機巧のイヴ

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評判

機巧のイヴの評価:

4.52/5点 レビュー 21件。 A ランク

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平均点4.52pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全29件 21〜29 2/2ページ
No.9
(5pt)

時代小説×SF×ミステリー×哲学

こんなに面白いなら単行本で読んでおけば良かったと後悔したほどの傑作。

5編の連作短編で文体は漢字が多めの時代小説(江戸時代風味)なのだが、一つ一つの短編にジャンルの違いのようなものがある。
最初の話では「世にも奇妙な物語」っぽいSFかと思いきや、次は普通な感じの時代小説で人間とは何ぞやみたいな哲学的な内容
になり、さらにはスパイ小説や謀略小説的な内容と短編ごとに変化していくのだが、話は繋がっており違和感も全くない。

表紙は冷酷で悪だくみでもしていそうな花魁みたいな絵になっているが、作中のイブというキャラと全く一致していないし、
イブが主人公とも言えない。この小説はイブという機巧人形(オートマタ)に直接または間接的にかかわる人間やたちの物語で
あり、イブ自体がなにか活躍するということもない。そしてイブが機械と気づいていない人がほとんどである。

裏表紙にはSF伝奇小説と書いてはあるが、全体的に見ればジャンルはミステリーだと思う。本物の人間にしか見えないイブ
というオーバーテクノロジーの機巧人形の謎に迫るSFミステリーである。
ミステリー要素があるSF、またはSFやファンタジー設定のミステリーが好きな方は是非とも読んでもらいたい。
機巧のイヴ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 機巧のイヴ (新潮文庫)より
4101207917
No.8
(5pt)

SF時代劇に萌える!

新潮文庫なので、危うく見逃すところだった。池澤春奈の書評で教えてもらった。
架空の日本における江戸時代が舞台だ。江戸は天府で、天皇は天帝と呼ばれる。
人間そっくりの美人アンドロイド伊武(いヴ)を巡る物語が展開する。

第一章「機巧のイヴ」は、将軍家主催の闘蟋(コオロギのバトル)が舞台となる。
異国情緒ならぬ異界情緒抜群で引き込まれた。アンドロイドSFの王道である。
第二章「箱の中のヘラクレス」相撲が題材だ。天府の相撲は蹴早相撲といって、四角い土俵で行われる。
中央で投げ飛ばしても勝敗は決しない。寝技でギブアップさせる展開もある。プロレスですな。伊武が売り出し中の力士天徳を愛する。

第三章以降はお庭番甚内と天才機巧師・釘宮を中心として、貝太鼓役という聞きなれない役職や忍者集団や無宿者たちが暗闘を繰り広げる。
伊武はいかな天才でも単独で作れるものではなく、古代の超テクノロジーが基盤にあるらしい。
異界の時代劇ならではの奔放なストーリーを堪能させてもらった。
アクションの迫力は傑作ハードボイルドもかくやと思わせる。陰謀や策謀も読みごたえがある。
通常の時代小説ではまず不可能な御所が舞台になるのも感心した。
伊武の描写はあっさりしているが、このくらいが適量なのかもしれない。
「人間になりたくてお百度を踏んでいる」のが可愛らしい。ぜひ続編も読みたい。
機巧のイヴ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 機巧のイヴ (新潮文庫)より
4101207917
No.7
(4pt)

