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白夜行
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白夜行の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全559件 261~280 14/28ページ
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少年と少女の、ある事件をきっかけにした、19年に渡る「白夜行」を描いた長編小説。しかし、各章の主役は少年と少女ではなく、あくまで周辺の人物。かなりページ数のある小説にも関わらず主役である二人の内面的な描写は一度も無い。それどころか、作品中二人が対面するのは最後の一瞬の間だけだ。会話にいたっては一言すらない。しかし、二人と関わりあい、時に凄惨な事件に巻き込まれる各章の語り手達が二人の軌跡をたどっていく。かなり厚い文庫本だったが、登場人物一人ひとりがとても魅力的ですぐに読み終わった。ジャンルとしてはミステリー小説と言えるかもしれないが、謎解きと言えるようなものはあまりない。殆どの読者は物語の中盤辺りで事件の犯人や二人の関係に気づくことなるだろう。面白いのが、作中まったく主人公二人の心理的描写が無いところだ。二人の本音が分からない。桐原亮司は本当に悪人なのか、何故あんなにも一人の女性に尽くすことが出来るのか。恋愛感情だけでは到底納得することは出来ない。物語を読み終わった後でもどうも釈然としないところでもある。結局、読者はその疑問想像で補うしか無い。そして一番の謎は唐沢雪穂だ。彼女という人物の本質がまったく分からない。作中、彼女が本音を発していると思われるのはたったの一言しかない。それがこの小説の題名の由来にもなっている。様々疑問を残しつつ、物語は突然終末を迎える。一応、事件としては解決しているが、主役である本人達の言葉が無い以上、全てが曖昧なままだ。読んだ後、何とも言えない余韻を残す。こういう作品を名作と呼ぶのかもしれないな、と感じた。 | ||||
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二人の主人公の行動が淡々と描かれていて心理描写がありませんが、そこがこの本の魅力かと思います。また、二人がどのように仕組んだか、果たして二人の仕業なのか、わからない部分もいくつか残りますが、それが後でまた読者でいろいろ想像をふくらませるきっかけになって、読後もしばらく余韻に浸れます。ドラマでは、かなり人間的な面を描いているようですが、なんだか自分の中の白夜行が壊れてしまいそうで、見る気がしません。 | ||||
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既に300以上もレビューの書かれている本作ですが、それをまとめると1.よくぞここまで長い物語を、精緻な構成力をもって書きあげた。2.主人公二人の心情をが一切描かれない。 目的も、真意も、そもそも本当に犯人かどうかも描かれない。 周囲の人物を通じて語るに徹する描写力が素晴らしい!3.それでいて、最後まで読者をひきつけるスリリングな展開。単純に面白い!ってことになります。一方で4.自分の目的達成のために他人を傷つけすぎで不快。5.ここまで完璧にこなしてきたのに、サングラスとサンタの件はあまりに軽率すぎる。ここで破たんしたような気がする。という声もあります。確かにその通り。結局のところ犯人はつかまりたかった、白夜から白昼のもとに出たかったんじゃないかな、とも思います。まあ、それも想像の範疇ですね。何はともあれ、とても面白い小説です。文句なしに★5つ。 | ||||
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850ページを読み終えて、また1ページ目に戻って読みたくなるような作品はそうないだろう。一体筆者はどのようにしてこのストーリーを構想し、組み立てていったのか想像できないほどの創造性だ。そのストーリーは荒唐無稽でありながらも背筋が寒くなるようなリアルさを感じさせる。登場人物すべての心理を描写せず、その言動から読む者にイメージをさせるからであろう。間違いなく現代日本文学の最高峰の1冊である。 | ||||
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かなり分厚さなのに、一気に読んでしまいました。ストーリーはよくできているし、傑作のひとつと思いました。手法もいい。楽しめました。それぞれの人物像だけは、掘り下げ足りないと思いました。登場人物が多いのですが、描き分けきれておらず、似た印象をもついくつかのパターンの人物像に分類される感がありました。そこだけが残念でなりません。 | ||||
