いもうと
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
評判
いもうとの評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 C ランク
いもうとの総合評価:
7.73/10点 レビュー 15件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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いやそんなことはないだろう。確かにファンタジー仕立てではあったけれど、実加はいつも厳しい現実と向き合い、そして傷ついた弱い人たちのために必死で何かをしようとしていたのではないか。
11年たってもそれは変わらない。いや、その「変わらなかった」ことを作者は書きたかった。大人になって、「大人の事情」も山ほど出てきて、実加自身もつらいことをいくつも乗り越え、そして乗り越えたと思った矢先に仕事の面でも私生活の面でも大波をかぶることになる。
でも現実の人生って、そういうものだよね。大抵どこかのタイミングでとても大きな責任が予告なくのしかかり、さらに絶妙なタイミングで身近で大きな変化がおきて、右往左往するものなんだよね。
実加の場合は真剣に困っている人たちを「放っておけない。」 いつも自分のことは後回しにして自分の感情にもお休みしてもらって他人のピンチを何とかしようとしてしまう。実はそれは千津子だってちゃんと見抜いていた。本人は裏方の人生だって独り言ちていたけれど、実加の手助けによって気づく人もいる。前に進める人もいる。仕事だってうまくいくのだ。もちろん救いきれない人だっているけれど、でもそこで完全にくじけてしまわないところが実加のいいところ。
30年かかって、11年時計の針が進んだ。その理由はとてもよくわかる気がする。だってグズでノロマな実加のことだ(笑)、現実の3倍くらい時間が必要だったのだ。でもそれがゆえに、とても実加らしい実加を読んだ気がする。批判はもちろんあるだろうけれど。
巻末の中江有里の、彼女にしか書けない「祝辞」といってもいいかもしれない、は必読。面白いのは、前作「ふたり」が実にたくさんの実加たちを現実に育てたという事実。作者はそれを誇りに思っていいのではないか。天国の監督もね。