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秘密



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【この小説が収録されている参考書籍】
秘密
秘密 (文春文庫)

秘密の評価: 4.07/5点 レビュー 642件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.07pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全480件 41~60 3/24ページ
No.440:
(4pt)

後半から面白い

東野圭吾を初めて読みました.........
読み切った感想としては感動なんて微塵もありません....
後味の悪いモンしかのこりません.......
ただ、本は普段読まないため、どのように話が展開していくのかが疑問に思っていましたが、結構、まとまっていて面白かったです
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.439:
(5pt)

「秘密」

平介と直子、娘の体の三位の関係性の秘密が秘密をつくります。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.438:
(4pt)

「秘密」のアレ!素敵なお話でした。

いつも通りの変わらぬ日常。しかし不幸は突然訪れ、予期せぬ悲しい現実が一家を襲います。設定は非現実的な感じがしましたが、愛する家族が時に妻として、また時に愛娘として主人公(平介)と接する事が出来る…
私も先日最愛の母を亡くしました。しばらくは突然なんともいえない悲しみが襲い、もう一度母と話したい!どれだけ思ったか解りません。この物語のように亡くなった人が現実世界に舞い降りれたらいいなっと思った事もありました。しかしそれはある意味より悲しい事でもあるんですね。心と肉体が違うと様々な障害や感情のズレが生じて、お互いを傷つけてしまう。人はいつかは命を全うする日が訪れます。それがその人の運命と定め、亡くした人は心にそっと留めておくのが良いんだと感じました。
本編、ぬいぐるみに隠された「秘密」のアレ!
直子が…いや藻奈美が素敵な想いを胸に、この先も大事にしていくのだと思うと、心にジーンとくるものがありました。
大変良いお話でした。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.437:
(4pt)

最後まで読んで、そうだったのかと思う。

とても理系の作者が書いたとは思えないほど、女心をよく表現していると感心した。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.436:
(5pt)

主人公に感情移入してたら結末が辛すぎた。

感の鋭い人なら途中でわかると思いますが、、

直子が妻であり娘である呪縛から平介と直子がお互い疎遠になりかけていた中、平介は直子を藻奈美として見る決意をする。それをきっかけに次の日から次第に藻奈美の意識が戻るようになり直子の意識が戻る数が減っていく。最期はかつてデートでいっていた場所で直子の意識は永遠に戻ることがなくなった。
という感じで、とうとう直子と別れてしまうのかと、家族三人の生活は終わるのかと、そう思っていた。
しかし結末はそんな甘いものではなかった。(僕にとっては既に甘くない)
物語後半、最後の数ページになってからそれが直子による演技だという事実を知らされたとき、直子の秘密を一人で抱えようとする平介への優しさや、最愛の直子が別の人の所へ行ってしまう悲しさ、そして、それを誰にも話さず自分の中で押し止めなければいけない状況に色々な感情が絡まって収集着かなくなった。
あのまま事実を平介が知らないでいれば直子と決別できて前向きに過ごせただろうにと思うと結末の平介のシーンはすごく悲しい気持ちにされる。最後に直子が平介との指輪を原料に指輪を作ったのが唯一の救いだろうか…
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.435:
(4pt)

特に終盤はヤバ過ぎ

【ネタバレ含みます】
最後はマジで涙が止まらなかった。
アマゾンでは100冊近く本を買っているが、殆どが実用書か純文学モノ。申し訳ないが東野圭吾は初めて買ったし、初めて読んだ。「秘密」というタイトルに何か只ならぬ気配を感じたからだった。
読む前に調べたら東野の出世作だというではないか。本人も「この作品で初めて世間に作家として認められた」と認めている。
「ほほう、これほどの大御所作家の出世作とは、どんな話なんだろう」と思いつつ、敢えて粗筋などは読まず、先入観を一切持たずに読むことにしたのだが…

