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弾正星
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弾正星の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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なし | ||||
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松永久秀の小説にはざっくり「良い久秀」、「悪い久秀」があるのですがこれは「エロい久秀」です! 主人公と久秀の掛け合いが軽妙で面白い。じんかんで久秀を知った人に是非オススメしたい。 | ||||
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主君を殺し、将軍を殺し、東大寺本堂を焼尽させた「希代の悪人」松永久秀を描いた作品である。 今村翔吾『じんかん』を読んで、松永久秀を描いたの他の小説を読んでみたいと思ったからである。 『じんかん』も面白かったが、本作はそれ以上だった。 『じんかん』では、松永久秀は最下層から成り上がりであるがゆえに、武士の居ないいわば無階級社会を目指したのだという設定であった。 しかし、本作は本当の「悪人」としての松永の真骨頂が描かれている。 いとも簡単に人を殺す。 しかし、その背後に、どこか憎めない、孤独な、とてつもないスケールの人格が隠されている。 それを、生涯より沿って生きることになった右筆上がりの「弟(血縁はない)」蘭十郎の視点から描いている。 松永久秀がしゃべる関西弁が、何ともやわらかくていい。 織田信長が久秀に惹かれている情景は『じんかん』の舞台装置でもあるのだが、本作でも説得力を持って描かれている。 茶への傾倒も、そこから平蜘蛛の釜を抱いて爆死する壮絶なシーンに至る過程も、好ましい。 この人が書くとこうなるか! 期待以上の小説であった。 | ||||
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なんの問題もなく、満足でした。 | ||||
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戦国の梟雄松永久秀の20代から死までを、義兄弟の蘭十郎の目から描いた作品。 久秀が理不尽に殺人を犯す日の出だしの鮮烈さは、「出ましたマンゲツ!」なのですが、読み進めるうちに、普通の歴史小説になった。時の流れが早すぎで、久秀に対する思い入れが不完全燃焼である(女性がらみのエピソードが過剰だったから?)。 織田信長と対峙するシーン等、所々、ワクワクしはするのだが。結局、悪漢小説ではなく、友情物語であったのだ。もっと、著者らしい、ノワール感のが欲しい。 有名な爆死にほどこした味付けは良いのだが、何か残念な気分で読了。 | ||||
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筆力が圧倒的で、一気に読ませる。将来の大河ドラマの有力候補、此処に現る。おススメです。 | ||||
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梟雄として名高い松永久秀の才覚を、性描写を交えながら「これでもか」と描いた作品である。 本書を読んで学んだことは、 1.何かに秀でた人というのは、一方で別の何かが著しく欠けている可能性が高いこと 2.そういった人は、他人の才能を嗅ぎ分ける嗅覚が優れていること 3.そういった人は孤独と戦わなければならないので、本音で話せ、心許せる人間の存在が極めて大事であること 4.逆を言えば、才能の欠片もない人が成功するためには、才覚あふれる人にとっての唯一無二の存在にならなければならないこと である。 1については、要は人としてのバランスである。 小説の中の久秀は、実にミステリアスな存在である。 人心掌握術に長けている一方で、人に対する慈愛の心は全くない。 気に入らない人間はすぐに斬る一方で、気に入った人物にはこれでもかと分け与える。 成功するためには、ニッチな分野でも何でも構わないので、その分野の一任者になることが大事なことなのではないか。 その上で、バランス感覚を養うのである。 2については、こんなシーンがあった。 右筆として雇われたい2人の人物が、久秀の面接を受けにきた。 面接官である久秀は、その2人に文字を書かせた。 面接の帰り道、2人のうちの1人は久秀に斬られる事になる。 その理由は何か。 それは、書(しょ)の才覚だけを見れば、久秀を超える逸材であり、それが気に入らなかったから。 他人の才覚や実力が分かるのも、才能の一つなのである。 長文になってしまったのでもう終わりにするが、本書は、「才能と孤独と親友」について考えたい人には最適の一冊である。 | ||||
