(短編集)

春、バーニーズで

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評判

春、バーニーズでの評価:

3.91/5点 レビュー 34件。 C ランク

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平均点3.91pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全66件 21〜40 2/4ページ
No.46
(5pt)

とても好きな作品。

映画を観てとてもよかったので原作も読みたくなり購入。映画が原作の世界観をそのままに作られていることを確認できた。原作は、どこか読み手を突き放すような乾いた文体の中に、胸がヒリヒリするようなフレーズが溶け込んでいる。この感じ、すごく好き。間に挟み込まれた写真も気分を盛り上げる。この作品を読んで吉田修一さんの他の著作も気になり、次々読み始めているところ。でもいまのところ、バーニーズを超える作品はない。
春、バーニーズで (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズで (文春文庫)より
4167665042
No.45
(5pt)

傑作

同氏の小説「最後の息子」の続編。
結婚し、子供をもった30代男性の日常を上手く描いている。
吉田修一の作品のほとんどに言えることだが、リアリティに富み、主人公が身近に感じられ、作品に入り込んでしまう。
「最後の息子」を読んだ人には、是非とも読んでいただきたい。
春、バーニーズで Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズでより
4163234802
No.44
(5pt)

傑作

同氏の小説「最後の息子」の続編。
結婚し、子供をもった30代男性の日常を上手く描いている。
吉田修一の作品のほとんどに言えることだが、リアリティに富み、主人公が身近に感じられ、作品に入り込んでしまう。
「最後の息子」を読んだ人には、是非とも読んでいただきたい。
春、バーニーズで: 2 (最後の息子) Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズで: 2 (最後の息子)より
B009DEDGZU
No.43
(5pt)

傑作

同氏の小説「最後の息子」の続編。
結婚し、子供をもった30代男性の日常を上手く描いている。
吉田修一の作品のほとんどに言えることだが、リアリティに富み、主人公が身近に感じられ、作品に入り込んでしまう。
「最後の息子」を読んだ人には、是非とも読んでいただきたい。
春、バーニーズで (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズで (文春文庫)より
4167665042
No.42
(4pt)

短編小説の醍醐味を味わうことができます。

読後は、期待していたような内容とのあまりのギャップに拍子抜けしました。でも、その後じわじわと主人公の気持ちに共感できるようになっていきました。誰もが持っているであろう、自分を「大人」にしてくれた出会い。短編だからこそ解釈は読み手に委ねられ、短編小説の醍醐味を存分に味わうことができました。

短編小説は少ない情報量で読者を物語の世界へと誘わなければならず、長編小説よりはるかに難しいと言われます。それだけに、タイトルも重要な要素。この作品は、「春」「バーニーズ」という一部の人なら確実に胸がときめくであろう記号を巧みに盛り込んだことで、勝負ありです。広告のキャッチコピーのように一瞬で読者を射抜く、優れたタイトルだと思います。
春、バーニーズで Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズでより
4163234802
No.41
(4pt)

短編小説の醍醐味を味わうことができます。

読後は、期待していたような内容とのあまりのギャップに拍子抜けしました。でも、その後じわじわと主人公の気持ちに共感できるようになっていきました。誰もが持っているであろう、自分を「大人」にしてくれた出会い。短編だからこそ解釈は読み手に委ねられ、短編小説の醍醐味を存分に味わうことができました。

短編小説は少ない情報量で読者を物語の世界へと誘わなければならず、長編小説よりはるかに難しいと言われます。それだけに、タイトルも重要な要素。この作品は、「春」「バーニーズ」という一部の人なら確実に胸がときめくであろう記号を巧みに盛り込んだことで、勝負ありです。広告のキャッチコピーのように一瞬で読者を射抜く、優れたタイトルだと思います。
春、バーニーズで: 2 (最後の息子) Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズで: 2 (最後の息子)より
B009DEDGZU
No.40
(4pt)

