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伊賀忍法帖
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【この小説が収録されている参考書籍】
伊賀忍法帖の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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荒唐無稽だが抜群に面白い。山田風太郎恐るべし。一読の価値あり。 | ||||
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読み出したら止まらない面白さである。伊賀忍者・笛吹城太郎にとっては、妻の仇である憎い根来忍者荒法師7人組に、如何に挑むかがポイントなるが、毎度ながら独創的で骨太な忍法に驚かされる。展開のスピードも小気味良く、 柳生一族の助っ人が入ったりして、非常に読みやすく面白い。問答無用の傑作である。 | ||||
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問答無用の大傑作「甲賀忍法帖」に比べると、本作は、一読後いまひとつ影が薄くも感じられるかもしれません。 ただ、風太郎忍法帖における「甲賀」が魔人同士の超絶的闘争の代表作だとすれば、「伊賀」は、「常人以上、超人未満」の主人公による魔人討伐という別の系統に属します(「江戸忍法帖」あたりがそうですし、「柳生忍法帖」もこれに近いかもしれません)。この点を区別しながら再読してみると、松永弾正久秀をめぐる虚実や、末尾に漂う抒情性など、さすがは山田風太郎と唸らされます。15年の歳月を経て松永弾正の前に立った笛吹城太郎は、魔人に変じていたのでしょうか? なお、90年代の伝奇ヴァイオレンスの一方の雄である菊地秀行が、一貫して「甲賀」(あるいは「忍者月影抄」)型の魔戦を書き連ねているのに対し、もう一方の長である夢枕獏は、「魔獣狩り」の文成仙吉、「キマイラ」の九十九三蔵、「黄金宮」の地虫平八郎など、「伊賀」型の超克を志向しているように感じられます。あるいは、朝松健の「逆宇宙」シリーズに、「伊賀」から「甲賀」への変遷を見ることができる、というのは僻目でしょうか? このように、風太郎忍法帖のふたつの系譜は、その後の作家によって継承されているのではないかと思います。もっとも、昨今のマンガにおけるトレンドなども踏まえると、前者の隆盛は自明なのですが。 | ||||
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映画の原作ですが、より時代を見据えた歴史物としても楽しめます。 | ||||
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男だったら誰でも一度は憧れる(かもしれない)松永弾正久秀が悪のボスとして活躍する忍法帖は、本作と『海鳴り忍法帖』。 信長曰く、久秀がなしとげた常人ではなし得ぬ3つの活躍のうち、主家三好家を滅ぼした事と奈良の大仏殿の焼き落としは本作で、残りの将軍足利義輝暗殺は『海鳴り忍法帖』で楽しめる。 女も権力も芸術も、自分の野望、欲望にどこまでも正直な久秀には、すがすがしくなるくらい。 復讐に燃える伊賀忍者と根来忍法僧、聖女と悪女、大幻術士と剣聖、それぞれ入り乱れての痛快エンターテインメント。 | ||||
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戦国の魔王松永弾正、己が邪恋を成就せんと、妖術師果心居士の弟子・根来忍法僧に数千の美女狩をさせた。伊賀忍者笛吹城太郎の妻・篝火もまたその贄となって果てた。だが奇怪! 復讐に起った城太郎の前に、弾正の寵姫が、篝火の顔で艶然と微笑み、地獄へと誘う。根来vs.伊賀、容喙する柳生新左衛門の死闘! | ||||
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主人公は創作キャラの伊賀忍者・笛吹城太郎で、対するのがこれも創作キャラの凶悪な根来忍者七人衆。忍法帖パターンとしては変則的な1対7という構図だ。 脇を固めるのが悪役・松永弾正ほか、果心居士、柳生石舟斎、千利休、上泉伊勢守、三好義興などの実在キャラだが、主役に比べ影が薄い。 もっとも活躍を期待した果心居士は冒頭部と末尾にしか登場しない。その間、明に行っていて日本に不在だったという「それはないだろう」と言いたくなる設定だ。千利休は冒頭のみ、上泉伊勢守は終盤のみの登場である。 ストーリーの大半は史実とは無関係で、創作キャラの忍法対決に終始するが、城太郎は伊賀忍者なのに超絶的な忍法が全然ないという設定なので、面白さが出せない。展開にも無理があって話に厚みが出ていない。 結末のつけ方もかなりの無理がある。 果心居士が危機に陥った城太郎を救い、連れ去って消えるのだから、わけがわからない。というのも、もともと松永弾正のよこしまな欲望を実現する手伝いに果心居士が根来衆を貸し与え、その根来衆を城太郎が殲滅するというのが主な筋だから、この終わり方は不可解だ。風太郎には珍しい、エンディングの失敗作と言わざるを得ない。トータルでCランクの作品だろう。 | ||||
