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宿命 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京
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【この小説が収録されている参考書籍】
宿命 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 21~31 2/2ページ
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学生運動、団塊の世代、というフレーズに惹かれて読んでみたが、深みが無くてがっかりだった。特に学生運動を経験したものとしては、女性が「オルグのため」に性的魅力を利用した、という決め付けが随所に出てくるのにはあきれた。これでは当時の右翼・権力者と同じではないか。著者は何の根拠があって彼女達を侮辱するような描き方をしたのだろうか。 また、学生運動をした者が、世を忍んで生きているかのように描いているが、実際には学生運動をした者をはじいてしまったら、世の中が回らないほど多くの学生が係ったのであり、現に官僚の中にも、公務員、教師、学者、あらゆるところに彼らは存在している。 (にもかかわらず、世の中がかわらない、という問題は確かに別の問題としてある) 世代が違うということの限界かもしれないが、あまりうまく描けているとは思えない。 まあ、筋書きが主たる大衆小説だから、という程度なら、単行本でよむほどでもない。 文庫本で読めばじゅうぶんです。 | ||||
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人物設定や科白が陳腐というのは、他の皆さんご指摘の通り。 新聞広告や帯に「日本の上流階級の実像をあらわに描く、壮大なるドラマ!」と謳い文句がありますが、民放で時々やってる‘セレブの生活特集’みたいな安っぽさ。例えば、尚子さんの言葉遣いには、背伸びしてお嬢様っぽさを気取ってみてもお里が知れちゃうわよねぇ、みたいな部分が見受けられ失笑しましたし(勿論、尚子さんがいけないのではありません。作者の所為です!)、登場人物にワインを飲ませたり語らせておけば上流階級が描けるかといったら、当然違います。 まあ、そういった安易な手法に感じられたり、違和感を覚えたところを列挙するのは、面倒臭いので省きますが、この小説の根幹部分を成す親子関係の問題で、「何故、さっさとDNA鑑定をしないの?」と、苛々させられて、精神衛生上悪かったです。 (三奈はテキパキと仕事をこなす出来る女性のようなのに、実はバカ? バカだから学生運動なんかにのめり込み、今度は一転、金と権力の亡者になったという人物設定でしょうかねぇ? 何故DNA鑑定を直ぐしなかったのか、もっと仕掛けが欲しかったと思います。) 次作では、読者を巧く騙して下さい。 | ||||
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東大紛争、大蔵省キャリアの生態、政治家、権力、政略結婚すべてが類型的かつ陳腐に描かれている。 作者は何を訴えたいのか。 ワインの薀蓄を語りたいのなら、こんな舞台仕掛けは不要だ。 | ||||
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楡周平の本は毎回チェックしています。デビュー作「Cの福音」は素人くささもあったが 斬新で面白かった。でもその後が、ごった煮のような何でも詰め込み型の小説が多い。 色々な料理を織り込んだコースメニューを出してくれるけど、味がそれぞれいまいち 洗練されてない料理屋みたい。 出会い頭にヒットが出たデビュー後、伸び悩んでいるという印象。本作もその一つ。 タイトル見て面白そうで、書店でパラパラ見たが、またぞろ詰め込みのごった煮。 単行本で買うほどはなく、文庫が出たら暇つぶしに読んでみたいというレベルですね。 | ||||
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navyfrog993さんに、まったく同感です。二名の某評論家がベタ褒めだったので、あまり考えずに上下二冊を買ってしまい。最初の数ページでがっかりしてしまいました。普通、自分の置かれている状況を家族に説明するでしょうか?「お兄さまは国家の中枢をになう存在になり……」等々、いちいち説明されてしまうと、失笑するしかありません。何だがロボットのような家族です。そういうことを登場人物の行動や心理描写でなどで、読者に自然にわからせるのが小説ではないでしょうか。からくり人形のような登場人物では、いくらストーリーが面白くても、物語に入っていけず、緊張感や緊迫感がまるで味わえません。せっかくの舞台設定が台無しになり、残念でなりません。話としては面白いのになぁ。 | ||||
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政界の話には興味が無いが、学生運動を経験した過去と織り交ぜ親子の欲望が蠢くので、上巻を手が止まることなく一気に読めた。 学生運動でセクトに属していた女子学生三奈と苦学生だった眞一郎の2人がキイワードで 親子二代に渡る権力の欲がどう渦巻いていくのか気になって下巻がすぐ読みたくなる。 個人的には東大医学部卒でありながら学生運動で安田講堂に立てこもり服役までした鷲津が気になって仕方がなかった。 | ||||
