりえるということを、イシグロ氏はこれら二種類の「記憶」を対比することで作品の主テーマにしているようですが、はっきりいってそれだけがテーマの小説でもあります。

私もこうした作品テーマについて読後に理解してからは「ああ、なるほど」とは思いましたが、それでもそうしたテーマに比して、そもそも小説としてあまりにも出来が悪いという致命的な欠点の方を強く感じてしかたがありません。
そういうテーマを読み取って考えることは大変重要なことだと理解は出来ますが、ほぼそのためだけに延々と綴られた長くて退屈な文章を読まされるのは、小説として重要な要素が完全に欠落しているのではないかという不満ばかりを感じます。
個人間の争いはなんとかなるが、国家間・民族間の戦争というものはそうそう簡単には解決できないということが言いたいだけならば、新聞のコラム数行程度でそもそも伝達できることではありませんか?それを全く楽しめない長編小説にされても・・・というのが私の本音です。

本作の英語圏での一般評価が気になったので「amazon.com」で検索してみたところ、英語圏でも本作の評価は辛いものでした。3.7★(1,049 customer reviews)です。
ちなみにamazon.comでのカズオ・イシグロ氏の最高評価作品は『日の名残り』で4.4★でした。
英語圏の読者にとっても「かなり読みにくい作品」という感想は多かったので、これは邦訳の問題ではありません。
頁も終わりのほうになって色々なことが明らかになってはいきますが、それらの話し上のつながりがとても悪いです。
とってつけたようなそれぞれの細かいエピソード展開と、これまた適当感が拭えないお粗末な結末のせいで、余計に読後感を削がれているようにしか思えなかったです。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.40
(2pt)

忘れられた巨人

奇妙な霧に覆われた世界を、アクセルとベアトリスの老夫婦は遠い地で暮らす息子との再会を信じてさまよう。旅するふたりを待つものとは……。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.39
(2pt)

忘れられた巨人

奇妙な霧に覆われた世界を、アクセルとベアトリスの老夫婦は遠い地で暮らす息子との再会を信じてさまよう。旅するふたりを待つものとは……。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.38
(1pt)

本当につまらない 空前のテンポの悪さと退屈

英語の物語だから、文章のニュアンスが馴染まないなどあるのかもしれないが、読み進めるのが苦痛なほどに文章のテンポが悪く、登場人物の発言や感情表現まで一向に興味がわかない。
こんなに本をゴミ箱に投げ捨てたくなったのが初めてでたまらずレビューを書いた。

読書量はある方だと思っているけど、こんなに本の悪口を言いたくなったのは史上初。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.37
(1pt)

本当につまらない 空前のテンポの悪さと退屈

英語の物語だから、文章のニュアンスが馴染まないなどあるのかもしれないが、読み進めるのが苦痛なほどに文章のテンポが悪く、登場人物の発言や感情表現まで一向に興味がわかない。
こんなに本をゴミ箱に投げ捨てたくなったのが初めてでたまらずレビューを書いた。

読書量はある方だと思っているけど、こんなに本の悪口を言いたくなったのは史上初。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.36
(2pt)

途中で読むのを止めようかな、一旦、・・・・と読者に内省を促す小説

3分の1くらいのところでレビューを書くのは不適当なことは知りつつも、ここで他の作品に移行しますので・・・・感想みたいなものを書いておきます。

  物語が平坦で冗長、これから人類が考えるべき何か、あるいは、私たちが答えを持たなければならない主題が明文化されていくのでしょうが・・・・それを待つほどには、今は忍耐がないようです。わたしは、東野圭吾の小説のように物理学者の准教授、―――「俺って、何でも知っているでしょ?!」、―――が解決するような事件を待っているわけではありませんが・・・・。
これまで読んだ、彼の優れた作品『わたしを離さないで』『日の名残り 』 とは十分違う印象です。

  後で、復活(わたしが)―――たぶん―――しますので、その時に、この続きを書きます。とにかく思わず一旦休みたくなるような様式・内容の小説です、so far. 疲れました。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.35
(2pt)

途中で読むのを止めようかな、一旦、・・・・と読者に内省を促す小説

3分の1くらいのところでレビューを書くのは不適当なことは知りつつも、ここで他の作品に移行しますので・・・・感想みたいなものを書いておきます。

  物語が平坦で冗長、これから人類が考えるべき何か、あるいは、私たちが答えを持たなければならない主題が明文化されていくのでしょうが・・・・それを待つほどには、今は忍耐がないようです。わたしは、東野圭吾の小説のように物理学者の准教授、―――「俺って、何でも知っているでしょ?!」、―――が解決するような事件を待っているわけではありませんが・・・・。
これまで読んだ、彼の優れた作品『わたしを離さないで』『日の名残り 』 とは十分違う印象です。

  後で、復活(わたしが)―――たぶん―――しますので、その時に、この続きを書きます。とにかく思わず一旦休みたくなるような様式・内容の小説です、so far. 疲れました。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.34
(2pt)

どこまでも焦点の合わない小説

ファンタジー要素を盛り込んだ意欲作なんでしょうが…この手の物語は設定をしっかりしないとただ荒唐無稽に堕するものですが、この作品は残念ながらその類と思いました。
戦士、騎士、竜、鬼、小妖精…いずれも唐突で初めの頃はなにかの比喩表現かと思いましたが、言葉通りであると分かれば陳腐の感を禁じえません。
うんざりするほど繰り返されるトンチンカンな会話といい、そもそもの動機の曖昧であることといい、主人公たち二人の人物像はどこまでもぼんやりと、それこそ霧に包まれたような具合です。
忘却がテーマのこの小説、あるいは認知症の疑似体験と思えば、よく出来ているのかもしれない。こんなにも取り留めのない読後感はなかなかにありませんから。
ただ、これが“あのカズオ・イシグロ”の小説でなく、無名の新人のデビュー作だとしたら、どこまでの評価を獲られるのやら甚だ疑問に思います。
総じて好みではありませんが、忘却の霧の根源とされてしまった雌竜の、実は弱々しく、山査子のみを友として生き永らえる運命の悲哀はさすがに上手いと思いました。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.33
(2pt)