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読み応えのある歴史ものとしては、本年有数の一作であると思う。松永弾正の非常さと人間ぽさがリアルに描かれていて、従来の悪人観を一掃する弾正像が打ち出されていると思った。 ただ、戦国の梟雄のイメージが湧いてこなかったのは、やはり物足りない。蘭十郎との人間関係に終始したからだろうが、三好長慶や織田信長の扱いが軽く、弾正のものの考え方のほうが妥当に思えてしまって梟雄らしくないからだ。歴史小説としての味わいを期待する人には不向きかもしれない。もちろん、最低限の時代背景はコンパクトに語られていて、特に後半は歴史の激動をそれなりに感じさせるのはさすがだ。しかし、歴史部分がドラマ部分と融合していず、二重の物語を読んだような印象が残った。 人間ドラマの部分だけを見ればまるで現代劇のようで、そういうアプローチは面白かった。そして、そこにこそ、この作品の独創性があるのだろう。歴史小説ファンから言わせれば、「肝心の歴史が十分に語られていない」というだろうが、仮に従来の多くの歴史小説のように歴史部分に重きが置かれていれば、人間ドラマを読みたい読者から、「肝心の人間が描けていない」という批判を浴びたかもしれない。歴史小説においては、どっちが「肝心」なのだろうか? そんなことも考えさせられる作品であった。 | ||||
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あの梟雄、松永久秀の物語というので読んでみた。 時代小説で仕方のないことかもしれないが、歴史的なことより架空の主人公に依存している松永久秀を見た気がする。二人の関西弁で漫才みたいなやり取りをしているので、梟雄、松永久秀よりも、近所に住んでいる関西弁のおっちゃんという親しみやすさがあった。これでいいのだろうか、と思いつつ読み続けると、多少史実に基づいた歴史的内容が教科書風に盛り込まれており、後半からその内容がふんだんに盛り込まれていた。 エロス、狂気。多少なり死に方を細かく表現してあるだけであり、そこには文章としても美しさというより、グロテスクさを帯びていているだけで読み終わった今も心に何も残っていない。 好みがあると思うが、本の帯というものはやはり過剰に宣伝しているのだなと、改めて思った。 本当にそうなのだろうか?と思われる方は、読んで見るのも、また良いと思う。 | ||||
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新刊を 図書館で予約したときに、 比較的早く順番が回ってくるのが 花村萬月の作品 早くも読むことが出来ました これが、村上春樹 なんかだと2年くらいかかるんだから 萬月は、図書館ユーザーにはあまり人気のない 作家なのかもしれません この「 弾正星 」 は 松永久秀 という武将 を書いた作品ですが、 満月作品の中でもかなりのレベル 悪人を茶目っ気たっぷりに描かせたら 当代随一の作家 満月 の真骨頂 透徹した無垢なる悪の爽快感 は、 読後の 寂寥感 とも相まり 小説 を読むという娯楽の 根本的な喜びを与えてくれます 。 | ||||
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さすがは花村萬月さんだと思います。 とても不思議な人物であった松永弾正を納得のいく描き方で表現されていました。 | ||||
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戦国時代のことはよく分からないが、時代を超えた魅力を持つキャラクターが牽引する物語は必読。 史上類を見ない死に様を選んだ主人公が全うした、独自の情愛に胸を打たれます。 所々に残虐な所業が散りばめられてはいるものの、 そこは背景でしかなく、主人公と狂言回しの関係性が純粋であるため、語り口に滲む信頼に憧憬すら覚える。 己を全うした人間が、天に還るように物語を閉じ、人の弱さ、悪辣さすらも愛おしくさせてしまう読後感は、花村萬月の真骨頂。 | ||||
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登場人物の殺人と性に対する異常さが際立っていて、 「突き抜ける悪の爽快さ」か「陰湿な悪の秘事」か 人によってかなり評価は分かれるのではないか。 特に女性には理解しがたい部分が多々あるように感じる。 全体の構成として継ぎはぎの物語を読んでいるようで またそれが捉えどころのない登場人物像と繋がるのだが、 どうにも未熟な私には理解しきれなかった。 松永弾正の武将としての生き様、死に様が描かれているかと問われれば、 正直疑問に感じた。 人によって好みがはっきりと分かれる作品なので、内容を少し覗いてから 購入するべし。 | ||||
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