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(短編集)
歪笑小説
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歪笑小説の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全92件 61~80 4/5ページ
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帯に書かれている通り、今までの○○小説の一部短編と色々とリンクしている作品です。 本作品はそのラスト作品であり、読破したときの感動を多く味わいたいと思うなら、他の作品を読んでから、本作品を読むことをオススメします! ラストにふさわしくとてもいい作品でした。個人的にラストの短編にはほっこりしました。特に最後の巻末広告の作品紹介の部分には! 普通の小説の終わり方ではなく、本作品はここまで読む必要があります。そこまでキッチリ読まないと最後の短編は終わってないと思いました。 とてもブラックでユーモア溢れる作品でした!!おすすめです。 | ||||
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私は、軽いお笑い系はあまり好みではなく、東野圭吾作品でも、しのぶ先生シリーズとか、黒笑小説、怪笑小説とかは、好きな方ではないのですが、今回はやられました。 東野圭吾はやっぱりすごいとしか言い様がありません。 ユーモア、出版業界の悲哀、パッション、喜び、辛さ、苦しさ、作家の扱い方、全てを網羅してます。そして、ぐっと感動する場面も。 最後の章では、図書館で借りたり、中古店で買ったりする人への批判もピリリ(図書館で貸本する時に、一定金額をロイヤリティとして、出版社や作家に支払いようなシステムを作ってはどうですかね?貸本、貸しビデオ、貸し音楽・・・著作権無視の商売が正式に成り立っているのは、考えてみるとおかしいですね) 最後の最後では、巻末で、やってくれました。 そして、よく見ると、表紙も・・・ うっかり見落とさないようにしてください。 文庫本なのに、永久保存版ですね。初版保有したい、という欲を持たせてくれる作品です。 ブラボー | ||||
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小説家とそれを売る出版社を巡るてんやわんや。 一般消費者には分からない部分が面白おかしく描かれている。 東野圭吾はやっぱり面白い! 一般的に書籍は単行本→文庫本というルートを辿るが本書はいきなり文庫化された。 読み終えればきっとその意味が分かるはず。 巻末広告まで話がリンクしているなんてなかなかイカしてますね! | ||||
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作中に出てくる人名はもちろん架空のものなんだけど、 「あれ? これってあの作家じゃあない?」と思っちゃうのがあって面白かったです。 面白かったけど、怒られたりしないのかなと心配になります。 読み終わったと思ったら最後の広告でもうひとやられ。 こんなことできるんですね。 | ||||
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前作の『黒笑小説』の中でお気に入りだった、文壇の舞台裏を描いた4つの短編。 4つだけじゃなく、もっとたくさん文壇シリーズ読みたい! と思っていたら、来ました。 なんと、今作は全編が文壇シリーズなのです! 前作同様、世界観が統一されているので寒川心五郎先生や熱海圭介、唐傘ザンゲといった面々がいろんな作品に登場しており、短篇集でありながら長編小説のような趣もあります。また、巻末にもちょっとしたカラクリがあるので、全編読み終えそこに辿り着いた人はきっとニヤニヤしてしまうこと請け合いです。 この小説の面白さの理由を端的に言うならば、登場人物が素晴らしいの一言に尽きます。読み終わったばかりなのに、早く続編が読みたい、むしろ表紙にもなっている作中作『撃鉄のポエム』や『煉瓦街諜報戦術キムコ』が読みたい、そう思わせるほどに一人一人がキャラ立ちして魅力的に描かれています。 今後は、『○笑小説』シリーズの顔として、加賀刑事や湯川教授とまでは行かずとも、天下一大五郎的な感じで、文壇シリーズの皆さんには活躍してもらいたいものです。 | ||||