どこまでも焦点の合わない小説

ファンタジー要素を盛り込んだ意欲作なんでしょうが…この手の物語は設定をしっかりしないとただ荒唐無稽に堕するものですが、この作品は残念ながらその類と思いました。
戦士、騎士、竜、鬼、小妖精…いずれも唐突で初めの頃はなにかの比喩表現かと思いましたが、言葉通りであると分かれば陳腐の感を禁じえません。
うんざりするほど繰り返されるトンチンカンな会話といい、そもそもの動機の曖昧であることといい、主人公たち二人の人物像はどこまでもぼんやりと、それこそ霧に包まれたような具合です。
忘却がテーマのこの小説、あるいは認知症の疑似体験と思えば、よく出来ているのかもしれない。こんなにも取り留めのない読後感はなかなかにありませんから。
ただ、これが“あのカズオ・イシグロ”の小説でなく、無名の新人のデビュー作だとしたら、どこまでの評価を獲られるのやら甚だ疑問に思います。
総じて好みではありませんが、忘却の霧の根源とされてしまった雌竜の、実は弱々しく、山査子のみを友として生き永らえる運命の悲哀はさすがに上手いと思いました。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.32
(1pt)

クライマックスのない水彩画

カズオ・イシグロで一気に読めなかった初めての作品。

まず時代が分らない。主人公が洞窟に住んでいるので石器時代の話しかと思ったがそうではないらしい。
老夫婦が旅に出る一種のロードムービーだが途中でアーサー王の甥?という老騎士が現われる。
すると時代はアングロ・サクソンがブリテン島に上陸しケルト人を征服する時期か?

老夫婦が次々出くわすボートマンやサクソン人の闘士、さらわれた少年や鬼? 領主の兵士、さらには雌竜?
このあたりのエピソードはリアリティーがない上に描写がさらっとしすぎて深みがなく心に染みいる感動がない。
正にファンタジーゲームの展開のような登場人物達。

雌竜はゴジラのような迫力か、はたまた八岐大蛇のようなおどろおどろしい怪物かと思いきや
老齢で息も絶え絶えに呼吸をしているだけ。あっという間にサクソン闘士に頸をはねられ一巻の終わり。
この竜が人々の記憶を消しているという。息が霧となって記憶を消すという。
一体全体この竜は元々そこにいるのか? 誰かの命令で巣に蟠踞しているのか?

この竜を巡ってアーサー王の甥とサクソン闘士が闘う理由もよく分からない。
アーサー王の甥は実はこの竜を守っているという。何のために? アーサー王が竜を造り配置したのか?

この小説はファンタジー。何でもありでその説明はほとんどない。濃密な心理描写で別離や喪失を
描いた他の感動作とは随分違う。初期作品のような気持ちで読み始めるとがっかりする。
きっちり細部まで入念に描き込んだ油絵を初期イシグロ作品とするなら、これは力を抜いてゲーム世代向きに書いた
余白ばかり多い水彩画だろう。

騎士同士の戦いもあっという間に終わり、竜は存在意義が分らないまま簡単に殺され、息子の家出の理由も
大したことではない。イシグロもこういうのを書くのかという落胆の一冊。

この本からイシグロに入ると彼の真価を見誤ります。「日の名残り」「遠い山なみの光」がおすすめ。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.31
(1pt)

クライマックスのない水彩画

カズオ・イシグロで一気に読めなかった初めての作品。

まず時代が分らない。主人公が洞窟に住んでいるので石器時代の話しかと思ったがそうではないらしい。
老夫婦が旅に出る一種のロードムービーだが途中でアーサー王の甥?という老騎士が現われる。
すると時代はアングロ・サクソンがブリテン島に上陸しケルト人を征服する時期か?

老夫婦が次々出くわすボートマンやサクソン人の闘士、さらわれた少年や鬼? 領主の兵士、さらには雌竜?
このあたりのエピソードはリアリティーがない上に描写がさらっとしすぎて深みがなく心に染みいる感動がない。
正にファンタジーゲームの展開のような登場人物達。

雌竜はゴジラのような迫力か、はたまた八岐大蛇のようなおどろおどろしい怪物かと思いきや
老齢で息も絶え絶えに呼吸をしているだけ。あっという間にサクソン闘士に頸をはねられ一巻の終わり。
この竜が人々の記憶を消しているという。息が霧となって記憶を消すという。
一体全体この竜は元々そこにいるのか? 誰かの命令で巣に蟠踞しているのか?

この竜を巡ってアーサー王の甥とサクソン闘士が闘う理由もよく分からない。
アーサー王の甥は実はこの竜を守っているという。何のために? アーサー王が竜を造り配置したのか?

この小説はファンタジー。何でもありでその説明はほとんどない。濃密な心理描写で別離や喪失を
描いた他の感動作とは随分違う。初期作品のような気持ちで読み始めるとがっかりする。
きっちり細部まで入念に描き込んだ油絵を初期イシグロ作品とするなら、これは力を抜いてゲーム世代向きに書いた
余白ばかり多い水彩画だろう。

騎士同士の戦いもあっという間に終わり、竜は存在意義が分らないまま簡単に殺され、息子の家出の理由も
大したことではない。イシグロもこういうのを書くのかという落胆の一冊。

この本からイシグロに入ると彼の真価を見誤ります。「日の名残り」「遠い山なみの光」がおすすめ。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369