まず「死んだはずの妻が娘の身体に宿って生き続ける」という設定からして、そりゃ無理があり過ぎだろうと、正直苦笑しながら読んだ。じゃあなぜ読んだかと言うと、単に本代がもったいないからだった(恥)。他にもツッコミどころ満載だなと前半は多少馬鹿にしながら読んでいた。
(中略)
結局主人公の平介は妻も娘も「両方失う」という事実に愕然として崩れ落ちる… それがラストシーンだが、読み終わった本を持ったまま私は数分間固まってしまった。何だかんだ言いながら最後はハッピーエンドに落ち着くのか?と、つい10ページ前までは思っていただけに、その最後はあまりに切なかった。
ちょっと待てよ、そう言えば…と、最後の数十ページを丁寧に読み返してみた。すると、軽く読み進めていた部分にいろんな「伏線」が緻密にちりばめられていることにやっと気が付いた(特に第37節以降は1行たりともおろそかにできない)。「やられた~」。
読み返しながら、平介が「ここにいるのは妻ではなく娘だ」と思って生きていくことを決めた夜に直子(モナミ)が自室にこもって長い時間泣き続けた場面:ここで直子は「ラスト」に繋がる重大な決意を、涙の中でしていたんだ!と思うと、読んでいてツライ。結末を知ってから読むと「山下公園」以降はもう涙なしでは読めなかった。

そっか、心と身体が入れ替わるという仮定に現実味がなかったり、細かい点で不自然なところがあったり(例えばモナミの中身が直子になったことは真っ先に担任の先生に相談すべきだろうとか)、モナミと文也を結婚させたのはずいぶんな荒業だなとか、そんなことは実はどうでも良いのだ。
現実にはあり得ない設定を借りて、「夫婦とは何か、親子とは、家族とは、愛するとは…」という問いかけをしているのだ(答えは各自考えなさいと)。
多くの方が書いているように、読後は非常にモヤモヤした気持ちが残った。が、それは決して「悪くない」モヤモヤだった。

出した当時には、これはある意味実験的な作品で、商業的にはリスクもあったと思う。が、それが出世作になったのにはそれ相当の理由があったんだと知った。
後味が悪いとか後味が良いとかではない、後味の「濃い」小説を読みたい方にはお薦めの一作である。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.434:
(4pt)

モヤモヤが残る

昔ドラマを見たきりで、結末は覚えていなかったため新しい気持ちで一気に読んだ。
私は夫と中学生の娘がおり直子と同じ立場なので平介よりも直子目線で読み進めた。
我が家に置き換えてみて共感してせつなくなったり、嫌悪感を抱いたりする場面もあった。
皆さんのレビューを読んでいると確かに男性、女性で受け取り方が大分違うなと感じた。
時代もあるのかもしれないが、娘(妻)が中学受験、高校受験、部活と忙しいのに、平介が直子に甘えてほぼ家事をしないことに腹が立った。さらに平介の嫉妬が行き過ぎで、そんな暇なら家のこと手伝え!とイラッとする場面もあった。
また妻として、娘として、2つの立場に挟まれ苦しみ、平介の圧に追い詰められていく直子の姿に息苦しくなった。
なので直子が消えるという決断でよかったのだと思う。
直子が消えるところは泣けたが、個人的には母親なので、夫との決別というよりも、娘との別れという意味で悲しくなった。

そして意外なラストには心が震えたが、秘密を知ってしまった平介の今後を思うとモヤモヤが残る。
平介は気持ちを切り替えて、再婚でもして完全に直子を解放してやってほしい。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.433:
(5pt)

悲しき秘密の物語

一気読みした直後にレビューを書きます。推敲してないので読みづらさについては何卒ご堪忍ください。

「深い」というのが物語中盤での印象。
そして読み終えた今、僕の口からは「深すぎる」という言葉しか出てこない。それはメッセージ性としてもそうだし、二人の、あるいは三人の愛情を形容した言葉でもある。

本作を語るうえで外せないのは、「誰もが秘密を抱えている」という人間の性である。主人公の平介をはじめ、妻、バスの運転手、その運転手の元妻など、様々な人間が現れては、秘密と現実のはざまで葛藤する。その葛藤こそが、今作最大の「見どころ」なのではないかと推測する。
とくに主人公の葛藤は、等身大で、ときに官能的な所作も交えて事細かに描写される。その心理の重厚さたるや、同作者の『手紙』にも負けず劣らずの徹底ぶりである。
「妻としての直子、娘としての藻奈美」という究極の二択に悩む姿は、もはや他人として見ることすらはばかられてしまうだろう。

