■スポンサードリンク


紅葉街駅前自殺センター



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
紅葉街駅前自殺センター

紅葉街駅前自殺センターの評価: 4.07/5点 レビュー 15件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.07pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(2pt)

死を肯定する姿勢がどうにも納得いかない

小説としては、整っており、読ませる筆力を感じる。
 しかしながら、半分を過ぎて、ネットで作者本人が昨年35歳で亡くなっていた、長年、鬱病を患っていた等の情報を得てから、作者への反発が沸いてくることを抑えられない。
 物語として、例えば、カルト教団が自殺を止めにくるあたりは、面白みを感じたが、特殊な兄や両親の性格がリアリテイを感じなかった。
 最後のおちも、ごたごたとしていて、主張がよくわからず、完成度が高いとは言えないと感じた。
 作者当人は、本作が世に一定の評価を得たので、納得の自死なのだろうか。
 しかし、ご当人は、息子の命が奪われたなどという、世間が理解を示すような死の理由があったのだろうか。
 そんなことも感じてしまう小説である。
紅葉街駅前自殺センターAmazon書評・レビュー:紅葉街駅前自殺センターより
4103334118
No.1:
(2pt)

やり過ぎ、ご都合主義

多少ネタバレもあるので気をつけて読んで下さい。正直、これまでのレビュー六件が
全部星5個というのが信じられない。おそらく、よくあるように、作者、出版社等の関係者
が大半なのだろうが……。それと、作者自身が今年の三月末に自殺によって(?)亡くな
ったことから高い評価をしたくなるのかもしれない。まあ、特に悪い作品とは言わないが、
私自身はさほど良いと思えなかった。
 全国に47の自殺センターが設けられたという、おそらく近未来小説。その発想自体は
安直だが、作者自身が長年鬱病を患っていたことから理解できる(実は私もかつては鬱
病患者だったので)。その病気のことで真剣に悩んでいる内に思い付いたのだろう。
 物語の冒頭は、「ちょっと安直な設定だな」と思わせる。だが、読み進む内に、主人公の
希有な体験(幼少時に母親が浮気して逃げた。父は自分を愛してくれなかった。結婚後、
愛児を連続殺人鬼に殺された等々)など、深いものがあり、リアリティーを高めている。また、
とあるカルト集団のメンバーが主人公を暴行するなど、イライラしながらも主人公に感情移入
したくなる。結末近くになって、主人公だけでなく、元妻がやはり自殺センターの世話になって
いたという設定は斬新であり、それなりのインパクトやカタルシスもある。だが……。 
 はっきり言って、少々「やりすぎ」であり「ご都合主義」と感じてしまう。家族やセンターの担当
官らに犯罪被害者が都合良くいたり、別のセンター担当官がカルト教団のメンバーだったり、
自殺幇助の担当官が実は連続切断魔だったりとか、これでもかこれでもかと詰め込んでいて、
(いくら「仮想の物語」とはいえ)、リアリティが薄れてしまう。
 結末はどうなのかと期待していると、主人公は死ななかった、ということになるのだが、なぜ
彼にだけ毒が効かなかったのかとかの説明がまったくない。これではご都合主義と言われても
仕方がないだろう。
 それなりに楽しめる人もいるだろうが、私はけっして人に勧めたいとは思わない。

紅葉街駅前自殺センターAmazon書評・レビュー:紅葉街駅前自殺センターより
4103334118

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!