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さまよう刃
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さまよう刃の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全248件 121~140 7/13ページ
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| 少年犯罪、強姦致死、レイプ後の自殺、少年法問題などを取り上げていますが、この本が一番伝えたいことは「遺族の、やり場の無い怒りと悲しみ、苦しみ」。 言われなくても分かる!と思うでしょう。ですが現実問題として大切な人を、同じヒト(オス)に陵辱され殺害された経験のある人が、この日本に何人いるでしょうか。 決して救われることのない被害者側は、事件の生々しい傷跡を抱えて一生を過ごさなければならない。しかもその傷は膿んで乾くことがない……毎日が生き地獄です。 作者は娘を奪われた父親の心情を見事に描ききっています。東野圭吾氏自身、体験したのではないだろうか?と思わせるほど。 私は犯罪被害者ですが、これほど号泣した本は初めてです。 レイプ、ビデオの映像、復讐の第1番目の殺人。過激な描写がリアルに描かれていますが、目を背けないで読んで欲しいと思います。 ここを描かなければ、復讐に走ってしまう父親は誕生しないのですから。 そして父親がむかえた悲しい結末。フィクションとしては逆パターンが理想ですが、リアルを追求した本作ではこれがふさわしい。 読者の心に「やりきれない思い」が残ります。 それは父親の「やりきれなさ」をほんの少しでも感じ取ることができるように用意されたラストであり、救いのない現実世界そのものです。 | ||||
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| 未成年の容疑者の被害者、本当に居た堪れない。 繊細かつ曖昧な少年少女の心動と行動が、 絶妙なタッチで描かれていてハマりました! 最後の3ページ(密告者の解明)が 物足りなかったので -1 ポイントしました。 密告者の解明については、 最後の最後まで腑に落ちず疑問に思っていて、展開を期待していました。 肩透かしを喰らった気分です。 | ||||
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| 前半は本当に不快な気持になりましたが気になる続きはさすが東野さん。 子供を持つ親として長峰に共感しついつい応援したくなる。 法律の壁、年齢関係なく罪の重さで罰してほしい、何もできない無力さも感じ、いろんなことを考えさせられる一冊でした。 無差別に誰かを不幸にする、その人だけでなく周りの人まで不幸にする。 そんな事あってはいけないと思う。未成年であっても。。。 | ||||
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| 少年犯罪、そして少年法。この理不尽な問題に対して作者はどのような解釈を 持って結論づけるのだろうと期待しながら読み進めました。 小説ならではの、爽快な読了感を期待していましたが、しかしながらこの結論 はどうにも歯がゆい感じが否め無かったのが正直な感想です。 しかし流石は東野圭吾。最後こそそんな感じではありましたが、相変わらず 読者を引き込ませる構成や文章力は見事の一言で、最後の最後、99%までは とても興奮してワクワクしながら読み進める事が出来ました。 それにしてもこの人の作品にははずれがありませんね。 結果の受け取り方は人それぞれなので、是非読んでみて下さい。 | ||||
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| 題材の切り取り方、読みやすい文体、テンポのよいストーリー展開、 真に迫る人物描写。 作者を天才たらしめる要素が凝縮された小説だと思います。 「さまよえる刃」という言葉の意味を理解したとき、 「本当に小説を作るのが上手い人だなあ」と感動しました。 救いがないというご意見が多いのですが、 スカっとするようなハッピーエンドだったら、そこで終わってしまう。 やり切れない終わり方だからこそ、深く問いかける部分があると思います。 とてもよい小説なのですが、取り扱う題材が過激なので 誰にでも勧められる作品ではありません。 その意味で★4つ。 | ||||
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| 心動かされ、考えさせられる作品ではありました少年法への問題提起もしっかりされていますが所々ある今時の若者批判的なものは萎えました | ||||
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| 復讐、少年法、マスコミ。非常に重たいテーマだ。 物語は複数の視点を通じて描かれる。 誰もが迷いながら、考えながら行動している。誰も確固たる信念など持っていない。 この、誰もがさまよっている感じが非常にいい。 復讐を応援するのか、それとも止めるのか。 東野さんの描写力は流石だ。読者を事件の当事者に引っ張り込む。 これほどのエンターテイメントが他にあるだろうか。 これを娯楽と割り切るのは、やや不謹慎だろうか。 最後のオチは不評のようだ。物語の核心が、トリックによって逃げられた感じがするのだろうか。 小説としては非常に面白いと思うのですが。 | ||||