「世界が違うんだよ」

この言葉の裏には、たった8文字には収めれないほどの、苦い経験とジレンマがあるのだ。

ミステリーとしても読みごたえがある。「なぜ運転手の金が消えたのか?」「本当に運転手は薄情な男だったのか?」という疑問は、愛憎入り乱れるストーリーの中で紐解かれていく。このあたりは、東野圭吾の得意技といったところか。

そして最後に思いがけず提示される最後の謎。
「本当に直子はいなくなってしまったのか?」
どちらともとれるから面白い。
そしてどちらをとっても、あまりにも切なすぎる。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.432:
(5pt)

傑作の傑作たるゆえん

東野圭吾氏の言わずもがなの代表作であるが、当方、海外生活のために1990~2010年の日本が完全なブラックボックスになっていて、本作もようやく読む機会を得た。
2019年5月6日現在、529件のレビューがあるので、新たにレビューを書いても、おそらくは埋もれるだけかと思われるが、何故にレビューを書いているかというと、一つは単純に前評判からの予想をさらに凌いでくれた傑作だったためで、読み終わって既に2日も過ぎているのに、未だに最後の場面が頭から離れない。そして、もう一つは、他のレビューワーが書いていない印象を得たためで、本作が傑作であるのは、他の方が既に書かれていることに加え、下記の理由が大きいと自分は考えている。
1つは平介の妻の直子の、清廉、聡明な魅力。最後の彼女の選択について、さまざまな意見は各読者にゆだねられるところだが、いずれにしても、そこまで読者を揺さぶるのは、彼女の夫や娘に対する愛情が、強く共感を呼ぶからだ。もし彼女に惹かれるところが無ければ、彼女の選択について、それほど多くの議論を呼ぶことも無かったであろう。読者が女性か男性かで印象も変わると思うが、私は直子が魅力的だったからこそ、最後の平介の気持ちに素直に共感でき、涙を流すほど、心を揺さぶられた。
もう一つ、あまり他のレビューで書かれていないのは、本作では、ファンタジーの体裁を取ったミステリーストーリーによって、父と娘、夫と妻の関係という、実はどこにでもあり得る家族の問題を、上手に語っていることである。例えば、娘の体に宿った妻が、高校生として生き生きと生活する様を、ジェラシーの混じった感情で心配するのは、実は全ての父親が持つ感情に他ならないし、たとえ若返りが契機になったとは言え、妻が新たに人生の目的を得て努力したり、新しい人間関係を結んでいく事に、上手に対応できずに苦悩する夫の感情は、世間一般にあり得る話である(少なくとも、私にはある)。夫婦関係が持続するか否かは、結局は夫婦がお互いの人生にどのように立ち向かって行くかによると思うが、それを本作は物語の中で非常に上手に描いている。ただし、一般と違うのは、ここでは夫が妻をどんなに真に思いやっても、最後には添い遂げる事がかなわないという切ない最後だが、それでも、妻を幸せにすることはできるし、何より、それによって自分も未来に進むことができる。そう、確かに、ここに描かれるのは全員笑顔の単純なハッピーエンドではないかもしれないが、そんなものは、しょせん本物ではない。本当に好きな人を思いやることだけが、本当の幸福に導いてくれる。「作り話し」に宿る本物の真実、これがあるからこそ、読者は本作品に没頭し、深い余韻を得ることができるのだと思う。
いずれにせよ、傑作は読者にそれぞれの解釈を許してくれる作品であるので、捉え方はいろいろと思う。ただ、一つだけ、ある評での、直子の選択では平介はずっと不幸になるとの見方に、私は賛成できない。なぜなら、彼女が、最後の選択を取る以前に、平介は直子を藻奈美として扱うという「彼の選択」を既にしているから(初めて、家で彼女を「藻奈美」と呼んだ時)。もし、直子があのような選択をしなかったら、平介はおそらくもっと苦しい思いをしただろうし、それゆえの選択だった。だから、彼が最後に泣いたのは、喪失の悲しさも、もちろんあるかもしれないが、それよりも、彼女の思いやりある選択に対しての感謝ゆえと自分は考えている。直子の彼に対する変わらぬ愛情は、指輪のエピソードが強く示していて(そうでなければ、何故、このような危険で不必要な行為をする必要がある?)、それが、最後の余韻を一層強めている。
本作に出会えたことは、望外の幸せであった。文句なしの5点である。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.431:
(4pt)

