妊娠カレンダー

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評判

妊娠カレンダーの評価:

3.79/5点 レビュー 56件。 D ランク

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平均点3.79pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全66件 21〜40 2/4ページ
No.46
(5pt)

著者あとがきまで含めて読みたい作品

短編3本。
「妊娠カレンダー」妊娠した姉の様子を同居している妹が綴る。そこにいなかった生きものがいつのまにか身体の中に生じて否応なしに育っていくことの違和感、それまでの人間関係の中に新しい存在が生まれることの不思議、そういうものを感じた。
「ドミトリイ」雨の描写がとてもすてき。そして、身体の描写がとてもフェティッシュでどきどきする。
「夕暮れの給食室と雨のプール」給食室なつかしい。

小川洋子さんの作品を読むと、雰囲気に引き込まれるけれどその気持ちをなんと言葉で表現したらいいのかわからなくなることが多い。言葉を尽くしても仕方ないんじゃないかと思ってしまう。今回読んだ文庫版あとがきにあった小川さんの言葉がしっくりきたので書き写しておく。

「だから『妊娠カレンダー』は自分の経験を書いた作品か?と質問されるたび、ガックリする。わたしの妊娠体験なんて、スーパーで買ってきた新鮮な玉ねぎそのもので、何の書かれるべき要素も含んでいない。その玉ねぎが床下収納庫で人知れず猫の死骸になってゆくところに、初めて小説の真実が存在してくると、私は思う。」
妊娠カレンダー (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダー (文春文庫)より
4167557010
No.45
(5pt)

著者あとがきまで含めて読みたい作品

短編3本。
「妊娠カレンダー」妊娠した姉の様子を同居している妹が綴る。そこにいなかった生きものがいつのまにか身体の中に生じて否応なしに育っていくことの違和感、それまでの人間関係の中に新しい存在が生まれることの不思議、そういうものを感じた。
「ドミトリイ」雨の描写がとてもすてき。そして、身体の描写がとてもフェティッシュでどきどきする。
「夕暮れの給食室と雨のプール」給食室なつかしい。

小川洋子さんの作品を読むと、雰囲気に引き込まれるけれどその気持ちをなんと言葉で表現したらいいのかわからなくなることが多い。言葉を尽くしても仕方ないんじゃないかと思ってしまう。今回読んだ文庫版あとがきにあった小川さんの言葉がしっくりきたので書き写しておく。

「だから『妊娠カレンダー』は自分の経験を書いた作品か?と質問されるたび、ガックリする。わたしの妊娠体験なんて、スーパーで買ってきた新鮮な玉ねぎそのもので、何の書かれるべき要素も含んでいない。その玉ねぎが床下収納庫で人知れず猫の死骸になってゆくところに、初めて小説の真実が存在してくると、私は思う。」
妊娠カレンダー Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダーより
4163124209
No.44
(5pt)

好きな暗さ

淡々と書かれる暗さがとても良かったです。
特に表題作が一番気に入りました。
妊娠カレンダー (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダー (文春文庫)より
4167557010
No.43
(5pt)

好きな暗さ

淡々と書かれる暗さがとても良かったです。
特に表題作が一番気に入りました。
妊娠カレンダー Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダーより
4163124209
No.42
(4pt)

そこはかとない居心地悪さ

懐妊した姉。精神的に不安定な日々をおくる彼女を淡々と見守る妹。妹はまた、役立たずの義兄に冷ややかな視線を浴びせる。

日誌のようにつづられる三十八週間、殊更悪意が表出するわけではないが、底冷えする読後感のがタイトル作「妊娠カレンダー」。いうならば、日々、夫に高脂肪高塩分の食事をふるまう妻のごとし。

他の二編、身体にハンディがある男性との交流「ドミトリイ」、宗教の訪問勧誘をする親子との出会い「夕暮れの給食室と雨のプール」は、悪意こそありませんが、同様のそこはかとない居心地悪さを感じる。【芥川賞】
妊娠カレンダー (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダー (文春文庫)より
4167557010
No.41
(4pt)

