吹き荒れる雪。うなる銃弾。

「狼は哲学者だな。戦闘に熟達しただけのコマンドじゃない」傭兵がつぶやく。

「あたしの誇りは竜よ。あたしの狼、冬に向かって走る狼」女は唇を重ねる。

弁護士・谷の同僚、戸部が失踪、つづいて彼と関わりのあった小山民子が殺された。

刑事となった良文は、抜群の検挙率をあげた。

固い決意を胸に秘め、男は帰ってきた。港町N市―妻を失った男には、闘うことしか残されていなかった。

スーパーの親爺。ヤクザからは足を洗った。

荒海を渡り、絶壁をよじ登って、男は女のもとへやってきた。「私がいる。

上得意の客に暴力をふるい、横浜の高級クラブのボーイを馘になった25歳の川本高志は、喧嘩の遠因となった男・室田の仕事を手伝いはじめる。

獲物を追って、この街へやってきた。そいつの人生に幕を引いてやる、それが仕事のはずだった。

砂糖菓子のように崩れていく―。女はそう形容した。

俺をハメたのは誰だ？横浜の夜、容疑者を射殺し、刑事の職を追われた梶。

「なにも言わずに消える。それが俺には納得できなかった」自分の前から、突然消えた女を追いかけて、青年はこの街にやって来た。

愛する女・牧子のために殺人を犯して、暴力団と警察に追われる幸二。

孔雀城―無頼の少年たちは、自分たちの寝ぐらをそう呼んだ。戦争直後の東京、焼けくずれた工場の跡地である。

依頼人は若すぎた。義姉の行方を心配する和夫は中三だった。

福岡・遠賀川で船頭のまねごとをしながら日々を過ごす小添家三男・正太。佐賀県内に三つの賭場を持つ藤家の女将・瑠〓(い)。

港町N市―市長を巻きこんだ抗争から2年半が経過した。

高校教師の西尾は、突然退学した生徒を探しにその街にやって来た。「臆病なんですよ、俺は。

一等航海士・神尾修二は、友人の戸山が殺されたことを航海中に知る。神尾の婚約者を自称する教子をめぐるトラブルが原因という。

冬は海からやって来る。静かにそれを見ていたかった。

冬が海からやって来る。毎年それを眺めているのが好きだった。

俺は20歳のバーテンダー。夢はクルーザーを駆って海原を疾ること。

躰の中で、なにかが止まった…。四年前のある日、平凡な会社員・立原に生じたある感覚。

定期的に食事はするが、踏み込まない。響子とは二十二年、そうしてきた。

梁山泊は、威勝の田虎の叛乱が青蓮寺の策略だと看破した。近くの石梯山に魯達や鄒淵らを派遣し、切り崩しを図る。

病死した戦友の息子・野本精一から金の無心をする電話がかかってきた。

別れた女に、今の俺が何をできる―。かつての妻・杏子がロス―東京間を結ぶコカイン密売組織のトラブルに巻き込まれた。

男は、3年前に別れた妻を救うために、その街へやって来た。「なにからはじめればいいのか、やっとわかったよ。

外国人娼婦が共同で住んでいるホテル。そこから、イタリア人の少年が誘拐されたという。

元一等航海士・神尾修二が法律事務所の調査員を始めて一年。奇妙な依頼が舞い込んだ。

ボクシングの師・長坂の依頼を受けた神尾修二は、謎の失踪を遂げたウィグル人ボクサーのジューを追って、中国・新疆ウィグル自治区の町・カシュガルへ着いた。

二つの腎臓を失くした「キドニー」と呼ばれる弁護士の宇野。

グレーのスーツ、地味なネクタイ、きちっと刈った髪。よく独り言を呟く神経質な男。

探偵・浅生、32歳、元商社マン。時として、身体を張って調査をすることもある。

夏の海が吼えていた。灼けつくような陽をあびて、私は教会の葬礼に参列した。

失跡した青年、水町俊の後を追った元一等航海士・神尾修二はアフリカ・コートジボワールに降り立った。

小川の自動車修理工場に大破したポルシェを持ち込んだのは、お喋りでどこか憎めない男、矢部だった。新車同然に直してやった。

虚飾と欲望に彩られた街。私はこの土地の権力者・久納義正を取材するためにやって来た。

両親を亡くしたイタリア少年・マリオと暮らすようになり、恵子とともに彼の「親」となることを決意した神尾。

人生の塩辛いところばかり舐めようとして生きるため「ソルティ」と呼ばれている若月真一郎。

「もう檻の中の運動会はやめだ」―全共闘高揚期、茶番劇に飽きた4人の男たちが本物の銃と弾丸を用意して起ち上がった。

S市郊外のトンネルを抜けると蜃気楼のような街が眼の前に広がる。私はかつての師・市来を捜すためにこの街へやってきた。

鎌倉幕府を倒し、後醍醐天皇が敷いた建武の新政も、北朝を戴く足利尊氏に追われ、わずか三年で潰えた。

タクシードライバーの浜田英二のところに、ある日一人の女性がやって来る。ミラーごしに見た懐かしい面影。

30歳を前に商社を辞めて転職した。やくざまがいの探偵稼業。

渋谷を根城にファイトパーティーを主宰し、トップにのし上がったストリートギャング雅。

新宿署の刑事・鮫島は、捜査中に北新宿のヤミ民泊で男の銃殺死体を発見した。

正義派ではない、金のためでもない。ヤミ金融の連中を脅し、言いがかり同然の裁判を起こす。

デザイン事務所に勤めるインテリア・デザイナー、美有のもとに、思いがけない大きな仕事が舞い込む。

“探偵にゃ、目的がひとつある…真実ってやつさ”私立探偵・野崎は、山中で怪我をした少年・安彦と出会い、介抱した。

大麻所持で逮捕されたナイジェリア人の取調べにあたった鮫島は麻薬ルートの捜査に乗り出し、盗品を専門に売買する「泥棒市場」の存在を突き止める。

ただ独りで音もなく犯罪者に食いつく―。「新宿鮫」と怖れられる新宿署刑事・鮫島。

「刑事を辞めるか、人間を辞めるか」 新宿署の一匹狼刑事・佐江は法を捨て、日本最大の暴力団最高幹部・延井は、面子を捨てた。

新宿に北の国から謎の男が現れる。獣のような野性的な肉体は、特別な訓練を積んだことを物語っていた。

「忘れたくないんだ」「なにを?」「自分が男だってことをさ」「血だるまになるのがそうなのか?」「時にはな」…助けを求めて泣いている女のために、男はどこまで生命を賭けられるか。