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魔王

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評判

魔王の評価:

3.60/5点 レビュー 208件。 C ランク

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平均点3.60pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全316件 281〜300 15/16ページ
No.36
(4pt)

「覚悟はできているのか?」

閉塞感の漂う日本社会に訪れるファシズム支配の予兆。情報の洪水の中で自ら考えることを放棄し、雰囲気に流されやすい日本人の国民性。自らの保身や利益の確保を優先し、必要なことが分かってもできない政治家たち。そうした中に、強い決意と覚悟をもった独裁者が現れたら・・・僕たち日本人はなすすべなく飲み込まれてしまうかもしれない。
圧倒的な力をもった独裁者が作る未来。飲み込まれるのか、無駄と知りつつも抵抗し、自らの考えを貫くのか、それとも自らが、決意と力を持った「魔王」として君臨するのか。非常に重いテーマを投げかけてくる。
かといって、村上龍のような、激烈な文体の作品ではない。伊坂作品の軽やかさ、ウィットに富んだ会話の数々、センスのよさが本書でも遺憾なく発揮されている。とにかく伏線が見事。何気なく語られるセリフが要所要所で生きてくる。読んでいてうなることしきり。もちろん恒例の他作品登場人物のfeaturingもあり、ファンサービスも満点だ。
特に今回はタイトルが秀逸。シューベルトの『魔王』のおどろおどろしい旋律が、読書中ずっと頭の中で鳴り響いていた。
僕たち一人一人に、圧倒的な力の前に立つ覚悟を問う作品。おすすめ。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.35
(4pt)

あえて「呼吸」

2章で構成されているうち、後半の「呼吸」の語り手が意外だった。前半の「魔王」は予測ができる内容だと感じた。「呼吸」は伊坂幸太郎の独自の世界が展開されていて著者の思惑通りになったんじゃないかなと思います。でも「呼吸」の語り手があの人とはねー。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.34
(4pt)

ネタバレありかも?

互いにリンクしあいながら構成されていく世界。
それが伊坂作品の大きな魅力の一つだ。
この作品の中でもあの別の作品に登場していた「調査員」が登場している。
それだけで「伊坂ワールド」に親しんできた人には、あの時点で、
兄の行く末が想像される。
こんなふうにこれからもあの「調査員」が出てきたら、
ああ、そうか、と私たち読者は納得するのだ。
そういえば、最近文庫になった「重力ピエロ」の中でも、
泥棒で私立探偵の彼だけでなく、
あのペットショップや額縁を販売している「彼」も登場している。
別の作品で不幸だった誰かも別の作品で幸福に暮らしている姿を見ることができるかもしれない。
そんなふうに想像できる。それは幸せなことだ。
そして、モーツアルトの歌曲「魔王」。
題名にも使われているだけあって、特に前半の「呼吸」では大きな意味を持つ。
子供にしか姿の見えない、そして説明のしようのない恐怖におびえ、
その思いを話しても話しても恐怖の見せる幻影としか理解されない子供の恐怖は、
まさに兄の恐怖と同じものであろう。
そういう点で、作品間のリンクというよりも、題名とのリンクを強く感じた作品であった。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.33
(3pt)

結局よく分からなかった

憲法改正やファシズムといった政治問題に煙にまかれているうち、
肝心の主人公たちの不思議な力は何だったのか、よくわからないまま
終わってしまう感じ。
消化不良ですね。
脈絡があるような、ないような、こういう感じが好きな読者にはたまらないのかもしれません。
わたしは中途半端なまま投げ出された気分です。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.32
(3pt)

扇動されるのは読み手???

