(短編集)

幻坂

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

幻坂の評価:

4.04/5点 レビュー 26件。 D ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.04pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全45件 21〜40 2/3ページ
No.25
(5pt)

大阪以外でも売れているのか?小説界の山下達郎が放つ異色作!

大阪の書店では平積みされてます。
先日、テレビ番組「ビーバップハイヒール」でも1時間特集され、本人が七坂を解説してました。
内容的には、時代物に転向した宮部みゆきものという感じです。
ただ文章が彼女よりも美しい。

有栖川有栖、パイセンなのでデビュー当時から知っていましたが、
実はこの作品が私にとっての有栖川有栖デビューです。
もちろん外見が山下達郎なのも知っていたので、
それが今まで手に取らなかった理由かも。

とはいえ、「小説界の山下達郎」は、褒め言葉ですよ。
作品のクオリティーが山下達郎の歌同様クオリティーが高いという意味での。

解説でも触れられていますが、大阪は不思議な街ですね。
江戸時代の「商」のイメージが強すぎて損しています。
本当の大阪は、作品にも出てくる大阪一の進学校である星光学院のグランドから見る夕陽に収斂されると思う。
OBでは俳優の内藤剛志、音楽家のヒャダインが有名(ちなみに内藤剛志の頃はそこまでの進学校ではなかったけれど)。
ここまで書くと、お前OBやろと思われるかもしれませんが、
違います。
幻坂 (幽BOOKS) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (幽BOOKS)より
4840151652
No.24
(5pt)

大阪以外でも売れているのか?小説界の山下達郎が放つ異色作!

大阪の書店では平積みされてます。
先日、テレビ番組「ビーバップハイヒール」でも1時間特集され、本人が七坂を解説してました。
内容的には、時代物に転向した宮部みゆきものという感じです。
ただ文章が彼女よりも美しい。

有栖川有栖、パイセンなのでデビュー当時から知っていましたが、
実はこの作品が私にとっての有栖川有栖デビューです。
もちろん外見が山下達郎なのも知っていたので、
それが今まで手に取らなかった理由かも。

とはいえ、「小説界の山下達郎」は、褒め言葉ですよ。
作品のクオリティーが山下達郎の歌同様クオリティーが高いという意味での。

解説でも触れられていますが、大阪は不思議な街ですね。
江戸時代の「商」のイメージが強すぎて損しています。
本当の大阪は、作品にも出てくる大阪一の進学校である星光学院のグランドから見る夕陽に収斂されると思う。
OBでは俳優の内藤剛志、音楽家のヒャダインが有名(ちなみに内藤剛志の頃はそこまでの進学校ではなかったけれど)。
ここまで書くと、お前OBやろと思われるかもしれませんが、
違います。
幻坂 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (角川文庫)より
4041038065
No.23
(4pt)

口縄坂の猫総出演

口縄坂を下って菩提寺に墓参に通う。年来の通い道を取り上げられているのを知り、嬉しくなって買いました。
テーマが上町台地の七つの坂ということで、作品自体は怪談、ミステリー、幻想小説を人情話でくるんだような作りです。落語のような感じです。どの話も軽い読物なので通勤通学の暇潰しには良いでしょう。ただ、不倫もので強く感じたのですがいささか人の恨み辛みが浅くしか描かれていない。本全体のテーマが七つの作品を連結していないのが残念。
ただ、口縄坂の猫の皆さん総出演なのはいいですね。
幻坂 (幽BOOKS) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (幽BOOKS)より
4840151652
No.22
(4pt)

口縄坂の猫総出演

口縄坂を下って菩提寺に墓参に通う。年来の通い道を取り上げられているのを知り、嬉しくなって買いました。
テーマが上町台地の七つの坂ということで、作品自体は怪談、ミステリー、幻想小説を人情話でくるんだような作りです。落語のような感じです。どの話も軽い読物なので通勤通学の暇潰しには良いでしょう。ただ、不倫もので強く感じたのですがいささか人の恨み辛みが浅くしか描かれていない。本全体のテーマが七つの作品を連結していないのが残念。
ただ、口縄坂の猫の皆さん総出演なのはいいですね。
幻坂 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (角川文庫)より
4041038065
No.21
(3pt)

美しい文章

大阪府民なので手に取って読んでみました。
9つの話からなる短編集です。
怪談ではありますが「めちゃくちゃ怖い」というわけではないです。
難しい言葉や硬い表現が多かったですが、名の売れている作家さんの作品だけあって「読ませる力」のようなものが感じられました。
個人的には愛染坂がよかったです。
幻坂 (幽BOOKS) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (幽BOOKS)より
4840151652
No.20
(3pt)

