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白夜行
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白夜行の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全559件 441~460 23/28ページ
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東野圭吾の作品をはじめて手に取りました。きっかけはTVドラマの結末が知りたかっただけと安易な発想でしたが、文庫本の2倍以上の厚さの本を「あっ!」ですわ・・・映像に近い感覚で伝わってきました。ヒロイン雪穂。彼女をあれほど強い人間にさせたものが想像では解りませんが、ヒロインに引かれて殺人などの罪を犯すたぐいの軽い話では片付けられない・・・・真意が知りたい雪穂と亮司のと思いましたが、雪穂本人にもわからないのかなぁ・・・・ | ||||
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私は読み終えた瞬間、嗚咽をもらした。 私は基本的に殺人などが含まれている小説は苦手な方で避けてきたが、父親に勧められて土曜の昼間に読み始めた。 すると、ハマった。 読み終えたのは夜中の3時を回っていた。私は1日足らずで読破してしまった。 最初は次々に登場してくる人物に多少悩まされたが、全てはひとつに繋がるものだった。 雪穂と亮司、二人のあまりに悲しすぎる過去。 生きる希望を与えてくれた亮司は最後の最後まで雪穂を守った。 雪穂は亮司の僅かな光を頼りに懸命に落とし穴から這い上がろうとした。 そこには心を失った彼らの決して結ばれてはいけない愛があった。 純愛とは言いきれない、冷血で残酷な運命。 それなのに、これは真実の愛の形だとしか言いようがなかった。 女の目線から見て確かに吐き気がする場面が多々ある。可哀想・ひどすぎるなどの感情を通り越して寒気さえした。 それにも関わらずページをめくるのをやめられなかったのは19年と言う月日に隠されていた。 二人は犯罪者だ。でも私は本を閉じた時、不覚にも「犯罪なんかじゃなかった」とむしろ魂を奪う行為を肯定してしまうほどだった。 その理由を知るには、もう一度1ページ目から開く必要がある。 そして私は、再び生きる空しさと生きていく強さを二人から学ぶのである。 | ||||
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圧倒的な小説である。 ミステリー小説にはあまり興味を持てないためそういう視点からの評価は出来ないが、人間というものを正面から描いた作品としての一つの到達点だと思う。 主人公2人の内面は一切描かれず、周囲の人たちの視点から見た2人が淡々と描かれていく。 だからこそ、主人公に対し読み手は下手な共感や反感を抱くことなく、 描かれたありのままを受け止めていくことが出来る。 その結果、直接は描かれない主人公の心理をより克明に感じ取れるのだ。あくまで読み手の推測であろうとも。 ドラマ版のアプローチは正解だと思うし、今のところ大好きなドラマである。 しかし、小説を読み返すとやはりこちらの方が惹き込まれる。ドラマ版が好きな人には、いつか必ず小説も読んでもらいたいと思う。 これは謎解きを楽しむ物語ではなく、平たく言えば人間のドラマを味わう物語である。 人によって好みはあるだろうが、すべてが明らかになるような終わり方だったら私はこれほどこの小説を好きにはならなかった。 原作者が考えた末にわざときれいにまとめずあのような結末にしたのは明白だし、個人的にはあれ以上の終わり方は無かったとさえ思う。 あのラストが気に入らない人は大勢いるだろうし、そのような受け取り方も一つの答えだ。 私にとってあのラストは納得のいくもので、そして最も感動した小説の一つとなった。 | ||||
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セカチュー・イマアイなどとは到底比較できないほど 暗くとてつもなく恐ろしいほどまっすぐな純愛です。 そして、それ以上にせつない物語でもあります。 本当の愛とは何だろう。 本当に相手のことを想うということは何なのだろう。 と、考えさせられる話です。 ※文庫本の厚さに最初は驚くと思いますが、私は二日で読破してしましました。それほど、のめり込んでしまうストーリーですので、週末にゆっくりと読まれることをおススメします。 | ||||