恥ずかしいことに伊坂さんのことをよく知らなかった私は,この本の帯文句を誤解して,伊坂さんが政治家なのだと思っていました。そして、政治家にしては理想論だなぁ、と勝手に呆れていました。馬鹿です。しかし例えば靖国問題について中国にきっぱり謝罪をすれば他の諸問題についても追及されますし、アメリカときっぱり縁を切れば食糧問題で日本は壊滅しますし、そんなことをした首相が若者を扇動できるとは思えないのですが…。エンターテイメント文学というのをよく理解していないので、伊坂さんなりの暗諭だとしたら読み込みが甘くて申し訳ないです。それしにても本作品,論文並にメッセージ性が強く,日本への固定観念を植え付けられているようで恐ろしかったです。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.31
(3pt)

“正常”な独裁者

自分の思ったことを他人に話させる「腹話術」の能力を体得した主人公は、その能力の使い道を、独裁政権の阻止に求める。彼の言い分はしごくまともだ。しかし、伊坂幸太郎の小説において、エキセントリックな人物とまともな言動は対になることが多い。『陽気なギャング〜』の響野は行動が伴わないだけで、発言は筋が通っている。『チルドレン』の武藤も然りだ。民衆が個をなくして指導者にただ従うことを恐れ、なんとかしたいと思う主人公は正しい。が、彼がいるのは、正しいことも、正しさを保つために思考することも“異端”となる社会だった。シューベルトの「魔王」のダイナミックな旋律の裏に子どもの繊細な恐怖をみて、宮沢賢治のピュアな詩に血の匂いをかぐ。物事の真意に気づいてしまう主人公は、次第に現実に耐えられなくなる。正気を失う主人公と入れ替わるようにして、実は彼と最も似通った人物、犬飼が、淡々と独裁者としての存在感を増していく様が不気味だ。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.30
(3pt)

果たして宮沢賢治ブームは来るのか?

先日の、自民党が大勝した衆院選で、
負けた民主党の若手の議員が、面白いことを言っていました。
「やり方は分かった」と。
つまり、自民党以外でも、カリスマのあるトップが一人いれば、
今の日本なら、政権は取れる可能性があるということです。
そしてカリスマ性は、戦術さえ確かなら容易に身に付けれる。
(10年前は、小泉さんは橋にも棒にも掛からない変人でしたからね)
これは、怖い。
今までなら、党内でプロが選んだ人がトップになれたが、
これからは、国民が選ぶ可能性があるということです。
そして作者は、私たちに疑問をぶつけます。
「本当に、大衆は正しいのだろうか?」と。
閑話休題。
作品自体は、キング・クローネンバーグのコピーなので、
高い評価は出来ませんが、読んで損無しです。
蛇足として、この本で作者はある罠をしかけています。
つまり、この本に影響されて、宮沢賢治を読むかどうか?という罠です。
私は読んでしまいました。
→小泉ブームにも、私は乗ってしまいました。
今度は自分自身で、ちゃんと考えてみようと思います。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.29
(5pt)

あなたの方からみたらずいぶんさんたんたるけしきでせうが・・・

宮沢賢治の詩が物語とあいまって胸につきささりました。
 生計をたて生活していくという、目の前のことで手いっぱいな毎日を送っているので、政治とか世の中とかそれなりには考えているつもりでもどこか別世界な感じがしていたので、登場する人物たちが身近でした。
 主人公たちのいっぷう変わった制限つきの能力は笑えましたが、それを生かす道にはなるほどって思いました。どこにいようと、どんな状況でも素敵な人と思えるようにいたいですね。
 
 
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.28
(5pt)

めくれているスカートを

どこかの政党に関わるプロパガンダの三文小説かな、あるいは政治をダシにしたSFものかな等と思いきや、読み進めるうちにそれが間違いであることに気付きました。さすが東北大出身らしく、宮沢賢治が持ち出されたりして詩的空間も広がって、深みのある娯楽読み物としても楽しませてもらいました。それにしても今の国民大衆が群衆化(衆愚化あるいはファシズム化)する恐ろしさを扱ったり、憲法を責任をもって自主的に選びなおすように問いかけたりしているところは近未来の日本列島住民の在り方や行方を考える上ではたいへんよく仕上げられています。ぼくはめくれているスカートをなおすことができるだろうか?
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.27
(4pt)

己に恥じない生き方を

この帯の文句を書いた人に脱帽。
これ以上の紹介文はないでしょう。
周囲に流されず、
熱狂の中で己に恥じない行動をとるのは
実はとっても難しいこと。
ファシズムや憲法問題、
現代の政治家や若者を通して描かれる
兄弟の生き方はせつなく、そして清々しいです。
今まで読んだ『グラスホッパー』や『ラッシュライフ』などと
文章のテンポが違ったので驚きました。
構成・文章・発想、とっても面白い。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.26
(4pt)

