エディプスの恋人

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評判

エディプスの恋人の評価:

4.16/5点 レビュー 50件。 D ランク

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平均点4.16pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全116件 61〜80 4/6ページ
No.56
(5pt)

七瀬シリーズ三作目

今回は今までとは作風がかなり違います。
前作とのつながりも一応あるので順番通り読んでいくことをおすすめします。
エディプスの恋人 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人 (新潮文庫)より
4101171130
No.55
(4pt)

七瀬ファンは読まないこと

続編には2番煎じで退屈なものも多い。七瀬三部作は,そんな作品群とは異なる。三部作というより,同じ主人公の三作品と言った方が適切で,いずれも傑作なのは作者の力量に負うところ大である。
敢えて言うなら,第一作品『家族八景』の続編が第三作品の本作で,第二作品『七瀬ふたたび』が異質であるとも思える。どれが一番面白いかといえば,私には『七瀬』だ。第二作品で「死んだ」はずの七瀬に「恋する」人は読まない方が良いとおもう。
エディプスの恋人 (1977年) Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人 (1977年)より
B000J8UP5I
No.54
(4pt)

七瀬ファンは読まないこと

続編には2番煎じで退屈なものも多い。七瀬三部作は,そんな作品群とは異なる。三部作というより,同じ主人公の三作品と言った方が適切で,いずれも傑作なのは作者の力量に負うところ大である。
敢えて言うなら,第一作品『家族八景』の続編が第三作品の本作で,第二作品『七瀬ふたたび』が異質であるとも思える。どれが一番面白いかといえば,私には『七瀬』だ。第二作品で「死んだ」はずの七瀬に「恋する」人は読まない方が良いとおもう。
エディプスの恋人 Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人より
4103145064
No.53
(4pt)

七瀬ファンは読まないこと

続編には2番煎じで退屈なものも多い。七瀬三部作は,そんな作品群とは異なる。三部作というより,同じ主人公の三作品と言った方が適切で,いずれも傑作なのは作者の力量に負うところ大である。
敢えて言うなら,第一作品『家族八景』の続編が第三作品の本作で,第二作品『七瀬ふたたび』が異質であるとも思える。どれが一番面白いかといえば,私には『七瀬』だ。第二作品で「死んだ」はずの七瀬に「恋する」人は読まない方が良いとおもう。
エディプスの恋人 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人 (新潮文庫)より
4101171130
No.52
(5pt)

未収録作品

この全集、各巻に必ず幾つか単行本未収録作品が掲載されているというのがウリだったがこの巻では戯曲形式で文庫化された「12人の浮かれる男」のオリジナル小説版の収録である。それと厳密には未収録作品ではないが「バブリング創世記」の文庫版では読み手の参加すら強要するといういかにも筒井作品らしい発表形態の特殊さゆえオミットされた怪作「上下左右」も収録されている。加えて長編収録作品は七瀬シリーズの掉尾を飾る「エディプスの恋人」。正に全集トップクラスのお買い得のセレクションではあるまいか。そういえば本全集が完結して断筆期間を挟んで早二十有余年、発刊当時「これが最後の全集」などと持って回ったコピーを付けてしまった手前なかなか第二期、という空気にはなりにくかろうがそろそろ「虚航船団」以後の作品を収録した「増補改訂版」を出して貰いたいものだ。
筒井康隆全集〈19〉12人の浮かれる男.エディプスの恋人 Amazon書評・レビュー: 筒井康隆全集〈19〉12人の浮かれる男.エディプスの恋人より
4106444194
No.51
(5pt)

著者の仕掛けた壮大な罠

一見すると前2作との連続性が薄いように感じますが、実は1作目からの七瀬の受難自体が本作への伏線だと言えます。本作は前2作での問題提起(なぜ超能力者が生まれたのか)の解決篇であるとともに、「神」の存在を描く作品でもあります。SF物では神の登場は定番ですが本作では「彼女」を分かりやすく、しかも圧倒的な存在として見事に描いています。これは前2作で運命に抗ってきた七瀬の視点から見るからこそ得られる感覚であり、我々は著者の壮大な罠にはまったともいえるわけです。
エディプスの恋人 (1977年) Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人 (1977年)より
B000J8UP5I
No.50
(5pt)

