カエアンの聖衣

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評判

カエアンの聖衣の評価:

4.40/5点 レビュー 30件。 B ランク

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平均点4.40pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全42件 21〜40 2/3ページ
No.22
(5pt)

なるほどなるほど

ベイリーは禅銃しか読んだことが無く、それが少し苦手だったもので、これはどうかと思っていたがこちらは正直かなり好みであった。
服に人間が支配される、という荒唐無稽なようで若干のリアリティを持った設定が素晴らしい。

ほら、日常の中でも服装によってテンションが変わることがあるじゃないですか。
スーツをたまに着ると、なんとなくピシッとした気分になったり、家に帰ってスウェットに着替えると一気に気が抜けたり。
生活の中で、服によって気分が変わるなんて多々あることで、それを拡大解釈&SF的理屈づけした結果がこの本かと思うと実に興味ぶかい。

もちろん、そういった進化(?)をとげた過程に対する、空想学術的な根拠の付け方も面白い。
ジャンルは全く違えど、歴史小説にまま見られるような、トンデモ理屈のような勢いすら感じる。
力業で納得させられているような気持ち良さ。

しかし、それはタダの馬鹿げた妄想なんかではない。
なにか外的なものに人間が支配されるという、現実でもままある現象を皮肉った実に素晴らしい小説なのではないかと思う。
それは服でなくてもよい。
経歴であったり、社会的な地位であったり、はたまた何かの称号であったり……人間なんてそもそも周囲の要素にアイデンティティを求めがちなもんで、それに支配されると本末転倒な生き方をせざるをえなくなるぞ、という寓話的な意味合いすら深読みしたくなる。
なかなかマストのように、自分本位の生き方を貫くことなどできはしまい。
ある意味彼こそが、この作品の中で唯一賞賛されるべき、本当の人間なのだと思われる。
まあ、おそらく作者の意図を外れた妄想なんだろうけど……。

ともあれ、SFにはこういった作品の外側、物語を超えた所での想像力を刺激するものがあり、そういった作品に触れたとき、SFという思考実験場で様々な思索を繰り広げる作家の方々に畏敬の念を禁じ得ないのである。

そんな、とても素敵なSF作品でした。
カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120595
No.21
(3pt)

うーん

衣服の精神性から、着用者との関係まで深く考察されていて面白く読みました。ただし、皆さんが言われるようにラストには納得できません。最後まで人間と衣服の関係を突っ込んで描いていただきたかったところです。ラストシーンは、地球上のあるものを想起してしまいました・・・
カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120595
No.20
(3pt)

アニメ「キルラキル」は観ていないが、脚本家中島かずきの解説で観てみたくなった

最初のアマラのパートがなぜか読みにくかった。
でも、中ごろからはカエアン文明についての考察やらが面白くなって
すいすい読めたが、ラストのアマラの船にペデルが回収されてからまた読みにくかった。
可哀想なのはアレクセイだね、あんな事になってしまうしね。
受動知性と能動的知性ってアリストテレス?
プロッシム植物の惑星は1つなのかとか、ペデルが隠した胚珠からプロッシム植物再生するのか
とかこの後の事も楽しく想像できて面白かった。
アニメ「キルラキル」は観ていないが、脚本家中島かずきの解説で観てみたくなったな。
カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120595
No.19
(4pt)

伝説のジャケットスーツ

主人公はカエアンの墜落宇宙船から ”カエアン服飾芸術の帝王” フラショナールの伝説的作品「フラショナール・スーツ」を手にする・・・。

著者の想像したものを所構わず一つの作品にぶち込んだ世界観など正に今作はワイドスクリーンバロックだなあと感じさせるものがあった。
墜落した宇宙船の捜索、超音波生物の惑星、宇宙服を身体の器官として使用し自身の体を退化させてしまった人種など爆発的なアイデアが至る所に散りばめられている。
特にカエアン産の衣服を着ることで自身が優れた能力を得る設定は稀有なアイディアで、21世紀の今現在に読んでもとても新鮮味を感じられる内容であった。