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今回ドラマ化されるにあたり数年振りに読み返してみた。 面白い。出来すぎている。 東野圭吾氏の代表作というより日本のミステリー史における傑作である。 主人公2人の内面、動機を一切描写せず周りの登場人物の視点のみで描かれている。 さすがにドラマではこの手法は無理であろう。 ドラマで興味をもった方はネタバレ覚悟で小説も読んでいただきたい。 ドラマが終了してからでもいいんですけど。 東野圭吾の直木賞は本作品のほうがふさわしいと思うのは私だけでしょうか? | ||||
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私はドラマ化される前にこれを読みました。 とてつもなく暗く、重く、長い作品です。 ドラマをきっかけに読んだらその違いに驚きますよ。 全然スケールが違いますから。 あんなセカチュー2号みたいな甘い話じゃないんですよね。 雪穂・亮司はあんなに弱い人間ではないんです。 ドラマでは感じることが出来ないであろう、二人の魅力を感じられますよ。 必ず心に何かが残ります。 | ||||
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この小説は分類が難しい。犯人や人物の関係は一応伏せてはいるものの、あえて比較的早い段階でわからせてしまう。そういう意味で、事件のその後日談であり、結末への過程をなぞる物語であるが、最後までその心情を明確に語られるわけではない。同じベクトルを持つ二本の糸を語りつつ、決してその交わりを語らない。なぜなら、この交わりこそがこの小説のテーマであり謎だから。 これは映画化はともかくドラマ化は難しい。少なくとも小説と同じ視点で1クール引っ張ることはできないだろう。と思っていると、恐るべし、ドラマはラストをいきなり最初に持ってきた。そしてドラマを観てわかったことは、ドラマは、小説で語られることが無かった主人公たちの心情や交わりを中心に語るということ。確かにドラマ化するにはそれしかないだろう。しかし、その時点で読者は気をつけなければいけない。 ドラマで語られている心情は、製作者や脚本家が感じた彼ら自身の視点によるもの、または脚色したもの、作り上げたものであるということ。本小説を先に読んだ私はドラマとは違った印象を持っていた。しかしながら、ドラマを観たときに「そういう視点もあるな」と感じた。確かにいろんな見方ができる構成や表現方法を用いている小説である。 もし、私が今読み返したら、初めに読んだ時とは違った視点で読むだろう。そしてそれは確実にドラマの視点に影響されているはず。ましてや、ドラマを観た後に初めて読む人はどういう視点で読むのだろう。 本作は非常に暗く、絶望に満ちた、暗い作品である。そして、ドラマは主人公たちの立場に立ち、心情に視点を当てているために、少なからず希望やさわやかさを強調している。しかしそれはドラマの特性であり、いち読者の解釈に過ぎないという事を肝に銘じて、今から読む人には自分の視点や感性を大事に読んでもらいたいと思う。 | ||||
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読書好きには当たり前のように認知されていたものの、読書に縁のない人には まったく知られていなかった「東野圭吾」という作家が、今年(2006年)いよいよブレイクしそうである。 某色ボケ作家の私怨によって受賞を阻まれていた直木賞もようやく獲ることができ、 名作『白夜行』もゴールデンタイムに堂々のドラマ化! まるで憑き物が落ちたかのように、東野はその才能を広く世間にアピールする機会に恵まれたと思う。 そんな東野圭吾の才能が結集された作品が、この『白夜行』だ。 暗い過去をひきずりながらも太陽を求めて必死に生き抜く二人の男女の生き様を、 心理描写を一切廃して描くことで、より生々しく浮き上がらせる高度なテクニック。 「小説」の持つ魅力を最大限に生かしたこの小説は、東野圭吾の代表作、というよりも ミステリー小説史に残る大傑作といってもおかしくないのではないか。 | ||||
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ドラマの1話を見てあわてて原作が読みたくなって購入。文庫本なのにコンパクトでない!第一印象です。弟9章で半分に切っちゃおうか迷ったほど、重かった。(>_<)で、作品自体は良かったです、読むのが遅い私が3日間仕事後に没頭して読みました。主人公2人の心のうちが全然表現されてなく、雪穂のために犯罪を重ねていく亮ちゃんがどう思っていたのか・・知りたいです。 | ||||
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最近のミステリーは犯罪の動機が決定的に甘いものが多い。 無秩序な犯罪が世間で横行しているのと同じように、 人が人を殺めてしまうことの大きさ、深さを全く描ききれない 《犯罪者》が増殖してしまっている遺憾な現状だ。 そんな中、東野圭吾は数少ない例外といえよう。 彼の描く罪にはいつも哀しすぎる理由と切なすぎる罰がある。 ドキドキワクワク読み進めてきたのに、最後には必ず涙が出てしまうのだ。 胸を詰まらす重たい余韻。ただ呆然と深く考え込まされる。 今回映像化されたことによって、この分厚い本もかなり攻略し易く なったのでは。自分の中で描いていた亮司と雪穂は別の俳優さん達 だったのでかなりショックなのだが、これを機にもう一度白夜の路を たどってみたいと思う。 | ||||
