ネクサス
評判
ネクサスの評価:
4.26/5点 レビュー 27件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1〜3 1/1ページ
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ネクサスの評価:
4.26/5点 レビュー 27件。 A ランク
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この、革新的だが危険極まりない新技術を使用することで、人と人とが精神的につながり個というものはなくなり、人類はひとつの巨大な集合体になる。
そうなれば世界から争いがなくなるのという論理で、それを全人類にばらまいてしまおうとする勢力と、それを阻止したい勢力との争いの話。
ネクサス推進派を肯定するために、それを取り締まる側のアメリカ政府はかなり悪く描かれている。
現実世界の、テロとの戦争と称した強引な軍事作戦への批判の意味もあるのだろうが、同時に作品からは、著者のテロリストへのシンパシーも感じられる。
仏教の独自の解釈による瞑想への傾倒。
薬物による肉体的な快楽の追及。
自由は安心より優先されるべきという主張。
人類が精神的につながることで、世界は平和になるという思想。
自分は世代ではないので詳しくはないが、著者にはどうやらヒッピー文化の影響がありそうだ。
これまで周りの環境に合わせ緩やかに行われて来た人類の進化を、問題ありまくりの技術を使い、人為的に一足飛びに進めてしまおうとする推進派の人々。
世界が争いと混乱の惨禍に見舞われると確信しながらも、成熟しているとは到底いえない、ごく一部のIQの高い人間たちだけで勝手にそれを決めてしまうのだが、作品はこれこそが道理だとする。
いやいや、ちょっと待て。
ネクサスが人類にとって良いものだとしたいのなら、そうなるように改良してから世に出すべきだし、少なくとも、多数の人々で議論を重ねた上で結論を出すべき重大な事案なはず。
人類が滅亡の淵に立たされているような世界での、やむを得ない手段としてならばわからなくはないが、そういう状況設定でもない。
これではブレーキのない車を市販するようなものだ。
ここには強い違和感を覚える。
著者による巻末の「付録」にあるような、人や社会の役に立つ新技術は、どんどん開発を進めるべきだと思う。
しかし、ネクサスはそれらとは全く次元が違う、人間のあり方そのものを変えてしまう、とんでもない代物なのだ。
個人的に、赤の他人と精神的に一体になるなんてことは、恐ろしくてとても考えられないし、それで世界が平和になるという思想も理解できない。
作品を通して「世界とはこういうものだ」という独自の世界観を読者に示すのが、SF小説の魅力のひとつだと思う。
でも、なかにはその世界観を受け入れにくいものもあったりする。
本作には、そのなかでも郡を抜いて強烈な拒絶感を抱かされた(続編がどう展開するのかはわからないが)。
こんなSF小説は他にはない。