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影法師
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影法師の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.39pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全336件 281~300 15/17ページ
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面白いです。 ネタバレにならないようあまり書きませんが、 単なる男同士の友情の物語ではないです。 文庫には、最後に袋とじになっている数ページがありますが、 この部分は連載時には掲載されたが単行本刊行時には未収録となった、と書いてあります。 ここに、この物語の肝になる内容が書かれています。 これを読むとスッキリするので是非読んでください。 | ||||
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百田尚樹氏の作品は、「永遠の0 (講談社文庫)」を読み、本を読んで涙するという稀な経験をしました。百田氏は、様々なジャンルの小説を書いておられるようですが、今回の「影法師」は時代物です。他の方が言われるように、藤沢周平の「海坂藩もの」に似た設定ではあります。主人公が剣術の達人であること、方言を用いずに標準語で通すのも藤沢周平のスタイルと似ているでしょう。なお、私は藤沢周平の作品は全て読んでおり、もっとも好きな作家の1人です。 さて、百田氏の本作「影法師」ですが、冒頭から物語世界にグイグイ引込まれます。まるで映画やマンガを見ているかのように、頭の中に情景がビジュアルに浮かんできます。この「読者を引込む力」で言えば、藤沢周平を上回り、他のどの作家よりも上ではないか?と思います。 物語の詳細について述べるのは避けますが、主人公、竹馬の友、竹馬の友が引き合わせた主人公の妻らの崇高な精神に打たれっぱなしでした。主人公の妻になる女性がどうなるのかハラハラするのですが、さすがは百田さん、うまくまとめて下さり、読後感が爽やかです。 文庫本の最後にある「袋とじ」の6ページ、凄いです。百田氏の作家としての計り知れない力量が凝縮されています。 そして、読み始めて数時間でこの本を一気に読み終えて、感慨と共に本を閉じて表紙を見た時、「影法師」という題名の意味が分かりました。「永遠のゼロ」もそうですが、この作者の題名をつけるセンスは凄いです。 「永遠のゼロ」を読み終えた後は、百田氏に戦記ものをもっと書いて欲しい、と思ったのですが、本作「影法師」を読んだ後は、百田氏に時代物をもっと書いて欲しいと心底から思いました。 また、この作品について特筆すべきことは、時代考証が極めて正確であることです。私は日本史については人より詳しいつもりで、時代考証の甘い本を読んで興ざめになる経験を何度も積んできましたが、この本では一切そのようなことがありませんでした。百田氏のリサーチ力も賞賛に値します。 今度は、日本の石油王・出光佐三を扱った百田氏の作品「海賊とよばれた男 上」「海賊とよばれた男 下」を読もうかと考えております。今から楽しみです。 | ||||
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久々に感動した本に出会った気がする。後半は一気に読み進んだ。最後の袋とじを読み終わった時にはしばらく呆然としてしまった。 | ||||
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大抵の小説は、読後、印象が薄れ、やがて忘れてしまうが、「影法師」は、まるで反芻するように、思い出され、考えさせられる。 特に、彦四郎が、段々とクローズアップされてくる。読者のレビューの中には、彦四郎自身も成功する方法があったのではないか、等、惜しむ声があるが、私は 彦四郎という人は、大切な人が幸福になることが、自身の幸福だと真に思える人なのだと思う。たとえ、それが自分自身が犠牲になることだとしても。 稀有かもしれないが、そういう人は、たまにいるように思う。 文庫の袋とじ部分について。「読みたくなかった、友情が壊れる気がする」とか、「なぜ、彦四郎が、ここまで自分を犠牲にできたのか、わかった」等の意見もあるが、私は、袋とじ部分は、みねについての一方的な描写なので、彦四郎の犠牲の動機が、これによって解明されたわけではないと思う。本当の気持ちは、彦四郎自身に聞いてみなければわからないことである。ただ、はっきりしたことは、結婚後も、みねの気持ちは、夫以外の人に向いていたということであり、その意味でも、勘一は、哀れである。 | ||||
