月蝕島の魔物
- アンデルセン (6)
- ヴィクトリア朝怪奇冒険譚三部作 (3)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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最近では老境に入ったこともあり、それまでずっと棚上げされてきたシリーズの完結に勤しんでいる田中氏だが、本書はその前に書かれた19世紀のヨーロッパを舞台にした、実在の人物を登場させた冒険活劇が描かれていたが、本書もそのうちの1つ。作者あとがきによればこの後『髑髏城の花嫁』、『水晶宮の死神』と続き、全部で三部作となるようだ。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります 若い頃に体験した奇妙な出来事を,老いた五十年後にまとめたという体の物語で, 当時やその後の世相や文化,科学技術の話をうまく話に盛り込んだ語りが興味深く, 史実にフィクションを織り交ぜていく怪奇冒険譚に,最後まで引っ張られていきます. また,ちょっと頼りなく映る語り部(実は…)と,聡明な姪っ子とのコンビをはじめ, 実在した文豪に敵たちなど,キャラクタも魅力的で,その配置もわかりやすい印象です. 反面,タイトルにある魔物や,きっかけとなる冒頭の騒動は,期待ほどは膨らまず, ある程度の見解は出されましたし,想像の余地を残した畳み方も悪くはないのですが, やや物足りなさが残るのも否めず,対決や決着も含めて,もう一押しがほしかったです. | ||||
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本筋は言うまでもなく、主人公の人物設定やイギリスの近代化夜明けに時期がうまく描写されています。ディケンズ、アンデルセン、グラッドストーン、ディズレイリなどその時代の著名人を出すことにより世相などが表現され面白かった。 | ||||
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最近の田中さんの書籍の中では、抜群の面白さを誇ってます。 19世紀のイギリスが舞台で、口語調で、それでいて変に砕けてもいないです。 お涼や創竜伝のように自分の不満をグダグダと書き綴っていないので、読んでるこっちも肩の力を抜いて読めます。 田中さんもそろそろ現代物に見切りをつけて、こういった中世物をドンドンと書いていって欲しいものです。 | ||||
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ビクトリア朝時代を舞台にした怪奇冒険譚。 著者の「ラインの虜囚」辺りが好きなら、まず買いだろう。 さすが、ベテラン作家! アンデルセンやディケンズといった歴史上の人物を 独特の解釈で描きつつ、エンターテイメント性高く 全体としてよくまとまった良作。 特に、ヒロインがミューザー良書倶楽部で 働くことになる下りが、好きだった。 本が非常に高価なもので、信用できる貸本屋で 借りて読むのが一般的であった時代。 蔵書数150万冊、ヨーロッパ最大の高級会員制貸本屋である ミューザー良書倶楽部に初めて足を踏み入れたときのこと。 「すごいすごい、見わたすかぎり全部本よ!」 目をかがやかせて、書棚の前をいったりきたりする。 つづく社長とのやりとりで、彼女は言う。 「本がなかったら生きていけません」 非常に個人的な感想かもしれないが 社会人となって時間に追われ、自分は読書の楽しみを 忘れることもしばしばだった。 しかし、この本の中で出会ったヒロインは 少年時代の自分そのもの。 胸が熱くなって、ふいに泣きたくなった。 本書はミステリーYA!というシリーズ名にあるように 理論社がヤングアダルト向けに出している。 活字離れの進む若い世代にとって、本の楽しみを知る きっかけになってくれることを祈る。 | ||||
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全体的に、内容としては充実していると思います。 よくよくお調べになって、「一般の日本人は、こう思っているだろうけど、史実は、こうなんですよ」と、田中芳樹流、必殺の金科玉条を拝読することも出来ました。 大変、勉強になりました。 しかし、冒頭からの伏線通り、しっかり最後に魔物が登場いたしますが、この構成配分は、タイトルが「月蝕島の魔物」というわりには、魔物を巡る割合は、相当、あっさりしており、文章の問題というよりは、ハリウッドの映像作家(ジョージ・ルーカスとかです)が脚本を書いた時の、およそ、映像では何10分も費やすであろう戦闘、アクション・シーンを、たった一行「凄まじい戦い」「地獄のような光景」で、済ませてしまうにも似た、奇妙な感覚を味わってしまいました。 この作品に、魔物‥‥‥いりますかね? 要は、様々な人間模様の中で、ディケンズが言うところの「人は自分の裡に棲む魔物を飼いならさなくちゃならん」という言葉に、物語的にも、テーマ的にも集約して、あの魔物は、まあ、添え物のようなもの、と、考えれば‥‥‥まあ、納得は出来ます。おっしゃりたいことも判る、つもり、です。 全体評価として、良作とは思いますが、物語の中で、重要な役割りを占める、ミューザー良書倶楽部に置けるかどうかは、いささか検討の余地ありと愚考します。それは、タイトルの「煽り」と「内容」に著しい乖離が見受けられるからです。企画として、しょうがなかったのかも知れませんが、読みごたえがあるわりに、中途半端な印象が残ります。構成と配分に問題があるのではないでしょうか。 アンデルセン曰く「ぼくは生きています。埋めないで」。 アンデルセンのように泣きわめくほど、落ち込むことはないと思いますので、時折りは、くだらないと思われても、書評は、読まれた方がよいと、個人的に愚考します。 | ||||
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