短編小説の醍醐味を味わうことができます。

読後は、期待していたような内容とのあまりのギャップに拍子抜けしました。でも、その後じわじわと主人公の気持ちに共感できるようになっていきました。誰もが持っているであろう、自分を「大人」にしてくれた出会い。短編だからこそ解釈は読み手に委ねられ、短編小説の醍醐味を存分に味わうことができました。

短編小説は少ない情報量で読者を物語の世界へと誘わなければならず、長編小説よりはるかに難しいと言われます。それだけに、タイトルも重要な要素。この作品は、「春」「バーニーズ」という一部の人なら確実に胸がときめくであろう記号を巧みに盛り込んだことで、勝負ありです。広告のキャッチコピーのように一瞬で読者を射抜く、優れたタイトルだと思います。
春、バーニーズで (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズで (文春文庫)より
4167665042
No.39
(4pt)

ふっと思いよぎる瞬間

青年時代を通り抜けて、何気ない毎日に埋没しつつある夫婦の一瞬を切り取る。

買い物に出かけたデパートで気づく視線。その先にあるのは20代を一緒に過ごした人がいる。
その過去に懐かしさを覚えながらも今の自分とは相容れないことも感じている。

主人公夫婦の過去を少しずつ垣間見せながら、
今の日常生活がふっと崩れる瞬間を切り取っている。
春、バーニーズで Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズでより
4163234802
No.38
(4pt)

ふっと思いよぎる瞬間

青年時代を通り抜けて、何気ない毎日に埋没しつつある夫婦の一瞬を切り取る。

買い物に出かけたデパートで気づく視線。その先にあるのは20代を一緒に過ごした人がいる。
その過去に懐かしさを覚えながらも今の自分とは相容れないことも感じている。

主人公夫婦の過去を少しずつ垣間見せながら、
今の日常生活がふっと崩れる瞬間を切り取っている。
春、バーニーズで: 2 (最後の息子) Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズで: 2 (最後の息子)より
B009DEDGZU
No.37
(4pt)

ふっと思いよぎる瞬間

青年時代を通り抜けて、何気ない毎日に埋没しつつある夫婦の一瞬を切り取る。

買い物に出かけたデパートで気づく視線。その先にあるのは20代を一緒に過ごした人がいる。
その過去に懐かしさを覚えながらも今の自分とは相容れないことも感じている。

主人公夫婦の過去を少しずつ垣間見せながら、
今の日常生活がふっと崩れる瞬間を切り取っている。
春、バーニーズで (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズで (文春文庫)より
4167665042
No.36
(5pt)

優等な読後感

吉田修一さんの文というのは変に癖がなく、シンプルで読みやすい。読みやすいが故に、自分の中にすっと、登場人物たちの感情が入り込んでくる。

『春、バーニーズで』の最大の特徴は、その文字(言葉)の巧みな少なさではないだろうか。
夜、例えば夕食をとってしばらく、ふと何か本が読みたくなり、本屋へ足を運ぶとしよう。そこで手に取る作品。選定基準は、ざっとページを手繰ってみて、就寝までにさっくりと読みきってしまえること。