著者の仕掛けた壮大な罠

一見すると前2作との連続性が薄いように感じますが、実は1作目からの七瀬の受難自体が本作への伏線だと言えます。本作は前2作での問題提起(なぜ超能力者が生まれたのか)の解決篇であるとともに、「神」の存在を描く作品でもあります。SF物では神の登場は定番ですが本作では「彼女」を分かりやすく、しかも圧倒的な存在として見事に描いています。これは前2作で運命に抗ってきた七瀬の視点から見るからこそ得られる感覚であり、我々は著者の壮大な罠にはまったともいえるわけです。
エディプスの恋人 Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人より
4103145064
No.49
(5pt)

著者の仕掛けた壮大な罠

一見すると前2作との連続性が薄いように感じますが、実は1作目からの七瀬の受難自体が本作への伏線だと言えます。本作は前2作での問題提起(なぜ超能力者が生まれたのか)の解決篇であるとともに、「神」の存在を描く作品でもあります。SF物では神の登場は定番ですが本作では「彼女」を分かりやすく、しかも圧倒的な存在として見事に描いています。これは前2作で運命に抗ってきた七瀬の視点から見るからこそ得られる感覚であり、我々は著者の壮大な罠にはまったともいえるわけです。
エディプスの恋人 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人 (新潮文庫)より
4101171130
No.48
(4pt)

テーマは凄いと思います

全体的には、「彼」こと智広と、智広を守っている大いなる「意思」の正体を巡る地道な調査描写が大半を占めているため、地味な印象を受けるかもしれません。ですが、題材は非常に興味深いものがあると思います。
「意思」に突き動かされるままに「愛し合わされてしまう」男女の、ある種の「悲恋」物語も面白いですが、今作の一番のテーマは「神の意思」と、それによって生じる「自己や世界の不確かさ」でしょう。
この世界は「神」によって創造され、あらゆる出来事は全て「神」の計らいによって起きているのだとすれば、我々人間は所詮、「神」の手の平で良いように踊らされているだけなのではないか? 「自己の意思」などというのは、見せかけの概念でしかないのではないか?
「自分」という存在や世界の曖昧さ、虚構性を、「神」という存在を追求する事で描いた、非常に絶望感の漂う物語です(暗いのが苦手な人はご注意下さい)。さすがに、作中のような極端な例はあり得ないとは思いますが。
非常に興味をそそられる内容ではありますが、「七瀬三部作」の完結編として見るには、設定に無理があるように思います。これだと、『家族八景』や『七瀬、再び』で積み重ねてきたものは何だったの? という疑問が芽生えてなりません。何でもアリな世界にしたせいで、シリーズ全体の整合性をブチ壊してしまってる感があります。
そして、個人的には七瀬と智広の触れ合いをもっとじっくり描いて欲しかったです……。智広だって、立場的にかなり重要な人物だと思うのに、意外と七瀬との絡みは少なめだったのが物足りなかったです。
※以下、少々ネタバレが入ってるため、未見の方はご注意下さい。

息子である智広のためなら何でもやる母親が「神」になっている訳ですが……一人の母親として、子供を思う気持ちは分かりますが、彼女の立場を考えると、いくらなんでも好き勝手やりすぎに思えます。そんな人が「神」になってしまって良いのか? という引っ掛かりがあります……。

※ネタバレ終了

何でもアリなSFものは受け入れられない、七瀬シリーズは前作「七瀬、再び」で終わっているべきだという人は抵抗を感じるかもしれません。テーマ自体は面白いので、前者の方は合理的なSFものはハナッから期待せず、テーマを味わうつもりで読んでみるか、後者の方は半パラレルワールドものだと思って試しに読んでみるぐらいの気持ちで手に取るのが妥当かもしれません{無論、無理に読めとは言いません(汗)}。
エディプスの恋人 (1977年) Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人 (1977年)より
B000J8UP5I
No.47
(4pt)