そこはかとない居心地悪さ

懐妊した姉。精神的に不安定な日々をおくる彼女を淡々と見守る妹。妹はまた、役立たずの義兄に冷ややかな視線を浴びせる。

日誌のようにつづられる三十八週間、殊更悪意が表出するわけではないが、底冷えする読後感のがタイトル作「妊娠カレンダー」。いうならば、日々、夫に高脂肪高塩分の食事をふるまう妻のごとし。

他の二編、身体にハンディがある男性との交流「ドミトリイ」、宗教の訪問勧誘をする親子との出会い「夕暮れの給食室と雨のプール」は、悪意こそありませんが、同様のそこはかとない居心地悪さを感じる。【芥川賞】
妊娠カレンダー Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダーより
4163124209
No.40
(5pt)

悪意なのか???

大好きな姉を苦しめるモノから姉を守る。
手段として姉を傷付けようとし、結果的に姉の為になる活動をする。
初めて読んだのは10年前で、ふとした拍子にこの話を思い出して再読。
妹の気持ちがとてもわかるような、やっぱりわからないような。
こんなにもやもやした気持ちになる物語はなかなか無いです。

他の短編も粒ぞろい。
オススメです。
妊娠カレンダー (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダー (文春文庫)より
4167557010
No.39
(5pt)

悪意なのか???

大好きな姉を苦しめるモノから姉を守る。
手段として姉を傷付けようとし、結果的に姉の為になる活動をする。
初めて読んだのは10年前で、ふとした拍子にこの話を思い出して再読。
妹の気持ちがとてもわかるような、やっぱりわからないような。
こんなにもやもやした気持ちになる物語はなかなか無いです。

他の短編も粒ぞろい。
オススメです。
妊娠カレンダー Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダーより
4163124209
No.38
(4pt)

投げっぱなしの怖さ

すごいな、と感じたのは各章において怖いと感じさせる終わり方なのに、その過程の文章がまったく恐怖とは無関係な表現であることです。
妊娠中の姉にいわれのない八つ当たりをされていたり、鍋でジャムをかき混ぜたりしてるだけなのに、終わりに近づくにつれ、学生時代にアメリカ産のGFはヤバイことを教わっていたエピソードが出てきたり、姉が食欲旺盛になってきてGFジャムを貪る描写があったり、じわじわとせりあがってくる恐怖を感じます。

他の二作品も気づかない程度に、しかし確実に蓄積される怖さというあたりでは変わらぬ恐怖なのですが、この作品については終わり方がとにかく秀逸ですね。産まれてきたであろう姉の子どもと、産んだ姉に会うために病院に向かう妹の描写で終えている辺りは決して無責任ではない投げっぱなしの怖さを感じます。
改めて読んでみても一番怖いのは姉の子どもに対して「染色体」という表現を用いているのが恐ろしいセンスだなあと思いました。
あとGF怖いわ。
妊娠カレンダー (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダー (文春文庫)より
4167557010
No.37
(4pt)

投げっぱなしの怖さ

すごいな、と感じたのは各章において怖いと感じさせる終わり方なのに、その過程の文章がまったく恐怖とは無関係な表現であることです。
妊娠中の姉にいわれのない八つ当たりをされていたり、鍋でジャムをかき混ぜたりしてるだけなのに、終わりに近づくにつれ、学生時代にアメリカ産のGFはヤバイことを教わっていたエピソードが出てきたり、姉が食欲旺盛になってきてGFジャムを貪る描写があったり、じわじわとせりあがってくる恐怖を感じます。

他の二作品も気づかない程度に、しかし確実に蓄積される怖さというあたりでは変わらぬ恐怖なのですが、この作品については終わり方がとにかく秀逸ですね。産まれてきたであろう姉の子どもと、産んだ姉に会うために病院に向かう妹の描写で終えている辺りは決して無責任ではない投げっぱなしの怖さを感じます。
改めて読んでみても一番怖いのは姉の子どもに対して「染色体」という表現を用いているのが恐ろしいセンスだなあと思いました。
あとGF怖いわ。
妊娠カレンダー Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダーより
4163124209
No.36
(5pt)

よかった

非常に良い本です。発送も早くて、また、利用したいと思います。
妊娠カレンダー (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダー (文春文庫)より
4167557010
No.35
(5pt)