それだけにとって付けたようなオチの流れに少し失望してしまった。
もう少し「フラショナールスーツ」の主題を軸に盛り上げて欲しかった。
カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120595
No.18
(5pt)

あらためて傑作と思い知らされた。ノスタルジーだけじゃないぞ

ワイドスクリーン・バロックの代表的作家、ベイリーの傑作。本作は、小生的基準ではワイドスクリーン・バロックの範疇には入らない。

中村融が言うところの、ブライアン・オールディスの定義(安田均訳の一部改変):
「ワイドスクリーン・バロックでは、空間的な設定には少なくとも全太陽系ぐらいは使われる――そしてアクセサリーとして、時間旅行が使われるのが望ましい――それに、自我の喪失などといった謎に満ちた複雑なプロット、そして身代金としての世界というスケール、可能性と不可能性の遠近法がドラマチックに立体感をもって描きだされねばならない。偉大な希望は恐るべき破滅と結びあわされる。理想をいえば、登場人物の名は簡潔で、寿命もまた短いことが望ましい」
から言うと、ちょいと展開が狭いし、なんと、本作ではベイリーは伏線をほとんど畳んでいる(小生的には拡げまくって畳めなくなるほどの展開が大好き。褒め言葉としてのバカSF!)…ロシア人の末裔の役割まで上手ーく使っているあたり、何と小説としても結構(ここ重要)成り立っているのだ。

だからこそ傑作であるし、冬川訳(こちらも名訳)であったものを大森訳で現在読み直す価値もある(ファッション用語なんて変わるかわる)。
読みやすさは新訳が上、しかし最初に読んだ30年以上前の衝撃から、旧訳でももう一度読み直そう。

ハヤカワ文庫補完計画のなかでも、コードウェイナー・スミスとバリントン・J・ベイリーのタイトルは拍手ものだ。
カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120595
No.17
(1pt)

傑作ならばレビューはもっと多いはず。

読了後の感想は面白くないモノは暗雲賞を受賞していようが面白くないということでした。

まずは前半は誰が主人公なのか判りません、そして話が飛びます。
あれ?もうそんなことになっちゃったの?と、経緯や細かいディティールは少々、おざなりになります。
登場人物達の個性の創り込みがやや雑なので、人物像がぼやけ人間関係も良くわかりません。
服に関しての表現は秀逸なのでしょうがカエアンの聖衣の能力や目的も判然としません。

「叛逆航路」まではいきませんが、とにかく突拍子もない話なので読者の想像力が試されます。

「意志を持ち思考し、着たものを支配する服」、「農作物のように実る服」と突拍子もないと言う点で
前例が無いのでそのあたりは評価しないといけないのでしょうが、もうちょっと判り易く創りこんでほしかった。

固定観念を持ってしまうのでカバーの挿絵も良くない。

お馬鹿な妄想は得意な私でもちょっとこれは消化不良でしたねぇ。
カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120595
No.16
(5pt)

本当に好きです。

一度読んだら忘れられない小説。
「なんだこれは?」というような題材が、だんだんに説得力や深遠なテーマにつながってくるところが好きです。
カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J7FJ7S
No.15
(5pt)

本当に好きです。

一度読んだら忘れられない小説。
「なんだこれは?」というような題材が、だんだんに説得力や深遠なテーマにつながってくるところが好きです。
カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)より
415010512X
No.14
(5pt)

莫大な制作費で撮られたSF映画を想像して読みましょう。

作者は書きながら、思っていたに違いない。「俺の想像力についてこれるか?」

荒唐無稽な世界が映画に負けるようじゃ小説じゃない。

うん、そうだよ。絶対そうだ。

インフラサウンド?と呼ばれる高周波を武器とする恐竜。それに立ち向かう為の遮蔽スーツ。

宇宙空間で生活しなければならなく、全身鋼鉄で蔽わなければ生きていけない者。

この本のメインテーマであるスーツ、服、衣。様々な衣。

この作品の服に対する作者の考察は、時に読み手を爆笑させたり、震撼させたり、可笑しがらせたりします。
カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J7FJ7S
No.13
(5pt)