色んな意味で凄まじい

(多少ネタバレ?)当方、結婚して娘・息子がおります。
それほど難しくもない文体で非常に読みやすく、なのに目の前に情景が浮かび、登場人物それぞれに感情移入できるのは、さすが東野圭吾!という感じでした。僕の性格的なこともあるのかもしれませんが、主人公のとる行動・感情に多々共感できるところあり、山下公園のところまでは涙して読んでおりました。
最後の”秘密”の部分までは・・・
読了後は、主人公のこの先の独りの人生を考えると、非常にきついものがありました。知らせられなければよかったのになー、と。
個人的な話なのですが、新海誠の”秒速5cm”を観た後にこれを読んだのですが・・・Wで何かしばらく立ち直れそうにありません。いやはや、凄まじい
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.430:
(5pt)

娘と妻との間に

娘がいる人は読んじゃダメー(泣)
でも心動かされたい人にはオススメ!
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.429:
(4pt)

東野圭吾氏で一番

東野圭吾氏の作品は色々読みましたが、この作品が一番気に入っています。読み進めるほど感情が高まっていき、最後まで夢中にさせてくれます。東野氏の代表作だと思います。
娘でもあり、妻でもある複雑な彼女と父であり、夫である男の日常生活を、分かりやすく素直に表現できています。その男から独立を目指す彼女と成長していく彼女を妬む男の心情が、うまく書かれています。
ドラマ化、映画化されてDVDも出ていますので、観る予定でいます。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.428:
(5pt)

こんな傑作と出会うために,読書をしている。

小説を最大限に楽しむ方法は
何の情報も得ず、ジャンルすら
分からない状態で読んだ方が
良いと私は思う。

読了後の今は,疲弊しきっていて
ハンバーガーのハンバーグになった気分。
とても良い作品だが
しばらくこういう類の作品は控えたい。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.427:
(5pt)

丁寧

本にビニールカバーが掛けてあり、丁寧な印象を受けました。オリジナルのしおりも良いですね。あと、クリスマスカードのおまけもありました。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.426:
(4pt)

やはりもやもや感と切なさと・・・

映画で見てもやもや感がぬぐえず、本を読んでもやはり同じ印象は残った。平介は自分より直子の幸せを思って、彼女の結婚を許したのだとは思う。その点は感情移入できるのだが、直子さんの選択が彼女自身にとっても本当に賢明だったのか?疑問が残った。だってやっぱりあなた(直子さん)は平介を愛してるんじゃないの?同様に平介が自分のことを愛していることも痛いほど理解しているんでしょ?そんな心情の中、その選択であなた自身は本当に一生後悔しないの?と言いたくなる。たしかに肉体的に愛し合えないならば、この先お互いがお互いを思いやるがゆえにギクシャクすることはたくさんあるだろうとは思う。でもそれはなんとか乗り越えられないものだろうか・・・と思ってしまう。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.425:
(4pt)

SF寄りでエンタメ性の高い作品

ミステリーと言うよりSF寄りの話。娘の体に宿った妻、と言うのはよくあるアイデイアかも知れないが、小学生から結婚するまでと言う長いスパンで、彼女との人間関係に悩む中年男を描いたのが良い工夫だったと思う。例えば、下世話な話だが女子高生になった彼女が性交を持ち掛ける場面がある。夫は性欲解消のためエロ本で自慰行為に励んでおり、妻は手や口でしてあげようかと言うのだが、心は妻でも美少女の姿は成長した娘である。結局お互いにためらって成立しないのだが、されっと流しているがリアリティを感じた。又彼女が高校生の彼氏を作ったのに嫉妬した夫が、電話を盗聴して2人のデートに介入する場面もこの異常な状況でのギクシャクした夫婦関係を表してリアリtィを感じた。
 基本的にあまりシリアスでなくエンタメ性の高い作品と思うが、表題に関わる「秘密」も終盤のテーマとして面白かった。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.424:
(4pt)

『秘密』のカギは開けられますよ、平介さん!

