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白夜行
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白夜行の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全559件 241~260 13/28ページ
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宮部みゆきの名作に「火車」というサスペンスがある。 これは、東野版”火車”というべきか。。。 火車は、真の主人公=犯罪者の犯した所業が元刑事によって暴き出されるが、白夜行は、さまざまな事件が、主人公が成長するなかで起こっていくことを読者は目撃する形で物語が進んでいく。そして、その裏に主人公が糸を引いていることを読者は暗示されるだけである。それが全体の6割くらいまで続く。最後にやっと犯人を追及するという展開になる。なにしろ文庫本で854ページの大著である。この小説が”冗長”と批判される所以はここにあると思う。ただ、確かに延々と新たな事件が続いていくだけなので、時にはページを飛ばしたくなる時もあるが、緊張感があるので、次が気になって本を置くのがもどかしくなるような展開が続く。 果たして犯人は捕まるのか。 それを言うと興ざめになるので差し控えるが、「容疑者Xの献身」のような虚無的な結末とだけ言っておく。 タイトルの白夜行は、桐原亮司が自分の人生を白夜の中を歩くような人生といったことによる。 事件はそのような形で展開するが、キーキャラクターである彼の口からそれを吐露する言葉、感情といったものは結局、それ以上聞くことはできなかった。 そこがこの小説の評価が分かれるところではないだろうか。 タイトルをなぜ、白夜行とわざわざしたのか。それ以外にないという必然性が弱い。 そこが、宮部みゆきの「火車」と大きく違うところである。 | ||||
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魂が震えました。 かなり長い小説ですが、途中でトイレに行くのもご飯を食べるのも 時間がもったいないぐらい、素晴らしい小説でした。 読み終ったあとの重さが凄いです。 2〜3時間ボ〜〜〜っとしてしまう作品ですね。 雪穂と桐原の二人の壮絶な人生に、考えさせられてしまうものがあります。 | ||||
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幻夜を読んでから読みました。 恐い話だと嫌なので、解説をまず読みました。 次に13章だけ読みました。 13章だけでも,1つの小説になるくらい量がありました。 結末だけ知って,読むかどうかを決めようと思う人に, 話の魅力を伝えるのに十分な量でした。 通して読んでみると、深みのある小説だと分かりました。 最大の不満は,解説です。「ノワール」であることの価値を解説していません。解説者の独りよがりだと思いました。解説者は選んだ方がよいと感じました。俳優、愛好者の解説は面白いものが多く、作家でも友達でない人の解説は,作品として読めるものが多いように感じています。 | ||||
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本作はユキホとリョウジという二人を軸に様々なエピソードが交錯しながら進んでいくのだが、あまりに完璧すぎて寒気がするような展開は浦沢直樹の「MONSTER」のそれに近いものを感じる。またこの二人の視点を一切排し、第三者の視点から二人の人物像を描き出すという作風は、有吉佐和子の「悪女について」をモチーフにしているのだろう。 読者はどんなに怖いMONSTERのような登場人物に対してもその弱さが垣間見られると感情移入できるものである。浦沢直樹のMONSTERしかり、有吉佐和子の悪女についてしかり、山崎豊子の白い巨塔しかりだ。然しこの作品はそのようなエピソードが殆ど登場しない。従って読者はユキホとリョウジに対して空恐ろしさを覚えるのみで「かわいそう」とか「彼らも苦しんでいるんだな」とかそういう共感のようなものをほとんど覚えることはない。最後の幕切れも含め空恐ろしいのだが、そこに切なさのようなものが欠落しているのは、作者の実力不足なのか、それとも狙いなのか。恐らく後者なのだろう。 いずれにしてもこの決定的な欠落が、これほどの練り上げられた大作が直木賞を逃した理由なのではないかと思う。★が一つ欠けているのもこの欠落による減点。 | ||||
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中心人物は2人。 子供だった2人が少しずつ大人になっていく過程が、 その時代時代をバックに描かれていきます。 2人の短い断片がいくつも積み重なることにより、 壮大な小説を構築しています。 ストーリーはかなり重いです。 軽く読書というのには適さない作品です。 ミステリーという分野を超えた作品です。 完成度は間違いなく高いですが、一方で読み手を選ぶと思います。 骨のある小説を読みたいという方にはお勧めの一冊です。 | ||||
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ページ数が多いのでずっと敬遠してましたが、 暇ができたので一気に読みました。 とりあえず、幻夜読まないといかんだろうなぁ。 長いわりに読後感はすっきりしない。 中途半端に終わった感じがします。 | ||||