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人の持つあらゆる情緒の中で最も尊く、最も恐ろしい存在は愛情だと思っていたが、主人公の友は違っていた。 現代のネット世界では簡単に友達を見つけられるし、親睦も深められるし、再会だってできる。 しかし、昔は違った。これは、友の存在、友の言葉が人生を大きく変える程の尊い存在でありえた、そんな時代の話。 永遠の0は面白かった。ストーリーを楽しむだけなら5つ☆の評価をした人も少なくないだろう。 しかし、作品として見れば浅田次郎の作品と重なったり、現代の描写があまりにも稚拙だった感が否めないので、個人的には作品としての評価は3つ☆程度だった。 本作品はストーリーは4つ☆、作品としては5つ☆をあげたくなる秀作であった。 不条理な時代を生きるからこそ貫く人々の信念や生き様に、無色で閉塞的な現代を生きる私の心が不思議と共鳴してしまった。 | ||||
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永遠のゼロに続く,一見すると自分を落としめるような行動の裏にある真実が涙を呼ぶ一冊. 藩校一の頭脳に道場一の剣,正義感と強い気持ちを持つ人物として少年時代の彦四朗を存分に描いているので,その後の不可解な行動が「実は・・・だった」と予感させ,終章で予感が現実のものとなる感動を味わえる. 彦四朗の行動は,干拓により農地を広げたいという志を持つ竹馬の友・勘一の為の自己犠牲であり,袋とじの部分を読めば愛する人を守るための自己犠牲だと思える.しかし,大坊潟の新田を見つめていた事を島貫に語らせることにより,彦四朗も又,干拓事業の成功と言う大きな志を自分なりのやり方で全うしたのだとも読める.起点は,一揆首謀者で家族ともども死罪となった百姓・万作の志であり,勘一は自分の子どもに万作という名前をつけ事業に粘り強く取り組み,彦四朗は影として生きることで,彼もまた民の生活の為に生き,死んだのだ. その中にはもちろんみねへの愛もふくまれていたのだろうが,あえて最後に念押しする必要もないから単行本でははぶいたのではないか.信念に基づく自己犠牲の部分が薄れるから袋とじはやっぱり要らないと思う. | ||||
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お勧めです。「永遠の0」で、久しぶりに新しい作家の感動を味わいました。この作品も「時代小説か?」とはじめは斜めな気持ちで読み始めましたが、ページをめくるたびに、引き込まれました。主人公とその友人の生き様に、「こうありたい」と共感しました。成功した主人公に、不遇の友ともに一直線な生き方だからこそ、天から与えられた人生で、二人とも愛されるべき人間です。このように成ることは難しいですが、共感できる作品でした。 | ||||
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百田尚樹氏の小説は『永遠の0』を読まさせて頂きましたが、中々読み込める小説と思っておりました。しかし時代小説が好きなもので、百田氏の小説は敬遠しておりましたが、このたび時代物を出すとのことで買い求め読み始めたら一気におしまいまで読み、最後の袋とじの部分を読んで改めてうなりました。本文の男の友情部分だけでも素晴らしい余韻が残るのに、短い袋とじ部分に男女の機微を綴ってまた違った感動を与える。百田氏にもっともっと時代小説を上梓して頂きたい。海坂藩を舞台にした周平物を読んだとき以来の読後感だった。 | ||||
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古書店で百田氏の作品を購入し、帰りに氏の新しい作品も欲しいなぁと思い購入。 登場人物の名前(年をとるにつれ変わる)や人間関係を把握するのにはそれほど苦労せずスムーズに読めました。 勘一と彦四郎の出会いから、共に過ごした時間、そして離別と彦四郎の死後に勘一がたどり着いた真実。それを取り巻く彼らの友人や家族。 当時の様子を実際に知っているわけもありませんが、きっとこんな感じだろうぁと頭に情景が浮かびます。 勘一が初めて人を斬った場面は私自信も緊張してしまい、次へ次へとページをめくってしまいました。作中一番のお気に入りの場面です。 作品の主旨上、勘一が彦四郎と出会えたことが彼にとっての一生の宝といった形で書かれていますが、彦四郎だけでなく職人の五郎次や明石との出会いも勘一の人生に大きく影響を与えています。 誰か一人でも欠けてしまえば勘一の出世はうまくいかなかったでしょう。 とはいってもやはり彦四郎の慧眼には驚かされました。実際に事を起こしたのは勘一なのですが、その道を作った彦四郎が格好良すぎます。 星4つ評価なのはオチが容易に想像できてしまったところ。しかしそんなことに関係なく最後まで楽しんで読むことができました。 彦四郎と勘一とでは出生もその後の人生も大きく変わってしまいましたが、彼らの人生はそれぞれ武士の生きざまというものでしょうか。 | ||||