本書を構成する5つの短篇のうち、「パーキングエリア」までは連作として扱って良いかと思われる。
表題作「春、バーニーズで」、「パパが電車をおりるころ」、「夫婦の悪戯」と読み進めてきての「パーキングエリア」。この小説の最大の読みどころである。小説の雰囲気を象徴するシンプルな黒いカバー、そしてそれを包み込む藤色の帯。その帯の裏表紙側には『ふとしたはずみに、もうひとつの時間へ』とコピーが打ってあるが、主人公筒井はこの「パーキングエリア」で、『ふとしたはずみ』でもって『もうひとつの時間』へと流されてしまう。日中、周囲の心配に抗い一切の連絡を絶つ筒井。夕方、筒井は妻瞳にとあるホテルからその日の行動を詫びるのだが、そこでの瞳の返答『「……あ、文樹がね、今日幼稚園できゅうり食べたって」』には吉田修一さんの巧さを痛感させられることだろう。まるで頓珍漢なこの科白ひとつで前章までに描かれてきた筒井夫妻の日常があふれるような気がした。
逆接助詞を比較的使うのが唯一吉田修一さんの癖らしい癖だと私は思うが、「……だが、……」や「……。ただ、……」を使う効果は、この小説の読後に訪れる心が均されたような切なさに顕れているのではなかろうか。いや、「パーキングエリア」の後、一人称で描かれる独立したリリカルな短篇「楽園(Paradis)」への雰囲気作りともとれるだろうか。何れにせよ、小説の空気は最後まで乱れることがない。
すばらしい。
それから最後に。例の藤色の帯には表側に『小説を、贈る。』とある。私が誰かに本をプレゼントするとしたら間違いなく、本書を最有力候補とするだろう。
春、バーニーズで Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズでより
4163234802
No.35
(5pt)

優等な読後感

吉田修一さんの文というのは変に癖がなく、シンプルで読みやすい。読みやすいが故に、自分の中にすっと、登場人物たちの感情が入り込んでくる。

『春、バーニーズで』の最大の特徴は、その文字(言葉)の巧みな少なさではないだろうか。
夜、例えば夕食をとってしばらく、ふと何か本が読みたくなり、本屋へ足を運ぶとしよう。そこで手に取る作品。選定基準は、ざっとページを手繰ってみて、就寝までにさっくりと読みきってしまえること。

本書を構成する5つの短篇のうち、「パーキングエリア」までは連作として扱って良いかと思われる。
表題作「春、バーニーズで」、「パパが電車をおりるころ」、「夫婦の悪戯」と読み進めてきての「パーキングエリア」。この小説の最大の読みどころである。小説の雰囲気を象徴するシンプルな黒いカバー、そしてそれを包み込む藤色の帯。その帯の裏表紙側には『ふとしたはずみに、もうひとつの時間へ』とコピーが打ってあるが、主人公筒井はこの「パーキングエリア」で、『ふとしたはずみ』でもって『もうひとつの時間』へと流されてしまう。日中、周囲の心配に抗い一切の連絡を絶つ筒井。夕方、筒井は妻瞳にとあるホテルからその日の行動を詫びるのだが、そこでの瞳の返答『「……あ、文樹がね、今日幼稚園できゅうり食べたって」』には吉田修一さんの巧さを痛感させられることだろう。まるで頓珍漢なこの科白ひとつで前章までに描かれてきた筒井夫妻の日常があふれるような気がした。
逆接助詞を比較的使うのが唯一吉田修一さんの癖らしい癖だと私は思うが、「……だが、……」や「……。ただ、……」を使う効果は、この小説の読後に訪れる心が均されたような切なさに顕れているのではなかろうか。いや、「パーキングエリア」の後、一人称で描かれる独立したリリカルな短篇「楽園(Paradis)」への雰囲気作りともとれるだろうか。何れにせよ、小説の空気は最後まで乱れることがない。
すばらしい。
それから最後に。例の藤色の帯には表側に『小説を、贈る。』とある。私が誰かに本をプレゼントするとしたら間違いなく、本書を最有力候補とするだろう。
春、バーニーズで: 2 (最後の息子) Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズで: 2 (最後の息子)より
B009DEDGZU
No.34
(5pt)

優等な読後感

吉田修一さんの文というのは変に癖がなく、シンプルで読みやすい。読みやすいが故に、自分の中にすっと、登場人物たちの感情が入り込んでくる。

『春、バーニーズで』の最大の特徴は、その文字(言葉)の巧みな少なさではないだろうか。
夜、例えば夕食をとってしばらく、ふと何か本が読みたくなり、本屋へ足を運ぶとしよう。そこで手に取る作品。選定基準は、ざっとページを手繰ってみて、就寝までにさっくりと読みきってしまえること。

