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富士覚醒
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富士覚醒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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新品を注文したはずだが、中古品が届いた。 金額も違う 衛生的に大丈夫と書いていたが、梱包材は捨てました | ||||
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「死都日本」が抜群に面白かったので、富士山の噴火をテーマにしたこの作品に手を出した。しかし、結果から先に言うと、「死都日本」に比べると格段に出来が落ちる。 「死都日本」は話がよく整理されていて、火山の破局噴火による被害>それに関わる主人公と周囲の人間の物語(噴火からの逃避行)>南九州壊滅に対する政治の対応、という話のフレームワークがしっかりできていた。だから、時々記紀の伝承と火山信仰の話を結びつけるトリビアが入っても、それは小説のいいアクセントになることはあっても、話を壊すことはなかった。また、人間描写、特に政治に関わる人間の描写が薄いなあと思うことはあっても、この小説の本筋はあくまで破局噴火とそれに伴う被害の話なので、話の面白さに特に影響はなかった。 「富士覚醒」における、富士山の噴火とそれに直面した人間の行動の描写は、「死都日本」に引けを取らない。クライシス・ノベルが好きなので、災害に関する本はいろいろ読んだつもりだが、石黒氏の描く噴火以上に迫力のある描写を読んだことがない。しかも、科学的根拠がしっかりしているから、フィクションと言い切れない怖さがある。本作でも、この石黒氏の強みは存分に発揮されていて、この噴火のシーンを映画化したら面白いだろうなあ、でもハリウッドクラスの予算が必要だろうなあなどと、思ったものである。 しかし、「富士覚醒」は話のフレームワークがきちんとできていない。富士山の噴火という地質学の要素、火山信仰と日本神話(記紀)の関係という神話学の要素、そして徐福の旅という歴史伝承に関わる要素が渾然一体としてしまい、話の流れを壊している。特に、徐福伝説という要素を入れたことで、現実味のあるクライシス・ノベルのはずが、まるで伝奇小説のようになってしまった。さらに、富士山の噴火という小説のクライマックスで、主要キャストの高校生二人ともう一人の人物が、延々神話のなぞ解きをしている場面が挿入されたおかげで(このなぞ解きの場面は、高橋克彦氏の伝奇小説そっくり)、噴火の興奮がすっかり醒めてしまい、このなぞ解きのシーンは読むのがつらかった。 「徐福伝説」「火山信仰と日本神話の関係」も、個々に取り上げると話としては実に面白い。石黒氏は徐福伝説についてよく研究しているし、主要キャストの口を借りて語られる火山信仰に関する作者の説は、強い説得力がある。また、地震の名称に関する「御用学者」の説も、トリビアとしてはとても興味深い。このように、「富士覚醒」を構成している個々の要素は、それぞれ独立した一冊の本になるかと思えるほど質が高い。しかし、それらを一冊の小説に溶かし込むと、話が全くつまらなくなってしまう。個々の食材としては最高の素材でも、全く合わない食材を組み合わせて料理を作ったら、どうしようもなく不味い料理ができてしまった、そんな感じだろうか。つくづくもったいないと思う。 | ||||
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『死都日本』の読んだイメージから、『富士覚醒』というタイトルなら富士が破局的に噴火してくれるのかと想像して読み進めましたが、記紀と富士を結びつけて新しい解釈を模索する高校生カップルがメインで富士の噴火はおまけ程度のものだったので非常に残念でした。 日本神話が読みたいわけではなかったので最後まで読むのが苦痛でした。『ドラゴンヘッド』みたいな内容だったら最高だったと思います。 | ||||
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作者の「死都日本」を読んでファンになり、2作目としてこの本を読みましたが、80頁くらいで挫折して、それ以降読むことができませんでした。 その後、ブラタモリで富士山が取り上げられ、本書が話題になったりしたこともあり、再度チャレンジし、途中で何度も放棄しそうになりましたが、後半にはそのシーンになるだろうからと、ぐっと我慢しながら読んで、ようやく読了しほっとしました。 本書は全体で613頁ありますが、本題の富士山噴火に関係する場面が登場するのは甘い評価をしても250頁くらいから、厳しくみると300頁以降にならないと出て来ません。 そこまでは延々と火山学者の山野承一郎とその娘真紀、山野の幼なじみの成金的関西弁の土建屋、富成興産社長富成建男、その息子亮輔が中心となり、特に高校生の富成亮輔と山野真紀の淡い恋物語のようなことばかりで、火山などに関することはちらりとしか出て来ません。そして、大昔中国から日本に来た徐福の墓を発掘したとかの話しで、いつになっても本題にならないのです。 高校生の恋物語を読むために、この本を読んだわけではないし、徐福と富士との関係が分からないままの状態で、このかなり厚い文庫本の半分程度まで読み進まないといけないわけですが、そこまではどうしても我慢して読む気ににはならないのです。 登場人物のどの人も、あまりにもステレオタイプで安易な作りでリアリティがなく、それが物語の進行を悪い方向にばかり進めているようです。後半は富士山噴火の場面になりますが、人物のことが気になり本題に集中できませんでした。 | ||||