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懐かしかったので買いました。カバーが少し破れていたのが残念ですが安いので仕方ないですね。読むのが楽しみです。 | ||||
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この作品にあふれるのは著者らしさの顕著な エログロの世界。 特にそれが色濃く出るのは この作品で出てくるある「煩悩」を かなえる手段に必要なものです。 これは材料が材料のために それが必要、という文が出てくる時点で 人によっては顔色が青ざめてしまう恐れが ありますのでそれらの表現が苦手な方は ちょっと薦められるものではないです。 本編はその材料のために 自分の愛するものを殺された伊賀忍者が それを行った根来僧に復讐を果たす、というもの。 相手ももちろん強敵ですが 例え誘惑の要素が出ても 愛するものへの忠誠を誓った 青年の若々しさ、たくましさが印象的でした。 最後も著者らしくまとまっています。 ですが、エログロ注意。 | ||||
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戦国時代の梟雄(きょうゆう)松永弾正は主君の長男の妻に邪恋、我が物にせんと 果心居士なる、幻術使いの手下として働く根来忍者七人衆を差し向けた。 果心居士の策は「淫石」なる媚薬を作り、主君の長男の妻に飲ませようというものだった。 「淫石」は美女の愛液を煮詰めて作るというとんでもないシロモノであった。 その餌食となったのは伊賀忍者、笛吹城太郎の妻である。 奇想天外さ天下一品、忍法物の最高峰のひとつである。 物語を紡ぐ横糸は風太郎翁の大法螺。縦糸は松永弾正、千利休、柳生石舟斎など実在の人物である。 風太郎翁の大法螺を突き通すアイデアと筆力に圧倒されるが、 それを支えているのは豊富な歴史の知識であることにも驚く。 この忍法帳シリーズで忍者は「忍法枯葉返し」などのように忍法の名を唱える。 この一点においても風太郎翁は、現代の特撮ヒーロものの元祖であるとも言える。 | ||||
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山田先生の人気の忍法帖シリーズ中の一作で、伊賀忍者笛吹城太郎と根来七人衆の壮絶な闘いを描いた快作。山田先生の特長だが、とにかく娯楽に徹している点が潔い。 戦国の梟雄松永弾正の城に集まったのは、千利休、古書に残る大幻術師の果心居士とその直弟子の七法僧(=根来七人衆)、柳生新左衛門(=後の石舟斎)。美女の愛液から作った"淫石"を用い、千利休秘蔵の平蜘蛛の釜で茶をたてると、茶を喫した女は眼前の男の前で淫獣と化すと言う。弾正の望みは淫石と平蜘蛛の釜を使って、主君の義娘右京太夫を手に入れる事である。豪華な登場人物とトンデモナイ設定が嬉しい。七法僧は各々"胴体接着"等の、人智を超えた魔術を使う。淫石を作るため、城太郎と契った篝火(=右京太夫と瓜二つ)が根来衆の餌食になる所から、城太郎と根来衆との闘いが始まる。城太郎は伊賀の掟を破っているため、伊賀の力は借りられず(服部半蔵の言)、孤立無援で闘わねばならない。闘いは奇想天外な技の応酬とエロス、そして弾正の悪辣さが巧みに組み合わされたもので、山田先生の真骨頂である。東大寺の大仏も焼いてしまう程である。その東大寺に居た右京太夫を城太郎が救い出すと言うロマンスも用意した硬軟自在の展開。篝火と胴体交換した弾正の愛妾漁火の毒女振りも凄まじい。柳生の活躍の場もちゃんと設けてある。読者の楽しみのためにはアイデアを出し惜しみしない山田先生の特長が良く出ている。幻想的なラストシーンも山田先生らしい。 しっかりとした構成の中で破天荒なアイデアが存分に味わえる山田忍法帖の良さが前面に出た、無条件に楽しめる快作。 | ||||
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根来忍法僧の七人といい、松永弾正といい、敵のインパクトは強烈! それに対して主人公の笛吹城太郎の超人的な体術は持っていても、魔人の如き忍法もなく、どうやって戦うのか、…その設定は面白いが、前半のエログロ度は強烈過ぎて、正直言って苦手な人には辛すぎるだろう。 しかし、城太郎が復讐を決意する辺りから、面白くなる! しかし、前半の強烈なエログロな展開が難点か? ラストも消化不良気味なのも…… 山田風太郎先生の、他の作品数冊読んでから読むのが正解か? | ||||