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ひとことで言うと、平成の筒井康隆文学である。 「時代と寝た」と言われた70年代の筒井康隆が開拓した中間小説のジャンルに豊田有恒をはじめとする多くの作家が参入したが、誰一人として後を継ぐものはいなかった。それだけの実力がなかったといっていい。七瀬シリーズが完結した頃から筒井も軽妙な短編小説を書かなく(いや、書けなく)なっていく一方で、読者はその肥沃な大地を前に指をくわえて見ているしかなかった。 その広大な大地に再び鍬を入れたのがミステリーから進出してきた東野圭吾だった、ということが驚きだった。同時にその確認は読者にとっての大きな喜びである。 この本を読んで面白かった人は筒井康隆の「大いなる助走」をぜひ読んでほしい。新装本(文春文庫)が2012年2月現在ギリギリ入手可能だし、図書館には大体おいてある(全集21巻に収録)。 東野圭吾がどれだけ影響を受けているのかよくわかるはずだ。「黒笑小説」所収の「もうひとつの助走」のタイトルの意味もわかる。そして何より、時を隔ててどれだけ進化したかもわかるだろう。 (追記) どうも既視感が説明できていないな、と思っていたのだが、ヒントがあった。 筒井康隆編集長時代の「面白半分」に、編集者に原稿を書かせて筒井が催促するという連載があった。オール読物の担当編集者がその時に書いた短編小説に、作家の歓心を誘うために全身に刺青をするという一編があった。この短編集はその作品を思い出させる。 もしかしたらそれこそは「大いなる助走」のアイディアだったかもしれない。 | ||||
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「○笑小説」のシリーズの中で一番面白かったです。 ギャグ小説風のつくりではありますが、ブラックな笑いの中にもいろいろ考えさせられたり、ほろりとしたりします。 表紙や巻末の作りも凝っていて、にやりとさせられます。 でもこんなにぶっちゃけてしまって、どこまで本当なのかな? いいのかなぁ・・・(笑) 東野圭吾さん位の大御所だから書けたんでしょうね。 | ||||
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「容疑者Xの献身」や「白夜行」が公式戦だとすれば、 この「歪笑小説」や「黒笑小説」は楽しさを追求したエキシビジョンマッチ! それは手抜きという意味では全然なくて、本当に巧みに笑わせてくれます。 短編集ですが、舞台はすべて小説業界。 東野さんだから書ける、業界の内実がたくさん描かれています。たとえば、 「小説誌って売れてるの?」ですとか、 「若手作家はいくらくらい儲かるの?」ですとか、 「文学賞ってどうやって決めてるの?」などなど。 作家や編集者の描き方にも誇張がもちろん含まれていると思いますけど、 作家や編集者のみなさんは日々大変なんだなあと思わずにいられません。 また集英社や講談社、新潮社。それに大沢在昌さんや綾辻行人さん(と思われる人)が出てくるのも楽しい。 小説好きはもちろん面白いし、それに業界の人たちはちょっとハラハラしながら楽しく読んでいるのでは(笑)。 お笑い界のディープな話はビートたけしクラスじゃないと公には語れないように、 小説業界のことは東野さんクラスにならないとエンタメとしては昇華できないんでしょうね。 しかもそれを面白く書かなくちゃならないんだから。笑えないとただの内輪ネタですもんね。やっぱすごい。 このシリーズおなじみの熱海圭介、それに唐傘ザンゲや大御所の大川端多門といった作家陣が登場しますが、 最後の最後に出てくる、その作家たちの「作品」を扱った「巻末広告」はとっても充実していてツボでした。 読み終わって油断しているところにこのアイディア。憎いです。まさか寒川先生がなあ…(笑)。 | ||||
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「笑シリーズ」の最新刊でタイトルは「歪笑小説」だが、前作の「黒笑小説」の登場人物が引き続き出てきており、また小説の内容云々・出版社・賞レースなどが扱われるのも前作と同じで、実質「黒笑小説の続編」といった趣き。 結構なぶっちゃけた内容に笑える部分は笑えるし、小説を作る人(編集者含む)達の大変さが伝わってもくる。 ちなみに一番ブラックな部分は某国民的アイドルを軽くディスった所で、最後の「さいえんす?」的な所は作者の本音だろう。 何が凄いって「麒麟の翼」や「白夜行」と同じ人が書いている事。 しかも笑える話を書いて本当に笑ってしまうことはそれほど無い。 作者のふり幅の広さに改めて感服。 | ||||
