(短編集)

悪党

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あらすじ

2009年07月31日 悪党

自らが犯した不祥事で職を追われた元警官の佐伯修一は、今は埼玉の探偵事務所に籍を置いている。決して繁盛しているとはいえない事務所に、ある老夫婦から人捜しの依頼が舞い込んだ。自分たちの息子を殺し、少年院を出て社会復帰しているはずの男を捜し出し、さらに、その男を赦すべきか、赦すべきでないのか、その判断材料を見つけて欲しいというのだ。この仕事に後ろ向きだった佐伯は、所長の命令で渋々調査を開始する。実は、佐伯自身も、かつて身内を殺された犯罪被害者遺族なのだった…。『天使のナイフ』で江戸川乱歩賞を受賞した著者が、犯罪者と犯罪被害者遺族の心の葛藤を正面から切り込んで描いた、衝撃と感動の傑作社会派ミステリ。(「BOOK」データベースより)

評判

悪党の評価:

8.50/10点 レビュー 4件。 B ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点8.50pt

悪党の総合評価:

8.59/10点 レビュー 58件。

感想一覧

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.54
(5pt)

構成力に秀でた復讐劇

鬼畜のような犯罪を犯しながら軽い刑期で出てくる犯罪者たち。彼らに対して残された被害者
家族はその悔しさの激情をどこにぶつければいいのか。犯罪ミステリーのグランドテーマとしては
些か重いテーマでもある。この作品は、連作形式で探偵佐伯修一が、そのような被害者家族たちの
依頼を受けながら、この作品自身のより大きなテーマである、佐伯自身の「復讐劇」を描いていく。
佐伯自身も自分の姉を昔不良たちに殺害されている。3人の不良たちへの彼なりの復讐、
苦悩しながらもその復讐を遂行しようとする佐伯の凄まじい執念。作品の前半では、彼が扱う
数件の事件が描かれるが、すべて殺人被害者家族による依頼だ。描かれる加害者の多くは、
本当の意味での贖罪を果たしていない。彼らがどのような、復讐を受けるのか。構成が巧みで
うまい流れを作っている。この著者薬丸岳の作品を読むのは初めてだが、なかなか構成力に
優れた面白いミステリーを書く作者だ。
悪党 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 悪党 (角川文庫)より
4041004713
No.53
(5pt)

構成力に秀でた復讐劇

鬼畜のような犯罪を犯しながら軽い刑期で出てくる犯罪者たち。彼らに対して残された被害者
家族はその悔しさの激情をどこにぶつければいいのか。犯罪ミステリーのグランドテーマとしては
些か重いテーマでもある。この作品は、連作形式で探偵佐伯修一が、そのような被害者家族たちの
依頼を受けながら、この作品自身のより大きなテーマである、佐伯自身の「復讐劇」を描いていく。
佐伯自身も自分の姉を昔不良たちに殺害されている。3人の不良たちへの彼なりの復讐、
苦悩しながらもその復讐を遂行しようとする佐伯の凄まじい執念。作品の前半では、彼が扱う
数件の事件が描かれるが、すべて殺人被害者家族による依頼だ。描かれる加害者の多くは、
本当の意味での贖罪を果たしていない。彼らがどのような、復讐を受けるのか。構成が巧みで
うまい流れを作っている。この著者薬丸岳の作品を読むのは初めてだが、なかなか構成力に
優れた面白いミステリーを書く作者だ。
悪党 Amazon書評・レビュー: 悪党より
4048739743
No.52
(5pt)

高校生だった姉は陵辱され殺された。犯人は未成年だったため人生を謳歌している。姉の仇を追う復讐譚。

佐伯修一は元警官です。レイプ未遂事件の現場にかけつけた時に犯人に銃を向けた事で懲戒免職になり、今は探偵事務所で働いています。佐伯は15年前、3人の男に姉を性的暴行で殺された被害者遺族なのでした。
 前半は探偵として犯罪加害者の今を追跡調査します。佐伯自身もまた犯罪被害者遺族であり、この仕事には大いに力が入るわけです。

 薬丸はデヴュー作「天使のナイフ」で少年犯罪について、続く「闇の底」では幼児性愛者の犯罪について、更に「虚無」で心神喪失者の犯罪について続々と重いテーマに正面から取り組んでいます。いずれも「贖罪とは何か」と「被害者の怨念は晴らせるのか」という問題を赤裸々に描く名作という、力がある作家さんで塩味はファンなんです。本作もこの流れを踏襲しています。

 一件目の調査は息子を暴行死させた犯人・坂上洋一が何をしているのか調べて欲しいとの老夫婦からの依頼です。契約どおり2年前に出所した坂上の現状を報告する佐伯に「坂上を赦すのか?赦すべきでないのか?その判断が出来る材料が欲しい」と追加依頼をします。坂上は出所後オレオレ詐欺をしており、佐伯は被害者遺族であり赦せる材料など見付けられるわけがありません。「私なら絶対に赦せません」と告げたことがきっかけで、坂上洋一は依頼者にナイフで刺され半身不随になります。