美しい文章

大阪府民なので手に取って読んでみました。
9つの話からなる短編集です。
怪談ではありますが「めちゃくちゃ怖い」というわけではないです。
難しい言葉や硬い表現が多かったですが、名の売れている作家さんの作品だけあって「読ませる力」のようなものが感じられました。
個人的には愛染坂がよかったです。
幻坂 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (角川文庫)より
4041038065
No.19
(4pt)

長年の謎がいろいろすっきり

四天王寺は聖徳太子創建といわれてるけど、奈良からずいぶん離れてるなーとか、
折口信夫の身毒丸と蜷川幸雄の舞台、内容違うなーとか、
漠然と「?」と思っていたことが題材になっていて、ほんとに読んでよかったです!
秋深し…の句が効いてる『枯野』、
こんな舞台がみてみたい…とおもう『逢坂』が好きです。 
有栖川有栖さんのほかの小説も読みたくなりました。
幻坂 (幽BOOKS) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (幽BOOKS)より
4840151652
No.18
(4pt)

長年の謎がいろいろすっきり

四天王寺は聖徳太子創建といわれてるけど、奈良からずいぶん離れてるなーとか、
折口信夫の身毒丸と蜷川幸雄の舞台、内容違うなーとか、
漠然と「?」と思っていたことが題材になっていて、ほんとに読んでよかったです!
秋深し…の句が効いてる『枯野』、
こんな舞台がみてみたい…とおもう『逢坂』が好きです。 
有栖川有栖さんのほかの小説も読みたくなりました。
幻坂 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (角川文庫)より
4041038065
No.17
(5pt)

学園坂は入ってません!

大阪市民でも、まっちゃまち(松屋町)周辺に住まうものでない限り、「天王寺七坂」って、よく知らないんじゃあないだろうか。歴史的なネーミングからすれば今の七つのままでいいんだろうけど、個人的には「学園坂」も加えてもらいたかったな。で、八坂になるけど、「逢坂」だけは、他の七坂に比べて、幅が広すぎて、「天王寺七坂」には相応しくない!って、勝手に決め込んでる。異端な寺テンプル・一心寺なんかも近所にあるし・・・

 まあ、いい。個人的にこの七坂にこだわるのも、その一つ、愛染坂を中学・高校の6年間上って、またある日には、左側にある大江神社への101段の階段を上って、その上にある中高一貫校に通っていたからだ。

 織田作之助の大阪モノの中にこの辺りの坂、橋、筋、通りを描いたものがあるけど、それくらいかな…小説になってるのは。で、有栖川がこんなものを書いてくれたので、まあ、個人的にはうれしい。出身高校も何度かお話に出てくるし…

 有栖川には、もっとメジャーな文学賞をとってもらいたいけど、村上春樹の新作を読んだ直後にこの本を読んだので、見劣りするのはやむを得ない?・・・・まだまだかな?って、気にもなるのは相当残念。でも、この短編集はめっちゃ&むっちゃ面白かった。大阪ファンには、大阪ガイドにもなってるのでおすすめ!
幻坂 (幽BOOKS) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (幽BOOKS)より
4840151652
No.16
(5pt)

学園坂は入ってません!

大阪市民でも、まっちゃまち(松屋町)周辺に住まうものでない限り、「天王寺七坂」って、よく知らないんじゃあないだろうか。歴史的なネーミングからすれば今の七つのままでいいんだろうけど、個人的には「学園坂」も加えてもらいたかったな。で、八坂になるけど、「逢坂」だけは、他の七坂に比べて、幅が広すぎて、「天王寺七坂」には相応しくない!って、勝手に決め込んでる。異端な寺テンプル・一心寺なんかも近所にあるし・・・

 まあ、いい。個人的にこの七坂にこだわるのも、その一つ、愛染坂を中学・高校の6年間上って、またある日には、左側にある大江神社への101段の階段を上って、その上にある中高一貫校に通っていたからだ。

 織田作之助の大阪モノの中にこの辺りの坂、橋、筋、通りを描いたものがあるけど、それくらいかな…小説になってるのは。で、有栖川がこんなものを書いてくれたので、まあ、個人的にはうれしい。出身高校も何度かお話に出てくるし…

 有栖川には、もっとメジャーな文学賞をとってもらいたいけど、村上春樹の新作を読んだ直後にこの本を読んだので、見劣りするのはやむを得ない?・・・・まだまだかな?って、気にもなるのは相当残念。でも、この短編集はめっちゃ&むっちゃ面白かった。大阪ファンには、大阪ガイドにもなってるのでおすすめ!
幻坂 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (角川文庫)より
4041038065
No.15
(3pt)

郷土史とソフトな怪談

天王寺七坂を巡る新作怪異譚である。
馴染みのある土地なのに、坂のことは知らなかった。たぶん何度も知らずに通過しているな。
桂米朝「米朝ばなし」のような雰囲気で、ためになった。

