歴史文学賞入賞の表題作をはじめ時代ミステリーの秀作4篇を収録。ミステリー界のホープが放つ待望の時代小説集第二弾。

大学生の隅野弘之は一流テレビゲーム会社「リューエイ」への就職が内定した。

函館市生まれの氏家鞠子は18歳。札幌の大学に通っている。

天正十年六月二日、明智光秀は本能寺に信長を討つ。果して黒幕は存在したのか、したならばそれは誰なのか。

「犯罪被害者に限定して言えば、事件の加害者となった人間以外はすべて、被害者になってしまうのではないかと、私はそんなふうに考えている。

『今年、1200個の密室で、1200人が殺される。

伝説的数学者、天王寺翔蔵博士の住む三ツ星館でクリスマスパーティーが行われる。

摩周島は八丈島から船で2時間あまり、伊豆諸島の絶海の孤島である。

田村菜津子は、家庭の崩壊を恐れながら、弁護士の沢田哲也と密会を重ねていた。

「自殺したの。あの子が死んじゃったのよ」母のか細い声が受話器から伝わってきた。

女薬剤師ヘラはハイデルベルクの産婦人科病院に入院中。病院の夜は長く、退屈だ。

ベッドフォードシャーの工場町ルートンに住むジョー・シックススミスは、そろそろ四十に手が届こうかという中年男。

1841年、本格推理の祖といわれるE・A・ポーの「モルグ街の殺人」が生まれた。

転落の快感か、再生の愉悦か。人類に注がれる神の双眸。

零細業界誌の社長兼編集長・高梨は、禁煙運動にも、躰が汗臭くなることにも、夫婦の危機にも、無難な中年男になることにも抵抗しているタフな男。

諜報員、殺しし屋、インターポールが入り乱れての大スペクタクル!小説の面白さを追求し続けた作家の腕が冴える傑作。

「結婚したら、もう恋をしてはいけないの?」。

ドメスティック心理サスペンス。うそのアリバイの深みにはまった平凡な主婦。

チンギスハーンの再来、英雄フビライは果して黄金の国ジパングの夢にとりつかれたのか!?モンゴル平原に興った史上最強の騎馬帝国・元が、日本を襲い蹂躪せんとす。

舟下りで知られる京都・保津川峡谷の崖の上から、男が何者かに背中を突かれて転落死した。

“二階堂一族”は奇しくも「事件の中心人物が行方不明」という共通の難問に直面した。まず柏木医博。

謎の長編ミステリの著者を捜せ!同人誌に掲載された長編推理小説『ネメシスの哄笑』を巡って次々と起こる奇怪な殺人事件!推理小説同人誌「オフショット」の会誌に載っていた長編ミステリ『ネメシスの哄笑』は、近年まれに見る大傑作であった。

弁護士資格を取得してわずか三カ月の青年に勝ち目はあるのか?難癖をつけて、法の名の下に骨髄移植への保険金支払いを拒否しつづける巨大企業。

ある夜「俺」のところに、結婚詐欺にまつわる依頼が舞い込んだ。詐欺を仕組んだのは、元一流商社マンの伊野田という男だという。

「衝撃のたくらみ」加賀刑事執念の捜査。翻弄され尽くす快感と、くらくらするような結末。

闇と光の交錯する混沌都市・新宿に聳え立つ超高層ビル。

「貴女の死期が近づいていることを、お知らせするのは、残念ですが、事実です…」二通の“死の予告状”を受け取ったR建設のOL・広田ユカが突然消息を絶った。

「青柳みゆきが殺される」―。警視総監宛てにKと名乗る男から奇妙な五通の手紙が届いた。

十津川警部が妻の直子と伊豆旅行中に出会った、OLグループの一人・東郷由美子が河津七滝で行方不明!一カ月後、彼女の殺害死体が東京・国立市の豪邸地下室で発見された。

「私、人殺しなの…」幼い頃の罪の記憶を抱えたふたりの女性は、日常の狭間に見え隠れする愛と生命の尊さを通じて再生してゆく。

復讐の海に残された日記と録音テープ…。荒れ狂う海上で、生き残るのは誰か!?叙述トリックの名手が放つ、傑作長編推理。

鳥取と岡山の県境の村、──かつて戦国の頃、3千両を携えた8人の武者が、この村に落ちのびた。

美貌の資産家が自己所有の高級旅館で謎の首つり死体として発見され、夫が逮捕された…。

ハイテクを駆使した現代の美少女誘拐ともう一つの警視庁を揺るがした連続殺人。

この国はいちど滅びるのだ―長文の遺書を残し、陸軍大将・蒲生憲之が自決を遂げたその日、時の扉は開かれた。

「カチカチ鳥を飛ばせ」という謎の電話を傍受してしまった予備校生は、そこに犯罪の匂いを嗅ぐ（盗聴）。