孤独の発明

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孤独の発明の評価:

4.33/5点 レビュー 21件。 A ランク

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平均点4.33pt

Amazonレビュー一覧

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全32件 21〜32 2/2ページ
No.12
(5pt)

父への思い

いまさらという感じもするが、最近、改めてポール・オースターを読み直している。

この『孤独の発明』は、二部構成となっていて、一部は亡くなった父親、二部は祖父や息子といった、父の子に対する思い、子の父に対する思いといったものが描かれている。

以前読んだ時よりも、自分が父親をなくしたせいか、オースターの言葉が心に沁みる。特に、彼の少年時代の野球の思い出など、自分の父親との思い出にダブり、切なくなる。
孤独の発明 Amazon書評・レビュー: 孤独の発明より
410521702X
No.11
(5pt)

父への思い

いまさらという感じもするが、最近、改めてポール・オースターを読み直している。

この『孤独の発明』は、二部構成となっていて、一部は亡くなった父親、二部は祖父や息子といった、父の子に対する思い、子の父に対する思いといったものが描かれている。

以前読んだ時よりも、自分が父親をなくしたせいか、オースターの言葉が心に沁みる。特に、彼の少年時代の野球の思い出など、自分の父親との思い出にダブり、切なくなる。
孤独の発明 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 孤独の発明 (新潮文庫)より
410245103X
No.10
(5pt)

奇跡の作品:生きることは言葉を紡ぐこと

オースターが自身をモデルとして、実体験を踏まえながら纏めた作品。小説とも随筆とも評論とも分類できるユニークな文章なのだが、この分類不可能なスタイルは大変刺激的だ。

 内容的には、その後繰り返し彼が書くことになる「奇跡のような偶然の話」や「書くということの孤独」、記憶を巡る哲学的考察に、四代に渡る「父と息子」の話が折り重なっていくという重層的な構図になっているが、そういった一見バラバラのモチーフが静かな考察を通じて一つの結晶を作り輝いていく様は知的にスリリングであり、かつ感動的でもある。

 驚くべきことに、この作品はニューヨーク三部作よりも前、事実上の長編散文デビュー作である。このようなスタイルでもう一度書くことは最早オースター自身でも不可能ではないかと思われるがゆえに、色んな意味で「奇跡の作品」と呼びたい。
孤独の発明 Amazon書評・レビュー: 孤独の発明より
410521702X
No.9
(5pt)

奇跡の作品:生きることは言葉を紡ぐこと

オースターが自身をモデルとして、実体験を踏まえながら纏めた作品。小説とも随筆とも評論とも分類できるユニークな文章なのだが、この分類不可能なスタイルは大変刺激的だ。

 内容的には、その後繰り返し彼が書くことになる「奇跡のような偶然の話」や「書くということの孤独」、記憶を巡る哲学的考察に、四代に渡る「父と息子」の話が折り重なっていくという重層的な構図になっているが、そういった一見バラバラのモチーフが静かな考察を通じて一つの結晶を作り輝いていく様は知的にスリリングであり、かつ感動的でもある。

 驚くべきことに、この作品はニューヨーク三部作よりも前、事実上の長編散文デビュー作である。このようなスタイルでもう一度書くことは最早オースター自身でも不可能ではないかと思われるがゆえに、色んな意味で「奇跡の作品」と呼びたい。
孤独の発明 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 孤独の発明 (新潮文庫)より
410245103X
No.8
(5pt)

哀しみの果てに

ポール・オースター作品の中でもすごく好きな本。心に棘のように刺さる文章。自分を愛してはくれなかった父親の真実の姿を見ようとする作品と、息子に残そうと様々な記憶を書いた作品の二作からなる本書は、痛みの産物だ。
ゴッホの手紙からの引用や、所々にある心を揺さぶる言葉たち。強い強い愛への渇望。作者のどの本にも見られる年上の男性へのある悲しいまでの感情の謎がこの本で解けた。すごい本に出会ってしまった。

心の傷口から今も鮮血が流れ続ける全ての方におすすめだ。
孤独の発明 Amazon書評・レビュー: 孤独の発明より
410521702X
No.7
(5pt)

哀しみの果てに

ポール・オースター作品の中でもすごく好きな本。心に棘のように刺さる文章。自分を愛してはくれなかった父親の真実の姿を見ようとする作品と、息子に残そうと様々な記憶を書いた作品の二作からなる本書は、痛みの産物だ。
ゴッホの手紙からの引用や、所々にある心を揺さぶる言葉たち。強い強い愛への渇望。作者のどの本にも見られる年上の男性へのある悲しいまでの感情の謎がこの本で解けた。すごい本に出会ってしまった。

心の傷口から今も鮮血が流れ続ける全ての方におすすめだ。
孤独の発明 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 孤独の発明 (新潮文庫)より
410245103X
No.6
(5pt)

決して、決して

決して初めてオースターに触れる人にはお勧めしない。ニューヨーク三部作でも読んでからのほうがいいだろう。

 あまりに詩的で、物語、語ることの意味を物理的、そして精神的密室の中で延々と語る姿はある種狂気じみていて、でも、だからこそ小説家が取るべきスタンスだ。

 自伝ぽいけれど自伝じゃない。これは小説だ。極めて哲学的で思考的で、一文たりとも読み逃せないので、読むのに非常に時間がかかったりするのだが、その文体の端々から伝わる孤独っぷりがすごい。

 天才。
孤独の発明 Amazon書評・レビュー: 孤独の発明より
410521702X
No.5
(5pt)

