■スポンサードリンク


彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~の評価: 9.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(9pt)

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~の感想

「嘘」をテーマとした青春物語として大変良かったです。総じて優しさを感じる読書なので「嘘」という騙しを扱うとしても嫌な気持ちがない読書でした。成長物語+ちょっとミステリーぐらいな感覚で読むとよいです。☆8+1(好み補正)。

主人公は嘘が分る青年。彼の視点では世の中は嘘だらけ。相手の偽りの言葉を目にしてしまう人生から少し卑屈になり、他人とは距離を置いた生活を過ごしています。そんな彼が気になる子は全く嘘をつかない少女。その少女から友人の自殺の真相を知りたいと相談を受けます。手がかりを握るのは学園のアイドル。ただし、彼女の言葉は嘘ばかり……。その彼女の言葉から真実を見つけようと行動していく流れ。

出版レーベルやラノベの雰囲気から、能力ものだったり賑やかなラブコメを予感させますが、そんな事はなく文学寄り。副題に"攻防戦"とありバトルを想像していましたが全く関係なし。実際は嘘をテーマとした現実的なちょっと重めなストーリー。嘘が見抜ける事で父親との面と向かった会話ができなくなっている家庭の悪い状況や友人との距離感といった暗澹たる心情を読ませます。そこから、嘘をつく/つかないヒロインと関わることで「嘘」についての色々な一面を学んでいきます。嘘が分る話なのに、相手の心の中の真実が見えない。登場人物達の心情の描き方がよくて惹き込まれました。事件の真実が徐々に見えてくるのと並行して、登場人物達の心情も見えてくる展開が良い。

葛藤や心苦しいエピソードなど、何度かわだかまりを残したままのエンディングを予感させつつ、大団円へ到達する流れも良い。これは恋愛アドベンチャーゲームのトゥルーエンドに到達したような読後感した。終わり方が素晴らしく好み。

ファミ通文庫からという事で、その層向けのイラストもよく、恋愛アドベンチャーも青春ミステリも好きな方へは特におすすめです。

egut
T4OQ1KM0

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!