狐笛のかなた

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狐笛のかなたの評価:

4.63/5点 レビュー 134件。 B ランク

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平均点4.63pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全251件 181〜200 10/13ページ
No.71
(5pt)

小夜の肌のあたたかさ

ラストの内容に少し触れています。

春名ノ国と湯来ノ国、両者には美しい水源地若桜野をめぐる
悲しい因縁があり、互いに呪詛をかけました。
静かに祖母と暮らしていた少女小夜は、傷付いた幼い霊狐野火を助け、
二人は惹かれ合います。
野火を抱えて逃げた小夜は幽閉された少年小春丸と友になりますが、
時を経て彼等は逃れられない争いへ巻き込まれていきます。

私達が持つ日本の情景の粋のような春名ノ国。
野火の駆ける音、野山の匂いがしてきそうです。
土地と共に生きる喜び、土地へ溜めこんだ苦しみを登場人物の誰もが持っており、
終わらす事の出来ない争いにやりきれなさも感じます。

しかしあまりに真っ直ぐな小夜と野火は、なりふり構わず呪いも憎しみも超えていきます。
想い合う互いの為に、小春丸の為に、負の連鎖を断ちきる為に。
それが代償を伴おうとも、小さな二人が無心にそうするからこそ、物語は胸に迫ります。
“かなた”とは、そういう言葉です。

最後に小春丸と大朗が若桜野で野火と小夜を見かけた時の、
「ほら、あそこに小夜がおります。」
私はこの台詞が堪らなく切なかったです。
かなたへと渡った彼等に、小春丸は駆け寄る事はしません。
一心に手を振り、彼等も幸せそうに笑います。

上橋菜穂子の練り込まれたストーリーに安心感があり、あっさりと読みやすいです。
あまりに手馴れた書き口と簡潔さのせいか、少し物足りなさもありました。
伝えたいものが溢れ、少し急いでいるような感じです。
読み終わってそう感じましたが、思い返すほど切なさが湧き起こる作品で、
迷いましたが星五つにします。

野火を懐に抱いて駆けた小夜の、肌のように沁みるあたたかさが、全編から感じられる物語です。
狐笛のかなた Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなたより
4652077343
No.70
(5pt)

物語の閉じ方がすばらしい著者

上橋先生の守り人シリーズが好きだったのでこの「弧笛のかなた」も
手に取ってみたのですが、本作も守り人同様、登場人物に共感したり
感情移入できたりと、うまい心情描写や人間くさいキャラクターで
見事に引き込まれてしまいました。

ただ守り人シリーズをすべて読み終えていたので、
なんとなくあの完成度の高さを知って読んでいると、所々違和感を覚える
部分があったのですが、これは好みの問題かも知れません。

上橋先生の作品が好きな人はもちろん、昔の日本を舞台にした
和製ファンタジーに興味のある方は読んで損は無いと思います。
ご都合主義ではない、運命に翻弄されながらも人間くさく(人間だけではないですが)
生き抜いていく人々に感動を覚えます。

そしてなによりもこの著者は守り人シリーズでも感じていましたが、
物語のラストシーンだったり、お話の閉め方が逸脱しています。
裏切らないラストというか、ほどよい余韻を残しながら本を閉じられる、
そんなラストをもたらしてくれます。

いろんな方に是非読んで欲しい作品だと思います。
狐笛のかなた (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなた (新潮文庫)より
4101302715
No.69
(5pt)

物語の閉じ方がすばらしい著者

上橋先生の守り人シリーズが好きだったのでこの「弧笛のかなた」も
手に取ってみたのですが、本作も守り人同様、登場人物に共感したり
感情移入できたりと、うまい心情描写や人間くさいキャラクターで
見事に引き込まれてしまいました。

ただ守り人シリーズをすべて読み終えていたので、
なんとなくあの完成度の高さを知って読んでいると、所々違和感を覚える
部分があったのですが、これは好みの問題かも知れません。

上橋先生の作品が好きな人はもちろん、昔の日本を舞台にした
和製ファンタジーに興味のある方は読んで損は無いと思います。
ご都合主義ではない、運命に翻弄されながらも人間くさく(人間だけではないですが)
生き抜いていく人々に感動を覚えます。

そしてなによりもこの著者は守り人シリーズでも感じていましたが、
物語のラストシーンだったり、お話の閉め方が逸脱しています。
裏切らないラストというか、ほどよい余韻を残しながら本を閉じられる、
そんなラストをもたらしてくれます。

いろんな方に是非読んで欲しい作品だと思います。
狐笛のかなた Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなたより
4652077343
No.68
(5pt)

ラストシーンがとても素晴らしかった!