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良い意味で後味の悪さが残る。二人の心情を描いて欲しい気持ちもあるが、もし、その部分を明かしてしまったら、ここまでのインパクトは生まれなかっただろう。間違いなく著者の最高傑作。 | ||||
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唐沢(西本)雪穂と桐原亮司の二人の19年間の歩みの物語です。 彼らが小学生の時代に起きた質屋の主人殺害事件をスタートに、次々に不可解な事件が起きてゆきます。 物語は、そこを起点に二人の幼少時代に形成された「心の闇」が、えんえんと19年間に渡って書き継がれる訳です。 その表現方法が素晴らしいです。 刑事や探偵を初め多くの他人の口を通して語られます。 従って、それは全部が全部一致した見解と言う訳ではありません。 そのことが、人間の持っている多面性を良く語っています。 彼らが「闇の世界」に生きていたからと言って、そこに全く「光」が無かったと言うことにはなりません。 そこで「白夜行」です。 所謂「太陽」が煌々と照る世界ではありません。 でもまっ暗闇でもありません。 彼らの中に浸み込んでいる「闇の心」も、それが彼らのすべてではありません。 この小説の凄さはそこにあると思います。 「ノワール」と言うだけでなく、そこには「人間」がいるからです。 彼らの罪の連鎖は、巡り合う人々を皆不幸にしたかと言えば、そうではないでしょう。 そこに「人間らしさ」が生み出す「優しさ」も、一面として持っているからこそ、この小説がよりリアルなものとして、私たちに語りかけてくるのでしょう。 | ||||
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これはミステリーではないと思う。かといって、解説にもあるノワールでもないような気がする。たまたま出会った?2人の少女と少年が、いたたまれない状況に陥って社会から潜伏したまま生き抜いていく大河小説だ。関わる人間全てを陥れ、関わる全ての人に疑惑を抱かせ、邪魔する者は葬る。2人がやっていることは、人間的にも社会的にも許されることではなく、その手法も、効果的ではあるが幼稚なことばかり。しかし、別人として振る舞い、影から雪穂に尽くす?亮司の生き方は正にノワールといえるものの様で辛くなります。「風と共に去りぬ」のスカーレットがキーワードとして出てきますが、強くずるく生き抜く雪穂と、他に生き方を選べなくなってしまった亮司は一読しただけではわからないかも知れませんが、裏に存在するコントラストのような気がします。本人の心情が本人によって語られないという、掟破りな作品であり、2人がどこで繋がっているのかも語られないので、見方はいろいろでしょうが、私には亮司の悲しい人生を想像して辛くなりました。多作の東野氏のなかで、必ず読んで欲しいいくつかの作品のひとつです。 | ||||
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長い話であったが、主人公2人を描き切るために必要な文章ばかりであって、無駄に感じる部分は無かった。読み終えてからは、何と表現してよいか分かりませんが、言うなれば、奇妙で独特なモノクロの印象が心に残る作品です。『幻夜』にもつながる(?)作品なので、東野圭吾ファンは絶対に読まなければいけない作品ですね。 | ||||
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私が書店で本書を手に取ったのは、山田孝之さんと綾瀬はるかさんが表紙の文庫本だったので、ドラマ化前かドラマ放送中の頃でした。 文庫本で850頁。 「まあ、のんびり読むか。」と読み始めたら、第二章あたりから頁を捲る手が止まらない・・・ 読後には数分ほど放心状態に陥り、馳星周氏の解説をニ〜三度読み、馳氏と同様に再び1頁目から本を開きました。 亮司と雪穂。ストーリーは二人を取り巻く周囲の人間達の目線で展開し、読者は亮司と雪穂の心理や内面を周囲の人間達の言動で憶測しながら活字を目でを追うしかありません。 残酷な少年少女期の体験。二人だけで・・・誰にも頼らず二人だけで暗い白夜の下を歩き続ける。 読後の数日間は「今後の人生で、この小説より読み応えがある作品を探すのは大変だ。」と考えていましたが、それもまた読書好きには良い愉しみかなと思わせてくれた作品です。 | ||||