面白いがSF的にはちょっと

あらすじや解説のSF伝奇小説というワードに魅かれて購入。伝奇小説のサイドはケレン味のある舞台と説得力ある設定で面白く読めた。絢爛の巨大遊郭やそこを囲む堀にまつわる文化、巨大な橋を参道に中州がまるごと仲見世と寺院というスケールのでかい空想の江戸は、是非アニメで見たいようなビジュアル的な面白さがあった。そこが一番面白くて、短編としての叙述のトリックや、幕府と天皇家になぞらえた権力の駆け引きもそれなりに読みごたえがあった。ただ読み終わってからSFサイドの設定や考察にはものたりなさが残る。ロボは歯車やゼンマイだけでは動くわけがないので、ビジュアルイメージはそれでいいとしても、なにか機工や動力に関してアイデアがあると思ったら、ない。機械に心は宿るのか、というロボ物の宿命的命題についても考察が浅い。攻殻機動隊原作や戦闘妖精雪風を読んだ時のようなSF体験をいくらかでも期待したのでそこは残念だった。イブおよび作中の人型ロボ達の存在が、飛びぬけて完璧なオーパーツ的存在過ぎて、そこに至る過程的な存在が鳥と虫だけというのもちょっと唐突な気がした。もっと試作機的なやつ、量産型的なやつとの対比があると画面もSF的になるし、機械の心がいかに発生するかの考察になったのかも。アニメ化する時は是非、優秀なSFの監修をつけて設定を盛り、インコをマスコットキャラにまで掘り下げて欲しい。後、人の脳を箱に詰めて維持できるようなテクニックがあるなら、イヴ達ロボ勢はもうお互いにメンテできて人間は不要なのではとか、なんならメンテ用ロボつくればとか、閉鎖環境に十年も置いといたら人の精神はもうやばいだろ、とか湧いてくるもろもろの疑問は続刊で補完されるのだろうか・・・。
機巧のイヴ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 機巧のイヴ (新潮文庫)より
4101207917
No.6
(4pt)

哲学,もしくはロマンティック

五篇からなる連作形式の作品ですが,序盤の内は少しゾッとするような個々の話や,
日本の江戸時代を下地にしたと思われる,架空の舞台や文化の方に気を惹かれがちで,
それらしい繋がりは確かに見られるものの,いささか掴みどころを測りかねる印象です.

ところが,三篇目から雰囲気が変わり,外側から物語に関わっていた面々も内側へ.
そして歴史と彼らの背景に広がっていく様子は,連作としての面白さが一気に深まり,
目の前の,さらにはまだ見ぬ存在への興味と不安を煽り立て,最後まで引っ張られます.

また,何度か交わされる人間と機巧人形の違い,魂や感情の芽生えなどについても,
三人の人形を巡る数奇な運命と明暗を重ね,悲劇のヒロインへと注がれる思いと涙が,
寄り添う者の存在を哲学のように,もしくはロマンティックな一つの解釈へと導きます.

とはいえ…人間と別れる日が来たとき,生き続ける彼女たちは何を思うのでしょうね.
機巧のイヴ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 機巧のイヴ (新潮文庫)より
4101207917
No.5
(5pt)

最近でた文庫の中で一番かな

作者はやはり天才だと思う。独特の世界観を感じるし、内容的にも予想がつかなくて、続きが気になる。
タイトルが悪くないけど、ちょっと買いにくいし、内容を誤解されやすい気がする。この本を本来の読書に届けられていないのではないか。
機巧のイヴ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 機巧のイヴ (新潮文庫)より
4101207917
No.4
(5pt)

作品自体が至上の機巧

本書の評判は発行直後から書評で相次いで取り上げられており、なんとなく後回しにしたのを後悔したが、先達レビューと参考票の少なさに唖然とさせられた。半年も過ぎて初版だったことと相まって、本書の如き傑作が世から半ばスルーされていることにとにかくショックを受けた。

本書は5編の短編から構成されているが、実質的には5章立ての長編となっている。
舞台は、女系の帝家が上方にあるが実質は将軍家が統治する武家や忍が存在する世界で、機巧等のオーバーテクノジーが併存している。そこに機巧人形(オートマタ)といわれる精緻な機械仕掛けの人形もあり、彼女はイブと言われている。非常に雑にいえば、「銀魂」の世界観の一部を想像すると当たらずとも遠からずくらいだろう。

章を重ねるごとに、登場人物また世界観が深みを増し、個々の描写のつながりが明らかになり、ついには作品世界全体が一つとなって動き出す終盤は圧巻。その精巧さ、また、SFとしての設定、時代小説としての描写、人間の根幹に迫る筆致など、多角的な作品に挑戦してきた著者ならではの完成度の高い仕上がりは、まさにひとつの機巧といえる。