ラストシーンがとても素晴らしかった! 切なく、あたたかなものがこみ上げてきて、涙がこぼれました。満開の桜の花びらがはらはらと舞い散る中の情景の、例えようもない美しさ。深くしみてくるものがあって、心が震えました。
 とまあ、ラストシーンの美しさに問答無用でしびれてしまった次第でしたが、もちろん、そこに至るまでの話の展開がよかったですね。なかでも、情景を眼前にありありと浮かべてみせるイメージの喚起力と、「あわい」や「闇ノ戸」「光の脈」といった舞台背景のアイテムが印象的。後者、この世と、カミガミや霊力のある獣たちが暮らす深い森、その境にあるという「あわい」の空間には、格別、心惹かれるものがありました。
 小夜(さよ)と野火(のび)、ふたつの魂のひたむきでまっすぐな想いが、黒い呪いを打ち破り、その向こうへと突き抜けていく物語。目下夢中になっている「守り人(もりびと)」シリーズの作者だから、これも期待できるかなあくらいの、割と軽い気持ちで読み始めたんですけどね。最初に記したように、ラストシーンのあまりの美しさに涙がしばらく止まりませんでした。忘れがたい物語のひとつになりました。
 2003年(平成15年)11月、理論社より刊行された作品。新潮文庫の解説文を、宮部みゆきと金原瑞人の両氏が書いているというのもいいですね。
狐笛のかなた (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなた (新潮文庫)より
4101302715
No.67
(5pt)

ラストシーンがとても素晴らしかった!

ラストシーンがとても素晴らしかった! 切なく、あたたかなものがこみ上げてきて、涙がこぼれました。満開の桜の花びらがはらはらと舞い散る中の情景の、例えようもない美しさ。深くしみてくるものがあって、心が震えました。
 とまあ、ラストシーンの美しさに問答無用でしびれてしまった次第でしたが、もちろん、そこに至るまでの話の展開がよかったですね。なかでも、情景を眼前にありありと浮かべてみせるイメージの喚起力と、「あわい」や「闇ノ戸」「光の脈」といった舞台背景のアイテムが印象的。後者、この世と、カミガミや霊力のある獣たちが暮らす深い森、その境にあるという「あわい」の空間には、格別、心惹かれるものがありました。
 小夜(さよ)と野火(のび)、ふたつの魂のひたむきでまっすぐな想いが、黒い呪いを打ち破り、その向こうへと突き抜けていく物語。目下夢中になっている「守り人(もりびと)」シリーズの作者だから、これも期待できるかなあくらいの、割と軽い気持ちで読み始めたんですけどね。最初に記したように、ラストシーンのあまりの美しさに涙がしばらく止まりませんでした。忘れがたい物語のひとつになりました。
 2003年(平成15年)11月、理論社より刊行された作品。新潮文庫の解説文を、宮部みゆきと金原瑞人の両氏が書いているというのもいいですね。
狐笛のかなた Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなたより
4652077343
No.66
(5pt)

美しくも切ない物語

この本は、上橋菜穂子さんが書いたということで読んでみたのだけど、恋がテーマになっていて文章や背景、一つ一つの場面などがとても美しく感じられました。
ドロドロとした領土争いのなか、小夜や野火、小春丸といった登場人物の想いの清らかさ、優しさが感じられてとてもよかったです。
読んでいて、とても心が温まり言葉ではいいあらわせない感動、切なさを体験でき、読み終わった後のかんじはとても幸せで、爽やかでした。
わたしのなかでは、守り人シリーズを上回る傑作です。
狐笛のかなた (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなた (新潮文庫)より
4101302715
No.65
(5pt)

美しくも切ない物語

この本は、上橋菜穂子さんが書いたということで読んでみたのだけど、恋がテーマになっていて文章や背景、一つ一つの場面などがとても美しく感じられました。
ドロドロとした領土争いのなか、小夜や野火、小春丸といった登場人物の想いの清らかさ、優しさが感じられてとてもよかったです。
読んでいて、とても心が温まり言葉ではいいあらわせない感動、切なさを体験でき、読み終わった後のかんじはとても幸せで、爽やかでした。
わたしのなかでは、守り人シリーズを上回る傑作です。
狐笛のかなた Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなたより
4652077343
No.64
(5pt)