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科学的なデータと伝記的要素を取り入れた,読み応えのあるパニックノベルかと期待したが…。漫才のような土建屋のおじさんに安っぽい会話の高校生たち,真剣なのかふざけているのかわからない文章と描写(ユーモアのつもりなら作者の勘違い)。若い作家ではないのだから(キャリアという意味ではなく年齢的に),これらがせっかくの題材をぶち壊しているのに気づいてほしい。それでも我慢して読んでいたが,終盤はもう苦痛だった。「ポセイドン・アドベンチャー」や「タワーリング・インフェルノ」,「ダンテズ・ピーク」といったパニックムービーの雰囲気を活字で味わいたい人は手に取るのを避けてください。頭を抱えたくなるので。 | ||||
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前作『震災列島』に続き、主題が散漫な小説。タイトルや惹句は天変地異を主軸としているし、従って当然、読む側も「もし富士山が噴火したならば、どのような事態が起こり、そしてどのように対処すべきか」がここに描かれているという前提で臨むはずである。ところが肝心の異変は物語が半分まで進んでようやく始まる上に、その描写もいたって簡素、まるで役所の報告書のような無味乾燥な文体で、読み手を遙か後方に置き去りつつ勝手に進んでしまう。被災者の視点で描けないのは第一作『死都日本』からの作者の欠点であるのだが、それは一向に改善されないままである。 おそらく石黒は、この作品において「新たな日本神話解釈」を披露したかったのだろう。物語前半は殆どその「イザナミ=火山神」という仮説の議論で占められているし、その論の検討は富士の噴火が始まった後半以降においても止むことがないからである。しかしではその神話解釈に説得力はあるのかと言えば、残念ながら否定的な評価を下さざるを得ない。神話は「自然の出来事の擬人化」である、という見解は古くから存在するありふれた解釈であり、しかもそれはマックス・ミュラーの「言語疾病説」の系列に連なるものである以上納得できるわけがない。つまり「神話は知的に劣っていた古代人が、何とか自然の驚異を表現しようと擬人化した結果生じた物語である」という前提に立つものだ、ということだ。現代の物語にも様々な自然現象や動物を擬人化した物語はある。それらも「知的に劣っていた」結果生じたものなのか? そうではないなら、なぜ神話だけがそうであるのか? この疑問に石黒は答えられるのだろうか? かつまた、仮に火山が神の属性を決定する材料になったとしても、それは神話の部分でしかない。長い長い物語のある部分が自然現象に対応していたとして、その部分が読み解ければ神話を理解したことになるのだろうか? 石黒もまた、神話解釈において自然科学者の陥りがちな陥穽に陥っていることは明らかだ。そうした意味で「無駄な」議論を長々と講釈されるのは正直苦痛である。物語中にレヴィ=ストロースの名前を出すのならば(おそらくは出典は『構造・神話・労働』だろうが、タイトルにもある通り、神話をいかに解釈するかについてもその書の中で述べられていたはず、ならばなおのこと、石黒の神話へのスタンスに疑問が生じる)、構造分析による神話解釈の手法ぐらいは踏まえておいて欲しい。 | ||||
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著者の本は「震災列島」が初めてで、この本よりデビュー作の「死都日本」の方が数倍おもしろいという評判から、それも読み、そして今作です。 おそらく「死都日本」から読んでいるファンのほとんどの望みは、クライシス・衝撃・希望だと思うのです。 本書は、残念ながらクライシス・衝撃が訪れるのは、ほぼ終わりの方のみ。 それまでは並の青春小説になってしまいました。 神話と火山の話しは、個人的に好きなので私はよかったですけど。 「死都日本」があまりにいい出来だったので(2回読みました)、今回こそ!と、かなり期待したのでがっかりしました。 「死都日本」を越える作品を、次回こそは書いてくれ〜! | ||||
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御殿場で生まれ育った自分にとっては、 非常に興味深いテーマであると共に、 自分の街がどのように描かれるかも興味を惹かれ、読んでみた。 作者の得意とする火山災害に関する記述は、 一連の作品同様、それなりに読ませるものである。 しかし、自治体の対応の想定があまりに稚拙であることと、 作者が得意とする分野以外の記述も、もっと緻密にすべきではないだろうか。 物語としては、正直、つまらないといわざるを得ない。 | ||||
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