素直に感動したいのに何となくわだかまりの残る読後感。たぶん、その正体は『いつまでも他者への依存から脱皮出来ない男』への腹立たしさなのだと思います。
夫はいつも、俺の気持ちを分かってくれているはず、という前提でしか目の前に起きている事象を捉えることが出来ない。一方、妻は戸惑い苦労しながらも置かれた環境や人間関係と折り合いを付け、自制的に振る舞うことを身に付けていく。自力で状況と向き合うことが出来る妻にとって、相手が理解してくれることに依存(期待)して向き合ってくる男には、手に負えない面倒くささしか感じないのではないだろうか。
だから、直子の方から、もう向き合ってもいいかな、と思えるほど平介が成熟した大人になった暁にはきっと秘密のカギを開けてくれると思います。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.423:
(5pt)

一気に読了しました

非現実な物語設定でありながらも登場人物それぞれの心理描写がとても細かく、人間味も溢れるものだったのですぐに引き込まれて一気に読み終えることができました。夫、妻、娘、母、父、など家族における個々の役割が少しづつ入れ替わりながら物語が進むことで、一人一人が家族としてというよりもまずそれぞれが異なる性格を持つ一人の人間として浮き彫りになっていく様子がとても興味深く、家族のあり方であったり、人生観について考えさせられるものがありました。
直子が宿る藻奈美が相変わらず家事をこなさなければいけない設定なのは時代的な古さを感じはしましたが、それを差し引いても良作として楽しめる小説です。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.422:
(4pt)

侵入

その現象が、偶然ではなく意図的な侵入だったとしたら…。女とはなんと恐ろしいものぢゃ。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208
No.421:
(5pt)

色んな解釈を許すからこそ、傑作なのでは?!

推理小説というよりもSFに近いテイストの作品す。(ネタバレになりますが、)物語は、バス事故で奇跡的に生き残ったと思われた娘の肉体に、娘をかばって死んだと思われた妻の精神だけが宿っているという奇妙な事態が発生するところから始まります。(結構昔の作品ながら、最近でも似たような悲惨なバス事故が発生している中で、「ひょっとして現代でも起こりうる話?」と思わせる不気味さがあります。)

本作は、東野氏の作品の中では比較的珍しく、笑えるライトタッチな箇所も結構あります。

しかし、根底に流れているのは、夫婦とは何なのか、親子とは何なのか、そのようにお互いを愛する家族どうしの通常の関係性が壊れてしまった場合に、人間はどういう選択をして生きて行くべきなのか、というヒューマンな重いテーマであり、色々と考えさせられます。

最後の場面での主人公たる夫の反応からして、若い肉体を授かった妻が芝居をし、そこに宿った自身の精神を保ったままで最終的に、若い男性と新しい人生を歩むという、いわば利己的な選択をしたという見方をする方も多いとは思います。

しかし、私としては、そう決め付けるまでの必要性はなく、小説中に外国での症例として報告されているケースにあるごとく、娘の身体を一時的に占拠していた妻の魂が最終的に離脱して、精神も娘のものに回帰したと解する余地が残されていると見ても良いのではないかと思っています。

仮にそうでないとしても、妻のした選択は、夫を愛するがゆえに(だって、夫との結婚の証を持ち続けていくんですから。。)、現状のままでは、にっちもさっちも行かない状況に陥ってしまった夫を、その束縛から開放するものでもあったと言えるのではないでしょうか。(そのように考えたがる私は、女性のしたたかさというものを、まだよく判っていないだけなのでしょうか??)

いずれにせよ、これは、奥の深い名作だと思います!

ちなみに、「白夜行」でもそうですが、事件の加害者と被害者を完全に敵味方として対峙するものと描かないところは、「片想い」で顕著に描かれるところの、人間を含めた物事の相対性に常に目を向けている東野氏ゆえなのかなと思うところがあります。
秘密Amazon書評・レビュー:秘密より
4163179208

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