テーマは凄いと思います

全体的には、「彼」こと智広と、智広を守っている大いなる「意思」の正体を巡る地道な調査描写が大半を占めているため、地味な印象を受けるかもしれません。ですが、題材は非常に興味深いものがあると思います。
「意思」に突き動かされるままに「愛し合わされてしまう」男女の、ある種の「悲恋」物語も面白いですが、今作の一番のテーマは「神の意思」と、それによって生じる「自己や世界の不確かさ」でしょう。
この世界は「神」によって創造され、あらゆる出来事は全て「神」の計らいによって起きているのだとすれば、我々人間は所詮、「神」の手の平で良いように踊らされているだけなのではないか? 「自己の意思」などというのは、見せかけの概念でしかないのではないか?
「自分」という存在や世界の曖昧さ、虚構性を、「神」という存在を追求する事で描いた、非常に絶望感の漂う物語です(暗いのが苦手な人はご注意下さい)。さすがに、作中のような極端な例はあり得ないとは思いますが。
非常に興味をそそられる内容ではありますが、「七瀬三部作」の完結編として見るには、設定に無理があるように思います。これだと、『家族八景』や『七瀬、再び』で積み重ねてきたものは何だったの? という疑問が芽生えてなりません。何でもアリな世界にしたせいで、シリーズ全体の整合性をブチ壊してしまってる感があります。
そして、個人的には七瀬と智広の触れ合いをもっとじっくり描いて欲しかったです……。智広だって、立場的にかなり重要な人物だと思うのに、意外と七瀬との絡みは少なめだったのが物足りなかったです。
※以下、少々ネタバレが入ってるため、未見の方はご注意下さい。

息子である智広のためなら何でもやる母親が「神」になっている訳ですが……一人の母親として、子供を思う気持ちは分かりますが、彼女の立場を考えると、いくらなんでも好き勝手やりすぎに思えます。そんな人が「神」になってしまって良いのか? という引っ掛かりがあります……。

※ネタバレ終了

何でもアリなSFものは受け入れられない、七瀬シリーズは前作「七瀬、再び」で終わっているべきだという人は抵抗を感じるかもしれません。テーマ自体は面白いので、前者の方は合理的なSFものはハナッから期待せず、テーマを味わうつもりで読んでみるか、後者の方は半パラレルワールドものだと思って試しに読んでみるぐらいの気持ちで手に取るのが妥当かもしれません{無論、無理に読めとは言いません(汗)}。
エディプスの恋人 Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人より
4103145064
No.46
(4pt)

テーマは凄いと思います

全体的には、「彼」こと智広と、智広を守っている大いなる「意思」の正体を巡る地道な調査描写が大半を占めているため、地味な印象を受けるかもしれません。ですが、題材は非常に興味深いものがあると思います。
「意思」に突き動かされるままに「愛し合わされてしまう」男女の、ある種の「悲恋」物語も面白いですが、今作の一番のテーマは「神の意思」と、それによって生じる「自己や世界の不確かさ」でしょう。
この世界は「神」によって創造され、あらゆる出来事は全て「神」の計らいによって起きているのだとすれば、我々人間は所詮、「神」の手の平で良いように踊らされているだけなのではないか? 「自己の意思」などというのは、見せかけの概念でしかないのではないか?
「自分」という存在や世界の曖昧さ、虚構性を、「神」という存在を追求する事で描いた、非常に絶望感の漂う物語です(暗いのが苦手な人はご注意下さい)。さすがに、作中のような極端な例はあり得ないとは思いますが。
非常に興味をそそられる内容ではありますが、「七瀬三部作」の完結編として見るには、設定に無理があるように思います。これだと、『家族八景』や『七瀬、再び』で積み重ねてきたものは何だったの? という疑問が芽生えてなりません。何でもアリな世界にしたせいで、シリーズ全体の整合性をブチ壊してしまってる感があります。
そして、個人的には七瀬と智広の触れ合いをもっとじっくり描いて欲しかったです……。智広だって、立場的にかなり重要な人物だと思うのに、意外と七瀬との絡みは少なめだったのが物足りなかったです。
※以下、少々ネタバレが入ってるため、未見の方はご注意下さい。