切ないファンタジー

小夜と野火両方の境遇は決して恵まれていないけど、愛し合っていることがよく分かります。一生懸命生きることは素晴らしいことなんだなと、改めて気付かせてくれる作品ですね。
狐笛のかなた (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなた (新潮文庫)より
4101302715
No.63
(5pt)

切ないファンタジー

小夜と野火両方の境遇は決して恵まれていないけど、愛し合っていることがよく分かります。一生懸命生きることは素晴らしいことなんだなと、改めて気付かせてくれる作品ですね。
狐笛のかなた Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなたより
4652077343
No.62
(5pt)

とても面白かったです。

先日獣の奏者も読みましたが、私は狐笛のかなたの方が断然好きです。
小夜と小春丸との関係。
小夜をひたすらに慕い、守る野火。
小夜は野火と幸せになれるのか???と最後までドキドキはらはらして読んじゃいました。

守り人シリーズもアニメから入って、全作読んでとっても好きなんですが
あっちは原書が児童書ということで(今は文庫も出てるけど)漢字が少ないのが読んでて結構苦痛でした。
読みにくいのと ひらがなばかりだとイメージ沸きにくいから。
(漢字から伝わるイメージってありますよね)
なので狐笛のかなたは 情景とか心情が文字からとても多く伝わってきた気がします。
表紙のイラストも本当に美しい。

獣の奏者を読んだ時も思ったのですが、エピローグがとってもあっさりしてて3ページ程度しかないのがとても物足りないです。
幸せな姿がもっと見たい!
どうやって二人は思いを告げたのかなとか、どうやって大朗や小春丸と分かれたのかなとか、それだけで1章分位追加で読みたいと思ってしまいます。
それでも獣の奏者のエピローグの物足りなさに比べれば書いてあるほうだと思いますけど、欲張りでしょうか^_^;。
狐笛のかなた (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなた (新潮文庫)より
4101302715
No.61
(5pt)

とても面白かったです。

先日獣の奏者も読みましたが、私は狐笛のかなたの方が断然好きです。
小夜と小春丸との関係。
小夜をひたすらに慕い、守る野火。
小夜は野火と幸せになれるのか???と最後までドキドキはらはらして読んじゃいました。

守り人シリーズもアニメから入って、全作読んでとっても好きなんですが
あっちは原書が児童書ということで(今は文庫も出てるけど)漢字が少ないのが読んでて結構苦痛でした。
読みにくいのと ひらがなばかりだとイメージ沸きにくいから。
(漢字から伝わるイメージってありますよね)
なので狐笛のかなたは 情景とか心情が文字からとても多く伝わってきた気がします。
表紙のイラストも本当に美しい。

獣の奏者を読んだ時も思ったのですが、エピローグがとってもあっさりしてて3ページ程度しかないのがとても物足りないです。
幸せな姿がもっと見たい!
どうやって二人は思いを告げたのかなとか、どうやって大朗や小春丸と分かれたのかなとか、それだけで1章分位追加で読みたいと思ってしまいます。
それでも獣の奏者のエピローグの物足りなさに比べれば書いてあるほうだと思いますけど、欲張りでしょうか^_^;。
狐笛のかなた Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなたより
4652077343
No.60
(5pt)

哀れな霊弧と、少女のけなげで、悲しい恋の物語

上橋菜穂子先生の、守り人シリーズ、旅人シリーズにはまり、バルサとチャグムの冒険物語に引き込まれ、とうとうこの本にたどりつきました。感動しました。そして、最後には泣いてしまいました。
呪者に「使い魔」にされた霊弧は、支配され、汚い仕事に使われ、支配されたことで穢れ、2度と再び「かの世」にふれることはできない。哀れな霊弧は、この世とかの世の狭間たる「あわい」で暮らし、「あわい」で死んでゆく。主である呪者の命令に背けば、ただちに死が待っている。だから、霊弧の野火がいくら
人間の少女に恋焦がれても、遠くから見つめているしかなかった。哀れな霊弧と、人の思いを「聞く」霊力を生まれながらに持った少女、小夜の美しく、悲しい物語。
ファンタジーを読んで、今まで、泣いたことはなかったのに、最後に、ずたずたに切られていき絶えた霊弧の命を救うべく、自ら、「あわい」に身を投げる少女のけなげさと一途さに、目頭が熱くなりました。守り人シリーズで、ファンになりましたけど、この一冊を読んで、上橋菜穂子先生の小説がますます好きになりました。お勧めです。手にした方は、きっと、上橋先生の描く、不思議な世界に魅せられることでしょう。そう、私のように。
狐笛のかなた (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなた (新潮文庫)より
4101302715
No.59
(5pt)

