キネマの神様
評判
キネマの神様の評価:
4.35/5点 レビュー 162件。 S ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全316件 101〜120 6/16ページ
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キネマの神様の評価:
4.35/5点 レビュー 162件。 S ランク
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映画好きなら誰もが評価する多くの名画が登場し、それを主人公の父親のゴウさんの独特の感想が味となって迫ってきました。このギャンブル好きで借金魔のキャラクターを愛すべき登場人物として読者に認識させているのは、一重に映画愛の権化としての存在が光っているからに他なりません。
『キネマの神様』というタイトルが秀逸です。当方は「キネマ旬報」を愛読し、学生時代や社会人になりたての頃に、年間50作程度、名画座と言われる映画館で鑑賞してきました。ATG好きで自主製作映画大好き人間でしたので、名画座とキネマというアイコンだけで、映画好きにとってはストーリーにひきつけられました。
ある意味でずるいですよね。素晴らしい映画は見ている人すべての脳裏に具体的なシーンが登場し、それが読者と作者とを有機的に結びつけるわけですから。特に感動的な映画であればあるほど、そこで生まれた感情を移入したまま本作へ入り込むのです。いわば名画のアシストですね。
円山歩とゴウ、老舗の映画雑誌の編集長、名画座の支配人、ニートのハッカーなど、主人公たちを取り囲む人々がパッチワークのように作品を彩り、かき乱し、読者の感情を揺さぶりながら、ストーリーはどんどん進みます。複雑な構成ではないので、読者は安心してストーリーに没頭できるでしょう。温かな気持ちに満ち溢れ、小説を読む楽しみを多くの人に与えている作品でした。
現実離れして、ある種のおとなのファンタジーですし、悪人が登場しないハートウォーミングな内容です。ラストへの読者への迫り方も心地よく、涙腺を刺激する感動的なストーリー構成で、万人に愛される要素を持っていました。
『ニュー・シネマ・パラダイス』でのシチリアの鄙びた街に存在している映画館のシーンを髣髴とするように、映画は映画館で見るに限るという当たり前の魅力を再提示していました。
片桐はいりさんの文庫解説で紹介されていたご自身の体験談が本作とリンクしていました。
語られている名画座は別ですが、懐かしい思い出が過ります。これも拾い物でした。
本作を推薦してくれた若き世代に感謝して。