息子である智広のためなら何でもやる母親が「神」になっている訳ですが……一人の母親として、子供を思う気持ちは分かりますが、彼女の立場を考えると、いくらなんでも好き勝手やりすぎに思えます。そんな人が「神」になってしまって良いのか? という引っ掛かりがあります……。

※ネタバレ終了

何でもアリなSFものは受け入れられない、七瀬シリーズは前作「七瀬、再び」で終わっているべきだという人は抵抗を感じるかもしれません。テーマ自体は面白いので、前者の方は合理的なSFものはハナッから期待せず、テーマを味わうつもりで読んでみるか、後者の方は半パラレルワールドものだと思って試しに読んでみるぐらいの気持ちで手に取るのが妥当かもしれません{無論、無理に読めとは言いません(汗)}。
エディプスの恋人 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人 (新潮文庫)より
4101171130
No.45
(5pt)

七瀬三部作完結

なんだか哲学的な話でした。

「家族八景」「七瀬ふたたび」の続編として読むと少し残念な感じもしますが、これはこれでいいのかも知れません。私は結構好きです。
前の二作で積み上げてきたものが最後の最後で崩壊していくのには、やられたなぁ、という感じがします。
筒井作品が好きな人ならきっと気に入るのではないでしょうか。
エディプスの恋人 (1977年) Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人 (1977年)より
B000J8UP5I
No.44
(5pt)

七瀬三部作完結

なんだか哲学的な話でした。

「家族八景」「七瀬ふたたび」の続編として読むと少し残念な感じもしますが、これはこれでいいのかも知れません。私は結構好きです。
前の二作で積み上げてきたものが最後の最後で崩壊していくのには、やられたなぁ、という感じがします。
筒井作品が好きな人ならきっと気に入るのではないでしょうか。
エディプスの恋人 Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人より
4103145064
No.43
(5pt)

七瀬三部作完結

なんだか哲学的な話でした。

「家族八景」「七瀬ふたたび」の続編として読むと少し残念な感じもしますが、これはこれでいいのかも知れません。私は結構好きです。
前の二作で積み上げてきたものが最後の最後で崩壊していくのには、やられたなぁ、という感じがします。
筒井作品が好きな人ならきっと気に入るのではないでしょうか。
エディプスの恋人 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人 (新潮文庫)より
4101171130
No.42
(4pt)

ネタばらし

ネタばらしをしている作品です。
手品ならそのネタ、アイドルならその裏側、舞台ならそのセットの裏側を見せているような作品です。
それはある意味作者の誠実さでもあるのだけれど。
同時に作品に描き出したキャラクターをペラペラの二次元にしたように感じます。
「意志」や「彼女」の存在は作中では只の仕掛けにしか過ぎないので(そう作中のアイドルのように)気にしなくても良いが(「彼」も仕掛けの一つにしか過ぎない、アイドルの隠し芸のように)。
その舞台を作中のキャラクターが喰い破ってこそ、例え文字で描かれたキャラクターであっても実在のものとなると思うので。
その舞台を見透かしながら最終的にその役どころを受け入れる七瀬が残念です(他のキャラクターをその舞台から退場させるのは彼女の誠実さであったのかもしれないが)。
そういう意味で実は、女性原理を全面に出しながら、実に父性的な作品です。
エディプスは父殺しをしたが、この作品は結局父殺しをしていないということです。
だからあくまでも「彼」の恋人は「彼女」であり、七瀬ではない。
父(作者)を殺せなかった(というかそもそもそこに問題意識すら持っていないのだが。だからあのような単純な選民的意識に浸れる)「彼」ではほんとうの意味で七瀬を恋人にすることはできない。
それは「彼」が七瀬の実在性を認識していないから。
そしてそれでありながら、七瀬が自己の実在性を放棄してしまう。
七瀬が魅力的なのは、どのような環境においても自己の実在性を決して放棄しようとしない、その意志であったと思います。
しかしそれを放棄してしまうのは、七瀬が「彼女」を受け入れたからなのでしょうか(それとも単に疲れたか、ある意味作者が)。
そういう意味では七瀬は「彼女」以上の母性を発揮したと言える。
しかし父殺しをしないエディプスの恋人になるという選択を七瀬がした時点で、七瀬はキャラクターとしては死んだと思います。
つまり虚構の存在に戻ってしまった。
確かに文字の上に書かれたものはキャラクターを含めて虚構です。
ですが、そのキャラクターがその虚構を喰い破ろうとするときに、確かに読者はそのキャラクターの実在を感じる。
そういう意味で、七瀬が最終的に自らの実在を放棄するような選択をした(もしくは作者がさせた)ことは残念ではある。
しかしそういう構造を包み隠さず見せた作者の意図はわかる。
しかしネタをネタとせず、それを本物にするには何が必要なのか。
そこまで踏み込めればほんとうの意味で「意志」と向かい合えるような気がする。
結局作品に食い殺されることを、作者が避けたということなのかもしれない。
七瀬というキャラクターのポテンシャルは作者を食い殺せる可能性があった。
そういう意味では七瀬自身がエディプスに成り得たかもしれないということです。
そしてその七瀬(今回の七瀬ではない)の恋人に成り得るのはどういった存在なのか。
そういったことも不遜ながら考えたりするのです。
エディプスの恋人 (1977年) Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人 (1977年)より
B000J8UP5I
No.41
(4pt)

