ハーモニー

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評判

ハーモニーの評価:

4.16/5点 レビュー 253件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.16pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全394件 321〜340 17/20ページ
No.74
(5pt)

拍手、そして合掌

2008年発表。 34歳で惜しくも夭折してしまった伊藤計劃の最終作にして、幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))、ブラッド・ミュージック (ハヤカワ文庫SF)に次ぐ、新たなる人類の到来を描いた傑作。意識ある私たちは偉業に拍手し、そして合掌しよう。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.73
(5pt)

割り引いても星五つ

下記のように瑕疵はあるのですが、割り引いても星五つ。一気に読まされました。

1.ミァハはチェチェンで酷い目にあってから、日本に来てトァンに出会う。この時間軸に、微妙に無理押しな感がある。ロシア兵士って、この年齢の子に欲情するかな?とか、銃を口に云々が借りて来たエピソードみたい、とか。日本に来て数年だと、もう少し帰国子女っぽさというか何かありそう、とか。

2.トァンは、双方の陣営に泳がされていたということで、双方の筆頭格のイデオローグと対話を交わすことが出来る。
このうち、特にトァンの父が無防備に出てきて 比較的あっさりと殺されてしまう。双方の陣営が、互いの監視下で泳がせていると、お互いに承知の状態で、トァン父のような立場の人が こういう形で出てきて殺されてしまう事に違和感を感じた。

 ああ、もう一冊読みたかったなぁ。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.72
(4pt)

3人の少女が鮮やかに世界を呈示してくれます

人間のリソースとしての価値が肥大化され、退廃的な嗜好の排除された閉塞的な世界。それを否定したくて友人2人と自殺を試み失敗した女性。彼女の一人称で語ることで、我々のメンタリティがちょっと極端な影響を受けたらこういう社会に簡単に進むのでは、という理解がしやすいものになっています。

そして、この3人の少女という設定も秀逸です。
ふつうに考えるとストーリーの核は語り手のトァンと唯一自殺に成功したはずのミァハですが、もうひとりの少女、キアンの存在が実は大きいと思います。序盤を読んだ限りでは、ステレオタイプなキアンの描かれ方が瑕に思えたのですが、中盤になってその認識をトァン自身が見直すことによって、ミァハとの対峙ががぜんリアリティを増します。
この辺の少ない描写で人物を印象づける鮮やかさは虐殺器官には見られなかったものだと思います。

ただ、作品の中で問題にされる人間の「意識」は、本来人類が種として持つ非常に大きな概念のはずですが、ときおり「近代的自我」と同じレベルに矮小化されてしまっているのでは、というところが見受けられました。
それがなければよりスケールの大きさを感じられたのに、と思うとちょっと残念です。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.71
(4pt)

3人の少女が鮮やかに世界を呈示してくれます

人間のリソースとしての価値が肥大化され、退廃的な嗜好の排除された閉塞的な世界。それを否定したくて友人2人と自殺を試み失敗した女性。彼女の一人称で語ることで、我々のメンタリティがちょっと極端な影響を受けたらこういう社会に簡単に進むのでは、という理解がしやすいものになっています。

そして、この3人の少女という設定も秀逸です。
ふつうに考えるとストーリーの核は語り手のトァンと唯一自殺に成功したはずのミァハですが、もうひとりの少女、キアンの存在が実は大きいと思います。序盤を読んだ限りでは、ステレオタイプなキアンの描かれ方が瑕に思えたのですが、中盤になってその認識をトァン自身が見直すことによって、ミァハとの対峙ががぜんリアリティを増します。
この辺の少ない描写で人物を印象づける鮮やかさは虐殺器官には見られなかったものだと思います。

ただ、作品の中で問題にされる人間の「意識」は、本来人類が種として持つ非常に大きな概念のはずですが、ときおり「近代的自我」と同じレベルに矮小化されてしまっているのでは、というところが見受けられました。
それがなければよりスケールの大きさを感じられたのに、と思うとちょっと残念です。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.70
(5pt)

既読の方へ

あらすじなどは他のレビュアーさんが書かれている通りですので省略します。

最初に読了した際は言いようの知れない虚無感に襲われて、食事の時も入浴の時もその理由ばかりを考えていました。何度も繰り返し読み、また「意識」や「私」に関する書籍を購入し理解するうちに、この本が、著者が伝えたいことがなんとなくわかるようになりました。