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2人の主人公を軸に物語が進んでいく。 多数の人物が登場するにも関わらず 混乱せずに読み進めていける。 ただ、ほとんどの伏線を読者は回収できるのだが 登場人物で全ての事件について把握できている人はいないため すっきりしない感じも残った。 複雑な人間関係を整理しながら 何回か読んで楽しめる作品だと思う。 | ||||
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その女性と関わった人間は必ず不幸になる―。 叙述的に物語は展開し、事件の主役であろう二人の心理描写は極力書かれていない。それが不気味であり、異様な世界観を作り上げている。作品の内容と、実際に世の中であった出来事とがコミットメントしており、それが興味深く、話に惹きつけられ、グイグイ読んでしまう。 大本の設定は「幻夜」と酷似しているが、「幻夜」は結局最後まで謎のままだったが「白夜行」は違う。 ラストでトリックと動機が明かされており、すっきりした。また、「幻夜」でモヤモヤだった部分も解消された。発売順は「白夜行」→「幻夜」だが、個人的には、読むのは「幻夜」→「白夜行」の方が良いと思う。 | ||||
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長編ですね・・ 悲しい人生を何とか生き抜いて欲しいですね、 でも才能には、恵まれています。 現実の生き様でも、人は夫々に「とらうま」を抱え 自分の才能を 生かして何とか生き抜いているのですね、 生きてだけで「すばらしい」ことですね。 ** 文庫にしては、分厚過ぎますよね・・ 3分割でも、絶対買います・・ | ||||
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854ページもありますが一気に読めます。 ストーリーも見事ですが、主人公が客観的に書かれており、周りの人物から主人公の心情を 想像しながら読むことになるので飽きないのだと思います。 ミステリー好きには是非読んで頂きたい作品です。 | ||||
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主人公2人の男女の心理描写が全くないというのが、 この物語の最大の特徴。 結局この2人の動機や心のつながりは想像する以外にない。 しかし、19年という長きにわたる物語のため、 時代が移るごとにオイルショックやスーパーマリオの大ヒットなど 時代に即した描写も、なんだか懐かしい感じがした。 多くの方がレビューに書いてあるように、筆者の筆力は 素晴らしく、非常に分厚い小説でありながら一気に読めるのは皆同じのよう。 ただし読後感がかなり好みによって別れる。 特に前述の心理描写のなさによる主人公2人の人間性が見えない部分、 悪人や正義といったハッキリとした結末がない点などが 読む人にとってはすっきりしないのだろう。 読後に爽快感を求める人、いわゆるミステリーのように全ての謎が解決して スッキリといったラストを求める人にはあまり向かないように思う。 個人的にはとても楽しく読めた。 ただ気になったのは探偵・今枝が推測した雪穂のある男性への想い。 これはどうだったのだろうか? ここは関連エピソードが多いだけにやや尻切れに感じた。 それとこの本に限ったことではないが、この分量なら上下刊にして欲しいところ。 | ||||
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東野圭吾さんの作品をデビュー作から順番に読んでいますが、 大きく手法を変えてきたと感じた作品です。 主役の2人に引きこめれるというか、 それは同情なのか応援なのか微妙な心理状態を楽しめました。 | ||||
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一つ一つのストーリーのブロックを、緻密に組み合わせて物語が作られている。 組み合わせ方や、どの面に光を当てるかをコントロールすることによって、 全体にぶれのないワールドが伝わってくる。 これだけの分量にかかわらず、一気に読めるし、暗いが、重すぎではない。 不思議な読後感に、また次の作品を読みたくなる。 | ||||
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「秘密」「手紙」と並んで、東野先生の作品の中では、最も好きな一冊です(そういう人は多いと思いますが……)。 共感すら許さないような深い闇を持った主人公たちが、何年経っても心に残っています。 | ||||
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作品の展開が分かりずらい。現代と過去が入り乱れており全容を理解するのに多少時間がかかる。そこが良いところかもしれない。読後急速に作品内容が記憶から薄れてしまいそうな小説だ。幻夜ほど感動がない。一般文学304作品目の感想。2010/12/05 | ||||