不思議な面白さ。

これを読んで村上春樹の「羊をめぐる冒険」を思い出した。
羊をめぐる冒険の羊がこの本の魔王という感じ。
魔王というのはいろんな人の心の底にひそむもので、
何か外的要因と連鎖した時に強い存在になるのかもしれない。
羊に見捨てられた人は駄目になってしまうのと同じで、
魔王と外的要因がうまくつり合わなかった時に、その人は見捨てられ
力をなくしてしまうのかもしれない。そんな風に考えた。
政治の話が沢山出てくるけど、それは物語の中のエピソードに
過ぎなくて、あまり難しい気持ちになれずに読める。
終わり方が、含みをもたせる終わり方だったけど色々想像できて
これはこれでよかったのかなって思う。
それでもなんていうかあいまいで唐突な部分が多すぎたので、
面白かったけど★4つ。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.25
(3pt)

力が入った作品ではあるが…

 伊坂ワールドが大好きである。軽妙な会話の中にふっと人生の機微を垣間見させるような独特の小説世界が彼にはある。読み終わったとき,静かな感動に包まれて思わず涙がほほを伝うということがしばしばあった。しかし彼も初期の作品から一つ階段を上ろうとしているのか,最近の作品は、少々メッセージ性が前に出すぎているような感がある。この「魔王」は特にそう感じた。彼の感性はもちろん失われてはいないのだが、「考えろ,考えろ,考えろ!」という強い作者の声がやや作為的に耳に響く。私にとっての伊坂ワールドは、暗喩に満ちていて、行間から香りたつ人生の哀感がベースにあったのだが、作者は確実にもう一段階成長を試みているのだろう,少し寂しいが彼の持つ世界観にエールは送りつづけたい。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.24
(4pt)

伊坂ワールド健在

伊坂作品はファンタジー要素を多分に含むものが多かった気がするから読み始めたときにちょっと攻撃的かな、と感じました。
でも読んでいくうちに伊坂作品独特ののんびりしたというか、どことなく笑わせてくれるというか和やかな雰囲気も生きていて、テーマ自体はすごく現実的な話なのに重くならないのはさすが!と思えました。
会話がいいですよね。
でも喋る案山子のくだりが登場しなかったのはちょっぴり寂しかったな。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.23
(4pt)

絶妙な感性と表現力

政治や宮沢賢治などがフィーチャ−されていますが、あまり堅いことを考えずに
読み始めればよいかと思います。実際に読んだ感触も、特殊能力を持った兄弟に
よるファンタジーといった印象を受けました。
おおまかに二部構成で、前半は兄の章、後半は弟の彼女の視点からの章になります。
作品ごとに良くなっていく(私の好みに合っていく?)伊坂氏の新作を読むのは
楽しみであり、期待通りに毎回新鮮な感動を与えてくれます。
加えて笑えるポイントも豊富。特に「せせらぎ」が伊坂氏らしいですね。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.22
(5pt)

考えさせられた

この作品は最高。
政治とかファシズムとか出てくるけどそれは関係ない。
生き方について書かれた本だ。
誇りを持って生きるとはどういうことか。
自分の歩く道を自分で歩いているのか。
私はこの本を読んで今までの生き方を見つめ直し、これからの生き方を考えた。
この本にはその力がある。
世界を変える
そう本気になって考えたことが果たして私はあったのか。
少なくともこれからは自分の生き方を本気になって考える。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.21
(5pt)

刮目

 とんでもない作品だ.形容する言葉が思いつかない.
 大衆の魂を支配する天才政治家犬養の出現.与えられた情報を盲目的に信じることしか出来ない人々が己の思考を麻痺させ,過激な行動に陶酔し始める.
 誰よりも思慮深く,群集心理の恐ろしさを知る兄は特殊な力に目覚め,一人犬養との対決に赴く.
 避けられないカタストロフ.シューベルトの戯曲「魔王」の中で,魔王の存在に気付き,それを父に訴えた子供はどうなったのか?必然的ともいえる終幕の中で最後に兄が見たものは・・・
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.20
(3pt)