決して、決して

決して初めてオースターに触れる人にはお勧めしない。ニューヨーク三部作でも読んでからのほうがいいだろう。

 あまりに詩的で、物語、語ることの意味を物理的、そして精神的密室の中で延々と語る姿はある種狂気じみていて、でも、だからこそ小説家が取るべきスタンスだ。

 自伝ぽいけれど自伝じゃない。これは小説だ。極めて哲学的で思考的で、一文たりとも読み逃せないので、読むのに非常に時間がかかったりするのだが、その文体の端々から伝わる孤独っぷりがすごい。

 天才。
孤独の発明 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 孤独の発明 (新潮文庫)より
410245103X
No.4
(5pt)

無に捧げられる祈りの書

ここに描かれているのは、父親を慕う息子の哀しみといってよいもので、見えない父親は、同時に、作家自身のことであり、またこの血縁を呪う宿命的な遺伝子だといってもいいものです。息子は父親を一向に捕えることができない。父は死んでしまった。しかし、このとき皮肉にも、いつしか父親となった息子は見えない父親に肉迫している自分に気づく。 オースターの著作は時折センチメンタルに流されすぎていると批判されますが、この処女小説は、その郷愁にまるごとどっぷりと浸ることでしか描けない、まったく稀有な作品だと僕は思います。
 確かに作品は中途半端な印象が拭い難いです。引用も多く、散文詩的な形式のためか、常軌の小説や物語とは作風が異なり、いささか読みにくい。でも、この剥き出しの感情の整理のされなさこそが、この初々しい小説の魅力だと思います。 自分が父親の息子であるという自覚と、自分が息子の父親であるという自覚。この乖離が、時を経て円環のように死と現実の間で接続されたとき、彼らは本当の親子となり、真の「孤独」が発明され、作家ポール・オースターは誕生した。 感動的な作品とは、まったく不意打ちに、手垢に塗れた知識や、見慣れた美しさとは違ったところから、突如現れてくるものです。
 僕にとってはとても大切な作品で、何度も読んでます。
孤独の発明 Amazon書評・レビュー: 孤独の発明より
410521702X
No.3
(5pt)

無に捧げられる祈りの書

ここに描かれているのは、父親を慕う息子の哀しみといってよいもので、見えない父親は、同時に、作家自身のことであり、またこの血縁を呪う宿命的な遺伝子だといってもいいものです。息子は父親を一向に捕えることができない。父は死んでしまった。しかし、このとき皮肉にも、いつしか父親となった息子は見えない父親に肉迫している自分に気づく。 オースターの著作は時折センチメンタルに流されすぎていると批判されますが、この処女小説は、その郷愁にまるごとどっぷりと浸ることでしか描けない、まったく稀有な作品だと僕は思います。
 確かに作品は中途半端な印象が拭い難いです。引用も多く、散文詩的な形式のためか、常軌の小説や物語とは作風が異なり、いささか読みにくい。でも、この剥き出しの感情の整理のされなさこそが、この初々しい小説の魅力だと思います。 自分が父親の息子であるという自覚と、自分が息子の父親であるという自覚。この乖離が、時を経て円環のように死と現実の間で接続されたとき、彼らは本当の親子となり、真の「孤独」が発明され、作家ポール・オースターは誕生した。 感動的な作品とは、まったく不意打ちに、手垢に塗れた知識や、見慣れた美しさとは違ったところから、突如現れてくるものです。
 僕にとってはとても大切な作品で、何度も読んでます。
孤独の発明 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 孤独の発明 (新潮文庫)より
410245103X
No.2
(5pt)

書くことと生きること

これは書くことに目ざめた作家の告白であり、緊張に満ちたオースターの詩的な最高傑作だ。カフカの日記やブランショの批評などと並べることができるほど、ここでオースターは書くこととの意味とその謎について問い続ける。その一行一行が思索に満ちており、熟読を要請するだろう。 書き手は父親の死を契機に、死と自分が書くことを結びつけて考えていく。父親の記憶と、今は父親になっている自分、そして自分の子供。この書物を書くことによって、作者自身が父親の死を体験することになるのだが、そうすることによって父親は新たに生きはじめることになる。喪の作業の見事な記録となっている。 第二部の「記憶の書」がこの本の中心となる。なぜ記憶と書くことなのだろうか。書くことにおいてこそ、わたしたちの無限の記憶がかかわってくるからだ。過去はその全体がこの現在と共存している。その潜在的に共存している過去と特権的にかかわる仕方が書くことに他ならない。そしてそれは間違いなく、いくつもの生を同時に生きることになるだろう。文学的評論としてももっと読まれるべき作品。
孤独の発明 Amazon書評・レビュー: 孤独の発明より
410521702X
No.1
(5pt)

書くことと生きること

これは書くことに目ざめた作家の告白であり、緊張に満ちたオースターの詩的な最高傑作だ。カフカの日記やブランショの批評などと並べることができるほど、ここでオースターは書くこととの意味とその謎について問い続ける。その一行一行が思索に満ちており、熟読を要請するだろう。 書き手は父親の死を契機に、死と自分が書くことを結びつけて考えていく。父親の記憶と、今は父親になっている自分、そして自分の子供。この書物を書くことによって、作者自身が父親の死を体験することになるのだが、そうすることによって父親は新たに生きはじめることになる。喪の作業の見事な記録となっている。 第二部の「記憶の書」がこの本の中心となる。なぜ記憶と書くことなのだろうか。書くことにおいてこそ、わたしたちの無限の記憶がかかわってくるからだ。過去はその全体がこの現在と共存している。その潜在的に共存している過去と特権的にかかわる仕方が書くことに他ならない。そしてそれは間違いなく、いくつもの生を同時に生きることになるだろう。文学的評論としてももっと読まれるべき作品。
孤独の発明 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 孤独の発明 (新潮文庫)より
410245103X