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カレンダーボーイの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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何度も何度も読み返した思い入れのある本です。思い出補正もあるのかもしれませんが、今でも鮮明に内容を思い出せる素晴らしいストーリーでした。 ラストは切なく、自分の親と主人公を重ね合わせなんとも言えない気持ちになりました。もしこれが自分の父親だったら、私は父親がしたことを肯定できるんだろうか… ぜひとも多くの人に読んでいただきたいです。 | ||||
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2006年と1968年を行ったりきたりするふたりの男性(大学教授と同じ大学の事務局長)が、人生を二度生きなおすような感じで、いろいろな思い出の細部を味わう。そして幾つかの出来事を変えようとする。 中でも大きいのは、一家心中してしまった同級生の少女を救うため、三億円事件に介入し、しかもそのお金を、現代の事件の収拾のために使おうとする試みです。 少しでも過去を変えると、現代の状況が変わっていて、そのたびに哀しい思いをします。あのことは、もうないんだ。あの思い出も。 過去の何かが埋められると、現在の何かがなくなり、どちらも同じように大切なことだったのだ、とわかります。 通常のタイムファンタジーでは過去がせつなくいとおしいのですが、ここでは、消えてしまった現実もまた同量のいとおしさをもって描かれ、時間というものの意味づけがもっと透明になっています。 ラストは意外なところに着地します。いわば、ふたりが記憶を共有した時間がなくなってしまうのです。 ふたりとも無事に生きてゆくのですが、それぞれにかけがえのない「時」を失う。どこにもなくなった記憶のゆらぎを、ひとりで抱いてゆきます。 この手の結末は、タイムファンタジーでは多分他になく、作者の真骨頂が発揮されたところでは。 過去であれ、現在であれ、生きられなかったもうひとつの時間が発光して見える、そんな美しさと、人生の些事すべてへのいとおしさをたたえた名品です。 | ||||
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表紙の筋書きを見て一発で買いました。1日ごとに過去と現在を行き来するなんて設定素敵すぎます。過去の世界で何かをするたびに刻々と現在が変わっていくなんて。ワクワク と思っていたら、普通に話が進み大したイレギュラーもなく目的達成。クライマックスは個人の想像に任されて消化不良。キャラも弱くて僕には二人の主人公の区別が付きません。まず、話が盛り上がりを見せないので読み進めるのがつらいです。 なんというか演出の点で大きく欠ける気がします。伏線などはもうゼロと言ってもいいでしょう。 小路幸也さんのモーニングも読ませていただいたのですが、そちらも設定の魅力と盛り上がりの無さは健在でした。東京公園もすごい面白そうですが、「面白そうだった」で終わる気がして購入がためらわれます(笑) | ||||
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「毎日朝目覚めるたびに過去と現代を往復」「精神と経験は現代のまま」「過去でねじ曲げた出来事が現代に微妙なひずみとなって現れる」というのは面白かった。中盤まではこの世界観の説明が十分されていて、単純に楽しいです。 3億円事件を全面的にフィーチャーし、とある目的のために1968年のふたりは東京に出て現金奪取を企てるわけですが、クライマックスとなるその部分の描写がどうにもラフすぎ。「逃げている」と言われても仕方の無い処理です。 他のレビューでも指摘されていますが、ふたりの描き分けがしっかりしていなくて、過去・現代ともに、どちらが語り手かが分からなくなっています。せっかくの結末の切なさも、伝わりにくくしているような気がします。 | ||||
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やはり過去は変えてはいけないものなんだろうか? でもその時代に行って、その先が分かっていれば、どうしても何とかしたいと考えるのは自然なのでしょう。 まして不幸な出来事を知っているなら、過去を変えてしまうリスクを理解していても何とかしようとするでしょう。 そのあたりが、切なくなってしまう理由でした。 | ||||