ネタばらし

ネタばらしをしている作品です。
手品ならそのネタ、アイドルならその裏側、舞台ならそのセットの裏側を見せているような作品です。
それはある意味作者の誠実さでもあるのだけれど。
同時に作品に描き出したキャラクターをペラペラの二次元にしたように感じます。
「意志」や「彼女」の存在は作中では只の仕掛けにしか過ぎないので(そう作中のアイドルのように)気にしなくても良いが(「彼」も仕掛けの一つにしか過ぎない、アイドルの隠し芸のように)。
その舞台を作中のキャラクターが喰い破ってこそ、例え文字で描かれたキャラクターであっても実在のものとなると思うので。
その舞台を見透かしながら最終的にその役どころを受け入れる七瀬が残念です(他のキャラクターをその舞台から退場させるのは彼女の誠実さであったのかもしれないが)。
そういう意味で実は、女性原理を全面に出しながら、実に父性的な作品です。
エディプスは父殺しをしたが、この作品は結局父殺しをしていないということです。
だからあくまでも「彼」の恋人は「彼女」であり、七瀬ではない。
父(作者)を殺せなかった(というかそもそもそこに問題意識すら持っていないのだが。だからあのような単純な選民的意識に浸れる)「彼」ではほんとうの意味で七瀬を恋人にすることはできない。
それは「彼」が七瀬の実在性を認識していないから。
そしてそれでありながら、七瀬が自己の実在性を放棄してしまう。
七瀬が魅力的なのは、どのような環境においても自己の実在性を決して放棄しようとしない、その意志であったと思います。
しかしそれを放棄してしまうのは、七瀬が「彼女」を受け入れたからなのでしょうか(それとも単に疲れたか、ある意味作者が)。
そういう意味では七瀬は「彼女」以上の母性を発揮したと言える。
しかし父殺しをしないエディプスの恋人になるという選択を七瀬がした時点で、七瀬はキャラクターとしては死んだと思います。
つまり虚構の存在に戻ってしまった。
確かに文字の上に書かれたものはキャラクターを含めて虚構です。
ですが、そのキャラクターがその虚構を喰い破ろうとするときに、確かに読者はそのキャラクターの実在を感じる。
そういう意味で、七瀬が最終的に自らの実在を放棄するような選択をした(もしくは作者がさせた)ことは残念ではある。
しかしそういう構造を包み隠さず見せた作者の意図はわかる。
しかしネタをネタとせず、それを本物にするには何が必要なのか。
そこまで踏み込めればほんとうの意味で「意志」と向かい合えるような気がする。
結局作品に食い殺されることを、作者が避けたということなのかもしれない。
七瀬というキャラクターのポテンシャルは作者を食い殺せる可能性があった。
そういう意味では七瀬自身がエディプスに成り得たかもしれないということです。
そしてその七瀬(今回の七瀬ではない)の恋人に成り得るのはどういった存在なのか。
そういったことも不遜ながら考えたりするのです。
エディプスの恋人 Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人より
4103145064
No.40
(4pt)