愛でも暴力でもなく

最近世の中に出回る小説の8-9割は、暴力か愛をモチーフとしている。もしかすると、小説という表現形式が発生した当初から、そうなのかもしれない。時代時代で流行り廃れはあるけど。たとえば、現在の日本では、「愛」分野ででは、「家族愛」(リリー・フランキー『東京タワー』)「中年愛」(渡辺純一)「奇跡的な愛」(『電車男』)が流行りだ。
さて、伊坂幸太郎だ。この人の小説にはこの二大モチーフの色が薄いように思う。今回の『魔王』は超能力と、ファシズムをモチーフにした作品であり、ファシズムというのは暴力エリアに近いが、それでも超能力の非現実性がファシズムの暴力性をぼやけさせている。超能力ってなんだかアニメの世界だしね。たとえば、本書のふたつの中篇のうち表題作の「魔王」はファシスト的な政治家と、超能力者の語り手との対決シーンでクライマックスを迎えるが、そこで使われようとする超能力はしょーもないものである(「女子高生」と「巨乳」がキーワード)。
重くなりがちなテーマを、うまく中和する才能がこの作家には存在している。その意味で、伊坂幸太郎はすがすがしい。そういえば、作品中にも「清清しい」という単語が頻出する。正直言って少しもの足りない気もするが、安心して読める作家の一人だろうと思う。作品名である「魔王」は名高い幻の芋焼酎の名前でもあるが、どちらかというと伊坂作品は焼酎よりは烏龍茶である。中毒性はないが、飲み心地はいつもすがすがしい。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.19
(4pt)

考えろ、考えろ・・・

作品中に憲法やファシズムなどが出てきていますが、
これらが作品のテーマではないと著者は明言しています。
群集心理の恐ろしさを描いているとでもいうのでしょうか?
これまでのクールな伊坂作品のイメージとは違い、
現代日本に渇を入れるような社会小説でした。
情報化社会といわれる今、
自分(私だけでなく大衆全体が)どれほど情報に流されているかということを痛感します。
この作品の中で大衆の心をわし掴みにする若き政治家・犬養。
彼のように人の心をつかむのがうまく、吸引力のある人の思想が、
いつしか自分の意思として塗り替えられていないですか?
こういってしまうと大げさかもしれませんが、
一時の小泉フィーバーやライブドアの事件前の勢いなんかも
こういった群集心理の上で
盛り上げられたものにすぎないのかもしれないなと思えます。
これは伊坂幸太郎から私たちへのメッセージなのかもしれません。
ここままでいいのか?考えろ、考えろ・・・と。
最後に・・・この本は装丁も素晴らしいです!
表紙はタイトルとは似つかわしくない白とブルーの爽やかなイメージ。
しかし1ページ開くと・・・真っ黒!!!
これは日本の未来にあるのは青空か、荒廃かということを
表現してるのでしょうか。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.18
(4pt)

政治作品とは呼びたくない

確かに政治家や改憲問題、ファシズムなどのキーワードは頻出しますし、なにより物語がそれらを中心に進むので、「どんな内容か?」と聞かれたら「政治」がテーマになっている、となるかもしれません。
ただし、読後に特定のイデオロギー臭を感じるかといえば、社会情勢やある程度の歴史認識のある大人ならば客観的に読めるレベルですから、これを「政治」と言うのはちょっと...。もちろん大事な構成要素にはなっていますが、もっと読む部分は他にあります。
「オチ」のつけ方に物足りなさや、若干の不満はありますが、全体が静謐な雰囲気で進み、こういうオチだったからこそバランスが保たれたのかもしれません。私は、読後にちょっとやりきれない気持になりましたが、単純に面白く読める作品です。
まずは読んで見ることをお勧めします。判断はその後で。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463
No.17
(3pt)

社会へのコミットメント

伊坂が社会物をあらわしました。
若い作家がファシズムへの嫌悪を表すのは素敵なことです。
拍手。
今までの作品にない政治へのメッセージがこめられていた物語です。
でもその分,絡み合う伏線やさわやかな読後のまとまりは残念ながら薄まっています。
でも,書かずにはいられなかった率直さにうたれました。
魔王 Amazon書評・レビュー: 魔王より
4062131463