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救いの森の評価:
7.00/10点 レビュー 1件。 C ランク
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どこまで子供を信じきることができるのか?
2019年に発表された著者3作目の書き下ろし長編。現在の子供たちが置かれた状況をどう改善して行くのか、近未来の設定でその解答を試みた意欲的な社会派ヒューマン・ミステリーである。義務教育期間の生徒全員に「ライフバンド」装着が義務づけられ、SOSを求める子供がライフバンドを起動させると「児童救命士」が駆けつけるという制度が機能している社会。新人「児童救命士」の長谷川は初任地である江戸川児童保護署で様々なケースに遭遇し、自分の経験不足、無力さに悔しさを痛感しながらも「子供たちを救う」という使命感だけを頼りに奮闘する。SOSを発する子供は何らかの問題に直面しているはずなのに、その悩みをなかなか素直には告白してくれない。その裏側には「その大人が信頼できるのか?」という、子供の真剣な迷いがある。その迷いを断ち切るには、大人の側からどこまでも子供を信じることではないか? 長谷川は、冷笑的な世間からは鼻で笑われそうな信念を持つようになる。4章に別れていて、それぞれに現実に起きた事件を想起させるエピソードが使われている。それだけに、作者の意図するものがリアルに見えて来て、作者自身も迷いながら、考えながら問題に取り組んでいることが伝わって来る。どれも簡単に正解が分かるような問題ではなく、読む側にも解答を考えることを求めて来る重さを持っている。ミステリーとしての完成度は高くなく、文章力もさほどではないが、テーマの追及力で読ませる作品である。社会派ミステリー、ヒューマン・ミステリーのファンにオススメする。
2019年に発表された著者3作目の書き下ろし長編。現在の子供たちが置かれた状況をどう改善して行くのか、近未来の設定でその解答を試みた意欲的な社会派ヒューマン・ミステリーである。
義務教育期間の生徒全員に「ライフバンド」装着が義務づけられ、SOSを求める子供がライフバンドを起動させると「児童救命士」が駆けつけるという制度が機能している社会。新人「児童救命士」の長谷川は初任地である江戸川児童保護署で様々なケースに遭遇し、自分の経験不足、無力さに悔しさを痛感しながらも「子供たちを救う」という使命感だけを頼りに奮闘する。SOSを発する子供は何らかの問題に直面しているはずなのに、その悩みをなかなか素直には告白してくれない。その裏側には「その大人が信頼できるのか?」という、子供の真剣な迷いがある。その迷いを断ち切るには、大人の側からどこまでも子供を信じることではないか? 長谷川は、冷笑的な世間からは鼻で笑われそうな信念を持つようになる。
4章に別れていて、それぞれに現実に起きた事件を想起させるエピソードが使われている。それだけに、作者の意図するものがリアルに見えて来て、作者自身も迷いながら、考えながら問題に取り組んでいることが伝わって来る。どれも簡単に正解が分かるような問題ではなく、読む側にも解答を考えることを求めて来る重さを持っている。ミステリーとしての完成度は高くなく、文章力もさほどではないが、テーマの追及力で読ませる作品である。
社会派ミステリー、ヒューマン・ミステリーのファンにオススメする。