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| 本の概要を言えば、中学生の一人娘を殺された父親が、犯人の少年たちに復讐する物語。1988年東京足立区綾瀬でおきた女子高生コンクリートつめ殺人事件、1999年山口県光市母子殺人事件。本著作と同様性犯罪絡みの少年犯罪です。少年の更生とは何か、更正させるための軽い刑期で死人の人権はどうなるのか、足立区綾瀬の事件の加害者はすでに社会復帰しているそうですが、どのように更生できたのか。どのように被害者に償いが出来たのか。それらを考えると、復讐を誓う父親が犯人の少年を追い詰めながら最後は警官に射殺されてしまう結末を非常に痛ましく思うのは私だけでしょうか。 | ||||
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| 読み始めたら止まらないので時間に余裕がある時に読みましょう 各登場人物の心理描写が本当に巧いですね。 | ||||
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| なぜ著者は彼を殺してくれなかったのか。 もんもんとする気持ちと付き合わざるおえません。 今後も色んな事件がニュースで報道される度に、本書の結末を思い出すでしょう。 「誰を裁き、誰を守るための法律か、警察か」そう考えされられます。 この気持ちを読む人の心に宿すのが目的だったような気もしてきます。 考えさせられる一冊、是非ご一読を。 | ||||
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| つらい小説です。最愛の一人娘を二人の獣に、ただ欲望だけのためにまるで玩具のように陵辱されたうえ殺されたと知った父親が主人公です。 しかも犯人はその様子をおもしろ半分にビデオに撮っており、そのビデオで娘の最後の姿を見てしまった父親。 その父親がとった行動の是非を読者に問いかけます。 この小説を読んでいる間中、私は救いを求めていました。救いなどないことが判っていながら。 しかし私は娘を獣に殺された父親になんとか救いをと、作者・東野氏に対し心の中で手を合わせていました。 そう、私はたとえば藤沢周平氏が小説の中で、主人公の下級武士に一分をたててやるように、 割り切れない悲しみの中にも何らかの救いを用意してやって欲しかったのです。 小説中、東野氏は主人公・長峰重樹に次のように語らせます。 「法律は人間の弱さを理解していない」と・・・ 果たしてこの結末に救いはあるのでしょうか。 | ||||
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| あらすじを読むだけで重苦しく、救いの見えない物語だ。無駄の無い描写は冒頭からただならぬ雰囲気を醸し出し、誰もが救いの見えない結末を想起する。復讐しても許せる人物と、復讐されて然るべき人物という極端な人物設定が用意されているのは古典的だが、これほどの陰惨さで描かれる「現代の」仇討ちを読んだことが無かった。 『さまよう刃』は、「そんなことは分かっている」の先を示した物語だ。 「そんなこと」とは、「人が人を殺めてはならないこと」であり、「男が女を無理矢理犯してはならないこと」であり、「仇討ちをしてはならないこと」だ。法は、人に「そんなことは分かっている……」と言わせ諌める抑止力(のはず)だ。だが主人公の長峰にとっては、「そんなこと」は彼の覚悟を萎えさせるものにはならないし、萎えぬよう「訓練」すらしているのだ。 息詰まる追走劇の果てに待っていたその「瞬間」、これは刑事の物語だったのかもしれないと思った。刑事すら犯人の心情を深く理解し、正義に疑念を漏らすこの物語は、何とも言えないやりきれなさを残す。 | ||||
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| 以前ガリレオは読んだことがありましたがそれから東野圭吾さんの本に触れる機会がありませんでした。 この本は映画化されて知りました。 テレビでの映像が気になって、本を読んでみようと思い購入しました。 父親の復讐ということはわかってましたが、どんな理由で復讐するのか知らないまま読みすすめたので本当に内容を知ったときは衝撃的でした。私はまだ親という立場にはなっていませんが娘さんがひどい目に遭わされて、本当に許せないような少年たちがいて、でも法律は少年を守るために存在している。私には衝撃的でした。未来明るい女の子となんの目的もなく獣のように生きる少年、どちらの命が重いのでしょうか。命の尊さは同じかもしれませんが少年に同情はできませんでした。ラストも私にとっては衝撃的でした。とても考えさせられる小説でした。 | ||||
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| 東野氏の小説は、「容疑者Xの献身」「手紙」に続いて3冊目です。 少年法の無力さを訴えているんですが、 文中に出てきた言葉がかなりやるせなく、また同意させるものでした。 例えば、 「(少年)法というのは、加害者を構成させるためにある。被害者には何もしてくれない」 とか、 「この拳銃は少年を守るためにあるのだ」(ラストの方) など。 一文一文が重く、考えさせられ、とても面白かったです(笑えるという意味ではないですよ)。 | ||||
