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細い赤い糸



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細い赤い糸の評価: 4.43/5点 レビュー 7件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.43pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

名作です。

昔読んで忘れられない本は誰にでもあると思います。私にとってはこの本はその中の一冊です。
細い赤い糸 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:細い赤い糸 (講談社文庫)より
4061360973
No.6:
(5pt)

99歳

素晴らしいです。
ぜひ買って読んでください。
細い赤い糸 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:細い赤い糸 (講談社文庫)より
4061360973
No.5:
(3pt)

書き方がハードボイルド。

探偵作家クラブ賞の選考では、山田風太郎が「サスペンスでは第一、
これはその簡潔重厚な文体にもある」と推したのだそうだ。私見では、
簡潔重厚というより、情け容赦のない書き方、という感じがする。
それは他の飛鳥作品、特に長篇ではいずれにも共通する点で、作者は
登場人物たちが可哀そうなくらい、余計なことを書かない、描写しない、
ほとんど非情な書き方という感じ。この本でも、それは最初から最後まで
徹底しているので、結末の、あまりに断崖絶壁な結末を、これでもかと
悲痛に際立たせている。犯人があまりにも可哀相だ。せめて、追ってきた
刑事の一人にくらい、目撃させてやってもよかったのではなかろうか。
それほどに、究極のハードボイルド的ライティングである。
何の救いもない、ちょっと息の付けるエピローグも余韻もない、
いくら何でもこりゃ厳しすぎる。たぶんこれが、飛鳥高が松本清張級に
なれないところなんじゃなかろうか。それでなくとも、毎回毎回、
コンクリートに砂利山に埃を舞い上げるダンプトラック、そんな
灰色の舞台設定に、救いようのないラスト、もちろんそれだって、
飛鳥高の紡ぎ出した人工楽園、アーティフィシャル・パラダイスには
違いないんだが、読み終わった読者は、社会の灰色ミステリから、
現実世界に立ち戻らなくちゃならないわけだから、もう少しその、
橋渡しというか緩衝材というか、そういうものが、物語の最後に
あってもいいんじゃなかろうか?――そんな余計な心配をしてしまうくらい、
飛鳥ミステリは非情である。もちろんサスペンスはあるし、読んでいて
感心するところもあるけれど、書いていて、どこが楽しいのだろうか?
そんなことまで考えてしまうんだな。読み終わっても、つらいんです。

ところで、この文庫版229ページ、犯人を追ってきた刑事が、
女中に不在を聞かされるところ。

「もう一週間位――お葬式が済んでから、いません」

ここで、女中の言った「お葬式」という言葉に、
刑事が誰も反応しないのはおかしい。

「お葬式? 最近どなたか亡くなられたんですか?」

少なくとも、この程度の質問は刑事から出るべきだ。もちろん、
それに対して、女中の答えを律儀に書いてしまうと、数ページ先の
インパクトが失われてしまうので、作者はわざと刑事に喰いつかせ
なかったのだろうが、刑事のこのセリフがあっても、女中にしゃべらせずに
刑事に行動させればいいだけだから、これはちょっと痛い。
あるいはいっそ、「お葬式」という言葉は無かった方がよかった。

それにしてもこの作者は、かなりのウールリッチ・ファンですね。
細い赤い糸 (1977年) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:細い赤い糸 (1977年) (講談社文庫)より
B000J8S6B8
No.4:
(4pt)

タイトルも光る不朽の名作

映画館、オート三輪、公衆電話といった昭和の情勢を除けば、現代にも通じる魅力がある。
汚職、不倫、医療ミスなどをテーマにした犯罪は、不変のものなのだろう。
小説全体に仕掛けがあるような構成は、当時としては斬新なものだったに違いない。
得意とした物理トリックを封印して挑んだ著者の気概が、不朽の名作を生んだ。
細い赤い糸 日本推理作家協会賞受賞作全集 (15)Amazon書評・レビュー:細い赤い糸 日本推理作家協会賞受賞作全集 (15)より
4575658138
No.3:
(4pt)

なかなかのもんです。

一見別々に見える4つの事件が、最後に一つに収束する。なかなか面白く読みました。時系列を少しずらした順番で並べただけで、こんな効果が出るのだと感心しました。
細い赤い糸 (1977年) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:細い赤い糸 (1977年) (講談社文庫)より
B000J8S6B8
No.2:
(5pt)

後味はよろしくないかも

1962年 第15回日本探偵作家クラブ賞受賞作

4つの一見別々の殺人事件が、最後に収斂していくという仕掛けのミステリ。

それぞれの事件が章毎に別れて描かれている。1章では汚職に手を染めた公団職員、2章では強盗事件を起こした青年、3章では恋人とのよりを戻したいOL、4章では病院の経営に自信を喪失している副院長が被害者となる。共通しているのは彼らが撲殺されていることと、凶器に赤い糸が付着していること。

各章の被害者たちの接点が見つからないまま、ラストでいっきに繋がるスッキリ感が味わえる。犯人はしっかり登場しているし、伏線も綿密に張られているのだが、4章まで読み進めないと真相は分からないと思う。各章のそれぞれエピソードが良くできているので、本書の構成そのものが、読者を混乱させるように組み立てられているということか。

犯行の動機や決着のつけ方は切な過ぎるので、後味はよろしくないかもしれない。特にタイトルの「細い赤い糸」の意味は、重く感じてしまう。

日本推理作家協会賞受賞作の中では名作の方だと思う。
細い赤い糸 日本推理作家協会賞受賞作全集 (15)Amazon書評・レビュー:細い赤い糸 日本推理作家協会賞受賞作全集 (15)より
4575658138
No.1:
(5pt)

地味そのもの。だけれども…

この作品には推理小説にありがちな
要素が見られない、いわば「奇書」的なものです。
この本には名探偵もいなければ複雑なトリックもありません。
だけれども奇怪な事件ではあります。

一見すると実に不思議な、
何のつながりも見出すことのできない事件です。
状況も、年代もまったく違うものが
殺されていくのですから。

しかしながらこの作品は
さほど犯人は隠蔽されていません。
よく考えてみると犯人として
あがりそうな人が限られていくのが
よくわかることでしょう。

最後もこの作品は地味です。
だけれども、どこか不愉快な思いをしません。
犯人に対しても憎しみ、と言うものが
沸かないのです。

それはその星ともいえるものが
あまりにも同情されるべく状況に
おかれてしまったからかもしれません。

地味さを好まない人には向かない本です。
細い赤い糸 日本推理作家協会賞受賞作全集 (15)Amazon書評・レビュー:細い赤い糸 日本推理作家協会賞受賞作全集 (15)より
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