六花の勇者
評判
六花の勇者の評価:
4.06/5点 レビュー 67件。 A ランク
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全68件 21〜40 2/4ページ
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運命の神に選ばれたという勇者たちは、皆ただ正義感のみで世界を救おうとしているのではないということだ。
ある者は愛する家族のため、
ある者は生きる意味を与えてくれた人のため、
ある者は享楽のため、
ある者は恋する相手のため、
勇者として戦う。
恐らく「7人目」も、行く手を阻む敵たちも、何らかの信念や目的を持って行動しているのだろう。
それが最も顕著なのはやはり主人公(だと思われる)アドレットだ。
何の力も才能も持たない平凡な彼は、
凶魔に殺された家族と親友のために勇者になると誓い、
文字通り死にもの狂いで努力して戦う技術と知恵を身に付け、
「地上最強の男だ」と自分自身に言い聞かせて笑い、
そして恋をした女の子のために戦っている。
その様はハーレムを築きがちなライトノベルでも、友情を第一とする少年漫画でも、なかなか見られない姿だ。
大げさに言ってしまえば昔のジブリの主人公のようである。
そんな彼を筆頭とした勇者たちは、どこか人間離れしていたり人間臭かったりしていて少々つかみづらい。
特に全員が疑心暗鬼に陥る1巻は、おおよそ「良い奴ら」だとは思えないかもしれない。
しかし巻を重ねるごとに何故かみんな愛おしく思えてきてしまう。
文章力は褒められない作者だが、「キャラクターに感情と意志を与えて生かす」という点においてはずば抜けているのではないか。
そう思わせられるシリーズである。
なおかつ近年珍しい王道ファンタジーでありながら、「犯人探し」の要素を入れているのが何より面白い。
ただ、ミステリーと言われるがきちんとその形をとっているわけではない。
伏線は張られているが、勇者たちが勘や運で乗り切る場面も多い。
なのでミステリーを目的として読むのはおすすめしない。
どちらかというと、敵側が勇者たちを騙すように、作者は読者を騙そうとしているように思える。
きっと、5巻までの展開を正確に予想できた人はそう多くいないだろう。
だとすると、作者の勝ちだ。