よかった

非常に良い本です。発送も早くて、また、利用したいと思います。
妊娠カレンダー Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダーより
4163124209
No.34
(5pt)

高水準の中編3編、読書の醍醐味を味わいました。

上質の中編3篇です。私は、特に2番目の「ドミトリイ」が好きでした。特殊な変性を遂げつつある不思議な雰囲気の学生寮。静かに死と共存するような先生。単調に降り続く雨。雨がやがて訪れる緩やかな死を強く暗示させてくれつつ、不思議に広がっていく天井のしみ。うん、とても優しいけどカフカ的な素敵な雰囲気です。これ大好きな作品でした。読み終わるのが惜しかった。
「妊娠カレンダー」も興味深いです。妊娠した姉の様子を科学の実験ノートのように客観的に眺めてくれています。母性愛とかカットされて、生物的な生理的変化が淡々と記されて類を見ない作品になっています。つわりのスプーンの砂のにおい、そしてつわりが終わって、無性に「グレープフルーツのジャム」を食べまくる姉。PWHとか頭の片隅に冷静に見つめる私。最後の「破壊された姉の赤ん坊」も衝撃的な表現ですね。破壊されたは姉にかかるんでしょうけど。試食コーナーでバイトするご本人は、「帯同馬」のお姉さんになっていくんでしょうか。
「夕暮れの給食室と雨のプール」は明るいメルヘン調の作品です。チャーリーとチョコレート工場みたいに、思い切り想像力を働かせて書いて頂いています。半導体製造工場みたいな給食室の描写がうまいですね。最初、ジュジュが犬か猫か、どっちかなと思って読み始めました。
これだけの中編3編が1冊に収められた作品で、驚きました。水準すごく高い作品集です。読む機会を得て幸せでした。
妊娠カレンダー (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダー (文春文庫)より
4167557010
No.33
(5pt)

高水準の中編3編、読書の醍醐味を味わいました。

上質の中編3篇です。私は、特に2番目の「ドミトリイ」が好きでした。特殊な変性を遂げつつある不思議な雰囲気の学生寮。静かに死と共存するような先生。単調に降り続く雨。雨がやがて訪れる緩やかな死を強く暗示させてくれつつ、不思議に広がっていく天井のしみ。うん、とても優しいけどカフカ的な素敵な雰囲気です。これ大好きな作品でした。読み終わるのが惜しかった。
「妊娠カレンダー」も興味深いです。妊娠した姉の様子を科学の実験ノートのように客観的に眺めてくれています。母性愛とかカットされて、生物的な生理的変化が淡々と記されて類を見ない作品になっています。つわりのスプーンの砂のにおい、そしてつわりが終わって、無性に「グレープフルーツのジャム」を食べまくる姉。PWHとか頭の片隅に冷静に見つめる私。最後の「破壊された姉の赤ん坊」も衝撃的な表現ですね。破壊されたは姉にかかるんでしょうけど。試食コーナーでバイトするご本人は、「帯同馬」のお姉さんになっていくんでしょうか。
「夕暮れの給食室と雨のプール」は明るいメルヘン調の作品です。チャーリーとチョコレート工場みたいに、思い切り想像力を働かせて書いて頂いています。半導体製造工場みたいな給食室の描写がうまいですね。最初、ジュジュが犬か猫か、どっちかなと思って読み始めました。
これだけの中編3編が1冊に収められた作品で、驚きました。水準すごく高い作品集です。読む機会を得て幸せでした。
妊娠カレンダー Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダーより
4163124209
No.32
(4pt)

数理と不条理とを併せ持った作者の持ち味が良く出た中編集

表題作の他、「ドミトリイ」、「夕暮れの給食室と雨のプール」の全3つの作品を収めた中編集。数理と不条理とを併せ持った作者の持ち味が良く出ている。

表題作は、題名こそ平凡な印象を与えるものの、妊娠した"姉"の妊娠発覚から出産までの模様を、ヒロインである"妹"の日記によって綴るという変わった視座で描いた作品。幸せな過程である筈の妊娠を、一種のメタモルフォーゼの様に描き、更に"妹"の悪意が加わって、悪夢の世界へと誘う手腕が買える。「ドミトリイ」は、古びた下宿屋とその管理人とを重ね合わせ、皆川博子氏の諸作品の様な幻想と恐怖を醸し出している。身体の部位に対する執拗な描写が生々しい。作者の他の作品でもそうなのだが、作者が魅力を感じる(描く)男性はどうやら<先生>らしい。「夕暮れの給食室と雨のプール」は、短編と言って良い長さだが、不思議な懐かしさと幻想味を覚える掴み所のない作品。