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誉め倒し、土下座しまくって原稿を取る“有能“編集者・ 獅子取を描く「伝説の男」、会社で居場所をなくしつつある 男が新人賞に応募する「最終候補」、本を売るためワザと 変人らしい格好をして話題づくりをする小説家の「戦略」、 小説家の収入をバクロする「職業、小説家」など12編収載の 短編集。 いずれも出版社の担当編集者と作家との絡みを描き、面白い が、最後にジワッとペーソスが漂う…。 新潮社の斉藤十一のような編集者は、作中の出版社「灸英社」 にはいない。 「そりゃ、小説ですからね。」ということなのかね? 本が売れないのは、ケータイやゲームのせいばかりじゃ ないんじゃ…? 読後のホロ苦さには、そんな想いも含まれているかも。 | ||||
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例によって、出版界や作家にからむブラックな話が冗談混じりにひたすら展開される。全部で12の短篇から構成されているが、読み進めていくとちょっとした既視感が。そう、ちゃんと連作短篇の形をとっているのだ。登場人物のバラバラ感があって読み進めるのが苦しかったりするが、いろいろと伏線(物語としての、であって、トリックのことではない)をばらまいてあるので我慢してちゃんと最後まで読むべし。 巻末に近くなってくると、それまでの投げやりな結末ではなく、意味ある結末に向かって話が収束するようになってくる。これが伏線の回収とあいまって、ちょっとした盛り上がりを見せるのだ。なかなか渋い仕掛けだ。個人的には「文学賞創設」「職業、小説家」などの終わらせ方が好み(このオヤジ、なんていいヤツなんだろう…)。 ともあれ、巻末の広告ページも凝っているし(ついに直本賞受賞ですかぁ)、改めて見てみるとカバーデザインも手が込んでいる。そもそも直木賞作家であるからこそ、こんな実話だかフィクションだか怪しい話を書いても許される(直本賞とか)、という話もあるので、まぁこの作品自体がなかなか稀有なものと言えるのでは。楽しめました。 | ||||
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実は私にとって、東野圭吾はもういいかな…と思い始めた作家でした。 作風に飽きてきたのか、★5つをつけたくなる作品が減ってきていたのです。 ところが、この作品ときたら…! さすがは東野圭吾! もちろん、また読み続けますとも。 旺盛なるサービス精神、そして風刺精神。 ゲラゲラ笑ったり、予想外にじーんときたり、いろんな面白さが詰まった短篇集です。 こんなに楽しめるものを文庫で出してもらってごめんなさいって感じ。 書き下ろしの巻末広告には、あの作家たちのその後がうかがえる情報がさりげなく書かれており、いろいろ想像して楽しめます。 「職業、小説家」を読んで、東野さんが「これでは作家という職業が成り立たなくなる」と自炊業者を提訴する会見でおっしゃっていたのを思い出しました。 私も以前は新古書店で何の罪悪感もなく本を買っていましたが、今ではちゃんと本屋さんで買うようにしています。 楽しませてもらうことに対して対価を払う。 そういう当たり前のルールを守っていかなければ、本に限らず、エンタメ業界は成り立たなくなると、この本を読んで改めて思いました。 | ||||
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言わば、東野圭吾の裏の扉、 とでもいいましょうか。 “業界”のリアルな世界を描き、 それをさらにブラックユーモアにしてしまう。 同業者はきっと、 苦笑するしかない、 という感じ。 フィクションに間違いないし、 フィクションであるように書かれている。 しかし、どこかには、 事実が見え隠れしている。 きっと、デフォルメされて書いているのだろうが、 どうも、ほんとっぽい。 それが、もうおかしい。 スライディング土下座とか、 もう笑っちゃいますよね。 新人作家も、 編集部の面々も、 極端だけど、憎めないキャラ達。 さすがですね〜。 | ||||
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東野さんの作品は、どの書店でもコーナーが作られるぐらい大人気ですよね。 そんなたくさんの有名作品の影でヒッソリ、「〜小説」シリーズもありますよー!と声を大にして言いたいです。 今回の‘歪笑’は一番グイグイ惹き付けられました。 小説家・編集者・小説家の家族と、様々な視点で物語が展開され、一気読みでした。 最後に、唐傘ザンゲ先生、直本賞受賞おめでとうございます! | ||||
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東野ファンなら、いや特にファンでなくても一気に読了してしまうことでしょう。 個人的に勤務先が神保町近くなので、近くの出版社の様子ってこんな感じ(いやいや流石にここまで のことはしないでしょ)と思いながらも、毎晩深夜遅くまで仕事をされている出版社の皆様のことを 思いながら読ませてもらいました。 巻末広告も楽しめます。本屋で探してみたくなりました(ちょっと読んでみたい誘惑に駆られます。 特に唐傘ザンゲさんの本)。 | ||||