昨今の小説によく出てくる単語として「空気」があげられます。この作品にもその単語が書かれていますが、著者は「空気」そのものではなく、自分の判断を周囲に委ねてしまっている現代日本人の気質に警鐘を鳴らしているのだと(私は推測し)思います。なんでもかんでも他人任せにしてしまうのは危険です。作中にあるように「つけこまれて」しまうからです。また、SFではとくに宗教と結びつけが強いものですが、この作品はキリスト教が前面に出ています。背後にはケルト神話があります。

それに関連して、人間は「意識」を得る前、つまりキリスト教的に言えば「エデンの園の住人であった頃」は極めて動物的な思考の持ち主でした。「私」はありませんでした。エデンの園は楽園です。つまり作中の〈異端派〉の陰謀の根幹は「意識を失くすことでエデンの園(楽園)に帰り、我々は幸福になる」ということです。作品のラストは意見のわかれるところではありますが、かいつまんで解説するとこのようなことが言えるのではないかと思います。

作品全体に関わる「生命主義社会のわたし」としての個人的な解釈を述べると、
「〈わたし〉は過去の記憶を未来に生かし、より生存と種の保存に適した〈知恵〉を生み出すための受動器官としてある。老い以外で死ななくなったら生存と種の保存という生物の究極的な本質は達成され、極めて恣意的な認識と解釈を行う〈わたし〉は、他者との思想的な摩擦を生み出すだけの存在になる。人間同士の対立は結果的に生存と種の保存という生物的な本質に反すると歴史が証明しているから、〈わたし〉はもはや必要ない」
ということです。

これらを理解したうえでもう一度作品を通して読むと、私はラストに関して「それなら悪くはないのかもしれない」と思うようになりました。トァンがミァハの意見に「異議はない」としたのもわかる気がしますし、また、ミァハが「わたしが無価値であることを証明させて」と叫んだのも、わかります(ここらへんのミァハの主張はさまざまな「意識」に関する書籍を読んでようやくわかりました)。「〈わたし〉の本来的な主体性は脳そのものにある」ということを踏まえてもう一度読むと、また違った面白さが発見できるのかもしれません。

著者の主張は文章だけではとても伝わりにくいと思いました。とはいえ、それも末期癌に冒されながら書いたのだと思うと、このくらいでも十分だと思います。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.69
(5pt)

既読の方へ

あらすじなどは他のレビュアーさんが書かれている通りですので省略します。

最初に読了した際は言いようの知れない虚無感に襲われて、食事の時も入浴の時もその理由ばかりを考えていました。何度も繰り返し読み、また「意識」や「私」に関する書籍を購入し理解するうちに、この本が、著者が伝えたいことがなんとなくわかるようになりました。

昨今の小説によく出てくる単語として「空気」があげられます。この作品にもその単語が書かれていますが、著者は「空気」そのものではなく、自分の判断を周囲に委ねてしまっている現代日本人の気質に警鐘を鳴らしているのだと(私は推測し)思います。なんでもかんでも他人任せにしてしまうのは危険です。作中にあるように「つけこまれて」しまうからです。また、SFではとくに宗教と結びつけが強いものですが、この作品はキリスト教が前面に出ています。背後にはケルト神話があります。

それに関連して、人間は「意識」を得る前、つまりキリスト教的に言えば「エデンの園の住人であった頃」は極めて動物的な思考の持ち主でした。「私」はありませんでした。エデンの園は楽園です。つまり作中の〈異端派〉の陰謀の根幹は「意識を失くすことでエデンの園(楽園)に帰り、我々は幸福になる」ということです。作品のラストは意見のわかれるところではありますが、かいつまんで解説するとこのようなことが言えるのではないかと思います。

作品全体に関わる「生命主義社会のわたし」としての個人的な解釈を述べると、
「〈わたし〉は過去の記憶を未来に生かし、より生存と種の保存に適した〈知恵〉を生み出すための受動器官としてある。老い以外で死ななくなったら生存と種の保存という生物の究極的な本質は達成され、極めて恣意的な認識と解釈を行う〈わたし〉は、他者との思想的な摩擦を生み出すだけの存在になる。人間同士の対立は結果的に生存と種の保存という生物的な本質に反すると歴史が証明しているから、〈わたし〉はもはや必要ない」
ということです。

これらを理解したうえでもう一度作品を通して読むと、私はラストに関して「それなら悪くはないのかもしれない」と思うようになりました。トァンがミァハの意見に「異議はない」としたのもわかる気がしますし、また、ミァハが「わたしが無価値であることを証明させて」と叫んだのも、わかります(ここらへんのミァハの主張はさまざまな「意識」に関する書籍を読んでようやくわかりました)。「〈わたし〉の本来的な主体性は脳そのものにある」ということを踏まえてもう一度読むと、また違った面白さが発見できるのかもしれません。