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読み始めるとページをめくる手が止まらなくなります。 終始ドキドキハラハラする展開で、しかも文章も読みやすく一気に読めます。 時代物でないと書けない剣の世界に、知らず知らずのうちに惹き込まれてしまいます。 家督を継げない次男の生活や、江戸時代の藩財政のことも少し分かった気になります。 特に感じたのは、この時代では命懸けでやらなければならないことがあるということ。 彦四郎がなぜ、そこまでして勘一を助けようとしたのか?物語を読んでほぼ納得したものの、まだ引っかかるものがありました。 文庫本の巻末の袋とじページを読むと、そこに答えが書いてありました。 切なくて涙が止まりませんでした。 | ||||
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『永遠の0』でも思いましたが 百田さんの小説には、 流れるようなリズムと あたかも、自分の目の前で展開しているような臨場感と そして「気合い」があります。 『磯貝彦四郎殿は亡くなっておられました』 という若党の報告から物語は始まります。 その報告を受け取ったのは 茅島藩の筆頭国家老に抜擢され、 江戸から国元へ戻ったばかりの名倉彰蔵です。 名倉の元の名は戸田勘一。 下士の子どもで、 ある日、上士による無礼討ちで目の前で父親を殺されます。 勘一をかくまい、父の遺体を運び込んでくれたのは 近くに住む中士の磯貝家でした。 泣く勘一に 「泣くなっ。武士の子が泣くものではない」と怒鳴った少年。 それが、後に竹馬の友、刎頚の友となる磯貝彦四郎でした。 頭もよく、腕もたち、 なにより人から信頼を寄せられる若者となった磯貝彦四郎が なぜ、不遇の死を遂げたのか…。 『影法師』というタイトルも 最後になって悲しい、 ページをめくる手が止まらない一冊です。 | ||||
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見事! 達人のあざやかなカラ竹割を見た気分である。 百田尚樹といえば、以前ボクシング小説の『BOX!ボックス!』を読んで面白かったし、 ストーリーテラーとしての才能はわかっていた。 それが初めて時代小説を書いたというので、 時代小説も好きなこちらは期待して読んだのだったが、期待通りだった。 あるいは期待以上か。 これが初めてのジャンルとは思えないし、なにより、この物語る力は半端ではない。 強い絆で結ばれた友でもあり、ある意味ライバルでもある男たちの友情というモチーフは 『BOX!ボックス!』と同じ。 作者はそういうのが好きなのかもしれない。 そこへもう心を打つひと捻り。 子供のころ読んだ「泣いた赤鬼」という童話を連想した。 苦労を乗り越えて成長してゆく成長小説の魅力と、 剣豪小説の魅力と、 謎解きミステリーが合体したぜいたくな内容だが、 ミステリーだとしばしば恐怖につながる謎解きが、ここでは感動につながってゆくのもいい。 エンディングがまた印象的だ。 かつて泣くなと叱られ、それで身を支えてきた主人公が、 以来数十年して初めて、叱った相手のために泣く、という構図がすばらしい。 | ||||
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ネタバレするかもしれませんが、(刎頸の交わり)よりも(管鮑の交わり)に近いですね。しかし百田さんは本物です。着地点に必ず落としています。読者の裏をかく変なヒネリにならずにしっかり落とします。本ネタが他の作品に似ているとか・・批判もありますが・・時代小説はもっとありきたりなストーリーが平気で出回ってますから。浅田次郎さんの作品も、似てる内容やカブるキャラ群(一途な女子高校生、教育の使命に燃えるダサ目の熱血教師、ガラは悪いが心優しきチョイ悪オヤジ・・etc. )だらけです。でも描写で読ませます。これが作家の力量です。本作品も確かに切ない内容です。でも読後感は悪くない。これはヒネリではなく、しっかり落としているからです。いつ直木賞を受賞しても不思議ではない作家です。 | ||||
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うん、...やっぱり、百田さんですね。 百田さんの作品は、すべて、人の『生き方』を語っているのですが、 「永遠のゼロ」であり、この作品であり...男の生き方を語らせると、 絶品になる作品を書いてくれます。 男の生き方...というよりも 置かれた環境で、制約や制限を受けながら... それでも自分の生き方を貫く姿。この潔さや、 周囲の評価より自分自身が自分にしてやれる評価... これを描いているのだろうと思います。 だから、感動するんです。 この作品であれば、 勘一の生き方、彦四郎の生き方... どちらが上でどちらが下ということではないのではないのです。 この二人だけでなく、この作品に登場する すべての人たち、 それぞれがそれぞれに 自分が置かれたところで自分の人生を生ききっていくんです。 この姿を描ききっているんです。 だから、感動するんです。 | ||||
