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分身
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分身の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全100件 41~60 3/5ページ
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東野圭吾さんによる小説。クローン人間という禁忌の領域を踏み越えてしまった悲劇。 ただこの小説が書かれていたのが1990年代前半であり、今の時代とは感じ方が違うというのは あると思います。クローン羊ドリーの誕生もあったし、違和感は減っているのだろう。 物語は小林双葉、氏家鞠子の登場する話しが交互にされ、二人が似ている理由などが明かされていく。 最後に2人が出会うシーンはなんとも幻想的。 小説全体を通じて二人ともそれぞれの母親によく愛されていたことが分かり読後感は良いです。 鞠子の父からの手紙(赤毛のアンの裏に書かれていた)はぐっとくる。 東野圭吾の手紙という作品もあるのですが、それの原点みたいな部分が本書にあるように思える。 北海道札幌の時計台が思ったより印象に残らない、微妙であるというのも他作品に出ていたと思う。 (たしか秘密という作品)これは作者自身がかつて行った時の印象と重ねているのだろう。 | ||||
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その日は調子が悪く会社を休んだのですが、数カ月前に買ってページを開いていなかった「分身」をたまたま手にとって開いたが最後、半日ぶっ続けで読みふけってしまいました。すぐに引き込まれました。 最後のシーンがとてもよいです。とてもシンプルなのですが、このシーンで終わらせたかった作者の気持ちがよくわかります。ちょっとあっけないその終わり方が、その証拠ですね。小説好きにはたまりません。 だから、WOWOWのドラマの終わり方は違ったのかな? | ||||
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読み始めて最初、これは「双子」の話かなと思っていたのですが、読み進めるうちに、いやいやこれはとんでもない話だなと思い始めました。 東京と北海道に住むそっくりな二人(双葉と鞠子)が主人公です。 その二人が、出生の秘密を求めて行きます。 二人の捜索の道は、クロスすることはありません。 二人が出会うのは、最後の最後です。 この二人の捜索の道が交互に表され、それが実に上手く物語を進行してゆきます。 ここに登場するのは、不遜な野心に突き動かされる人間たちです。 その結果、生まれた二人の苦しみが実に良く描かれています。 科学の進歩は、どこまで許されるのか? この物語に描かれたようなことが起こってはいけないと思います。 「倫理」の問題と言うことで片づけられるべきではないと思います。 そうした非常に大きなテーマで「人間」の野心の恐ろしさを描いているのですが、一方で、親子の愛情が全面に表現されているのが救いでした。 | ||||
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話自体はおもしろいと思う。 すらすら読めて最後は東野作品らしく人情味あるし。 ただ、北海道の描写がいい加減な気がした。 僕自身5年ぐらい前に旅行で約1週間ぐらいしか訪れたことないけど、 それでもすごくいい加減に感じられたんだ。 致命的なのは函館本線と室蘭本線の描写。 ここ2012年になっても非電化区間なのに、 作品では電化されている。あと、海の反対側はたいていは山です。 そこがマイナスポイントかな。 | ||||
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最初から最後まで重く暗い雰囲気。 今までの東野作品に比べると変化が物足りないかも知れないけど 長編なだけに丁寧に細かく描写してあり、頭に入りやすかった。 最後の終わり方が爽やかでした。 | ||||
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東野圭吾の作品も、サスペンスも随分久しぶりでした。 鞠子の章、双葉の章と交互に構成されており、スピード感があり、次へ次へ書き立てられ、読み進んだ。 複雑な人間関係が、不思議と整理されて読み進むことができるのは、精緻に注意深く文章が構成されているからでしょう。 個人的には最後の結末が、何かあっけない、感じが残りました。 そのあっけない余韻が著者の意図したものであろうとは思うものの、もうひとつ最後の驚きがあるかと期待していたので、肩すかしをくった感じであった。 ただ、それを補ってもあまりあるスピード感、星5とします。 | ||||
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二人の視点からどんどん真相に近付いていく 展開にはおもしろくて引き込まれましたが、 道徳に反した私利私欲の研究が招いた悲劇に ぞっとして鳥肌が立ちました。 誰もが悲しくて誰もが救われていないような、 釈然としないまま読了しました。 ただ、「人から愛されている」ということへの 重要さをすごく感じる本だと思います。 | ||||