著者の主張は文章だけではとても伝わりにくいと思いました。とはいえ、それも末期癌に冒されながら書いたのだと思うと、このくらいでも十分だと思います。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.68
(5pt)

ジャケ買い

文庫版をジャケ買いしましたが、その後、こちらもジャケ買い。一人称で語られる物語が好きな方、特におすすめです。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.67
(5pt)

ジャケ買い

文庫版をジャケ買いしましたが、その後、こちらもジャケ買い。一人称で語られる物語が好きな方、特におすすめです。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.66
(5pt)

「今」の時代に疑問を持つ人たちへ

この本は前作「虐殺器官」と併せて、今の若い世代の人間に是非お勧めしたい物語ですね。
言うなればSF版「ファイト・クラブ」とでも言うべき作品です。

ここに描かれるのは誰もが誰もを想いやり、助け合いして行くのが義務となってしまったディストピアです。
現代にも蔓延しているその偽善的精神の究極的な行く末がこのディストピアだとしたら、その崩壊を描くのが「娯楽」としての正しい在り方だったのかもしれません。
けど、この作品はそうではない。その根っこである「心」や「意識」の存在に疑問を呈する、というとんでもない事をやってのけるのです。

「心」という言葉が、その捉えようの無さと利便性によって現代ではとても良く使われます。
そんな物は存在しない、と鮮やかに言ってのけるこの作品は、かえって今一度私たちに、「心」や「意識」が何であるか、そもそもそんな物は存在するのか、ということを真剣に考えさせる機会をくれます。
「感情」を売り物にしつつ、さも「感情」を崇高な物のように扱ってみせる、そんな恥知らずな世界を蹴り飛ばし、私たちが生きている世界を再認識させてくれる素晴らしい作品です。

SFでは無い、という理由や娯楽では無いという理由でこの作品を毛嫌いする方もありますが、はっきり言ってお門違いです。
お決まりの体裁である物語が読みたければ他のジャンルの作品をどうぞ。

この、伊藤計劃という作家の作品群はどれも、そういった決まりきった体裁が蔓延する世界に疑問を持つ人々へ脱出口を提示する、数少ない作品の一つなのですから。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.65
(5pt)

「今」の時代に疑問を持つ人たちへ

この本は前作「虐殺器官」と併せて、今の若い世代の人間に是非お勧めしたい物語ですね。
言うなればSF版「ファイト・クラブ」とでも言うべき作品です。

ここに描かれるのは誰もが誰もを想いやり、助け合いして行くのが義務となってしまったディストピアです。
現代にも蔓延しているその偽善的精神の究極的な行く末がこのディストピアだとしたら、その崩壊を描くのが「娯楽」としての正しい在り方だったのかもしれません。
けど、この作品はそうではない。その根っこである「心」や「意識」の存在に疑問を呈する、というとんでもない事をやってのけるのです。

「心」という言葉が、その捉えようの無さと利便性によって現代ではとても良く使われます。
そんな物は存在しない、と鮮やかに言ってのけるこの作品は、かえって今一度私たちに、「心」や「意識」が何であるか、そもそもそんな物は存在するのか、ということを真剣に考えさせる機会をくれます。
「感情」を売り物にしつつ、さも「感情」を崇高な物のように扱ってみせる、そんな恥知らずな世界を蹴り飛ばし、私たちが生きている世界を再認識させてくれる素晴らしい作品です。

SFでは無い、という理由や娯楽では無いという理由でこの作品を毛嫌いする方もありますが、はっきり言ってお門違いです。
お決まりの体裁である物語が読みたければ他のジャンルの作品をどうぞ。

この、伊藤計劃という作家の作品群はどれも、そういった決まりきった体裁が蔓延する世界に疑問を持つ人々へ脱出口を提示する、数少ない作品の一つなのですから。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.64
(5pt)

つまらないのになぜだ、星5をつけざるを得ない

とにかくテンポが悪くていらいらする。
そして登場人物たちの名前にも何か釈然としないものを感じる。未来ではこんな名前が普通なのか? そりゃさすがにないだろう。

評価が高かったので読んでみたが、期待はずれだった。

……と思ったんだが、ラストでやられた。
鳥肌がたった。
まさかこんな落としかたをするとは思わなかった。

一生忘れられない小説になりそうです。

途中つまらなくても投げ出さずに、最後まで読んでみることをオススメします。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.63
(5pt)

