夏に祈りを ただし、無音に限り
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霊の記憶を見ることができるという、特殊な能力を持った探偵・天野春近のシリーズ第2弾。今度の舞台は保育園。男子中学生・羽澄楓の家で、通いの家政婦をしている小池すみれが、友人で保育園の園長を務める里中の相談にのってほしいという依頼を受けて保育園に出向く。天野は探偵業だけでは食べていけないので、前作で祖父の遺産を受け継いで広い屋敷で一人暮らしをする楓の家庭教師をしていた。小池には、家庭教師の日にしばしば夕食をごちそうになっているので断れなかった。 延長の里中の相談は、園児の一人、松岡悠樹のあざが多いので虐待の可能性があるのではないか、というものだった。そこで春近と楓は、ボランティアという形で保育園に入り込み、悠樹の様子を観察することにした。数日後、保育園児たちのお散歩のとき、春近は男子幼児の幽霊を見る。彼は散歩の列の誰かを指さしているらしいのだが、春近には声は聞こえない。そこが「ただし、無音に限り」となる所以だ。そして、連続して同じ保育園の4歳児が転落死する。あの幼児の霊が何かを示しているのではないか、と考えた春近と楓は調査に乗り出す。と、同時に悠樹の虐待疑惑も調べる。姿は見えても音が聞こえないというもどかしさ。そのため死んでしまう幼児を救えないという悲劇。重いものが心に残る。 | ||||
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このある意味、難しいテーマを無理なく気持ちよく読ませる筆者の力量と登場人物の魅力。ずっと続いて欲しいシリーズです。 | ||||
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織守ミステリーの期待を裏切らない爽やかな若い主役たちの映画の脚本のように会話を重ねて進むスピーディーな展開。残虐なシーン、サイコパスなどと無縁の自分の街の普通の人たちが繰り広げるストーリーの中に霊も時々姿を見せて謎解きのヒントを与える。4歳児の痛ましい事故・事件死を扱って最後は思いもかけない謎解きが用意されている。事件の背景もちょっと考えさせるものある。すなわち、先進国共通の少子核家族化の下、都心の狭い上に決して楽ではないローンが付いて回るマンション暮らし、共働きが常態化する中に置かれた子供たち(小説では明示されてません)。仲間は保育園友達、週末に親とゆっくり過ごせる以外は保育士や保育園友達と過ごす時間ばかりが長い。こんな子供たちの寂しさが事件につながるが、どんよりした空の下に展開する英国などのミステリーと違い、外に出れば公園で遊ぶ子供たちの歓声が聞こえてきそうに思える小説全体の明るさが悲しさを和らげる。よって、加害者、犠牲者合わせ子供たちの為、事件を知らぬが如く今日も晴れた夏空に祈りを! | ||||
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「霊感」や「霊現象」を交え探偵が主人公のストーリー,大変興味深く読み一気に読み進められました。 ネタバレとなってしまうので,詳細は避けますが,いくつもの小さな状況やセリフが伏線として張られ,子を思う親,親を思う子の心情を描きながら,その伏線が回収されていく流れはお見事の一言です。 AIやデータ等が重視される現代社会でも経験を重ねた人間の「カン」というのは,侮れない一つの指標だと思います。 今後の展開として,楓君が進学し生意気な霊感高校生達の新入生となる,探偵として「記憶を消す能力を持った怪人」探しの依頼を受ける等のクロスオーバー作品も期待しています。 作中の子ども達が元気に無邪気に遊ぶ,当たり前の情景かも知れませんがそれが出来ない環境が存在する国も残念ながら存在します。 「公園を見れば,その国がわかる」という言葉を聞いたことがありますが,子ども達が安心して公園で遊べる環境,時代が世界に訪れることを切に願います。 | ||||
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