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冒頭より松永弾正のもと「淫石」という催淫剤を生成する為に美女狩りが行なわれていくのですが、結構エログロで読んでて余り気持ちの良いものではなかった。(私は、女卑的な印象を受けましたが、女性読者はどう感じるのでしょうか) そして犠牲となってしまった妻への城太郎の復讐劇が始まるのですが、余りボリュームの無い作品の中にあれもこれも詰め込みすぎた感があり、根来衆との対決もアッサリめになってしまった事は否めないと思う(城太郎が孤軍どうやって根来衆の術を凌いでいくのか、その様を期待されると少々物足りなさを感じるかもしれません。) 但し、城太郎の妻と同じ顔をもつ弾正の寵姫・漁火が魅力的であった。 容姿こそ同じではあるが真逆キャラクターとして確り描かれている。(歪んだ性格が良かった) 城太郎と漁火が対峙する様は面白く読むことが出来ました。 もう少し枚数を持つ事が出来たならば傑作と成り得たと思える作品だけに残念。 | ||||
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一気に読みきってしまいました。 先の展開が読めず、この先どうなるのか??と 忍法帖ワールドに浸ってしまうこと間違いなしです。 | ||||
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~忍法帖は多人数vs多人数のトーナメント方式の闘いが主ですが、今作は愛妻を奪われた孤高のヒーロー・笛吹城太郎の復讐劇。 仇となる七人の忍法僧のまさに魔人とも言うべき強さに、これと言った必殺技も持たない笛吹城太郎はいかにして闘うのか?! そして、忍法によって愛妻の首にすげかえられた姦婦・漁火と、愛妻に瓜二つの右京太夫という、同じ顔を持ちな~~がら聖邪二人のヒロインが物語を演出していきます。 笛吹城太郎と右京太夫のラブロマンスは忍法帖でも屈指の切なさ(泣)。 戦国時代の覇王・松永弾正の思惑と陰謀も見所で、ただの復讐劇に終止していないのが見事です。~ | ||||
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映画・魔界転生でその名は知っていたが、昨今の漫画化で改めて山田風太郎を読んでみようと思い立った。 まず感じたのが、これまで好んで読んでいた菊池秀行の源流はここにあったのだという発見。 それも、源泉たる風太郎の著作の方が、何段も洗練され、濃密。 次に感じたのが、文体の心地よさ。三十年以上前の作品とは思えない洒脱さ、ゴツゴツとした手触りの気持ちよさ。 全く持って古びておらず、確実に時代を超えている。 例えるなら、講談師の語り口。 難解な語彙が入り交じっても、全体の流れが風景を描き出してくれる。 山田風太郎は天才だと言う者が居るが、たしかに文章がすでに尋常ではない。強力かつ奇天烈な忍法を備えた忍者たちが戦っていく物語というと血なまぐさいだけのようだが、歴史考察を織り交ぜ、また、おかしみさえある忍術の数々が物語に強烈な吸引力を放つ。今作は敵が強力なあまり圧迫感の強い印象となっており、結末も含めて後味が微妙。 しかしインパクトは威烈であり、勃起しながら読むのがたまらなく楽しい。 | ||||
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素晴らしいのが、京極夏彦の帯であり解説です。『忍者』ってなに?という点から書かれた解説は見事。本書はミステリでは禁じ手とされた手法を多量に使い、それでもストーリの展開に驚かされる。まさに『風太郎忍法帖』であり、久しぶりに読書の興奮を味わい、眠れない夜になりました。 | ||||
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伊賀忍者の笛吹城太郎は松永弾正の命を受けた根来七天狗に 妻の篝火を奪われた。妻の命を取られた城太郎は復讐の鬼となり、 七天狗、そして黒幕の松永弾正を滅ぼそうと企む。 体術では引けを取らぬ城太郎であるが、相手は七人、しかも それぞれが不可思議な忍術を放つ。したがって、城太郎は 策略を用いて各個撃破を試みる。城太郎の悲願は成るであろうか。 伊賀忍法帖は山田風太郎氏の忍法帖シリーズの中では勧善懲悪が はっきりしており、感情移入して読みやすい作品であった。 ここに出てくる根来七天狗(風天坊、羅刹坊、金剛坊、水呪坊、 虚空坊、空摩坊、破軍坊)の術は皆奇怪であり、それに対して 城太郎がどのように応対するかを楽しんでほしい。おもしろさは 忍法帖シリーズでは中くらいかな。それと講談社も、角川も 表紙はもっと女性の裸を少なくしてほしいのですが。買いにくいのです。 | ||||
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