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氏家鞠子と小林双葉、二人の主人公を軸に話が展開していきます。 全く接点がないにもかかわらず、うりふたつの二人がいつ出会うのか。 事件の真相よりもそこが一番気になりました。 解説にもあるように、途中、読み返してみたくなります。 まだ続きがありそうな終わり方だったんですが、この終わり方も潔くてよかったです。 続編があれば、ぜひ読んでみたいと思います。 | ||||
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遺伝子操作、体外受精を題材にした医療サスペンス。 オチもしっかりしていて後味が凄く良かったです。 実は東野圭吾の作品を読むのは今回が初めてでした。 やはり面白いですね! 鞠子と双葉はいつ会うのだろうとソワソワしながら読むと先が気になって本を閉じることが出来ませんでした。 所々、医療に関する難解な説明もあるがなぜかスラスラ読めました。 これが東野圭吾の魅力でしょうか。 行きつけの書店でごり押しされていたので購入。 ドラマもやるみたいですね。 もしも自分に分身が居たら・・・と思うと面白い作品。 | ||||
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もし、自分が科学の力で生まれてきたのなら、もし、自分が両親の子ではないのなら・・・ 果たして生きる幸せには影響無いのだろうか。 氏家鞠子と小林双葉の2人のヒロインは、両親からの愛され方に疑問を抱くようになる。そして、その原因をつきとめるため、自分の出生を調べようと北海道と東京を舞台に、そのストーリーを探りにいく・・・。 科学の手が、生命の摂理に触れるものならば、人の心は、あっけなく、脆く、儚く崩れ落ちる。生まれてきた鞠子と双葉は罪は無いにも拘らず、科学とそれを操ろうとする人間に翻弄される。 科学の進歩は人間の幸福をもたらすはずだが、それを操る人間自身をコントロールする科学は存在しない。人間の知的好奇心は上限がない。だから、結局、科学が進歩すればするほど、人間自身が科学に強く支配されなければならないという皮肉なパラドックスを読了後に感じた。 最後には全てが無に帰する結果となってしまった。ラベンダー畑で双葉がかじったレモンの味は、果たして鞠子のそれと同じだったのでしょうか。同じ運命を辿ってきた2人のその後は、そっとしておきたいものです。 | ||||
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鞠子と双葉、2人のヒロインが、謎だらけの出生の秘密に迫っていく過程を、舞台を北海道と東京の両方から、時系列に繋がりをもたせながら交互にそれぞれのストーリーが展開されていく小説。 文中にもある表現だが、まるでジグゾーパズルを組み合わせるように、2人が突き止めた謎を合体させると全貌が見えてくる仕掛けになっている。 全く別の場所で生活していて、お互いの存在も知らなかった鞠子と双葉は、他人の空似を遥かに超えて、全く同じ容姿をしていた。 その謎は、やはり思った通りの展開だったけど、それ以外にも、そうなった背景など色々と謎解きがあり、どちらがヒロインのターンの話でも、ぐんぐん引き込まれていった。 鞠子は「母親に愛されていないのでは…。」とずっと悩んでいたけど、その答えが見つかった時、なんともやるせない気持ちになった。 | ||||
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分身という標題から,何か同じような人が現れるということが了解できた。 現代または近未来における課題として, 人が踏み出してはいけない一線がどこにあるかを考えるための題材を提供していると考えることもできる。 親子の絆を何に求めるか。 子供を育てることは,自分の分身を作ることになるという, これまでの歴史の重みが伝わってこない。 母親には生んだという重みがあるかもしれないが, 父親には生んだという重みがないのだから, もっと父親に関する描写があってもよかったかも。 | ||||
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複数の視点から徐々に真実にたどり着く展開が大好きな自分は、 先が気になって一気に読んでしまいました。 主人公の二人は姿はそっくりなのに違う性格でそれぞれの手法で 真実に迫っていくという部分が楽しめました。 そして、二人の主人公の「元」になった女性の悲しさに心が痛みました。 小説は相性があると思いますが、東野圭吾さんの作品は、 私にはぴったりとくると再確認させられた作品でした。 | ||||
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「瓜二つ」では無く、「まったく同じ」人間が存在する。そこに秘められた謎とは。現代医学の危険な領域を描いたサスペンス長編。― 東野圭吾の不思議系作品としては処女作。 二人の同じ姿形をした人間それぞれの章によって語られる。ストーリーは激しく入れ替わり、躍動感満点。まさにサスペンスといった作品だ。 | ||||