つまらないのになぜだ、星5をつけざるを得ない

とにかくテンポが悪くていらいらする。
そして登場人物たちの名前にも何か釈然としないものを感じる。未来ではこんな名前が普通なのか? そりゃさすがにないだろう。

評価が高かったので読んでみたが、期待はずれだった。

……と思ったんだが、ラストでやられた。
鳥肌がたった。
まさかこんな落としかたをするとは思わなかった。

一生忘れられない小説になりそうです。

途中つまらなくても投げ出さずに、最後まで読んでみることをオススメします。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.62
(4pt)

著者が敬愛する作品へのオマージュも含む大災禍(第3次大戦)後の魂の救済の物語

2019年の大災禍(前作虐殺器官の出来事で第3次世界大戦相等)後の資本主義社会が医療福祉社会に変わった究極の管理社会いおいてそれぞれの立場(思想・意思)において戦う大人になった少女達の物語。

著者自身影響を受けたであろうアニメ(ナウシカ・甲殻機動隊・エヴァンゲリオン)、文学(志賀直哉・坂口安吾・村上春樹(ねじまき鳥クロニクル))・哲学(ミッシェル・フーコー)等々の作品・作者へのオマージュを文中に散りばめながら大災禍(現代人におけるハルマゲドンや第3次世界大戦相等)後の人類の進化の一つの形を生命第一主義(健康・長寿)や社会に対する個人の意思(意識・魂)を切り口として深く鋭く描いています。

小説として推敲されるべき所も気になりましたが、東日本大震災や核(原子力)の恐ろしさを体験し、今後、更なる試練を経験するかもしれない日本人が如何にハルマゲドン(第3次大戦・大震災)やアセンション(=次元上昇・ニュータイプや人類補完計画的な人類の進化)について自ら深く考え、取り組むべきかのヒントを与えてくれるミステリーのスパイスが効いた優れた小説です。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.61
(4pt)

著者が敬愛する作品へのオマージュも含む大災禍(第3次大戦)後の魂の救済の物語

2019年の大災禍(前作虐殺器官の出来事で第3次世界大戦相等)後の資本主義社会が医療福祉社会に変わった究極の管理社会いおいてそれぞれの立場(思想・意思)において戦う大人になった少女達の物語。

著者自身影響を受けたであろうアニメ(ナウシカ・甲殻機動隊・エヴァンゲリオン)、文学(志賀直哉・坂口安吾・村上春樹(ねじまき鳥クロニクル))・哲学(ミッシェル・フーコー)等々の作品・作者へのオマージュを文中に散りばめながら大災禍(現代人におけるハルマゲドンや第3次世界大戦相等)後の人類の進化の一つの形を生命第一主義(健康・長寿)や社会に対する個人の意思(意識・魂)を切り口として深く鋭く描いています。

小説として推敲されるべき所も気になりましたが、東日本大震災や核(原子力)の恐ろしさを体験し、今後、更なる試練を経験するかもしれない日本人が如何にハルマゲドン(第3次大戦・大震災)やアセンション(=次元上昇・ニュータイプや人類補完計画的な人類の進化)について自ら深く考え、取り組むべきかのヒントを与えてくれるミステリーのスパイスが効いた優れた小説です。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.60
(5pt)

フィクションとリアリティの間

伊藤計劃「ハーモニー」を読了。作者の「虐殺器官」を非常に興味深く、そして楽しく読ませて頂いたので、購入。本作もジャンル的にはSFなのであろうが、そのリアリティー溢れる描写にノックアウトされました。現実感溢れる、非現実なのです。ここに描かれている世界観は将来きっと訪れるであろうことを予感させます。テクノロジーの発達と人体や生命の関係性は現実味を帯びています。
そしてテクノロジーはその人間の肉体以上のものをコントロールしようとします。そこに世界の調和(ハーモニー)が生まれるのでしょうか。それは調和が訪れた世界なのでしょうか。
エンターテイメントの要素もふんだんにあり、わくわくしながら読み進めることができます。前作に引き続き、傑作SFであることは間違いありません。がしかし、それにしても考えさせられる書でありました。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.59
(5pt)