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「白夜行」は、もともと雑誌連載時に連作短編として発表した個々の物語を組み合わせて一遍の長編に仕上げた作品だそうである。一見バラバラに思えるエピソードが、まるでジグソーパズルのピースのように組み合わさり、人生裏街道まっしぐらの唐沢雪穂と桐原亮司という2人の関係を浮かび上がらせる。 電車の中で立ち読みしていると重さで脇腹がつるほどの長編(854頁)だが、ストーリーテラーの東野圭吾の手により、読者をあきさせない仕上りになっている。 しかし東野圭吾は抽斗が多いというか器用というか、いい意味で自分のスタイルに拘泥しない作家である。自らのスタイルにどっぷりつかって身動きがとれなくなっている文系作家が多い中で、青春物から推理小説までこなすオールラウンドな仕事ぶりは理系作家ならではの高い技術力を感じる。 | ||||
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2日間で一気に読み上げてしまいました。きっかけは、ドラマの第1話を見て、店頭に並んでいた分厚い文庫本とその売れ行きが気になったこと。 人間って、環境にここまで純粋に落ちていけるのか。育った環境がここまでストイックに人間を変えることができるのか-深く、恐ろしいと思いました。 東野圭吾さんの、軽いタッチのものとは全く違った、人間の真髄に接近した小説だと思います。 | ||||
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単行本の分厚さに驚きましたが、休みの日の朝から夜まで読み続けて、 一気に読み終わってしまいました。 それくらい引き込まれたという事だと思います。 ただ、ドラマを最初に見てから原作に興味を持って、というパターンだったので、 物語の中心部分(亮司と雪穂がつながってる事とか亮司の最後とか雪穂の少女時代とか・・・)が 最初にわかってしまってたので残念でした・・・ 何も知らずに読めば、???だらけでもっと引き込まれたと思います。 ただ、あれほどの世の中に対する悪意、他人を信じない、愛せない、 身近な人さえも邪魔者扱いする、 異常なまでの利己主義になってしまった原因の描写が、全体の長さに比べすごく少なく思いました。 雪穂についてはラスト近くに少し描かれていましたが、亮司については 十分ではなかったような気が。 実父が、自分の愛する者に対して取った行動が許せないのはわかるんですけど。 幼かった亮司と雪穂にとって、図書館だけが唯一落ち着けるこの世の明るい場所だった、 というような描写部分はぐっと来ました。 2人の心の動きや感情が一切書いていないので、説明描写もないのでしょうが・・・ でも引き込まれる小説である事は間違いないと思います。 先にドラマを見てしまった事が悔やまれます。(笑) | ||||
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854ページを1日半かけて昨日読み終わりました。 まだ余韻が・・・(・∀・;)凄い深く深く今も考えてます。 結局真相はどうなのか、謎が解けないとこが沢山・・・。 でもなぜかスッキリしました! こんなに心に残った作品は今までで初めてです!! 本当におもしろかった!!!深すぎて本来の目的を見失いそう だったけど・・・それもまたよかったぁ〜〜〜〜(′Д`)b なのにドラマ第1話を忘れる私って・・・・・・↓↓ 本当に本当にオススメ♪読み終わるのには少なくとも私には 忍耐力が必要でした―(笑) 絶対に読んでほしいです!!!!! | ||||
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ドラマ(第1話)を見て原作が気になり、購入しました。 800頁を超える長編ですが、休みの日1日で読んでしまいました。 それぐらい、おもしろかったです。 小説では一番最後に種明かしされる部分がドラマではいちばん最初に出てきています。 したがって、小説には主人公二人の内面が全然記載されていませんが、ドラマを見た方は、最初から二人の内面を色々想像しながら、読み進めることができると思います。 | ||||