哀れな霊弧と、少女のけなげで、悲しい恋の物語

上橋菜穂子先生の、守り人シリーズ、旅人シリーズにはまり、バルサとチャグムの冒険物語に引き込まれ、とうとうこの本にたどりつきました。感動しました。そして、最後には泣いてしまいました。
呪者に「使い魔」にされた霊弧は、支配され、汚い仕事に使われ、支配されたことで穢れ、2度と再び「かの世」にふれることはできない。哀れな霊弧は、この世とかの世の狭間たる「あわい」で暮らし、「あわい」で死んでゆく。主である呪者の命令に背けば、ただちに死が待っている。だから、霊弧の野火がいくら
人間の少女に恋焦がれても、遠くから見つめているしかなかった。哀れな霊弧と、人の思いを「聞く」霊力を生まれながらに持った少女、小夜の美しく、悲しい物語。
ファンタジーを読んで、今まで、泣いたことはなかったのに、最後に、ずたずたに切られていき絶えた霊弧の命を救うべく、自ら、「あわい」に身を投げる少女のけなげさと一途さに、目頭が熱くなりました。守り人シリーズで、ファンになりましたけど、この一冊を読んで、上橋菜穂子先生の小説がますます好きになりました。お勧めです。手にした方は、きっと、上橋先生の描く、不思議な世界に魅せられることでしょう。そう、私のように。
狐笛のかなた Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなたより
4652077343
No.58
(4pt)

奇麗な風景を見てるようでした

いつの時代のどこの国の話というのがないのに、とても映像がイメージできる小説でした。
情景の描写がうまいんでしょうね。

最後の承認の儀のシーンは、頭の中で映像が浮かんで浮かんでまるで映画を見てるみたいでした。
すっかり、物語に引き込まれていたんだと思います。

小夜の気持ちだけは最後まで読めませんでした。
そうですかぁ、そっちですかぁ。ちょっと不意打ちを食らったような感じでした。
狐笛のかなた (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなた (新潮文庫)より
4101302715
No.57
(4pt)

奇麗な風景を見てるようでした

いつの時代のどこの国の話というのがないのに、とても映像がイメージできる小説でした。
情景の描写がうまいんでしょうね。

最後の承認の儀のシーンは、頭の中で映像が浮かんで浮かんでまるで映画を見てるみたいでした。
すっかり、物語に引き込まれていたんだと思います。

小夜の気持ちだけは最後まで読めませんでした。
そうですかぁ、そっちですかぁ。ちょっと不意打ちを食らったような感じでした。
狐笛のかなた Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなたより
4652077343
No.56
(5pt)

伝奇とファンタジーの中間点

文庫版が出てから、買おう買おうと思って、書店で平積みされているのを眺めていたのだが、ある日思い出して書店に行ってみるとどこにも売っていない。伝奇・妖怪物は大好きなので、諦めきれず本屋を数件回ってみたがやはりなかった。あんなに沢山これ見よがしに積まれていたのに……とエラい人気なんだと感心してしまったのを覚えている。
 あらすじは他人の心の声を聞き取る能力『聞き耳』の能力を持つ少女、小夜と、隣国の呪者の使い魔、野火との恋物語。人間と魔物という従来は考えられないハードルと、野火の使い魔としての宿命、国同士の領地を巡る争いなど、幾重にも重なりあった構成はさすがは人気作家だと思う。情景の描写も鮮やかで細やかで、本の中の世界に無理無く入り込むことができる。交錯した人間関係の中で展開される簡単には予想の出来ない展開もまた大きな魅力だと思う。
 昔話などでよく語られる、妖怪と人間との婚姻譚をベースに、戦国チックな群雄割拠な世界観と、上橋氏の作り上げた術者の定めをからませた物語は傑作だと思った。
 こういった作品にあまり触れた事のない方にもお勧めしたい。
狐笛のかなた (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなた (新潮文庫)より
4101302715
No.55
(5pt)