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久々に読み返して、やはり傑作だと思った。と同時に、今まで一度も見たことのないTVドラマ版を今後も死ぬまで見まいという決意を新たにした。この作品は主人公たちの内面に一切触れず、彼らを取り巻く周囲の人物たちの目を通しての描写に徹しているからこそ、この名状しがたい読後感が残るのだ。聞けばTVドラマ版は主人公たちの心の交流をしっかり描写し、しかも初回からすでにネタバレ満載だそうではないか。主演の俳優たちも、自分の思い描いていたイメージからはほど遠い。 他の方たちのレビューの中に、「読後に不快感が残った」としてこの作品を低く評価する意見が垣間見られるのを不思議に思う。ある種の弱者に対する迫害が犯罪の動機として取り上げられていることが、その不快感の理由であるらしい。 しかし、そもそも殺人という究極の悪行を題材にしている時点で、推理小説あるいはミステリーというものは十分に罪深いものであるはずだ。その罪深い読み物を、わざわざいくばくかの金銭を支払って入手して読んでおきながら、物語の中に描かれる、究極の悪行以外の悪行の方によりいっそうの不快感を覚えるという感覚が、自分には理解できない。 それはともかく、再読三読に耐えうる推理小説というのはそうそうあるものではない。その意味でも、やはりこの作品は傑作なのだと思う。 | ||||
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夜寝る前に本を読むことが多い。 眠くなるまで読もうっと。 分厚い本だなぁ。疲れそう。 ・・・・・気が付いたら、明け方だった。 という表現で、この作品の完成度を理解してもらいたい。 この厚さゆえ、文庫なのに扱いにくいネガティブ要素を 完全に払拭する面白さ。 いや、「面白さ」なんて言葉じゃ作品に失礼だ。 「無二の」「至高の極み」「強烈な余韻がスパークしたまま」・・・。 主人公二人の会話・心情・行動すべてが隠されたまま、最後まで 疾走する10年以上に亘る大河ミステリー。 解釈は読者に委ねられるのだが、そこに本ならではの 多種多様なイメージング世界が無限大に広がる。 直木賞批評で、「主人公の心情を描かないのは小説にあらず」 のような御大の発言があったが、そういうなら「ここまでの作品を 書いてみろ」と言いたい読者は多いはず。 大げさにいえば、読者ごとにその解釈をさせることこそ、 この作品が金字塔のように光り輝いている所以なのである。 ドラマ化にあたって、内容の陰惨さから、どこまで映像化できるか がポイントだったが、あっさり動機部分を前半で暴露したので、 この部分だけは辟易したが、まず金八つぁんの終盤の演技は素晴らしかった。 あの、鼻水たらしながらの歩道橋でのシーン。 そして、東野映像化作品では、主人公にぴったりの山田孝之。 ただのうら悲しさに留まらない、「手紙」でのハマりよう も適役です。 天然イメージのはるかちゃんは、もう少し他の人選もあっただろうが、 西田尚美も、この人らしいうまい味を出していた。 総じて、作品そのものの出来はとにかく出色であった。 東野氏の数ある引出しの中でも、TOP3に入るのは間違いなく、 「幻夜」に続く、続編を、期待せずにはいられない。 「幻夜」についての位置づけは、「幻夜」レビューにて。 | ||||
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序盤は、どういう風にストーリーが展開していくのか 興味津々に世界を堪能していった。 流れがなんとなくつかめてくると、 徐々に息苦しい気持ちになっていった。 先が気になりながらも読んでいくのが苦しくなっていく。 亮司と雪穂が色々な人の人生と重なり合ってそして化学反応を起こして 何かしかの結果を残し伴い成長していく。 終盤を感じさせられる頃からは、淋しい哀しい気持ちに襲われながら ページをめくっていた。 読み終わった後、やるせない気持ちになった。 余韻・・・しばらく体中になんとも言い難いものを心に残して、 ため息をついてしまった。 時代背景が、自分の育ってきたころとかぶっている部分もあって、 そんなこともあったなと思ったりしてリアルな感覚があった分、 登場人物のそれぞれが生身に感じてそれぞれの立場を想像できてしまって なんだかやるせないのかもしれない。 実際にあり得るような、太陽のない世界を、 生きるような、生きさせるような、そんなきっかけを作るようなことは 私自身できる限り回避したいと思う。 (2010.10.2読) | ||||
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まず、白夜行を知ることになったのはドラマでした。 ドラマが良かったこともあり、今になって原作の本を読みました。 この本を読んだら、胸の奥底から締め付けられるような切ない気持ちになりました。 ドラマを観たことにより話の展開が読めてしまいましたが、ドラマとは違った切り口でストーリーが進んでいきます。 もし、ドラマを観ずに初めて原作から読んでいればどのように感じていたんだろうって感じです。 | ||||