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面白かった。ただ、現実はここまでこうはいかないだろうけれど、この東野圭吾が描くモヤモヤ感は人生ははっきりはしない視界の中を歩く白夜行のようなものだと言っているような気さえする。テレビで視るよりも絶対活字で読んでほしいと思います。東野圭吾の代表作。私は一番群を抜いて面白いと思いました。 | ||||
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映画の「ロッキー」とか、 カセットテープで記憶するパソコンゲームとか、 ちょっと懐かしいような時代の描写が丁寧で、 ドップリ世界にはまってしまう。読み応えがある。 というか、20年近くにおよぶ二人の犯罪とその背景を ここまで丁寧に描写したミステリーというのは珍しい。 ただ、亮司と雪穂の生き方には「どうしようもなかった」という切実感が いまひとつ欠けていて、読後感があまりスッキリしない。 手法の似ている宮部みゆきの『火車』や 重い宿命ゆえの犯罪という意味で比べてしまう『砂の器』 などに比べると、同情の余地がない。 また雪穂に関してのみ言えば、 桐野夏生の『グロテスク』あたりを読んだあとだと、 現実感がない、男の作家が考えそうな女性像という感じがする。 | ||||
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東野圭吾と言えば秘密が有名だが、それ以外で読んだはじめての作品だったが、東野ファンになってしまった。幾重にもしかけられたストーリ展開が絡み合って、読むのがとめられなくなるような話の展開で、最後まで一気に読んだ。今度TBSにてドラマになるようだが、配役が不満だなぁと思ってしまう。 | ||||
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桐原亮司と西本雪穂。二人が小学生から大人になる十九年間の物語。高度成長末期からバブル経済の時代まで。彼らが歩む人生の周囲では、次々に不幸になる人々がいる。人々を絶望の泥沼に蹴落としながら、雪穂は睡蓮のように美しく咲き誇っていくのだ。 二人の主人公と読者の間には、レースのカーテンのような物が揺らめいていて、その姿ははっきり見えない。 特異な小説である。主人公二人の心だけが、一切描写されていないのだ。その周辺でもがく人々の主観を介してしか、亮司と雪穂に辿りつけない。 テレビドラマに引き込まれて、一気に読破した。過去にドラマ化不可能などという形容の小説は幾多もあった。しかし、本当に不可能な小説に出会ったのは初めてであった。 亮司と雪穂という主人公の人生には、殺人事件、レイプ、失踪、ハッカー犯罪などの事件が溢れている。最後のピースがはまった時、それらが純粋な魂から溢れ出た「果てしない悪意」だと読者は知る。 この小説と、放送が開始されたTVドラマとは、全てが違う作品になっていくだろう。小説だけの読者は、雪穂たちから、究極の悪意の快感を覚える。TVドラマだけの視聴者は、絶対的な純愛に感動するだろうからだ。そして両方を知った者は、鏡のように全てが正反対の、原作とTVドラマの特異なコントラストにくらくらと酔う。 小説とTVドラマが意図的に乖離せざるおえない作品。 昔、映画の「風と共に去りぬ」観た。その後に原作を読み、映画版のできの悪い模造品に感じた。これとは対照的に、百夜行は原作と映像作品が別個に独立した作品となっていた。両方とも鑑賞される事を強くお勧めします。 | ||||
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文庫版を解説している馳星周氏は本書をこう評している。 「人間の暗い側面、邪な断面、人間のそうした性質を助長する矛盾した世界。それを描くのがノワールだと定義したならば、『白夜行』はもはや、ノワール以外の何ものでもない」 そう、「白夜行」は紛れもなく上質のノワールなのである。 暗黒街やマフィアが登場する作品ばかりがノワールではないのだ。 20年にもおよぶ亮司と雪穂のダークで沈鬱な物語。 2人の人生には常に不気味な犯罪が見え隠れする。 しかし、読者は2人の心の闇、心の傷をうかがい知る事はできない。 小説には2人の内面はいっさい描かれていないのだ。 冷たく、重い物語だ。 出口がなく、救いのない物語だ。 読後の爽快感はない。 だが間違いなく後をひく傑作だ。 この名作がドラマ化されるという。 小説では2人の内面描写がなく、余計な説明もないからこそ、深い読後感を味わえる構造になっているのだ。 陳腐な純愛ドラマに貶められないか、非常に心配である。 この重い世界観は活字だからこそ味わえるものではないだろうか? 表現手段が違うのだから、ベストセラー小説を何でも映像化するのは反対だ。 活字だからこそ表現できるものもあれば、映像にしか表現できないものもある。 「白夜行」は活字でこそ生きる物語だと思う。 | ||||
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