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東野作品の中でも、圧倒的な力で読者を引き込み、試し、疲れさせる・・・こんな作品は 初めてで、魂が震える思いで必死に読み続けました。間違いなく、私の中では最高傑作です。 物語の舞台が、昭和70年代。雪穂や亮司は、私とほぼ同い年です。 貧しいながらも、人々の活気に溢れ、何となく煤けた町や駆け回って遊んだ頃を思い出し ました。遊び道具はあまりなくても、周りの大人たちの温かさがあったように思います。 しかし、主人公たちの生活は、あまりにも荒んでいる。「愛情」などという言葉の欠片も 感じられない。周りの大人たちも何処かがおかしい。この不気味さは?と読み進めると 形容しがたい恐ろしさが、否応無しに襲ってくるのです。 作者が、肝心な部分は読者の想像に任せて、決して主人公の気持ちを言葉では表さないと いう手法は、正に圧巻でした。 雪穂は、端から見れば、成功の階段をどんどん上がって行きます。 しかし、どこまで行っても「過去」がついてくる。それは、彼女の常軌を逸した警戒心 から感じ取ることができました。 雪穂も亮司も非情で冷酷です。でも、それだけでしょうか。 彼女と彼を、長い期間結びつけていたのは、亮司の贖罪か、歪んだ愛か、雪穂が亮司を ただ利用しただけなのか・・・そこは、どうしても解かりません。何回読んでも解からない でしょう。 雪穂の手作りのポーチの刺繍も、後にオープンした店の名前も「R&Y」。 何故か涙が止まりませんでした。とてつもなく重い小説を読んでしまいました。 しばらくは、心から離れないと思います。 | ||||
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ドラマが面白かったのでいつか原作をと思っていたのだが 何せ、かなり分厚いので買う気が起らなかった。 今回映画で話題になったので、映画観る前に、改めて原作をと思い購入。 一気に読めた。 ドラマより淡々とすすむが、むしろいろいろな想像が働き、 原作の面白さを改めて痛感させていただいた。 | ||||
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動機は納得できるものだったし 人物の存在感があってよかったと思う。 ただ、少しツッコミを入れるとすれば ライバルの製薬会社を出し抜くために 大学病院の薬剤師を通して 大学病院のパソコンにアクセスしても (大学の研究室ならまだしも) 有益な情報は得られないと思う。 あと、臨床医と製薬会社が協力して 薬を開発するというイメージにも違和感が あった。むしろ医者から臨床結果をもらう というのが一般的のような気がする。 又、探偵が高級ブティックでタバコを吸ってる 場面があるが、臭いがつくからNGなのでは。 よかったけど、他の作品も読んでみたいと 思わせるほどではなかった。 | ||||
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東野圭吾さんの小説で個人的に一番好きな作品です。 ただ、内容は全体的に暗く、何とも言えない余韻があります。 小学生の時に自分の父親がしていたことで、そして自分がしたことでずっと後悔しながら、うまく利用されていく亮司と巧みに亮司を操る雪穂。 そして、2人を止めようとする刑事 笹垣。 長編ですが、あっという間に読めてしまう作品です。 ちなみにドラマ版(山田さん、綾瀬さん主演)の方がソフトになっていて、結末も小説とは違っています。こちらの方が少し救われた気になりますね。 | ||||
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普通、小説を読むということは、書いてある内容を鑑賞することであり、読者は受身であり作家は書く文章だけで勝負しなければならない。そうした常識を覆し、書かれていないことこそ最も重要であり、読者は想像力を総動員してそこで何が起こったかを推量するという、いわば読者の想像力が主役の小説である。革命的な手法ではないだろうか。 「白夜の中を歩くような人生」を生きる男と、彼を「太陽のかわり」として「陽のささない人生をやっと生きてきた」女の、出会いから別れまでの約20年間の魂のふれあいをを綴る作品だが、二人が実際に会っている場面は一度もなく、彼ら二人による完全犯罪の被害者たちの経験のみを語り、その背景にある二人の瀕死の魂の結びつきを読者に想像させる。そのうちに、読者にも次第に主人公の影にもう一人の主人公が寄り添っているのが見えるようになり、胸を締め付けられるような思いがしてくる。彼らを負う刑事が「君は本当に『一人』なのか」と思わずつぶやくように。 また、少なくとも4人の殺害、強姦、窃盗等の凶悪犯罪を描きながら、ミステリーでなく清冽な純愛小説の読後感を与える点も特異だが、それは、幼い頃、二人が大人の酷い仕打ちを受け「魂を奪われ」て以来、「自分たちの魂を守る」ためにしてきたことだと納得できるからである。 さらに、1970年代から90年代の、オイルショック等の事件やヒット曲等の社会風俗が丹念に描写されている点や、電気工学科出身の作者らしくコンピュータ・ソフトの偽造、ネットワークへの不正侵入など、IT技術の進歩に伴う彼らの犯罪の進化も緻密に描いている点も、特筆に価する。鋏、切絵細工、小物入れ、キーホルダーの鈴といった小物使いのテクニックも出色。 自分もこの作品に参加したのだという快い疲労感とともに、聖夜のラストシーン、ジングルベルの音がいつまでも読者の胸に響く。果たして二人の魂は救済されたのであろうか。 | ||||
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