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東野圭吾の作品は、殺人事件や犯罪をベースにしたものが多い。 その為、一部の方には「不快」とか「読後感が悪い」とうつるようである。 だけど、それらの事件や犯罪は、ベースにはなっているが、「メインテーマ」ではないことに気づいて欲しい。 おいて、「正義」か「悪」かはこの物語の中では重要ではない。 議論すべき点ではないのだ。 重要なのは、その中にメインテーマとして存在する「純愛」であったり「絆」なのだ。 その点をメインに読むと、こんなに感動する話はないのではないかと思う。 私には、この話は、絆と純愛をテーマにした感動傑作です。 | ||||
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東野氏というと、どちらかというとスタイリッシュでスピード感ある作風のミステリー作家という印象がありますが、 この作品はそこからかけ離れた独特の冷たい重さに満ちています。 心に傷を負った少年と少女が成長する過程で、彼らを取り巻くように様々な不気味で、居心地の悪い事件が次々と起こります。 無理にでも日のあたる場所を行こうとするかのような少女と、その周囲に影のように気配を見せながら闇を行く少年。最終的な 目的があるようでもなく、何か淡々と日常と事件が交錯し、そして哀しいとしか形容のしようの無いラストに繋がっていきます。 私は北欧旅行をした際に白夜を体験しています。夜の11時くらいですと「こんな時間でも明るくて、遊びたい放題だな」などと 気楽に思っていましたが、2時、3時になると何か落ち着かない、はやく過ぎて欲しいという不安な感情をかきたてられました。 心の闇とともに生きていく事を白夜を行く事に投影した東野氏の切れるようなセンスとミステリーの枠を超えたスケール感に ただただ圧倒されます。この作品は直木賞にノミネートされながら受賞にはいたりませんでした。理由は私には分かりませんが、 しいていうならば賞の範疇を超えてしまったから、という事ではないでしょうか。 昼と夜の境が無い世界。善と悪の境界の無い心。とても人が相容れられるとは思えないのに何故か惹きつけられて止まない、 そうした心を締め付けられるような読後感の作品です。 | ||||
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東野圭吾さんの作品は初めてでした。 800ページを超える長編でしたが、全く 長いと感じませんでした。他の作家の 推理小説もかなり読んでますが、この 「白夜行」は東野さん独特の味と言う んでしょうか、読むテンポを絶妙に コントロールしてくれるような感じが しました。忘れたころに現れる、 登場人物。なんとも言えません。 | ||||
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850ページを一気に読ませる筆力・構成力はすごいです。 最後の50ページくらいは,自分の読む速度がもどかしかったです。 でもねぇ。 幼いころに負った深い傷を胸に,永遠に太陽のない道を歩き続ける…それは確かに哀切ともいえるけど, 彼らがやっていることは,何の同情の余地もないし,感情移入できない。 特に,雪穂がしばしば使う”女性の魂を奪う手段”は,吐き気がしました。 また,亮司の方は,終始日陰を這いまわるような人生だけど, なぜそうでなければならないのか,必然性が感じられませんでした。 ノワール物というジャンルに対する好みの問題なのでしょうが, 特に終盤に出てきた美佳に対するエピソードが気分が悪くて,これでもか!という感じだったので 最後に明らかになる主人公の心の奥底の哀しみも,毒でまぶされてしまったようでした。 読後感が悪かったです。 | ||||
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極めて短くちぎった短時間における話を多く作成して、そのカードを極めてうまく配列したという印象を受けた。 ただこのコメントはネガティブな印象をもつという理解で取られると心外である。 大きな流れを読者に理解させながら、最後のつめを知りたいと願う人間の欲望をうまく導き出している本ではないか。 民放放映ドラマの構成は残念ながら3流である。 東野氏執筆の本書で十分満足いくはずである。 | ||||
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ボリュームたっぷりですが、犯人を探しながら読む推理小説と違うので、じっくり読めました。 2人の心理描写に触れないからこそ奥深さを感じます。 最後に2人の関係がつながる部分で心が震えました。 これだけの量があるのに、中だるみをしないで楽しめます。 読後感はよくありませんが、満足感のある小説でした。 | ||||
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