(短編集)
手招く美女 怪奇小説集
- 怪異 (278)
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訳者は岩波文庫からも本を出してるベテランなんですが、訳文が生硬で意味の分からないところがちょくちょくありました。たとえば、 「借家人があるかもしれないという可能性は、「貸家」の立札を読めるように修繕することを保証しなかったらしく、事実、そうなってはいなかった」(12頁)とか、 「彼女のからくりは少し見え透いていて、その感傷的な湿っぽさは分析出来る過程の結果だったし、彼女の裏側には、死すべき人間の性(さが)を象徴するおぼろな形が隠れているようだった」(33頁)とか、 「彼は実用上、恐怖だけでなく喜びも絶対なものという範疇に入れても良いと思っていて、彼が犯すであろう最後の裏切りは、一人の人間ではなく万人の魂の安寧を襲うような、折り合いと制限の破壊だった」(58頁)とかですね。 理解できないのは自分のアタマが悪いせいかなあとも思ったんですが、他の部分は割とわかるので、推敲の手抜きじゃないかなあと感じました。〆切が厳しかったんでしょうか。 さらにもっと失望したのは解説で、分量だけは無駄に多いんですけど、どっからか写してきたような作者紹介と、教科書的なホラー文学史の講義がまずあって、肝心の作品解説は「邪悪な霊の誘いに屈していく孤独な魂を狂おしく描き出してみせ」とか、「……魔物の猛威が、圧倒的な迫力で描かれている」とか、「息苦しくなるほどの緊張感」とか、大仰で紋切り型の評価ばかりで、これははっきりいって解説者の人選ミスですね。こういう繊細な小説はもっと繊細な文章で繊細な鑑賞ができる人材がいると思うんですがねえ。 あとこれ内容とは関係ないんですが、表紙カバーの英文タイトルの書き方にもひっかかります。一単語が二行にまたがるときはシラブルの切れ目で切るのがルールです。beckoningはbeck・on・ingなんで、beckoで切っちゃおかしいですよ。「弁慶がな/ぎなたを持って」に似た感じになっちゃいます。「それがどうした、ここは日本だ」と言われたらおしまいなんですが。 以上まとめると、企画はいいんだけど全体的にツメが甘いのが気になりました。「マニア垂涎の名作なんでとにかく出しゃいいんだ」ってわけでもないでしょう。 | ||||
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