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読んでいる間は非常に面白く、ラストシーンも映像的に美しかったのですが、 この二人に待ち受ける未来を考えると、なんだか本当に同情します。 マスコミの餌食のうえ、長生きはできなさそうです。 | ||||
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なかなかの秀作。現代医学関連の小説でも扱ったことのないテーマだと思う。全篇をそれぞれの女性クローンの立場で交代に記述された珍しい構成である。一般文学310作品目の感想。2010/12/23 | ||||
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生まれてくるべきでなかった人間なんているのだろうか?いや、いないだろう。昔から産みの親より育ての親なんて言うが、この作品ではクローンがテーマとなっているので親は3種類になる。遺伝子をくれた親、産んでくれた親、育ててくれた親。どれが本当の親なんだろう?私は男性なので「腹を痛めた」ことがないから、本当のところはわからないが、子の親としては、育てることで子と対峙していくことが本当の親のような気がする。そういう意味では、混乱をやや無理矢理収束させている本作だが、育ての親への愛情や感謝、生まれて生きていく悦びを感じさせるハッピーエンドなところはホッとさせられた。2人の「分身」の立場でそれぞれ語られていく展開はスリリングでテンポが良く、最後まで一気に読ませてくれた。東野氏の代表作のひとつ。氏の作品を読むなら外せない傑作だと思う。 | ||||
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現代医学を扱った斬新なアイディア。今読んでも最先端だ。 この「分身」に関する仕掛け。 この謎を追う興奮はもちろんのこと、 それが分かっていて、読み返してもなお面白い。 自分の生い立ちを調べ、その事実が明らかになる。 P355「私はこの世で唯一の人間ではない」 それによって浮かび上がってくる、様々な苦悩。 これがとても力強い。 その苦悩に、この物語の核心が全て詰まっている。 すべての人間が綺麗事を言わず、正直に話している。 彼女たちはどう扱われるべきなのか。 現代医学はどう扱われるべきなのか。 彼女たちの存在が、そのまま最先端の現代医学に直結する。 思わず、「自分だったら、」と考えてしまう。 関係する人間全員の言葉の一つ一つに、作者の思いが込められている。 これほど、びしびしと伝わってくる小説はめったにない。 そこにあるメッセージ性の強さが群を抜いている。 そして、マイナス面ばかりでなく、プラスの面も見せてくる。 一概に悪いこととは言えない。だから考えさせられる。 他にも、親子の絆などにも触れていて、とても感動的でした。 | ||||
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読み終わって,分身というタイトルには,著者の科学技術に対するいろいろな思いが込められていると感じた.著者は大学で電気工学を専攻し,エンジニアとして勤務していたという経歴の持ち主であるので,科学技術は万能ではなく,それを利用する人の判断により,危険と隣り合わせであるということについて身をもって感じているのではなかろうか.詳細はネタばれのため,書かないが,本書の終わり方は,読者にこのテーマについて,熟考してほしいという著者の願いであろう.特に次代を担う子供や若者に読んでいただきたい. 小説の中で次のような記述がある.「自分の生が間違いないといいきれる人間なんて,この世にいるんだろうか.同時にこうも思う.自分が誰かの分身でないといいきれる人間なんているんだろうか,と.むしろ誰も彼も,自分の分身を求めているんじゃないのかな.それが見つからないから,みんなは孤独なのだ.」深遠で哲学的な記述ではあるが,多くの人に生きる勇気を与えてくれるであろう. | ||||
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最近の海外トピックスで、精子バンクの一番人気はベッカム似なんてのがありましたが、この物語は、氏家鞠子サイドと小林双葉サイドの交互の章から展開させ、瓜二つとされる未遭遇の2人が、各々別々に同時期に、自分自身の出生の謎を追いながら、次第にその背景が、解明されていくというものです。 発表が連載小説らしく、各章適度な長さでまとめられ、各章を読み進めるにつれ、一つづつくらい謎の糸がほぐれ、先の推理もしやすく ミズテリーとしてオーソドックスな轍を踏んでいるんだと思います。 行き過ぎた医療を扱う点では、氏の「変身」はやるせなかったが、本作は、親子の絆に希望がもてる風の読後感もあり、好印象。 | ||||
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