 2件目の調査は「16年前に弟を殺した女、前畑紀子を探してください」と19歳の早見剛から依頼を受けます。当時の紀子は子供二人をほったらかしにして二ヶ月かn放置し、速見の弟を餓死させたのです。速見は前畑の息子で奇跡的に絶望的な空腹の中なんとか生き残ったのでした。現在の紀子は再婚し、新しい家庭で幸せに暮らしています。速見は、15年ぶりに母親に対面し復讐を果たします。

こうして犯罪被害者の沿革を紹介しながら、後半では佐伯自身の自分の姉の仇3人を調査します。成功しているラーメン店の経営者、田所健一はそのうちの1人です。田所を尾行し行動を観察しもうひとりの犯人寺田正志にもたどりつきます。どうやら成功した田所を寺田がゆすっている様相です。ここに至って田所は寺田を刺し殺す事になります。
 さて仇の最後の一人・榎木和也は末期がんで余命が短いことを突き止めその病院の清掃員として近付きます。死の淵にいた榎木は死を受け入れて死ぬ事をなんとも思っていない様子でそす。佐伯は「こんな死に方では楽すぎる」と思い榎木の魂を殺す方法を画策します。真の悪党が顔を現す瞬間です。やがて物語は彼自身の復讐へ……果たして結末に待ち受けているのは希望か絶望か!?

 殺人罪を犯し犯人が服役しても、愛するものを失った被害者遺族は安らぎを得ることが出来ないことは、薬丸の他の作品でも語られている彼のテーマのようです。この重いテーマを一気に読ませる薬丸の筆致には唸らされます。
 しかも本書は読後感がいい。内容の暗さに鬱々として読み続けた読者に希望を与える好著です。
悪党 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 悪党 (角川文庫)より
4041004713
No.51
(5pt)

高校生だった姉は陵辱され殺された。犯人は未成年だったため人生を謳歌している。姉の仇を追う復讐譚。

佐伯修一は元警官です。レイプ未遂事件の現場にかけつけた時に犯人に銃を向けた事で懲戒免職になり、今は探偵事務所で働いています。佐伯は15年前、3人の男に姉を性的暴行で殺された被害者遺族なのでした。
 前半は探偵として犯罪加害者の今を追跡調査します。佐伯自身もまた犯罪被害者遺族であり、この仕事には大いに力が入るわけです。

 薬丸はデヴュー作「天使のナイフ」で少年犯罪について、続く「闇の底」では幼児性愛者の犯罪について、更に「虚無」で心神喪失者の犯罪について続々と重いテーマに正面から取り組んでいます。いずれも「贖罪とは何か」と「被害者の怨念は晴らせるのか」という問題を赤裸々に描く名作という、力がある作家さんで塩味はファンなんです。本作もこの流れを踏襲しています。

 一件目の調査は息子を暴行死させた犯人・坂上洋一が何をしているのか調べて欲しいとの老夫婦からの依頼です。契約どおり2年前に出所した坂上の現状を報告する佐伯に「坂上を赦すのか?赦すべきでないのか?その判断が出来る材料が欲しい」と追加依頼をします。坂上は出所後オレオレ詐欺をしており、佐伯は被害者遺族であり赦せる材料など見付けられるわけがありません。「私なら絶対に赦せません」と告げたことがきっかけで、坂上洋一は依頼者にナイフで刺され半身不随になります。

 2件目の調査は「16年前に弟を殺した女、前畑紀子を探してください」と19歳の早見剛から依頼を受けます。当時の紀子は子供二人をほったらかしにして二ヶ月かn放置し、速見の弟を餓死させたのです。速見は前畑の息子で奇跡的に絶望的な空腹の中なんとか生き残ったのでした。現在の紀子は再婚し、新しい家庭で幸せに暮らしています。速見は、15年ぶりに母親に対面し復讐を果たします。

こうして犯罪被害者の沿革を紹介しながら、後半では佐伯自身の自分の姉の仇3人を調査します。成功しているラーメン店の経営者、田所健一はそのうちの1人です。田所を尾行し行動を観察しもうひとりの犯人寺田正志にもたどりつきます。どうやら成功した田所を寺田がゆすっている様相です。ここに至って田所は寺田を刺し殺す事になります。
 さて仇の最後の一人・榎木和也は末期がんで余命が短いことを突き止めその病院の清掃員として近付きます。死の淵にいた榎木は死を受け入れて死ぬ事をなんとも思っていない様子でそす。佐伯は「こんな死に方では楽すぎる」と思い榎木の魂を殺す方法を画策します。真の悪党が顔を現す瞬間です。やがて物語は彼自身の復讐へ……果たして結末に待ち受けているのは希望か絶望か!?

 殺人罪を犯し犯人が服役しても、愛するものを失った被害者遺族は安らぎを得ることが出来ないことは、薬丸の他の作品でも語られている彼のテーマのようです。この重いテーマを一気に読ませる薬丸の筆致には唸らされます。
 しかも本書は読後感がいい。内容の暗さに鬱々として読み続けた読者に希望を与える好著です。
悪党 Amazon書評・レビュー: 悪党より
4048739743
No.50
(5pt)

心理描写よりも!

心理描写がどうこう言うより
心理行動を上手く書けている。
これは面白い!

ただの短編かなーと思ったが
そう来たか!と。

読み心地の良い作品でした。
悪党 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 悪党 (角川文庫)より
4041004713

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