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面白かったです。大人の心を持ったまま過去の子供の時代に戻ると言う設定は、これまでもいくつかの作品で見られたけど、本作品の特徴は、それが毎日!繰り返されること。あぁ、たいへん。もう一つの特徴は、それが、自分一人ではない、ということ。 ネタばらしになるといけないので、ここまでしか書きませんが(ま、このあたりのことは導入ですぐにわかることですけど)、テンポよく面白いストーリーでした。 特に、1960年代後半の記憶がある50代前後の人には、かなり楽しめるのではないかな。描写されている子供たちの様子。社会現象。風俗風物。。。 内容的には、かなり予想をしない展開で、後半相当ドキドキ、冒険的でもありドラマチックです。 ただ、ちょっと相当最終のところ。あれれ、という感じで進んでしまった。正直、1ページ斜め読みしたら、全く、ええええ、という感じで。もう一度戻ったよ。そんなはずではないでしょ、みたいな感じで。 結末は、非常に意欲的で実験的な終わり方で、かなり感心しました。ただ、そこまでのところ、あまりに性急な気はします。そこだけがちょっともったいなかった。 | ||||
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最後の終わり方にはびっくりして何度か読み返してしまったが、とてもおもしろかった。一晩寝たら2006年の現代と1968年の過去を行き来するという発想もおもしろかったし、過去でやったことが未来に影響を及ぼすことも知っても必要以上に現実を変えず、同級生の命を救って現金3億円を奪うという大きな目的を果たすことだけに焦点をしぼったのがよかった。 自由に過去を変えることができるのではご都合主義になっておもしろさが半減してしまうのだが、何かを変えれば必ず別の何かが犠牲になり現代の生活に影響を与えるという制約が物語を引き締めていたと思う。その制約を知っていても、なんとか同級生を助けたいという強い意志に共感できた。 | ||||
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ある朝、目覚めると小学生の頃の自分に戻っていた。48歳の頭をもった小学生……翌朝目覚めるとまた48歳の自分に戻っている。しかも同僚も同じ経験を。 そんなタイムトラベル物の小説が好きな人には魅力的な導入部から始まるこの作品。遙か昔に起こってしまった同級生の死と3億円事件、現在進行中の職場である大学の理事長の使い込み、過去と現在の事件を行ったり来たりのタイムトラベルを軸に解決しようと2人は走り続けます。 面白い……んだけど、正直なところものすごく荒削りな小説といった印象です。主人公の2人の特徴がどうにも口調や行動では付きづらく、せっかくのラストの「別れ」が死んでしまっています。また、3億円事件との関わりや事件の解決法も荒っぽく、もう少しやりようがあったかなぁ、勿体ないなぁと思って読み終えてしまいました。 | ||||
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もうすぐ50歳も目の前の自分。 目が覚めたら、小学5年生の教室に居た。 しかも、同級生の幼馴染も一緒にだ。 どうしてこんなことに?なぜ二人が一度に? 様々な複線が張られていて、次へ次へと引っ張られるように読みたくなり、 ラストに近づくに連れ、この残り少ない数ページで結末はまとまるのだろうか? と不安な気持ちにもなりましたが、 結末を読み進めるにつれ、そんな不安はどこへやらという胸にこみ上げるものを残してくれる作品でした。 最初の数ページは二人の登場人物がどっちがどっちの台詞を話しているのか分かりにくいのでご注意を。 | ||||
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小路さんの作品は忘れていることを思い出させてくれて いつも胸がジーンと熱くなります。 20世紀では同級生、21世紀では同じ大学で教授と事務局長の同僚関係の三都(イッチ)と安斎(タケちゃん)の世紀をまたいだタイムスリップのお話。 二人が一緒に時空を行き来するのもテンポがよく 現在(21世紀)の彼らに起こっている問題が切実でなんとかしてあげたいと話にひきこまれます そして精神は大人で戻ったからこそわかる、昔(小学生の頃)の生活の中に感じられる昭和の風景がよかったです。 タイムスリップのセオリーともいえる「過去を変えるとねじれが起きて、現在がかわってしまう」現象を修正したり受け入れたりしている様子もリアル感があり、 読み終えてから、時空を超えてそのまま生活している人がいるかもなどと考えながら電車に乗っている自分に笑ってしまいました。 イッチとイッチのおじいさんのエピソードや、潤子姉さんとの姉弟愛も 深い愛情にあふれていて涙が流れました。 最後にタケちゃんのやるせない思いと、イッチのタケちゃんへの深い友情を感じ胸が熱くなりました。 | ||||