短編の形なので、各章にタイトルがあり、表題のイヴの他、ヘラクレス、テセウス、ジェペット、プシュケーという5つの言葉があり、ここに作品の根幹が秘められているので、それぞれが何を意味して、それらがどう骨格を成しているのかを考えて読むことで、作品の奥深いところまで味わえるだろう。とりわけ、壮大な作品観の中で霞みがちだが、人造生命が人間となろうとする思いと同時に、人造生命を作った人間の想いという逆サイドにこそ本書の味わいがある。それが、ジェペットというタイトルであり、蟋蟀を全編を通じて登場させている意味だろう。
機巧のイヴ Amazon書評・レビュー: 機巧のイヴより
4103361913
No.3
(5pt)

作品自体が至上の機巧 

本書の評判は発行直後から書評で相次いで取り上げられており、なんとなく後回しにしたのを後悔したが、先達レビューと参考票の少なさに唖然とさせられた。半年も過ぎて初版だったことと相まって、本書の如き傑作が世から半ばスルーされていることにとにかくショックを受けた。

本書は5編の短編から構成されているが、実質的には5章立ての長編となっている。
舞台は、女系の帝家が上方にあるが実質は将軍家が統治する武家や忍が存在する世界で、機巧等のオーバーテクノジーが併存している。そこに機巧人形(オートマタ)といわれる精緻な機械仕掛けの人形もあり、彼女はイブと言われている。非常に雑にいえば、「銀魂」の世界観の一部を想像すると当たらずとも遠からずくらいだろう。

章を重ねるごとに、登場人物また世界観が深みを増し、個々の描写のつながりが明らかになり、ついには作品世界全体が一つとなって動き出す終盤は圧巻。その精巧さ、また、SFとしての設定、時代小説としての描写、人間の根幹に迫る筆致など、多角的な作品に挑戦してきた著者ならではの完成度の高い仕上がりは、まさにひとつの機巧といえる。

短編の形なので、各章にタイトルがあり、表題のイヴの他、ヘラクレス、テセウス、ジェペット、プシュケーという5つの言葉があり、ここに作品の根幹が秘められているので、それぞれが何を意味して、それらがどう骨格を成しているのかを考えて読むことで、作品の奥深いところまで味わえるだろう。とりわけ、壮大な作品観の中で霞みがちだが、人造生命が人間となろうとする思いと同時に、人造生命を作った人間の想いという逆サイドにこそ本書の味わいがある。それが、ジェペットというタイトルであり、蟋蟀を全編を通じて登場させている意味だろう。
機巧のイヴ Amazon書評・レビュー: 機巧のイヴより
4103361913
No.2
(5pt)

其機巧巧之如何を了知するに能ず。

江川仁左衛門は、遊女「羽鳥」の「機巧人形(オートマタ)」を欲していた。しかし
それを製作可能なのは、幕府精煉方手伝「釘宮久蔵」のみ。
機械仕掛けの蟋蟀(こうろぎ)はどこから来たのか。
「久蔵」に寄り添う謎の少女「伊武(イヴ)」の正体とは?

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「シミュラクラ」。それは、「本物と寸分違わぬ」の“偽物”。しかし「本物と寸分
違わぬ」物ならば、それは“本物”ではないのか?あるいは、「ヒト」に「心(魂)が
宿る」のか、それとも「心(魂)が宿る」から「ヒト」になるのか...。
いずれも古典的な命題ですが、難しくも面白くもある命題です。

PS.
“あの”「レイチェル」は、「デッカード」と今もどこかで幸せに暮らしている
のでしょうか?そんなことをフッと思い出しまた。
機巧のイヴ Amazon書評・レビュー: 機巧のイヴより
4103361913
No.1
(4pt)

奇想天外?でもワクワク!最高!

江戸時代?なのか?天皇家は女系のみとなっている設定。しかもその女系がロボット?

 奇想天外なのに面白くてワクワクする?時代伝奇SF小説?

 人の発想は限りなし!と本書の圧倒されたストーリー展開は心地良いです!

 クセになる展開!続編は出ないのか?面白し!
機巧のイヴ Amazon書評・レビュー: 機巧のイヴより
4103361913