莫大な制作費で撮られたSF映画を想像して読みましょう。

作者は書きながら、思っていたに違いない。「俺の想像力についてこれるか?」

荒唐無稽な世界が映画に負けるようじゃ小説じゃない。

うん、そうだよ。絶対そうだ。

インフラサウンド?と呼ばれる高周波を武器とする恐竜。それに立ち向かう為の遮蔽スーツ。

宇宙空間で生活しなければならなく、全身鋼鉄で蔽わなければ生きていけない者。

この本のメインテーマであるスーツ、服、衣。様々な衣。

この作品の服に対する作者の考察は、時に読み手を爆笑させたり、震撼させたり、可笑しがらせたりします。
カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)より
415010512X
No.12
(4pt)

「衣類SF」と呼ばれています。ワイドスクリーンバロックに属します。

ワイドスクリーン・バロック(科学的根拠のない、SF)の代表作とされています。ただ、根拠はなくても、あるように見せるのがこのジャンル。読んでる最中は、そうなのか〜と思ってしまいます。

本作は、衣類SFなどと呼ばれる通り、アイデアが光る傑作です。

物語は二層構造で展開します。

衣装によって、前向きになったり、性的魅力が増したりする特異な文化を持つカエアンの世界。

その世界を調査すべく発信した宇宙船。

一方、カエアンの衣類を積んだまま、遭難した船から積荷を奪おうとする故買屋グループ。

前者は、カエアンの思想の起源となる不思議な人類と出会います。

ここの記述、発想は本当に独特です。

後者は、誘惑に耐えかね、カエアンの最高級の衣類を試着してしまいます。

そして、そこから、カエアンの衣類の恐るべき力が明らかになって行きます。

ここからの展開がスゴイ!びっくりです!

そして、二つの物語はやがて、交差し、カエアン(衣類)の謎へと迫って行きます。

やや二層構造のストーリーが重い感じはあるので、星4つとしますが、とにかく、アイデアが抜群。

他では絶対に見れないと断言出来ます。

真のSF、ある意味では、奇書と言えるでしょう。

ベイリーの最高傑作、是非、一度はお読み下さい。
カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J7FJ7S
No.11
(4pt)

「衣類SF」と呼ばれています。ワイドスクリーンバロックに属します。

ワイドスクリーン・バロック(科学的根拠のない、SF)の代表作とされています。ただ、根拠はなくても、あるように見せるのがこのジャンル。読んでる最中は、そうなのか〜と思ってしまいます。

本作は、衣類SFなどと呼ばれる通り、アイデアが光る傑作です。

物語は二層構造で展開します。

衣装によって、前向きになったり、性的魅力が増したりする特異な文化を持つカエアンの世界。

その世界を調査すべく発信した宇宙船。

一方、カエアンの衣類を積んだまま、遭難した船から積荷を奪おうとする故買屋グループ。

前者は、カエアンの思想の起源となる不思議な人類と出会います。

ここの記述、発想は本当に独特です。

後者は、誘惑に耐えかね、カエアンの最高級の衣類を試着してしまいます。

そして、そこから、カエアンの衣類の恐るべき力が明らかになって行きます。

ここからの展開がスゴイ!びっくりです!

そして、二つの物語はやがて、交差し、カエアン(衣類)の謎へと迫って行きます。

やや二層構造のストーリーが重い感じはあるので、星4つとしますが、とにかく、アイデアが抜群。

他では絶対に見れないと断言出来ます。

真のSF、ある意味では、奇書と言えるでしょう。

ベイリーの最高傑作、是非、一度はお読み下さい。
カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)より
415010512X
No.10
(4pt)