伝奇とファンタジーの中間点

文庫版が出てから、買おう買おうと思って、書店で平積みされているのを眺めていたのだが、ある日思い出して書店に行ってみるとどこにも売っていない。伝奇・妖怪物は大好きなので、諦めきれず本屋を数件回ってみたがやはりなかった。あんなに沢山これ見よがしに積まれていたのに……とエラい人気なんだと感心してしまったのを覚えている。
 あらすじは他人の心の声を聞き取る能力『聞き耳』の能力を持つ少女、小夜と、隣国の呪者の使い魔、野火との恋物語。人間と魔物という従来は考えられないハードルと、野火の使い魔としての宿命、国同士の領地を巡る争いなど、幾重にも重なりあった構成はさすがは人気作家だと思う。情景の描写も鮮やかで細やかで、本の中の世界に無理無く入り込むことができる。交錯した人間関係の中で展開される簡単には予想の出来ない展開もまた大きな魅力だと思う。
 昔話などでよく語られる、妖怪と人間との婚姻譚をベースに、戦国チックな群雄割拠な世界観と、上橋氏の作り上げた術者の定めをからませた物語は傑作だと思った。
 こういった作品にあまり触れた事のない方にもお勧めしたい。
狐笛のかなた Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなたより
4652077343
No.54
(4pt)

ちょっぴり大人向きのファンタジー

「狐笛のかなた」は一話完結もの。 
超能力を持つ人間の娘と、同じく超能力を持つ狐の恋心をベースにした、国争いの物語。

ファンタジー小説には、超能力や想像上の生き物が当たり前のように登場する。
そこで引っかかってしまうと先に進めない。
気にせずにどんどん読んでいくうちにファンタジー小説の魔力に取り憑かれて、あっちの世界とこっちの世界を自由に行き来できる能力を身につける。
この能力は持っていたほうが、読書枠が広がって楽しいです。
ただし、ファンタジーへ嵌りこみ過ぎて、こっちの世界にいても目が虚ろになってしまうようでは、オトナの楽しみの範疇ではないでしょう。
ほどほどに、ね。

「狐笛のかなた」はジュブナイル小説となっていますが、恋愛小説の要素がかなり大きいので、小さな子供向きではない。
物語の流れはゆったりとして、緩急がやや甘い。
小夜(娘)と野火(狐)の恋心の演出にはこれくらいのほうがいいのだろうが、スリリングさには少し欠ける。
でも、わたしは好きでしたよ。
狐笛のかなた (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなた (新潮文庫)より
4101302715
No.53
(4pt)

ちょっぴり大人向きのファンタジー

「狐笛のかなた」は一話完結もの。 
超能力を持つ人間の娘と、同じく超能力を持つ狐の恋心をベースにした、国争いの物語。

ファンタジー小説には、超能力や想像上の生き物が当たり前のように登場する。
そこで引っかかってしまうと先に進めない。
気にせずにどんどん読んでいくうちにファンタジー小説の魔力に取り憑かれて、あっちの世界とこっちの世界を自由に行き来できる能力を身につける。
この能力は持っていたほうが、読書枠が広がって楽しいです。
ただし、ファンタジーへ嵌りこみ過ぎて、こっちの世界にいても目が虚ろになってしまうようでは、オトナの楽しみの範疇ではないでしょう。
ほどほどに、ね。

「狐笛のかなた」はジュブナイル小説となっていますが、恋愛小説の要素がかなり大きいので、小さな子供向きではない。
物語の流れはゆったりとして、緩急がやや甘い。
小夜(娘)と野火(狐)の恋心の演出にはこれくらいのほうがいいのだろうが、スリリングさには少し欠ける。
でも、わたしは好きでしたよ。
狐笛のかなた Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなたより
4652077343
No.52
(5pt)

一途でけなげな愛

本当に読んでよかった、と思える作品です。
主人公・小夜と霊狐・野火のお互いを思いやる気持ち。相手に見返りを求めないただひたすらに一途な愛。
現代のドロドロした暮らし辛い世の中で、忘れていたものを思い起こさせてくれるような素敵な物語です。

上橋さんの本は本当に文体が美しいんですね。
たとえば「満月の光がこうこうとすすきの原を照らしている。風がわたるたびに、すすきの穂が銀色の水のように波うっていく。」
美しくてどこか哀しい雰囲気を漂わせた表現。
まるで自分がその場にいたかのような懐かしさを感じるから不思議です。

終章「若桜野を」を読んで一気にこの本のファンになってしまいました。
たった4ページの短い章にたくさんの思いが詰め込まれています。

一生の宝物になりそうな本です。
狐笛のかなた (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 狐笛のかなた (新潮文庫)より
4101302715