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権力に魅せられた人間の策略が交差する下巻は、多少三奈の行動に辟易するものの一気に読ませる。 食うか食われるかの攻防線で、最後に笑う人間が見たくなる己の浅ましさをも突きつけられたような気もした。 弱肉強食の世界で、隙を見せてしまう恐ろしさを、切り捨てられそうな男の暗示で物語は終わる。 唯一上巻から気になっていた鷲津が、 飾りのようだったようで引っかかりを感じた。 | ||||
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いったいこの著者はいくつの引き出しを持っているのだろう。犯罪小説でデビューし、国際謀略物を書いたかと思えば、経済小説を書き、今度は一転して骨太の社会派エンターテインメントである。これまでの著者の傾向とは少しばかり傾向が違う内容に、最初はどんなものかと思いながら読み始めたのだが、すぐに引き込まれ、最後まで一気に読んだ。東大紛争を起点にして三十年の時を経て突如降りかかる皮肉な運命。人間の変節。何よりも、権力の魔力に取り憑かれた人間たちの生き様を見事に活写している。これまでの著者の作品は、予定調和調というか、安心して最後まで読めるものが多かったように思うが、この作品は違う。読むにつれ次の展開が裏切られ、予想もしなかった方向へと進んで行き、それがまたページを捲る手を休ませない。最近では、身の回りの些細なことや、殺人事件、警察と同じような世界を題材とした小説が多くなって、食い足りないものを感じていたが、久々に大人の小説を読んだ満足感を味わえた。 | ||||
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政治の世界、そして権力の魔力に取り付かれた政治家の異常さが生々しく書かれている。地盤や派閥を引き継ぐこと、政治家と官僚の関係などで、2世/3世議員が増える理由がわかる。 また、いろいろなことが身の上に起こるエリート大蔵官僚のことも興味深い。「・・・・・(母の)三奈は、(エリート官僚の)息子 崇の弱点を見たような気がした。幼いころから、失敗や挫折というものを経験したことがない崇にとって今回のトラブルは初めて直面する危機であろう。・・・・・」 こんなのがエリートなら、日本も安泰ではないな、と感じる。 ちなみに、否決された日銀総裁候補の武藤氏、福田首相はこの人しか適任者がいない、と言っていたが、政治家との調整が上手な、バリバリのDomesticな官僚だそうな。 上巻である方がレビューで書いていたが、ワインの話題が多すぎるなど、ややワンパターンに感じる部分もあり、残念。DNA鑑定や違法薬の米国からの個人輸入など話題が豊富だが。 | ||||
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革命を信じて、安田講堂攻防戦に参加し、その本質が革命ごっこに過ぎないことに気付き絶望したにもかかわらず逮捕され、完黙で釈放された女性活動家と。 彼女と偶然知り合った、貧乏な、でも優秀な学生。貧窮から身を起こし、学生運動に目もくれず、権力を目指し大蔵官僚から与党の政調会長まで登り詰めた野心溢れる男性が。 その息子と娘を軸にして、当時とは全く違った身分で運命の再会をし、お互い権力の頂点を目指す、というプロットで。 新聞の広告を見たとたんに、注文してしまったのだが。 読後感はというと。 うーん。微妙。 まず、最初の数十ページの台詞回しが下手すぎて。 上下巻を買ったというのに、上巻の初めで挫折しそうになった。 というのも。当初の登場人物の描写にあたり。 登場人物に様々な過去の歴史や事件、野望を語らせるのだが。 やたらと台詞が、説明的なのだ。 30年以上連れ添った夫婦が、就寝前に交わす会話で。 そこまで細かく雄弁に、お互いの忘れたい過去を語ったりはしまい。 7、8年も大蔵官僚をやってきた人物が。 正月に家族に向かって改めて官僚の立ち居振る舞いを説明したり、しまい。 もうちょっと上手い、小説の書き方があってもよかろう。 「取材の緻密さで定評のある」、との触れ込みだったが。 私の仕事と関係する部分が、物語の重要な部分をなしているのだが。 うーん、現場を知る人間からすると、ちょっとリアリティがないんだよね…。 あと、学生運動華やかりし頃に出会った二人は。 30年余を経て、日本の上流階級となっている、という設定で。 やたらと高級品、とくにワインの描写が出てくるのだが。 高級なシャンパンのコルクを抜くシーンが何度もあり。 「シルクのような」という描写が、何度も出てきて興ざめ。 とはいえ、下巻になると、ストーリーが綺麗に廻りはじめて。 ぐいぐい引き込まれ、先へ先へと読みたくなるのだが。 なーんか中途半端で消化不良のまま、終わってしまう。 ずっと我慢して読んだわけではなく、途中で先がもどかしくなったのだが。 しかし。 上下巻合わせて、700ページを終わらせて。 その終わり方は、ちょっと…。 | ||||
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東大法学部/医学部、東大安田講堂事件、大蔵省キャリア、米国留学、私立の大病院の経営者、政治家、閨閥結婚、女の恨み、などなど通常わからない世界。楡氏は、詳細に調べ、また自身の経験も反映しているようで、それらが非常にリアルに書かれている。 主人公の経歴は、開成中/高 → 東大法学部 → 大蔵省キャリア。 実に、タイムリーであるが、参院で否決された日銀総裁候補だった武藤氏が、まさにこのルート。 大蔵省キャリアが、どのように生まれ、考え、育っていくのかが、この小説を通して何となく分かり、面白いだけでなく、ためになる。 | ||||
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