切なくもの悲しい幽霊話が多く、まったく怖くない。
「口縄坂」異種族の愛に同性愛が絡む?妖しげな異色作で、本書の白眉だ。
「源聖寺坂」は心霊探偵が謎を解く。
「逢坂」にも同じ探偵が登場するが、謎解きではなく人情話だ。
七坂以外に二篇短編が収録されている。「枯野」は松尾芭蕉の臨終がテーマだ。
超越的なわびさびの世界と生臭い組織の内紛劇が対照的で、文学的な味わいだ。

軽くて手ごろな作品集だった。郷土史マニアや純粋文系の人は大喜びするだろう。私はそうではないが、けっこう楽しめました。
幻坂 (幽BOOKS) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (幽BOOKS)より
4840151652
No.14
(3pt)

郷土史とソフトな怪談

天王寺七坂を巡る新作怪異譚である。
馴染みのある土地なのに、坂のことは知らなかった。たぶん何度も知らずに通過しているな。
桂米朝「米朝ばなし」のような雰囲気で、ためになった。

切なくもの悲しい幽霊話が多く、まったく怖くない。
「口縄坂」異種族の愛に同性愛が絡む?妖しげな異色作で、本書の白眉だ。
「源聖寺坂」は心霊探偵が謎を解く。
「逢坂」にも同じ探偵が登場するが、謎解きではなく人情話だ。
七坂以外に二篇短編が収録されている。「枯野」は松尾芭蕉の臨終がテーマだ。
超越的なわびさびの世界と生臭い組織の内紛劇が対照的で、文学的な味わいだ。

軽くて手ごろな作品集だった。郷土史マニアや純粋文系の人は大喜びするだろう。私はそうではないが、けっこう楽しめました。
幻坂 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (角川文庫)より
4041038065
No.13
(3pt)

幻想的なナインストーリーズ

本書は本格ミステリではない、ということはまず明記しておかなければなるまい。作者自身によると「大阪を舞台にした怪談」とか「リアリズムを担う街が秘めてきたファンタジー」であり、帯の惹句によれば「人情味溢れるジェントル・ゴーストストーリー」である。それらに倣って、「あやかしの世界を描いた幻想的なナインストーリーズ」というのはどうだろう。

舞台になっているのは、大阪の〈天王寺七坂〉というエリアだ。七坂をそれぞれタイトルに持つ現代物が7編、時代物が2編。すべてに共通しているのは、幽霊が登場すること。その趣向はさまざまだが、個人的には「清水坂」と「真言坂」がよかった。どちらも一人称で語られる物語で、切ない気持ちにさせられる。もともと有栖川作品には、こういうセンチメンタルな要素が多かれ少なかれあるけれど。

ある意味、もっともミステリ作家らしい作品といえるのは、心霊専門(!)の探偵が登場する2編「源聖寺坂」と「天神坂」だ。この摩訶不思議な心霊探偵・濱地健三郎は、今後ももしかしたらどこかでひょっこり登場するのでは…と思ったりもする。例えるなら、アガサ・クリスティーにとってのハーリ・クィン氏ぐらいの位置づけにはなっていくのではないだろうか?(マニアックな例えですが、ミステリファンにはきっとご理解いただけると信じて…)

「枯野」と「夕陽庵(せきようあん)」は時代小説、というより歴史小説といった方がいいかもしれない。前者は俳聖・松尾芭蕉が主人公だし、後者は歌人・藤原家隆に私淑する男が主人公。いずれも重厚な筆致で綴られているが、これはあくまで小説家としての余芸の範疇だろう。わざと小難しく書いてあるのも、普段のペダンティズムのヴァリエーションだと思う。とにかく作者の地元愛がぎっしりと詰まっている一冊だった。
幻坂 (幽BOOKS) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (幽BOOKS)より
4840151652
No.12
(5pt)

こんな顔もあったんだ!!

有栖川有栖作品は大好きだが、この作品はかなり毛色が違う。ミステリーというよりホラーか。ホラーというより恋物語か。それらが混じり合った不思議な短編集だ。
いずれの作品も好きだ。とりわけ「愛染坂」がよかった。最後の一言で胸が詰まった。切なくて、思わず涙ぐんでしまった。個人的にはこの一編を読むためだけにでもこの本を購入する価値があったと思っている。
火村シリーズの大ファンであるが、いつか有栖川先生が恋愛小説を書く日が来たならば、それも必ず読ませていただきます。
幻坂 (幽BOOKS) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (幽BOOKS)より
4840151652
No.11
(5pt)

こんな顔もあったんだ!!