本書を構成する5つの短篇のうち、「パーキングエリア」までは連作として扱って良いかと思われる。
表題作「春、バーニーズで」、「パパが電車をおりるころ」、「夫婦の悪戯」と読み進めてきての「パーキングエリア」。この小説の最大の読みどころである。小説の雰囲気を象徴するシンプルな黒いカバー、そしてそれを包み込む藤色の帯。その帯の裏表紙側には『ふとしたはずみに、もうひとつの時間へ』とコピーが打ってあるが、主人公筒井はこの「パーキングエリア」で、『ふとしたはずみ』でもって『もうひとつの時間』へと流されてしまう。日中、周囲の心配に抗い一切の連絡を絶つ筒井。夕方、筒井は妻瞳にとあるホテルからその日の行動を詫びるのだが、そこでの瞳の返答『「……あ、文樹がね、今日幼稚園できゅうり食べたって」』には吉田修一さんの巧さを痛感させられることだろう。まるで頓珍漢なこの科白ひとつで前章までに描かれてきた筒井夫妻の日常があふれるような気がした。
逆接助詞を比較的使うのが唯一吉田修一さんの癖らしい癖だと私は思うが、「……だが、……」や「……。ただ、……」を使う効果は、この小説の読後に訪れる心が均されたような切なさに顕れているのではなかろうか。いや、「パーキングエリア」の後、一人称で描かれる独立したリリカルな短篇「楽園(Paradis)」への雰囲気作りともとれるだろうか。何れにせよ、小説の空気は最後まで乱れることがない。
すばらしい。
それから最後に。例の藤色の帯には表側に『小説を、贈る。』とある。私が誰かに本をプレゼントするとしたら間違いなく、本書を最有力候補とするだろう。
春、バーニーズで (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズで (文春文庫)より
4167665042
No.33
(4pt)

吉田修一らしい!

きっと読み終わった後、不思議なすがすがしさと、
「結局何が言いたかったんだろう」という感情を抱くと思います!
でもそれが吉田さんの良いところなんです(^。^)!
人物の描写もうまいし、共感できる点も多いです。
最終章は特に、主人公さえも誰なんだろうと思ってしまう
と思いますが、それは個人の考え一つなんだと思います^^
読後に奇妙な感情をもたらしてくれる本です!

ぜひ読んでみてください!
春、バーニーズで Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズでより
4163234802
No.32
(4pt)

吉田修一らしい!

きっと読み終わった後、不思議なすがすがしさと、
「結局何が言いたかったんだろう」という感情を抱くと思います!
でもそれが吉田さんの良いところなんです(^。^)!
人物の描写もうまいし、共感できる点も多いです。
最終章は特に、主人公さえも誰なんだろうと思ってしまう
と思いますが、それは個人の考え一つなんだと思います^^
読後に奇妙な感情をもたらしてくれる本です!

ぜひ読んでみてください!
春、バーニーズで: 2 (最後の息子) Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズで: 2 (最後の息子)より
B009DEDGZU
No.31
(4pt)

吉田修一らしい!

きっと読み終わった後、不思議なすがすがしさと、
「結局何が言いたかったんだろう」という感情を抱くと思います!
でもそれが吉田さんの良いところなんです(^。^)!
人物の描写もうまいし、共感できる点も多いです。
最終章は特に、主人公さえも誰なんだろうと思ってしまう
と思いますが、それは個人の考え一つなんだと思います^^
読後に奇妙な感情をもたらしてくれる本です!

