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凶弾 禿鷹V



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【この小説が収録されている参考書籍】
兇弾
兇弾 禿鷹ⅴ (文春文庫)
兇弾 禿鷹V (文春文庫)

凶弾 禿鷹Vの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

誰も信用しない、信用できない悪者たちの輪舞

シリーズ主人公のハゲタカこと、禿富鷹秋警部補が死んで終わったはずの「禿鷹シリーズ」だが、「禿鷹外伝 禿鷹V」が登場し、新たなシリーズが展開されるようだ。
警察史上最悪の悪徳刑事・ハゲタカが命を賭けて隠そうとした神宮警察署の裏帳簿のコピーは、同僚の御子柴から警察庁の特別監察官・松国を経由して警察官僚の上層部に渡されたが、上層部はこれを握りつぶすことを決めた。この決定に不満を持つ松国はメディアでの暴露を工作する。それを察知した上層部は、ハゲタカの天敵・岩動警部にコピー回収を命令する。岩動は南米マフィアの残党や新宿を根城とするヤクザを操って回収に乗り出し、ハゲタカと懇意で渋谷を縄張りとするヤクザ渋六興業を巻き込んだ壮絶な戦いが繰り広げられることになる。
シリーズお馴染の登場人物に新たに加わった強烈なキャラクターが、ハゲタカの未亡人・司津子。若い頃の岩下志麻をしのぐ和風美人ながら、ハゲタカ以上に得体がしれない不気味さを秘めている。さらに、これまでは脇役に徹していた、冴えない中年警部補の御子柴がハゲタカ譲りの図々しさを発揮してヤクザや同僚を振り回すという変身を見せる。御子柴の新たな相棒になった嵯峨警部補も相変わらずの食えない言動で、周りに疑心暗鬼を引き起こしていく。
とにかく、登場人物全員が悪人というか、腹に一物を持つ人物ばかりで、誰が正義か、何を信用すれば良いのか分からないまま暴力的なクライマックスを迎えることになる。読者は正邪の判断は保留して、スピーディーでスリリングなストーリー展開と派手なアクションを堪能するのが、本作の楽しみ方だと言えるだろう。シリーズファンはもちろん、単発で読む読者も楽しめること請け合いだ。

iisan
927253Y1

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