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48歳の自分が小学校5年生の自分にタイムスリップする。 しかも同じ職場で同級生の2人でだ。アイデアとしても面白いし、ラストの構成もタイムスリップのチャンスを活かしながらどんでん返しになっている。が、実際に読むとそんなに感動しない。 それは小路幸也の書き方が巧くないからだ。 2人の主人公の描き方がきっちり出来ていないので、過去と現在を2人が行き来する姿が一人に見えてきてしまう。 よってタイムスリップした半年を通じて、本当の仲間になった安斎と三都の関係からくるラストに生きてこない。 | ||||
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小路さんの作品はハズレが少なくてほとんど読んでるんですが、 この作品は特に大ヒットでした.読み始めてすぐに物語世界に ひきこまれ、どんなオチをつけるのかが気になってどんどん先に 読み進めて行きました. ラストは少しあっけないですが、何とも言えない切なさを感じて 悪くない読了感でした. この本の前に『東京公園』を読んだんですが、やっぱり小路さんは 少し不思議な世界を書いた作品のほうがいいような気がしました. | ||||
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2006年、安斎と三都は同じ大学で働く同級生同士。 その二人が1968年小学校5年生のころに精神だけタイムスリップしてしまった。 二人の身に一体何が起こったのか? 20世紀と21世紀を行き来する二人は 一家心中してしまった同級生を救おうとする。 その原因になった3億円事件の3億円を奪うとともに・・ 小学生になった二人は少しずつ過去を変えて行く。 三都は同級生の命を救うため。 安斎は使い込まれてしまった公金を補填するための3億円を強奪するために。 しかし、過去をいじれば、当然のごとく、その結果が現在にも波及する。 それでも二人は二人の目的をかなえるために 20世紀と21世紀を行き来する。 そして結末は・・・。 最後が非常に切ないです。 同じ人間なのに、 それまで一緒に同級生を救おうとしていた人物とは 微妙な違和感がある。 同じ記憶を共有していた二人の運命は ちょっとした違いで変わってしまった。 お互いが胸に虚無感を抱きながら これでよかったのだろうか、と、 いやこれでよかったんだ、と無理に納得させているような・・・。 正直細かいところで、 これはないだろう?ってところもある。 しかし、それをおいても最後まで一気に読ませるだけの 面白さはあった。 この先どうなるのか、 ドキドキ感とワクワク感。そして不安感。 決して過去に戻ることはできないけれど、 誰だってそんなことを夢想したことは絶対あるはずだ。 ただ、この作品の場合は精神だけが過去にタイムスリップしていて かなりもどかしさを抱えながらのタイムスリップだったけど。 なかなか面白い作品でした。 | ||||
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20世紀と21世紀を行き来するタイムトリップ物語。 1968年の時代には同級生の安斎と三都は、2006年の時代には同じ大学で働く職場の仲間なのだ。大人になった2人は、家族と昔の同級生を救うためにタイムトラベルをした1968年の小学生の姿で3億円の強奪と同級生の命を救おうとするが…!? ★う…ん、切ないです…。★過去を変えると歪みが出来るとよく漫画や物語で見聞きしますが、この物語も同じ系統のお話なんです。★守るべきを使命と果たせてもこの結果は、ある意味で2人にとっては過酷すぎる気がして読了後は、空しさが残ってしまいました。★未だに謎が残り未解決の事件である昭和の3億円強奪事件が、物語に出て来るんですが…。3億円強奪を計画した裏にこんな裏があったとすれば…?★シミジミとした寂寥感と切なさが漂う物語でした。 | ||||
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