■スポンサードリンク
陰陽師 天鼓ノ巻
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
陰陽師 天鼓ノ巻の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
我も参ぜんと、鼓を打った次第です。 天上のカミナリの子が。 べおむべおむ ほろろころろ てんてててん | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「では、明日にでもゆこうか」 「うむ」 「ゆこう」 「ゆこう」 晴明と博雅、二人の会話。屋敷の庭の風情。晴明の唱える呪に、博雅の笛、蝉丸の琵琶に誘われるように現出する鬼や神達。文字を追うこと数行のうちに、私もまたいつものようにその世界に深く入り込み、晴明と博雅が酌み交わす酒の匂いをかぎ、季節の移ろいを共にする。桜、菊。蜜虫が二人の杯に注ぐ酒の音すら聞こえてくるようだ。 回を重ねても、話の起承転結はあまり変わらない。それがいい。 安心して文字を追えばいい。いつもと変わらない晴明と博雅が、そこにいるから。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
陰陽師「安倍晴明」とその友「源博雅」が都の闇に挑むシリーズで,今回は8話の短編から成っています。 シリーズも巻を重ねていますが,基本的に話の展開の型は決まっています。 しかし,読み手にとっては,世の常ならざるものに出逢える歓びが,その‘ワンパターンさ’を補って余りあるのです。 今回の特色は,盲目の琵琶法師「蝉丸」にまつわる話が中核をなすことです。 「逆髪の女」で謎が解き明かされています。 このシリーズは「ミステリー」に分類することも可能だと思いますが,一般にミステリーを読む際は,往々にして犯人や結末を早く知りたくなる衝動に駆られます。 しかし,本シリーズでは,そのような衝動を感じることはあまりなく,むしろ,もっとあやかしの世界に浸っていたい気分になります。それは,かつては存在していたが現在は失われてしまった「闇」に対するある種の憧れからでしょうか。あるいは,清明と博雅の限りなく雅やかで,かつ深遠なやり取りの世界―これはもはや彼らの創り出した「結界」とも言うべきものではないでしょうか―に取り込まれてしまいたいという願望の表れでしょうか。 毎回,ゆったりした気分にさせてくれるシリーズです。 また,清明の屋敷の庭に繁る四季折々の草花も,個人的には楽しみな描写です。春先の清々しい花の香り,夏のむっとするような生命力に満ちた草いきれ,秋の露に濡れた草花から立ちこめるしっとりとした芳香―。 このような庭を愛でながらゆっくり酒を味わいたい,そんな気分にさせてくれることも本シリーズを読む楽しみの一つです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
春は桜あるいは藤の花が、秋には菊の花が咲き、匂う安倍晴明(あべのせいめい)の屋敷の庭。簀子(すのこ)の上に座した晴明と源 博雅(みなもとのひろまさ)が、酒を飲みながら言葉を交わすうちに、「ゆこう」「ゆこう」そういうことになって、平安の世の都の怪異に出会う話を収めた連作短篇集。『陰陽師 夜光杯ノ巻』以来となる、二年半ぶりのシリーズ最新刊。相変わらずのゆったりと雅やかで、ほろほろと親しみながら頁をめくってゆくことのできる心地よい空気感。もったいないけれど、あっという間に八つの収録作品を読んでしまいました。 今回は、盲目の琵琶法師、蝉丸(せみまる)が登場する作品が多かったですね。彼が弾く琵琶の音(ね)が、月明かりと花の香のあわいに嫋嫋(じょうじょう)と響く中、博雅の吹く葉二(はふたつ)の笛が、ほろりころりと和する調べの美しさ、合奏の酔い心地。何とも言えず、良いですねぇ。このふたりの妙音にもうひとりの楽器が絡んでトリオとなり、満月が冴え返る秋の天に三つの楽の音が溶け合い、響き合う作品に魅せられました。「霹靂神(はたたがみ)」の一篇。十頁ほどの掌編ですが、これ、よかったなあ。 初出掲載は、以下のとおり。 「瓶博士」「器(うつわ)」「紛い菩薩(まがいぼさつ)」「炎情観音」「霹靂神」「逆髪の女」「ものまね博雅」が、『オール讀物』の2008年2月号〜2009年6月号にかけての掲載。最後の「鏡童子(かがみどうじ)」が、『京都宵―異形コレクション (光文社文庫)』所収の作品。 これからも、ずっと続いていってほしいシリーズ。次の巻をまた、楽しみに待つことにしましょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
春は桜あるいは藤の花が、秋には菊の花が咲き、匂う安倍晴明(あべのせいめい)の屋敷の庭。簀子(すのこ)の上に座した晴明と源 博雅(みなもとのひろまさ)が、酒を飲みながら言葉を交わすうちに、「ゆこう」「ゆこう」そういうことになって、平安の世の都の怪異に出会う話を収めた連作短篇集。『陰陽師 夜光杯ノ巻』以来となる、二年半ぶりのシリーズ最新刊。相変わらずのゆったりと雅やかで、ほろほろと親しみながら頁をめくってゆくことのできる心地よい空気感。もったいないけれど、あっという間に八つの収録作品を読んでしまいました。 今回は、盲目の琵琶法師、蝉丸(せみまる)が登場する作品が多かったですね。彼が弾く琵琶の音(ね)が、月明かりと花の香のあわいに嫋嫋(じょうじょう)と響く中、博雅の吹く葉二(はふたつ)の笛が、ほろりころりと和する調べの美しさ、合奏の酔い心地。何とも言えず、良いですねぇ。このふたりの妙音にもうひとりの楽器が絡んでトリオとなり、満月が冴え返る秋の天に三つの楽の音が溶け合い、響き合う作品に魅せられました。「霹靂神(はたたがみ)」の一篇。十頁ほどの掌編ですが、これ、よかったなあ。 初出掲載は、以下のとおり。 「瓶博士」「器(うつわ)」「紛い菩薩(まがいぼさつ)」「炎情観音」「霹靂神」「逆髪の女」「ものまね博雅」が、『オール讀物』の2008年2月号〜2009年6月号にかけての掲載。最後の「鏡童子(かがみどうじ)」が、『京都宵―異形コレクション (光文社文庫)』所収の作品。 これからも、ずっと続いていってほしいシリーズ。次の巻をまた、楽しみに待つことにしましょう。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!