冒険と謎と哲学と

着ている服によって性格や他人に対する影響力が変わったら? 現実世界においても、ピシッとしたスーツ姿の時とジーパンにヨレヨレのTシャツ姿の時では、何となく気分が違ってくるものです。着用者に対する服の影響についてイマジネーションを膨らませた結果が本作でしょう。
こう書くと哲学的、ブンガク的なにおいがプンプンして、「堅苦しい小説はちょっと・・・」と尻込みしてしまう人がいるかもしれません。わたしも読み始めるまでは身構えていましたが、その心配はまったくありませんでした。個性的な登場人物たちと、彼らの不思議な惑星世界を巡る冒険は純粋に楽しめます。また、「フラショナール・スーツとは何なのか?」という謎も、次のページをめくりたくなるテーマとなっています。
20年以上前の翻訳だからでしょうか、ちょっと読みづらい日本語だなぁと感じましたが、飽きさせないストーリー展開で問題なく読み終えました。
堅苦しくてわかりにくい小説は苦手、けれどガチガチのハードコアSFもいまひとつ・・・という人は一読をオススメします。楽しく読み終えた後で、「人間にとって服飾の意味とは?」と思考を自由に巡らせてみたくなりますよ。
カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J7FJ7S
No.9
(4pt)

冒険と謎と哲学と

着ている服によって性格や他人に対する影響力が変わったら? 現実世界においても、ピシッとしたスーツ姿の時とジーパンにヨレヨレのTシャツ姿の時では、何となく気分が違ってくるものです。着用者に対する服の影響についてイマジネーションを膨らませた結果が本作でしょう。
こう書くと哲学的、ブンガク的なにおいがプンプンして、「堅苦しい小説はちょっと・・・」と尻込みしてしまう人がいるかもしれません。わたしも読み始めるまでは身構えていましたが、その心配はまったくありませんでした。個性的な登場人物たちと、彼らの不思議な惑星世界を巡る冒険は純粋に楽しめます。また、「フラショナール・スーツとは何なのか?」という謎も、次のページをめくりたくなるテーマとなっています。
20年以上前の翻訳だからでしょうか、ちょっと読みづらい日本語だなぁと感じましたが、飽きさせないストーリー展開で問題なく読み終えました。
堅苦しくてわかりにくい小説は苦手、けれどガチガチのハードコアSFもいまひとつ・・・という人は一読をオススメします。楽しく読み終えた後で、「人間にとって服飾の意味とは?」と思考を自由に巡らせてみたくなりますよ。
カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)より
415010512X
No.8
(5pt)

SF最高の傑作!

この本を読んだのは今から20年以上前。
でもその時の衝撃は忘れられない。
あたかも「宇宙船ビーグル号の冒険」の様に女船長の宇宙船は敵カエアンの深遠まで入っていく。
しかしその全く異なった世界観(衣装哲学)に彩られた世界の成り立ち、またそこに住む人たちのメンタリティ。
爆発したようなアイデア(蝿の惑星とか)がちりばめられた、これぞワイドスクリーンバロック!
この作品を読まないのはSFファンとして勿体無い。
逆に言えばこの作品が楽しめないならその人はSFには合わない。
もっと他のジャンルの小説を読んだ方が人生を楽しめると思う、と断言してしまって良い程にとってもSFしている作品です。
カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J7FJ7S
No.7
(5pt)

SF最高の傑作!

この本を読んだのは今から20年以上前。
でもその時の衝撃は忘れられない。
あたかも「宇宙船ビーグル号の冒険」の様に女船長の宇宙船は敵カエアンの深遠まで入っていく。
しかしその全く異なった世界観(衣装哲学)に彩られた世界の成り立ち、またそこに住む人たちのメンタリティ。
爆発したようなアイデア(蝿の惑星とか)がちりばめられた、これぞワイドスクリーンバロック!
この作品を読まないのはSFファンとして勿体無い。
逆に言えばこの作品が楽しめないならその人はSFには合わない。
もっと他のジャンルの小説を読んだ方が人生を楽しめると思う、と断言してしまって良い程にとってもSFしている作品です。
カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)より
415010512X
No.6
(4pt)