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| 本書は、『容疑者Xの献身』『白夜行』など数々のヒット作を世に送り出し、現在〈いま〉や大人気のベストセラー作家である東野圭吾氏が’『週刊朝日』〈2003年9月〜2004年9月〉に連載され、2009年10月10日に映画化(監督:益子昌一、主演:寺尾聰)公開された復讐劇のサスペンス小説である。 神戸連続児童殺傷事件(1997)や光市母子殺害事件(1999)以降、マスメディアなどで何かと話題となる少年法(少年犯罪)問題をテーマとしており、特に光市事件で当初重罪を犯した割にはそれに見合わない判決を下され、被害者遺族の沈痛な面持ちの光景を目にした人は多いはず…。そうした事を踏まえて、無意識のうちに感情移入をしながら読まれた方も多いのではないだろうか? 娘の復讐に走る主人公・長峰重樹や間接的だが加害者グループに加担してしまった事に後悔する少年・中井誠、指名手配を受けた長峰の正体を知りながらも彼に協力するペンションの娘・丹沢和佳子、今回の事件を捜査し、長峰の行方を追う警視庁捜査一課の若手刑事・織部孝史、ベテラン刑事・真野、二人の上司である班長・久塚、といった主だった登場人物の設定や心理描写がよく描けており、特に物語の諸悪の根源である加害者リーダー・菅野快児がなかなか登場しないのでイライラとハラハラしながら読み進む事になるが、物語の構成がよく出来ているのでグイグイと引き込まれるようにこの世界観に入り込み、大いに堪能した。 読者としては、ただただ復讐を遂げさせたい思いがある一方、丹沢和佳子と同じ思いで主人公・長峰に思い留まってほしい気持ちにもなる。ただ多くの読者の指摘どおり、読後感はなんともやるせない気持ちになる。他の少年犯罪物も同様であるが重いテーマを扱っている以上、スッキリした結末とはいかないものだ。 | ||||
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| 「さまよう刃」は昨年読みました。最初の方は結構リアルな描写でちょっと目を背けたくなるような感覚を受け、物語が進むにつれて、「自分がこの主人公だったらどうするだろうか?」と葛藤しながらあっという間に読み終わったことを覚えています。子を持つ親としても、非常に考えさせられるテーマの小説でした。映画ではこの小説の深いテーマがどこまで表現されているのかな? | ||||
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| 少年犯罪を扱った重いテーマである。 現行の少年法がある限り、なくならない問題であろう。 被害者の父を中心に描いており、復讐がテーマながら 単なる復讐劇に終わらない。 またもう一人の被害者の父から、マスコミの興味本位や 売り上げ至上主義といった点を衝いている。 加害者の反省の弁が最後までないのは、救われない気もするが、 それが現実であろう。 | ||||
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| これは名作です。東野さんの、というより私が今まで読んだ小説の中で、 ナンバー3に入る作品です。 ものすごく分厚い本ですが、夢中で読んでしまいました。 テーマはものすごく重く、後味も決して良いとは言えないですが、 これは読み終わって「あ〜面白かった」というたぐいの作品ではなく、 現在の少年法や、 『警察は市民を守っているのではない。警察が守るのは法律の方だ』 など、色々と考えさせられる事が多く、 読み終わってからもいつまでも余韻が抜けないです。 ただ、ひとつ疑問に思った事は、携帯電話を使うシーンが多く、 電源を入れたら居場所がわかってしまうのではないのですか? (確か酒井法子が逃げ回ってた時、そんなことを言っていた) 推理小説作家がそれを知らないはずはないと思うのですが、 どうしてだろうと、そこだけがひっかかったのは私だけでしょうか?(^_^;) | ||||
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| 読んだ後に、なんとも言えない気持ちになりますね。 "良い" "悪い" の次元ではなく、人の気持ち、弱さについて考えさせられます。 大事で仕方ない一人娘を、同じ人間とは思えないような酷い仕打ちで奪われたら… 「まぁ、運が悪かったんだ。」なんて諦められる人は、そうそういないと思います。 小説内でも、東野先生は色んな人間の心情をうまく描いているなぁ、と感じました。 他のレビューで「不自然な部分が有る」と仰ってる方がいらっしゃいますが 小説は、リアルに書くことが全てではなく、小説だからこそ出来る無茶もあるのだと思いますよ。 東野先生は、実際にあった事件を元にして書いている部分が多いのですし、 全て事実通り書いたら、それは小説ではなく、ただの記録です。 | ||||
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| 作品のテーマは少年犯罪とのことですが それよりも、事件を担当した刑事・織部の一人の人間としての良心と警察官としての職務の狭間の葛藤 そして娘を失った長峰の社会や少年犯罪に対する視点に力点が置かれた作品でしょう。 もう少し加害少年側の視点にも力を置いて欲しかった気持ちもありますが 作品自体は楽しめました。 | ||||
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