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【松浦寿輝】
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半島の評価:
4.08/5点 レビュー 12件。 B ランク
Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点4.08pt
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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ジュリアン・グラック+古井由吉
だが、残念ながら、本作は、グラックの強靱な思想も、古井由吉の艶めかしさも持ち得なかった。ただ、文庫解説者の、「東京大学教授」山内昌之の、まとはずれな門外漢の賞賛を得たにすぎない。あ、「読売文学賞」も。それにしても、この著者は、同賞といい、詩では高見順賞、小説では芥川賞、仕事は東大教授(今は退官されたが)、およそ文化に携わる者のあこがれる、ほとんどすべてを手に入れていて、それで、『半島』の主人公が、大学を辞め、人生をどうしたものか、憂えているような中年男と言われても、ほとんどの読者は共感を持ち得ないと思う。それになにより本作には、書く喜びが感じられない。作者自身が、こんな世界を信じていないのではないか。グラックの書く世界は架空ながら、リアリティがある。しかし、本作は、あまりに抽象的すぎて、絵空事そのものである。作者はなんの実感もないまま書いたのではないか? 実感とは、かつて訪れた外国の都市の、細部を知識として知っている、ということではない。また、個人的な思い出でもない。おのれの腹のうちを見せるという覚悟である。私は好みではないが、少なくとも、松浦の「師匠」、古井由吉にはそれがある。それは、某女性作家との色恋沙汰ぐらいどーってことないと呑み込んでいく居直りなのかもしれない。