初期の作者の作風が非常に良く出た中編集。表題を見て、敬遠したくなった男性の方にも一読をお薦めしたい充実した内容だと思う。
妊娠カレンダー (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダー (文春文庫)より
4167557010
No.31
(4pt)

数理と不条理とを併せ持った作者の持ち味が良く出た中編集

表題作の他、「ドミトリイ」、「夕暮れの給食室と雨のプール」の全3つの作品を収めた中編集。数理と不条理とを併せ持った作者の持ち味が良く出ている。

表題作は、題名こそ平凡な印象を与えるものの、妊娠した"姉"の妊娠発覚から出産までの模様を、ヒロインである"妹"の日記によって綴るという変わった視座で描いた作品。幸せな過程である筈の妊娠を、一種のメタモルフォーゼの様に描き、更に"妹"の悪意が加わって、悪夢の世界へと誘う手腕が買える。「ドミトリイ」は、古びた下宿屋とその管理人とを重ね合わせ、皆川博子氏の諸作品の様な幻想と恐怖を醸し出している。身体の部位に対する執拗な描写が生々しい。作者の他の作品でもそうなのだが、作者が魅力を感じる(描く)男性はどうやら<先生>らしい。「夕暮れの給食室と雨のプール」は、短編と言って良い長さだが、不思議な懐かしさと幻想味を覚える掴み所のない作品。

初期の作者の作風が非常に良く出た中編集。表題を見て、敬遠したくなった男性の方にも一読をお薦めしたい充実した内容だと思う。
妊娠カレンダー Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダーより
4163124209
No.30
(5pt)

最大限の抵抗

一般常識として、妊娠はめでたく、喜ぶべきものだ。
ところが主人公は姉の妊娠を快く思うことができない。
この、常識と実感とのズレは非常に素直なものだと思う。
誰もが世間の常識通りのテレビドラマ的な感情を抱くとは限らないのだ。
むしろ、皆がこういった画一的な価値観に疑問を抱きつつも
その通りにふるまっていることでこういった常識は支えられているのだろう。
妊娠をきっかけに尊大になっていく姉に嫌悪感を露わにするほど常識外れにもなれない主人公がとった行動は、
血縁や義務感に縛られた現代人のできる最大の抵抗なのかもしれない。
妊娠カレンダー (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダー (文春文庫)より
4167557010
No.29
(5pt)

最大限の抵抗

一般常識として、妊娠はめでたく、喜ぶべきものだ。
ところが主人公は姉の妊娠を快く思うことができない。
この、常識と実感とのズレは非常に素直なものだと思う。
誰もが世間の常識通りのテレビドラマ的な感情を抱くとは限らないのだ。
むしろ、皆がこういった画一的な価値観に疑問を抱きつつも
その通りにふるまっていることでこういった常識は支えられているのだろう。
妊娠をきっかけに尊大になっていく姉に嫌悪感を露わにするほど常識外れにもなれない主人公がとった行動は、
血縁や義務感に縛られた現代人のできる最大の抵抗なのかもしれない。
妊娠カレンダー Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダーより
4163124209
No.28
(4pt)

不思議な世界

少し恐くて、少し不気味で、でもエレガント。人の心の奥深くを描き、でも優しい描写と言葉で語られていて、好きです。続きを考えるのも楽しいです。
妊娠カレンダー (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダー (文春文庫)より
4167557010
No.27
(4pt)

不思議な世界

少し恐くて、少し不気味で、でもエレガント。人の心の奥深くを描き、でも優しい描写と言葉で語られていて、好きです。続きを考えるのも楽しいです。
妊娠カレンダー Amazon書評・レビュー: 妊娠カレンダーより
4163124209