ななめに存在するサイボーグ理論

サイボーグについて哲学したことがあるだろうか。
ある人にはぜひ一読してほしいサイボーグSFである。
物語自体は通俗なサイボーグ活劇だが、
前半部に登場するサイボーグの生態が、きわめて独創的なのだ。
こんな角度でサイボーグを眺めた作品は他にはない。
SFが好きな人が、どっぷりと他のSFにひたった後で読むべき作品。
SF界のななめ上空を飛びかうベイリーの世界を楽しめるだろう。
カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J7FJ7S
No.5
(4pt)

ななめに存在するサイボーグ理論

サイボーグについて哲学したことがあるだろうか。
ある人にはぜひ一読してほしいサイボーグSFである。
物語自体は通俗なサイボーグ活劇だが、
前半部に登場するサイボーグの生態が、きわめて独創的なのだ。
こんな角度でサイボーグを眺めた作品は他にはない。
SFが好きな人が、どっぷりと他のSFにひたった後で読むべき作品。
SF界のななめ上空を飛びかうベイリーの世界を楽しめるだろう。
カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)より
415010512X
No.4
(4pt)

操られている?

ブランド物の洋服を身につけると、自分まで高級になった気分がするらしい…客観的には高級ブランド品のほうが気の毒になるくらい似合わない場合があっても。とはいえ、ボロボロの洋服を着ているときより、ビシッと折り目のきいたスーツを着ている時の方が、一般的に自分に自信が持ててしまうというのは事実です。借金してまで買うというのはどうかとしても…。
そんな、「流行」が世の中を席捲する社会をチクリと指すように、この物語で描かれる世界では、衣服に振り回されることを愚かと見なす傾向が進んだあげくに、裸が最も精神性が高いという思想に「進化」したジアードと、美しい衣装をまとうことが人生そのものであり、人間の個性であるというカエアンの対立が描かれます。この衣装をめぐってイデオロギーの対立した世界、それに染まった人々の思考、流行、習慣、細部にいたるまで考え抜かれた奇妙な世界の精緻さに魅了されてしまいます。特に強固なスーツを着た姿こそが自分自身であると感じ、生身の体に強烈な自己嫌悪を抱く種族や、けちな犯罪者でありながら、カエアンの衣装の影響力を警戒する自意識の強いマストなど、全く異なる文化を背景に育った登場人物たちが面白い。そして、現実の私たちの世界にあるのは、流行を作り出そうという人々のパワーゲームですけれど、衣装を利用しているつもりで実は衣装に利用されていたら…???
カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF) Amazon書評・レビュー: カエアンの聖衣 (1983年) (ハヤカワ文庫―SF)より
B000J7FJ7S
No.3
(4pt)

操られている?

ブランド物の洋服を身につけると、自分まで高級になった気分がするらしい…客観的には高級ブランド品のほうが気の毒になるくらい似合わない場合があっても。とはいえ、ボロボロの洋服を着ているときより、ビシッと折り目のきいたスーツを着ている時の方が、一般的に自分に自信が持ててしまうというのは事実です。借金してまで買うというのはどうかとしても…。
そんな、「流行」が世の中を席捲する社会をチクリと指すように、この物語で描かれる世界では、衣服に振り回されることを愚かと見なす傾向が進んだあげくに、裸が最も精神性が高いという思想に「進化」したジアードと、美しい衣装をまとうことが人生そのものであり、人間の個性であるというカエアンの対立が描かれます。この衣装をめぐってイデオロギーの対立した世界、それに染まった人々の思考、流行、習慣、細部にいたるまで考え抜かれた奇妙な世界の精緻さに魅了されてしまいます。特に強固なスーツを着た姿こそが自分自身であると感じ、生身の体に強烈な自己嫌悪を抱く種族や、けちな犯罪者でありながら、カエアンの衣装の影響力を警戒する自意識の強いマストなど、全く異なる文化を背景に育った登場人物たちが面白い。そして、現実の私たちの世界にあるのは、流行を作り出そうという人々のパワーゲームですけれど、衣装を利用しているつもりで実は衣装に利用されていたら…???
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