獄門橋

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8.00/10点 レビュー 1件。 B ランク

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No.1
(8pt)

太平洋戦争末期のバークレー、有色人種刑事の正義と諦観

中国系移民として育った女性作家の処女小説。1944年のカリフォルニア州バークレーを舞台に大統領候補の政治家殺害事件にまつわる地元名家の悲劇を暴くことになる、メキシコ系刑事の苦悩を描いた謎解きサスペンスである。
バークレーの高級ホテルで大統領候補のウォルターが殺害された。刑事サリヴァンは容疑者として地元有数の名家・ベインブリッジ家の三人の孫娘を取り調べようとするのだが、証拠が曖昧だと上司から圧力をかけられる。有無を言わさぬ証拠固めに奔走するサリヴァンは、14年前に同じホテルで起きたベインブリッジ家の孫娘の不審死が鍵になると気付いた。だが、ベインブリッジ家の家長・ジェネヴィーヴをはじめ、一家の女性たちはしたたかで、サリヴァンは翻弄されるばかりだった…。
政治家殺害の犯人・動機探し、名家の美しい少女たちにまつわる因縁話を本筋に、日系アメリカ人の強制収容、メキシコ系に対する差別、中国とアメリカの関係などの社会情勢が絡んでくるストーリーは躍動感があり、変化に富んでいて飽きさせない。外見的に白人としか見えないサリヴァンがルーツとアイデンティティに引き裂かれ苦悩する内面の描写もインパクトあり。
犯人探しに加えて人種や貧富による軋轢もリアルで、ミステリー・ファンはもちろん近現代史に興味がある方にもオススメしたい。

iisan
927253Y1