ネタばらし

ネタばらしをしている作品です。
手品ならそのネタ、アイドルならその裏側、舞台ならそのセットの裏側を見せているような作品です。
それはある意味作者の誠実さでもあるのだけれど。
同時に作品に描き出したキャラクターをペラペラの二次元にしたように感じます。
「意志」や「彼女」の存在は作中では只の仕掛けにしか過ぎないので(そう作中のアイドルのように)気にしなくても良いが(「彼」も仕掛けの一つにしか過ぎない、アイドルの隠し芸のように)。
その舞台を作中のキャラクターが喰い破ってこそ、例え文字で描かれたキャラクターであっても実在のものとなると思うので。
その舞台を見透かしながら最終的にその役どころを受け入れる七瀬が残念です(他のキャラクターをその舞台から退場させるのは彼女の誠実さであったのかもしれないが)。
そういう意味で実は、女性原理を全面に出しながら、実に父性的な作品です。
エディプスは父殺しをしたが、この作品は結局父殺しをしていないということです。
だからあくまでも「彼」の恋人は「彼女」であり、七瀬ではない。
父(作者)を殺せなかった(というかそもそもそこに問題意識すら持っていないのだが。だからあのような単純な選民的意識に浸れる)「彼」ではほんとうの意味で七瀬を恋人にすることはできない。
それは「彼」が七瀬の実在性を認識していないから。
そしてそれでありながら、七瀬が自己の実在性を放棄してしまう。
七瀬が魅力的なのは、どのような環境においても自己の実在性を決して放棄しようとしない、その意志であったと思います。
しかしそれを放棄してしまうのは、七瀬が「彼女」を受け入れたからなのでしょうか(それとも単に疲れたか、ある意味作者が)。
そういう意味では七瀬は「彼女」以上の母性を発揮したと言える。
しかし父殺しをしないエディプスの恋人になるという選択を七瀬がした時点で、七瀬はキャラクターとしては死んだと思います。
つまり虚構の存在に戻ってしまった。
確かに文字の上に書かれたものはキャラクターを含めて虚構です。
ですが、そのキャラクターがその虚構を喰い破ろうとするときに、確かに読者はそのキャラクターの実在を感じる。
そういう意味で、七瀬が最終的に自らの実在を放棄するような選択をした(もしくは作者がさせた)ことは残念ではある。
しかしそういう構造を包み隠さず見せた作者の意図はわかる。
しかしネタをネタとせず、それを本物にするには何が必要なのか。
そこまで踏み込めればほんとうの意味で「意志」と向かい合えるような気がする。
結局作品に食い殺されることを、作者が避けたということなのかもしれない。
七瀬というキャラクターのポテンシャルは作者を食い殺せる可能性があった。
そういう意味では七瀬自身がエディプスに成り得たかもしれないということです。
そしてその七瀬(今回の七瀬ではない)の恋人に成り得るのはどういった存在なのか。
そういったことも不遜ながら考えたりするのです。
エディプスの恋人 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人 (新潮文庫)より
4101171130
No.39
(5pt)

アイドル性、最大活用

明らかに前2作とは毛色の違うこの作品だが
傑作としてのエディプスの恋人は前2作の存在なくしてありえない
キャラクター小説からの脱却ではなく肥大したアイドル性を昇華させる試みとさせうる技法には脱帽
エディプスの恋人 (1977年) Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人 (1977年)より
B000J8UP5I
No.38
(5pt)

アイドル性、最大活用

明らかに前2作とは毛色の違うこの作品だが
傑作としてのエディプスの恋人は前2作の存在なくしてありえない
キャラクター小説からの脱却ではなく肥大したアイドル性を昇華させる試みとさせうる技法には脱帽
エディプスの恋人 Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人より
4103145064
No.37
(5pt)

アイドル性、最大活用

明らかに前2作とは毛色の違うこの作品だが
傑作としてのエディプスの恋人は前2作の存在なくしてありえない
キャラクター小説からの脱却ではなく肥大したアイドル性を昇華させる試みとさせうる技法には脱帽
エディプスの恋人 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: エディプスの恋人 (新潮文庫)より
4101171130