有栖川有栖作品は大好きだが、この作品はかなり毛色が違う。ミステリーというよりホラーか。ホラーというより恋物語か。それらが混じり合った不思議な短編集だ。
いずれの作品も好きだ。とりわけ「愛染坂」がよかった。最後の一言で胸が詰まった。切なくて、思わず涙ぐんでしまった。個人的にはこの一編を読むためだけにでもこの本を購入する価値があったと思っている。
火村シリーズの大ファンであるが、いつか有栖川先生が恋愛小説を書く日が来たならば、それも必ず読ませていただきます。
幻坂 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (角川文庫)より
4041038065
No.10
(3pt)

現代の大阪の怪談

有栖川有栖の連作ミステリ、なのだが、いわゆる推理小説ではなく、どちらかというと怪談に近い話。
ちなみに、宮部みゆきに同系統の一連の著作があるような気もする。

舞台は原則として、大阪の天王寺にあるという「天王寺七坂」。
大阪の地理にはうといのだが、上町台地くらいは聞いたことがある。その西の縁の部分、崖地にある坂が舞台である。

読んでみると、いずれのストーリにもその坂にまつわる歴史やら言い伝えやらその地の雰囲気などが色濃く出ていて、やはりアウェー感いっぱい。
情景にうまく思いがめぐらせられないまま、淡々と読み進めてしまい、松尾芭蕉のお話を経てそのまま読了してしまった。

ちょっとこまったなという感じである。続編はもし出ても読まないかな。
幻坂 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (角川文庫)より
4041038065
No.9
(3pt)

現代の大阪の怪談

有栖川有栖の連作ミステリ、なのだが、いわゆる推理小説ではなく、どちらかというと怪談に近い話。
ちなみに、宮部みゆきに同系統の一連の著作があるような気もする。

舞台は原則として、大阪の天王寺にあるという「天王寺七坂」。
大阪の地理にはうといのだが、上町台地くらいは聞いたことがある。その西の縁の部分、崖地にある坂が舞台である。

読んでみると、いずれのストーリにもその坂にまつわる歴史やら言い伝えやらその地の雰囲気などが色濃く出ていて、やはりアウェー感いっぱい。
情景にうまく思いがめぐらせられないまま、淡々と読み進めてしまい、松尾芭蕉のお話を経てそのまま読了してしまった。

ちょっとこまったなという感じである。続編はもし出ても読まないかな。
幻坂 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (角川文庫)より
4041038065
No.8
(5pt)

坂にまつわる哀愁の怪談短編集

最近になってはまっている作家さんの作品ですが、これまで読んだ火村&有栖川のミステリーとは趣向が変わります。
大阪の天王寺七坂が舞台の怪談短編集といっても、怖いというより切なく哀愁を帯びた抒情的な不思議な物語の9編が散りばめられていました。

「清水坂」作者曰く、生きて泳いで跳ねる魚の大阪弁で優しく語られる、やんちゃな子供時代の甘くて苦い山茶花にまつわる思い出
「愛染坂」スランプに陥った小説家が語る、坂ですれ違う悲恋の物語
これらは涙腺が緩んでたまりませんでした。

他に「口縄坂」白い美猫に魅入られた女子高生の話はホラー要素があり、「源聖寺坂」では心霊探偵がある別荘の幽霊事件を解決したりと内容もバラエティに富んでいます。

はでな見せ場はないけれど、情景描写が多彩で、そこには大阪を愛する愛が感じられ、じわじわと心にしみました。
幻坂 (幽BOOKS) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (幽BOOKS)より
4840151652
No.7
(5pt)

ちょっと怖い気がするものの、自分の足で散策してみたなった、不思議な気持ちになりました。

私の知っている他の作品とは、少し違う風合いの素敵な作品でした。 一気に読んでしまいました。
幻坂 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (角川文庫)より
4041038065
No.6
(5pt)

坂にまつわる哀愁の怪談短編集

最近になってはまっている作家さんの作品ですが、これまで読んだ火村&有栖川のミステリーとは趣向が変わります。
大阪の天王寺七坂が舞台の怪談短編集といっても、怖いというより切なく哀愁を帯びた抒情的な不思議な物語の9編が散りばめられていました。

「清水坂」作者曰く、生きて泳いで跳ねる魚の大阪弁で優しく語られる、やんちゃな子供時代の甘くて苦い山茶花にまつわる思い出
「愛染坂」スランプに陥った小説家が語る、坂ですれ違う悲恋の物語
これらは涙腺が緩んでたまりませんでした。

他に「口縄坂」白い美猫に魅入られた女子高生の話はホラー要素があり、「源聖寺坂」では心霊探偵がある別荘の幽霊事件を解決したりと内容もバラエティに富んでいます。

はでな見せ場はないけれど、情景描写が多彩で、そこには大阪を愛する愛が感じられ、じわじわと心にしみました。
幻坂 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 幻坂 (角川文庫)より
4041038065