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大体、表紙からして笑わせる。「歪笑」?ゆがんだ笑い?、分けて読むと「不正な笑い」?何だそれは? と思ってちょっと薄暗めの写真に目を転ずると、この小説内に出てくる本が3冊積まれている。そして、 上から2冊目には、さんざんこき下ろされている「撃鉄のポエム」の書名がさりげなく見えるようにして ある。読後に見ると、これだけでも笑いがこみあげてくる。 そして巻末にも、小説内に出てくる作家たちの本を「灸英社文庫 好評既刊」と称してパロディーの広告 が掲載されている。そのタイトルと紹介文が、また小説の内容と関連して笑わせるのだ。 つまり、頭からしっぽまでアンコの入ったたい焼きのように、表紙から巻末に至るまで、東野氏のイタズラ 心が炸裂したノリノリの一冊なのである。 12の短編も、それぞれ独立していながら、巧妙につながっており、前の話の中身が、後に出てくる話の可笑 しさをさらに増幅するような“仕掛け”に満ちている。 軽妙、洒脱にして粋な東野節が満載。「夢の映像化」で“稀代のスター木林拓成”が出てくる最後の一行は、 切れ味鋭い落語の「オチ」といった感じだし、「小説誌」の最後では、何かほろっと涙しそうになる。一本 一本、見事に東野氏の術中に心地よくハマっていく感覚に陥る。 「序の口」に出てくる小説家の「番付」を借りて言えば「やっぱり東の横綱は東野かな」という、ダジャレ とも本心ともつかぬ独り言が出てくる。そういう秀逸な作品である。 | ||||
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玉沢とか長良川ナガラとか糸辻とかのネーミングが最高すぎます。 個人的には巻末広告の青桃氏の『殺して』シリーズと、古井氏の高齢者シリーズのタイトルがツボにきて、爆笑してしまいました。 本編では『文学賞創設』がお気に入りです。予想外に、心が温かくなるようなラストが良かったです。 | ||||
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毒笑小説、怪笑小説、黒笑小説と読み進めてまいりましたが その中で、一番おもしろかったです。笑いのツボを得ています。 黒笑小説がさらにパワーアップしました。 短編集ですが、すべて作家と編集者の話で、ストーリーが続いています。 この小説を読むと、作家と編集者の苦労がわかります。 「作家になんて、なるもんじゃない!」 | ||||
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最後のページを開いて大ウケ。これをいきなり文庫化するとは、さすが売れてる作家は太っ腹、と感動したのですが・・・。 気が付くと怪笑、黒笑、毒笑と全部買っていました。なるほど、単行本×1ではなくて、文庫本×4を狙ったわけですね。 東野先生(と集英社)、邪悪な程に商売上手ですね。・・・ なんてことを考えるのもこの本を読んだせいかもしれません。 | ||||
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小説家達しかわからない、本を書く側と売る側のかけひきに関するノンフィクションを、 ちょっと大げさに面白おかしく書いただけの、東野氏の手抜き作品なのかな、と思って手にとって見たら・・・・。 まったく違いました。12の短編集からなっているのですが、どれもちゃんとお話として成り立っていて、 エンターテイメントが忘れられていない。腸が煮えくり返りそうな話、笑える話、鼻がつんとくるような、 うるっとくるような気持ちにさせられる話など、小説家や編集者達の両方に感情移入 してしまいました。 特に一番最後の「職業、小説家」という短編の居酒屋での喧嘩のシーンは、 出版不況時代を生き抜く小説家達を東野氏が代表して書いているのではないかとすら思いました。 どんなに心血を注いで書いた作品も、図書館で借りられてしまったり、ブックオフで 安く買われたりして、その作品を生み出してくれた人には昔ほど印税が入らないこの時代。 産みの痛みに見合わない収入しか期待できないでしょう。小説家にしてみれば、お賽銭の代わりに 「ありがとう」「面白かったよ」と書かれた紙切れがぽいぽい投げ込まれるお賽銭箱を持って いるような時代だけど、それでもあなたは小説家になりたい ですか?と小説家志望者に問いかけるような、そんな1冊でした。 | ||||
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