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江戸時代を舞台とした時代小説。剣術の決闘シーン(特に上意討ちのシーン)は迫力があり、手に汗を握った。読者のそのときの気持ち、置かれた状況によりきっといろいろな読み方ができる小説。圧倒的に優秀だが真の志が見つけられない男が、自分より表面上の能力は劣るが胆力、人間力が上回る親友を通じて志、自分の生きる意義を見出し、それに真剣に命を懸けたのだとも読める。ただ、本来であれば自分の立身出世を気にする10代〜30代の男性が、ここまで自己犠牲を図れるのか、このように影法師としてではなくパートナーとして一緒に国を運営していく道がなかったのだろうか。彦四郎はなぜ自分が表に出て勘一を影法師とする道を選ばなかったのだろう。彦四郎は、きっと自分が愛しているのに結ばれることができない女性に対して、親友が恋心を抱いてしまったことを知ったときに、自分が「二人の」影法師となることを決めたのだろう。彦四郎は男の友情と純愛を両方守るために自分の命を懸けたのではないか。それにしても、いつの時代も男の友情と恋愛を両立させるのは難しい・・・。 | ||||
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まず感じたのが武士の時代の厳しさです。 教科書では知りえない厳しい現実に驚かされました。 生まれた場所によって自分の人生が左右される不条理。 しかしその中でも誇り高く生きようとする登場人物に引き込まれました。 人はこんなにも高潔になれないだろうと思う反面、そのようにもなりえる人間を信じたい気持ちにさせます。 半分から影法師の意味がおぼろげに分かってからはラストまで一気に読みました。 感動しました。涙が止まりませんでした。ぜひ読んでもらいたい作品です。 ちなみに百田尚樹作品は「永遠の0」を読んでからの2作品目です。 どちらもすばらしいです。 | ||||
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百田さんの作品は‘永遠の0’を初めて読み、読み終わった後2、3日 思い出しては泣けてくる程、感動しまた。 別の作品が読みたいと思い、この‘影法師’を選びました。 最後の袋とじを読むまでは、どうしてこんなに彦四郎は深い友情で 結ばれていたとはいえ、勘一の為のここまで自分を犠牲にして生きる 必要があったのだろうか?と疑問に思いました。 長男ではないので家は継げないとしても、彦四郎は文武両道で人望もあり 大変優秀な人物です。そのまま行けばある程度の出世は出来たのではないか? 身分の低い下士の友人、勘一の藩を良くしたいと言う強い思いを知ったからといって、 全く姿を消し勘一を影で支えるのは不自然な気がしたのです。 ですが、友情だけではなかったのですね。 勘一に賭けた思いも尋常ではありませんが、それ以上に守りたい人がいた。 百田さんの作品はまだ二冊しか読んでいないですが、(ボックスは映画を観ました。) 根底にあるのは無償の愛なのだな、と感じました。 私はやはり最後は号泣しました。切なくて、切なくて。でも、何故か温かな気持ちになる作品でした。 | ||||
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時代の背景が分かり安く、読みやすいです。 はじめは主人公の異例な出世に対する物語りと思いきや、がらりと変わって影法師の存在にあこがれとせつなさを感じ、引き込まれます。 | ||||
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すごい話です。こういう話を思いつけるのがすごい。 何気なく、読む本が無いなぁと書店で平積みになっていたものを手にとったのですが、すごく良いです。 詳しく書くとネタバレになってしまうので避けますが、脇役のキャラクターにいたってまでが、ブレの無い人格を持っていて、その考えと、実はどうかといったことまでが伏線に生かされていて、読了する頃には緻密さに脱帽です。 | ||||
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読み終わって感じたのは、彦四郎の人生はなんだったんだろう、ということ。 友情のために自分のすべてをなげうって、というにはあまりに重すぎる。 なんともやりきれない気持ちになった。 最後の種明かしは、それなりに泣ける。 でも、永遠の零を超える驚きと感動には、残念ながらもう出会えないかな。 | ||||
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