フィクションとリアリティの間

伊藤計劃「ハーモニー」を読了。作者の「虐殺器官」を非常に興味深く、そして楽しく読ませて頂いたので、購入。本作もジャンル的にはSFなのであろうが、そのリアリティー溢れる描写にノックアウトされました。現実感溢れる、非現実なのです。ここに描かれている世界観は将来きっと訪れるであろうことを予感させます。テクノロジーの発達と人体や生命の関係性は現実味を帯びています。
そしてテクノロジーはその人間の肉体以上のものをコントロールしようとします。そこに世界の調和(ハーモニー)が生まれるのでしょうか。それは調和が訪れた世界なのでしょうか。
エンターテイメントの要素もふんだんにあり、わくわくしながら読み進めることができます。前作に引き続き、傑作SFであることは間違いありません。がしかし、それにしても考えさせられる書でありました。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.58
(5pt)

フィリップ・K・ディック賞受賞おめでとう

すでに国内では、第40回星雲賞日本長編部門と第30回日本SF大賞を受賞している本作『ハーモニー』。
今年の2011年4月23日には、アメリカのフィリップ・K・ディック賞の審査員特別賞も受賞しました。
日本のSF小説がアメリカの大きな賞を受賞するのは今回が初めてらしいです。すごいですねー。

ちなみにフィリップ・K・ディックとは、映画『ブレードランナー』の下敷きとなった名作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
の著者として有名なアメリカのSF作家です。
第一級のエンターテインメントでありながら、ごく自然に哲学的要素を織り交ぜた『ハーモニー』は、その神秘性、普遍性において
『アンドロイド〜』と相通じるものがあり、今回の受賞も納得でした。

少々クセのある文体で、しかも近未来めいた謎の記号がたびたび出てくるので、はじめはとっつきにくいかもしれませんが
主人公が幼馴染と再会するあたりから急速に物語が展開し始めます。
すべての終わりを目にしたとき、あなたは「謎の記号」の真の意味を知るでしょう。

とにかくオススメ。SF小説の枠にとどまらない傑作です。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.57
(5pt)

フィリップ・K・ディック賞受賞おめでとう

すでに国内では、第40回星雲賞日本長編部門と第30回日本SF大賞を受賞している本作『ハーモニー』。
今年の2011年4月23日には、アメリカのフィリップ・K・ディック賞の審査員特別賞も受賞しました。
日本のSF小説がアメリカの大きな賞を受賞するのは今回が初めてらしいです。すごいですねー。

ちなみにフィリップ・K・ディックとは、映画『ブレードランナー』の下敷きとなった名作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
の著者として有名なアメリカのSF作家です。
第一級のエンターテインメントでありながら、ごく自然に哲学的要素を織り交ぜた『ハーモニー』は、その神秘性、普遍性において
『アンドロイド〜』と相通じるものがあり、今回の受賞も納得でした。

少々クセのある文体で、しかも近未来めいた謎の記号がたびたび出てくるので、はじめはとっつきにくいかもしれませんが
主人公が幼馴染と再会するあたりから急速に物語が展開し始めます。
すべての終わりを目にしたとき、あなたは「謎の記号」の真の意味を知るでしょう。

とにかくオススメ。SF小説の枠にとどまらない傑作です。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X
No.56
(5pt)

無くしたもの探す物語

読むのは2度目。
1度目にはSFなどの意匠に目を奪われて気づかなかったのですが、実はシンプルな物語。
レイモンド・チャンドラーに代表されるような、無くしたもの探す物語。
見つけるのが目的とはいえ、見つけることがハッピーエンドには往々にしてならない。

人の意識の問題は常に物語につきまとう。
精神とは何か、人と神との関係は繰り返し用いられる。勿論未だに解決しないし、これからも解決しないからこそ魅力的なのだろう。

オーグ(拡現)の使い方は数十年以内に本当に実装されそうだ。
実装されている内容や生活様式はつきつめると人類はこうなるというリアリティを感じる。
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)より
415208992X
No.55
(5pt)

無くしたもの探す物語

読むのは2度目。
1度目にはSFなどの意匠に目を奪われて気づかなかったのですが、実はシンプルな物語。
レイモンド・チャンドラーに代表されるような、無くしたもの探す物語。
見つけるのが目的とはいえ、見つけることがハッピーエンドには往々にしてならない。

人の意識の問題は常に物語につきまとう。
精神とは何か、人と神との関係は繰り返し用いられる。勿論未だに解決しないし、これからも解決しないからこそ魅力的なのだろう。

オーグ(拡現)の使い方は数十年以内に本当に実装されそうだ。
実装されている内容や生活様式はつきつめると人類はこうなるというリアリティを感じる。
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)より
415031019X