ぜひ読んでみてください!
春、バーニーズで (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズで (文春文庫)より
4167665042
No.30
(5pt)

理想の生活

本当にふとした瞬間に全てのことから開放されたくなるときがある。決して辛いことが多いとか、嫌な人がいるとか、そういうことではない。何気ない生活の一瞬にそれはやってくる。

自分が理想だと思っている生活、他人が理想だと思っている生活、自分が理想だと思い込もうとしている生活。自分の求めている姿が自分にも分からないから、全てを投げ出したくなる。

相手の心の中を完全に読むことが出来ない以上、相手への負い目は拭い去ることは出来ない。相手が負い目だと思っていることを、自分が気にしていないことを伝えられないもどかしさ。払拭しきれない、証明することが出来ない誤解。

「楽園」に出てくる女性は誰なのか。昔同棲していたオカマか、昔付き合っていた女性か、瞳か。それとも全く関係の無い一話なのか。著者が意図していた相手が誰だとしても、結末には変わりはない。

主人公の選んだ道。たとえ何があったとしても、最後に残っているものはそれだけ。
春、バーニーズで Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズでより
4163234802
No.29
(5pt)

理想の生活

本当にふとした瞬間に全てのことから開放されたくなるときがある。決して辛いことが多いとか、嫌な人がいるとか、そういうことではない。何気ない生活の一瞬にそれはやってくる。

自分が理想だと思っている生活、他人が理想だと思っている生活、自分が理想だと思い込もうとしている生活。自分の求めている姿が自分にも分からないから、全てを投げ出したくなる。

相手の心の中を完全に読むことが出来ない以上、相手への負い目は拭い去ることは出来ない。相手が負い目だと思っていることを、自分が気にしていないことを伝えられないもどかしさ。払拭しきれない、証明することが出来ない誤解。

「楽園」に出てくる女性は誰なのか。昔同棲していたオカマか、昔付き合っていた女性か、瞳か。それとも全く関係の無い一話なのか。著者が意図していた相手が誰だとしても、結末には変わりはない。

主人公の選んだ道。たとえ何があったとしても、最後に残っているものはそれだけ。
春、バーニーズで: 2 (最後の息子) Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズで: 2 (最後の息子)より
B009DEDGZU
No.28
(5pt)

理想の生活

本当にふとした瞬間に全てのことから開放されたくなるときがある。決して辛いことが多いとか、嫌な人がいるとか、そういうことではない。何気ない生活の一瞬にそれはやってくる。

自分が理想だと思っている生活、他人が理想だと思っている生活、自分が理想だと思い込もうとしている生活。自分の求めている姿が自分にも分からないから、全てを投げ出したくなる。

相手の心の中を完全に読むことが出来ない以上、相手への負い目は拭い去ることは出来ない。相手が負い目だと思っていることを、自分が気にしていないことを伝えられないもどかしさ。払拭しきれない、証明することが出来ない誤解。

「楽園」に出てくる女性は誰なのか。昔同棲していたオカマか、昔付き合っていた女性か、瞳か。それとも全く関係の無い一話なのか。著者が意図していた相手が誰だとしても、結末には変わりはない。

主人公の選んだ道。たとえ何があったとしても、最後に残っているものはそれだけ。
春、バーニーズで (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズで (文春文庫)より
4167665042
No.27
(4pt)

派手さはありませんが思わず泣かされてしまいました

はじめは軽いノリで「うん、うん、それで?」という感じで読み進んでいましたが、ラスト近く(個人的には「パーキングエリア」の章)で泣かされました。いかにも吉田修一という感じです。主人公の小心者的心情(たとえば、「衝撃」的な行動の内実は意外に冷静なものであると思ってみたり、先輩の飲みをむげに断ってしまったが、あれでよかったのかと悩んでみたりする)に共感しているうちにストーリーに引き込まれてしまうのです。地方から東京に出てきたものの、都会の洗練さになじめきれなく、どこか土臭い。かといって地方の生活には戻れないような。何者かになろうと東京に出てきたものの、何者になれたわけでもなく、それでも現実と折り合いを付けて、それなりに東京で生きている。地方出身の東京人が読むと妙な親近感を覚えてしまうストーリーです。小説の形式は、「日曜日たち」系列ですが、「日曜~」より洗練されています。それゆえ、あえて4つ星にしました。うますぎるのですヨ。
春、バーニーズで Amazon書評・レビュー: 春、バーニーズでより
4163234802